2017年度徒然

2016年度徒然


2015年度徒然

2014年度徒然

2013年度徒然

(2012年度徒然【2007年度4/13から】)


2012.12.28(金)【事後開示義務と清算結了】(金子登志雄)

 お歳暮のお礼状………申し訳ありません。過去、現在、全くに近いほど出して
おりません。金子という男はそういう男だと思ってお付き合いくださいますよう、
お願いします。なぜか、昔から、大の苦手です。きっと、お心「ず」けとか、お
気「ず」かいという誤字をするのが怖いのかもしれませんね。現代仮名「ず」か
いなど知りませんので………。

 さて、とうとう、本年最後の徒然になりました。終わりに相応しく、清算結了
の話題にいたしましょう。

 清算結了は全ての義務を終了しないとできませんが、某所より、「吸収分割会
社は吸収分割後6か月の間、事後開示をしなければならないから、その間は吸収
分割会社は清算の結了ができないのか」と聞かれました。

 「できないわけがない」とは答えたものの、その理由をどう説明してよいのか、
ずっと考えていましたが、やっと、それなりの理由を考えつきました。

 清算人の仕事は、@現務の結了、A債権の取立て及び債務の弁済、B残余財産
の分配の3つです。

 事後開示は条文からもお分かりのとおり、株主や債権者等に情報を開示し、必
要な場合には吸収分割無効の訴えを起こさせるためです。

 ところが、上記の清算人の職務のAで、債権者も労働債権者も新株予約権者も
不在になりますし、Bで株主も株主権を主張することことができなくなります。

 要するに、目的を達成し事後開示を継続する意味がなくなります。これで、6
か月未満でも、現務の結了になると私は考えましたが、いかがでしょうか。

 振り返って、本徒然では、会社法のネタがないときは時事問題などを話題にい
たしましたが、一貫して、私の「ものの見方、考え方、捉え方」がテーマでした。

 日本の教育程度は世界1だと思いますが、あまりに知識(書籍に書いてあるこ
と)や外部からもたらされる情報に対して、無防備で、主体的に自分の頭で考え
る人が少なすぎると私は思っています。弁護士や司法書士でも、権威の見解を無
批判に振りかざす人が少なくありません。

 ここでは、明年も、相も変わらず、学者の見解や大マスコミのいい加減な情報
にかみついていこうと思っておりますので、本徒然をよろしくお願いいたします。

 よいお年を。


2012.12.27(木)【たかがお礼状、されどお礼状】(富田太郎)

 先日の連休中、ずっと「お歳暮のお礼状」を書いていました。この「お礼状」
簡単のようで、実は難しいのです。

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 三木 卓(みき・たく。詩人、小説家)曰く、
 礼状にはパーソナルな要素が入らなければいけません。その人と自分との間
にしかないようなつながりが、どこかで出ることが大事だと思います。
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 う〜ん。難しい。
 サラリーマン時代は、もっぱらお歳暮を贈る立場だったので、お礼状をよく
貰いましたが、ありきたりの文章しか書いていないので、ほとんど読まなかっ
た記憶があります(すいません!)。

 売れないといえども、私も「物書き」の端くれです。私のお礼状は、「絶対
に読んでもらいたい(きっぱり)!」

 ということで、内容は単なるお礼にとどまらず、「富田事務所始末記」と題
し、事務所であった面白い話などを書き、「封筒、便せん」も「桜や竹の絵柄
の入った和紙」を使っています。

 これは意外に好評で、中には「面白かった♪また、読みたい♪」と言って、
わざわざ、ご連絡をしてきてくれる方もいます。

 たかがお礼状、されどお礼状。
 皆さんは、お礼状、どうされていますか??

‐追伸:こぼれ話「誤字?礼状悲話」‐

 今は昔、麻生太郎という首相がおりました。麻生氏は、バレンタインのお返
しに、女性番記者たちに、直筆でお礼状を書きました。

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 その麻生氏の手紙に「御心ずかい」という一文があったのですが、マスコミ
曰く、『「×ずかい」ではなく「〇づか(遣)い」が正解である!』(注)と、
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 マスコミは、麻生氏の礼状の拡大写真を掲載し、無知を指摘していました。

 批判のために、面白おかしく礼状を晒す………(汗) 礼状をも、攻撃の材料
に使うマスコミのしたたかさに、驚愕した覚えがあります………(ハイエナみ
たいですね)。

 お礼状の誤字には気を付けましょう!

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(注)なお、有識者によると、これはマスコミの認識・勉強不足で、昭和20
年に示された内閣告示(第33号)で、現代仮名遣いでは「づ」ではなく、
「ず」を用いると定められた。しかし、その後の昭和61年に「遣い」の表記
は「づかい」に変更された。
 つまり、麻生元首相の世代は「ずかい」で習った世代になる。以上から、
「麻生氏は漢字を知らない」と言えないことになる。
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 本年はお世話になりました。よいお年を。


2012.12.26(水)【校正疲れ】(金子登志雄)

 3連休中は来年1月出版の『ずばり解説』の校正をしていました。最終段階の
3校目です。市販本であれば通常は2校でやめますが、協同組合本は丁寧に3校
までいたします。

 3度もチェックしたら、誤字脱字のミスはないだろうというのはとんでもない
話で、何度チェックしようが見落としはあるものです。市販本の初版に更正漏れ
が多いのは、無理からぬことです。

 原稿に書いた「就任承諾を証する書面」を条文どおりに「就任の承諾を証する
書面」に訂正しようとしましたら、条文は「就任を承諾したことを証する書面」
でした。これでは字数の増加に伴い行数が増えてしまい、隣のページまで越境し
てしまうため、直すのをやめた、などという作業を繰り返していたわけです。

 ちなみに、退任の場合の条文は「退任したことを証する書面」ではなく「退任
を証する書面」です。就任承諾と統一がとれていません。執筆作業の余禄は、こ
ういうことに気がつくことでしょうか。

 また、私の場合は「です。」や「ます。」の「す。」だけが次の行に来て1行
をとるのも、もったいないと思い、どこかを削って行数調整をすることが少なく
ありません。これは、結構、頭を使うので好きな作業です。

 それよりも、校正するたびに、よくもまぁ、こんなに書いたものだとあきれて
(感心して?)しまいます。書いているときは、一歩一歩山に登っているため、
そう気にならないのですが、校正の段階に至ると、短時間に急坂に登っているか
のように疲れます。

 また同じ山に登るのかという思いが疲れを増すのか、それとも、書く作業は料
理を作るのと同じく創造的作業であるのに、校正は後片付けみたいなものだから
でしょうか。

 こういう経験を何度かしていますと、雑誌の原稿程度(数ページもの)は、少
しも苦痛に感じません。月報司法書士12月号の「特集 株式会社の会計」でも、
学者先生などの間に混じって、「貸借対照表上の資本金の額の変更」について6
頁弱を書いていますので、ぜひご覧ください。


2012.12.25(火)【選挙を終えて】(島根・根来川弘充)

 12月16日、衆議院議員選挙が終わりました。結果は、自民党の圧勝でしたが、投
票率が低かったという点は、今回の選挙の大きな特徴だったと思います。

 私の住む島根県での投票率は、今回約66パーセントでした。全国的に見れば高い方
ですが、戦後最低なのだそうです。

 この投票率が低い原因の一つとして、若い人の投票離れが良く指摘されます。テレビ
報道では、「未来の日本を支えるのは若い人だから、積極的に参加してほしい」と呼び
かけも数多く聞きました。

 ところで、今年9月に厚生労働省は、認知症にかかっている患者数を、300万人と
発表しました。日本の人口の約3パーセント弱になりますが、有権者の割合でいけば、
もっと高くなります。今後、この数字は、ますます高くなることが予想されます。

 少子高齢化社会を迎えるということは、高齢者の一票の責任は、ますます重くなると
いうことなのだろうと思います。

 そう思うと、「未来の日本を支えるのは若い人」と言い切ることは、現実を正しくと
らえているものなのか、大きな疑問を感じます。


2012.12.21(金)【就任日登記】(金子登志雄)

 商業登記簿には、取締役の登記は、次のようになっています。

 ―――――――――――――――――――――――――――――
 | 取締役 金子登志雄  | 平成24年12月1日就任 |
 |            |----------------------------|
 |            | 平成24年12月3日登記 |
 ―――――――――――――――――――――――――――――

 取締役には任期があるので、その就任日も登記する必要があるわけですが、設立の
時には、これが記載されません。言い換えれば、就任日登記の部分が白紙ということ
は、設立時の役員だということになります。

 特例有限会社が株式会社に移行する場合も、形式上は、株式会社の設立登記の形式
を採用するため、われわれは、「年月日就任、年月日登記」部分を白紙で申請します。
しかし、そうすると、任期計算に支障が生じますので、登記官が職権で、この「年月
日就任」部分を埋めます。

 株式会社が解散すると、清算人の登記がなされますが、やはり「年月日就任、年月
日登記」の部分は白紙にします。別の部分の解散の登記の年月日で、この就任日が分
かりますし、そもそも清算人には任期がないので、就任日を記載する必要性もありま
せん。また、それ以前に「清算株式会社」のスタート(設立)だからでしょう。

 では、この清算株式会社が会社継続で普通の株式会社になるときは、取締役の就任
年月日は登記されるでしょうか。

 以上の流れからすると、会社継続の日が別の部分で分かるから登記不要、あるいは
登記官が職権で記入すると答えたいところですが、申請人が就任年月日まで申請しま
す。

 何か、統一性を欠くように思いますが、会社継続は事業会社の再設立ではなく、旧
事業会社の復活(清算の取消)と立法者は考えたのかもしれません。


2012.12.20(木)【特殊な無対価合併】(金子登志雄)

 下記のような甲乙兄弟会社があります。


    A(70%)B(30%)
        /\
       /  \
      甲    乙

 この場合も無対価合併が可能です。株式を発行しても発行と同時に株式を併合
して、もとの株数にすれば、無対価と同じ結果になるからです。

 しかし、適格合併にはなりません。法人税法施行令でいう「【一の者】が被合
併法人及び合併法人の【発行済株式等の全部】を保有する関係」にないためです。

 解釈で適格合併にしてもよいと思うのですが、AとBの二人では「一の者」と
いえないとされてしまうようです。

 「一の者」………これ、「イチのもの」と読むのでしょうか。そうであれば、
国語辞典によると、「第一人者」(最も優れた者)という意味です。

 A・Bは〇〇分野の第一人者だから、適格税制の適用があると主張したら、認
められるかもしれませんね。税務の素人である司法書士なら、そのくらい主張し
なければ………。

(参考:田中良紹さんも、他の評論家と同様に、一人で非民主的に解散を決めた
野田氏にだいぶお怒りでした。しかし、船橋市民は野田氏を圧勝させました。)

  http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2012/12/ 



2012.12.19(水)【暇つぶしの選挙分析】(金子登志雄)

 会社法解釈も社会事象の分析も私にとっては、「ものの本質を探る」訓練の1つ
ですから、今回は、暇に任せて、第3極の「維新」は、なぜ大阪であれだけ強いの
かを探ってみました。

 下記で大阪1区から順にみますと、公明党が立候補しているところには維新も自
民も立候補せず(全国共通です)、維新が立候補しているところには公明党が立候
補していません。この選挙協力があったから、維新は堅い学会票の一部にも支えら
れて、浮動票を上乗せしたのでしょう。今回の自公、維新の大勝利は、投票率が悪
かったことも味方し、個人後援会を含め固い組織票が効果的に機能したわけです。

 http://www3.nhk.or.jp/senkyo/

 続いて、この視点で、他の選挙区で民主と「未来」の票が伸びない理由を探って
みましたところ、両者ともリベラル勢力が支持基盤でありながら、2つに分断され
たことが分かります。不人気の民主も労組票に支えられて、それなりの得票でした
が、労組票を失った未来の得票は下位に位置していました。

 これでは、勝てるわけがありません。100m競争で、自公・維新は30mから
スタートしたのに、民主・未来はスタートラインの50m後ろからスタートしたよ
うなもので、ハンデが違いすぎます。

 反対派を追い出す純化路線を採用した野田戦略が裏目に出たのか、自民党野田派
といわれるくらいですから、最初から予定の行動だったのかは、まだ不明です。

 昔の自民党は党内にさまざまな意見をもつ方がおり、ある意味、国民政党でした。
反対派を追い出すどころか、金権政治のイメージがついた田中首相の後は、クリー
ンイメージの三木首相にし、党が国民から見捨てられないように上手に動きました。
社会党も、右から左まで網羅していました。

 2大政党制の米国でも、共和党と民主党はさまざまな考え方をもった人の集団で
す。せっかく日本でも2大政党制がはじまるはずだったのに、その芽が潰れたこと
は日本の歴史にとって不幸なことだと私は思いますが、10年後、20年後の歴史
はどう評価するのでしょうか。


2012.12.18(火)【忘年会】(金子登志雄)

 昨日は出版関係の方と忘年会でした。

 会場である居酒屋の席では、あちこちで「昨日の選挙は………」という話をして
いるのが耳に入りました。

 話の内容までは分かりませんでしたが、選挙結果に意外感をもった方が多いよう
です。ご自身や周囲の感覚と相違し、自公が勝ち過ぎたせいでしょう。小選挙区制
のなせる業です。

 さて、まだ早いですが、皆様にとって今年はどんな年でしたか。

 私のところに電話をくださる司法書士と雑談する範囲内では、皆さん、だいぶ仕
事が減ったという話です。不況のため顧客が業績悪化に陥ったり、不動産登記でも
昔は「担保抹消、所有権移転、担保設定」と一連の仕事だったのに、いまは所有権
移転のみの仕事が増えたとか。

 私の場合は、前々から仕事が多くないので、仕事が減ったという感覚はありませ
んが、会社法専門司法書士としては、いまが、一番、脂が乗っている年代のためか、
数は少なくても、いくつか、よい仕事に恵まれました。

 ただ、会社法大好き人間ですから、複雑な仕事を受けると嬉々として深夜まで仕
事をしてしまい、すぐに終わってしまうのです。ある方の言ですが、下りのエスカ
レーターを駆け上がるごとく集中的に仕事をします。その結果、もっともっと楽し
みを味わいたいのに、1日で終わってしまうのです。あとは退屈です。

 この点、執筆活動は、楽しめる時間が長続きします。2か月間はずっとその仕事
に集中できます。

 「ずばり解説!株式と機関」も2か月で仕上げました。もんもんと何か書くネタ
はないかと考えるのも、そのときは大変でしたが、終わってみると楽しいものです。
現在、第2回目の校正中であり、1月下旬には予定どおり出版されますので、いま
しばらくお待ちください。お申し込みは、上記TOPICSのとおりです。


2012.12.17(月)【選挙結果】(金子登志雄)

 終わりましたね。当選した方には「おめでとうございます」、落選した方には「残念で
した」と申し上げておきましょう。

 事前の私の勝手な予想は、民主は4分の1の惨敗で70、維新は3倍の30、未来は新
人が多いため半減の30、みんなは倍増の15、その他は不明(想定せず)というもので
したが、数字上は、まぁまぁ合格点をとれましたが、個別の想定理由から考えると、実際
は、大外れも同様でした。

1.投票率戦後最低
  こんな大事な選挙に投票率が戦後最低のようです。天気がよかったので浮動票の出足
 は悪いとは思っていましたが、これほどまでとは思いませんでした。いまの政治に危機
 感を感じている国民が少ないのでしょうか。

2.反原発・反消費税が全く争点にならない
  私の大外れの原因はこれにあります。マスコミが石原・橋下氏の見解の相違などを面
 白おかしく取り上げるばかりで、原発問題や消費税問題を取り上げなくなったことが、
 逆に国民の反感を買っており未来が伸びると見込んでいましたが、結果は、被災地の福
 島県でも自民の圧勝でした。大飯原発のある福井県も同様です。
  原発推進、消費税賛成が国民の意思と思われても仕方ないでしょう。

3.民主惨敗
  参議員の輿石さんが「集団自殺の解散」といったようですが、私も無理心中株式の全
 部取得条項付種類株式を思い出してしまいました。

  消費税の3党合意が種類株式民主に全部取得条項を設定する議決でした。小沢グルー
 プは反対し買取請求権を行使し離党しましたが、残った民主株主は野田総理による無理
 心中(解散という全部取得の実行)に進んでしまいました。

  あおりを食らって、衆議院議長の横路さん、前首相の菅さん、大物の仙谷さんまで落
 選してしまいました(比例復活の有無は執筆時点では不明)。

  このあたりは半分は予想されていたことですが、最も責任の重い野田総理の断トツの
 圧勝には驚きました。同じく民主党惨敗の責任がある前原、玄葉氏など執行部の松下政
 経塾出身者も逆風の中でも圧勝でした。このあたりの事情は、私の理解をはるかに超え
 るので、何ともいえません。

4.維新善戦
  マスコミの風が後半、維新に若干冷たくなったので、思ったほど伸びない、特に、関
 西地域以外は泡沫候補も同じとみていましたが、大阪を固めて、他の地域でも、大善戦
 でした。マスコミに好意的に扱われたとはいえ、新人が多いというハンデを考えると、
 すごいです。同じく新人の多い未来と比較すれば、大活躍といえます。

 金曜日には、「私の関心は、マスコミが作った風潮どおりの結果になるのかどうかが中
心です」と書きましたが、そのとおりになりました。チュニジアやエジプトの例から日本
でも少しはネットの力が発揮されるかと思っていましたが、全国隅々まで新聞やテレビが
普及しているマスコミ先進国の日本では、前者の圧倒的力だけを思い知らされる結果とな
りました。結果からみると、維新の石原・橋下氏の内輪もめも、マスコミへの登場回数が
多くなったという意味で、マイナスには働かなかったようです。


2012.12.14(金)【視点】(金子登志雄)

 昨日の自分の投稿を再読しながら、やはり、知識よりも知恵(ものの見方、考
え方、捉え方)のほうが重要だと再認識してします。

 会社法の講演でも、会社法の思考方法を話すことがあります。

 1.会社法は発行価額ではなく払込価額で、商法とは逆の方向から構成されて
  いる。
 2.会社法はデジタル思考である。準備金の資本組入れも、準備金の減少と資
  本金の増加の2つだ。
 3.これから合併するのではなく、効力発生日から過去を振り返って、総会決
  議は済んだか、公告は済んだかと、商法とは逆の方向から構成されている。

 皆様も、ぜひ、さまざまな視点からみる習慣をつけてください。想像力だけで
すから、お金は一切かかりません。

 例えば、次のような裏側から視点も、たまにはいかがですか。

 1.忠臣蔵………真夜中に徒党を組み、無関係な人にも残虐なことをした集団
 2.水戸黄門……最後には権威をかさにして威張り出すおじいちゃん
 3.桃太郎………異国に攻め入り、財産を奪った乱暴者
 4.牛若丸………京の五条の橋の上で弁慶おじさんに遊んでもらった幼児
 5.金太郎………動物しか遊び相手のいない孤独な子供

 また、石原さんや安倍さんが中国で生まれて中国に住む中国人だったら、きっ
と今頃「国防だ。日本に核を落とせ」などと叫んでいるだろうな、とか考えてみ
ることも必要でしょう。

 さて、いよいよ明後日は、今後の日本の行く末を決める非常に重要な選挙です
ね。3極の維新、みんな、未来が組めば、既成勢力対改革勢力の激突として面白
い選挙になったでしょうが、維新が石原さんと組み、前者の補完勢力であること
が明らかになり、激突はなくなってしまいました。

 私の関心は、マスコミが作った風潮どおりの結果になるのかどうかが中心です。
いずれにしろ、自立した人間として、自分で考えて投票いたしましょう。

(土日にどうぞ:裏視点(?)ブログで面白いですよ)
 http://latache1992.blog56.fc2.com/



2012.12.13(木)【第4の権力の信頼度】(金子登志雄)

 立法、行政、司法の3権に対して、マスコミのことを第4権ということがあり
ます。それだけ、影響力があるということです。

 ある掲示板に「マスコミに国民を誘導する力はあるのか」というご意見がのっ
ていましたが、これは、難しい質問です。

 40年前に読んだ政治学の教科書には、比喩でいうと「マスコミには右を向い
ている人をもっと右に向かせる力はあるが、左を向いている人を右に向かせる力
はない」とありました。

 しかし、世論の「風潮」を作るという力が絶大であることは、小泉フィーバー
や最近の維新フィーバー、あるいは過去のロッキード事件、リクルート事件、最
近の陸山会事件でも明らかです。

 前にご紹介しましたが、検察用語で「風を吹かす」という言葉があります。マ
スコミを利用して狙った獲物に極悪人のイメージをつけ、「正義の味方の検察」
を演じ、世論をあおることです。これも、マスコミには、そういう力があること
を前提としています。

 問題は、一般の方があおられていることを意識しないことが日本の最大の問題
点ではないでしょうか。日本人の7割はマスコミ情報を信じます(権力と戦って
きた歴史をもつイギリスの庶民は14%程度に過ぎないようです。後記「資料」
参照)。

 日本人の教育程度は高いのに、異常な数字ですが、権力者の一画である水戸黄
門や大岡越前、遠山の金さん、暴れん坊将軍というテレビ番組をこよなく愛する
日本人らしい数字ではあります。

 もっとも、最近は、ネット情報が力をつけてきて、メディアに影響されない人
も増えてきました。下記の意見に対する賛否はともかく、こういう視点でメディ
情報を捉えられる人は少ないと思いご紹介する次第です。

 http://www.janjanblog.com/archives/86715

(「資料」)
 http://eritokyo.jp/independent/aoyama-democ14060...html


2012.12.12(水)【地震国なのに】(金子登志雄)

 立花さん、いつも投稿感謝です。先日の地震は、揺れている時間が長かったの
で、東京でも大変でした。周囲では、あわてて、立ち上がり、書棚などを押さえ
る人が絶えませんでした。

 私は、雷が多く自然が暴れ出すことに慣れている群馬県出身のためか、「なる
ようになれ」で居直って、ずっと椅子に座ったまま様子をみていましたが、こう
いう時に真っ先に思ってしまうのは、やはり「福島原発は大丈夫か」です。これ
は、福島の風下に位置する関東人みな共通の感覚でしょう。当社には、茨城県に
支店がありますから、なおさら脅威を感じてしまいます。

 ここ数年、地球の中が活発に活動し始めていることは明白であり、火山の噴火
や地震が多発していますが、それより怖いのが原発による2次災害です。

 いま、選挙で、脱原発か、原発推進かを問われていますが、世界の潮流は、間
違いなく前者です。にもかかわらず、前者に対しては「現実的ではない、ポピュ
リズムだ」などという論が日本では強いようです。そんなことをいうなら、ドイ
ツ人はみな非現実的なポピュリズムということになってしまいます。

 国をあげて原発を忌避するドイツでは、そんなに地震が多いのかと調べてみれ
ば、下記のとおりです。

 http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4380.html

 表で最も地震の少ない国がドイツです。日本は4番目に多い国ですから、ドイ
ツの数倍も反原発になってもおかしくないのに、現実は、オメデタイ状況です。
選挙の争点も、TPPや反中国、反北朝鮮問題に誘導され、肝心の反原発、反消
費税の争点隠しが行われているとしか私には思えません。

 こうしている今も、フクシマでは放射能が垂れ流されており、他国にも迷惑を
かけているのに、こんな忘れやすくオメデタイことでよいのでしょうか。



2012.12.11(火)【渋滞】(仙台・立花宏)

 先日の夕刻、三陸沖を震源とした大きな地震がありました。身体を突き上げられ
るような揺れは、あの東日本大震災を思い起こさせるものでした。

 東日本大震災の経験があるから、少し大きな地震があっても落ち着いて行動でき
るだろうと自分では思っていました。しかし、その過信はもろくも崩れ去りました。

 地震が起きたとき、事務所でパソコンに向かい、キーボードをたたいていました。
不気味な地響きと揺れに身がすくみ、立ち上がることもできません。

 さいわい、東日本大震災ほどの揺れではありませんでしたし、停電にもなりませ
んでした。しかし、なにか不安な気持ちでいっぱいです。揺れがおさまるとすぐに
ラジオをつけ、地震の情報を聞きました。

 事務所の中は特に被害はありませんでしたので、仕事を続けようと思えば続けら
れる状況でした。しかし、気持ちが落ち着かず、仕事が手につきません。しばらく
は、ラジオから流れる地震のニュースに耳を傾けて、情報を収集することしかでき
ませんでした。

 ところで、地震当時、車で沿岸部に出かけていた同僚の話をあとで聞いたところ、
地震直後から、幹線道路は大変な渋滞となっていたようです。

 また、知人から聞いた話では、ガソリンスタンドに行列ができていたそうです。
きっと、東日本大震災の時のことを思い出したのに違いありません。迅速な避難は
大切です。また、東日本大震災後、しばらくはガソリンの入手に苦労したのも事実
です。

 しかし、災害時の避難の際は、混乱をさけるために徒歩が原則です。車での避難
は年配の方や障害のある方が優先で、それ以外の方は車での避難は避けるべきだと
思います。

 また、ガソリン給油も緊急車両等が優先でしょう。

 幹線道路の渋滞やガソリンスタンドでの行列の話を聞いたとき、あまりよい気持
ちはしませんでした。

 誰しも、災害の際は不安な気持ちになります。でも、冷静な行動を心がけるべき
じゃないだろうか、と、非難めいた感情が湧いてきました。

 しかし、そのとき、はっとしました。自分はどうだったろうか、と。
 地震直後、家族の安否を確認しようと、すぐに電話をかけていたはずです。すで
に電話はつながりにくい状況で、なかなか家族と連絡がとれませんでした。電話が
つながらないため、一度ならず、二度、三度と家族の電話番号に発信した記憶があ
ります。

 そんな行動を思いだし、恥ずかしくなりました。

 ひとつひとつは小さな行動でも、それが積み重なれば、全体に大きな影響を与え
ます。不安な気持ちの中でも、自分本位な行動は慎まなければ・・・。
そんな反省をさせられた出来事となりました。


2012.12.10(月)【議員選任権付国民権】(金子登志雄)

 寒くなったのに、ただいま熱い選挙中ですが、知識よりも「モノの見方、考え方、捉
え方」を重視する会社法大好き人間の私は、さまざまなことを会社法に絡めて思考する
ことがあります。

 種類株式で取締役選任権付株式というものがあり、「甲種株式は2人選任することが
できる、乙種は1名選任することができる」などと定めますが、現在の小選挙区制はま
さしく、この種類株式だと思いませんか。東京1区株式は衆議院議員1人を選ぶことが
できる、東京2区は1人を選ぶことができる………というわけですから。

 ここで皆さんの中には、同じ1人を選ぶなら、同一内容の同種株式ではないかと疑問
を持つ方もおられるでしょう。

 しかし、この選任権は2次的内容であり、既に甲種、乙種と異種類の株式があること
を前提に、そこに選任権を付加するのを基本としています。したがって、東京1区の選
挙民、東京2区の選挙民という第1次的種別があるので、同じく1人しか選べなくても、
異種類の権利になります。

 報道によると自民党が圧勝ということのようですが、脱原発8割、反消費税6割とい
う世論の傾向と自民党の圧勝がどうも私には結び付きません。きっと、政策よりも、党
や人のイメージなんでしょう。

 また、実質は多くの方が述べているように自民の圧勝ではなく、民主の惨敗が正しい
のでしょう。自民が圧勝したとしても安倍新政権には、「憲法改正、国防軍、原発推進、
消費税アップが支持された」とは決して思い込まないよう願いたいものです。

 もっとも、依然として支持政党なしが最大の勢力ですから、結果は全く予想つきませ
ん。今年の風はどう吹くことやら………。

 皆さん、アナーキストでない限り、必ず選挙に行きましょう。行けば、数年後に、や
はりオレの選択は間違っていなかった、あるいは、何という愚かな選択をしてしまった
のかと反省できます。選挙に行かないと、数年後にこの感覚を味わえず、いつまでも無
責任な外野の評論家(誰だって同じだよ)で終わってしまいます。

(父を超えてみせる!:いやー、驚きました。その意気込みに拍手です)

 http://www.youtube.com/watch?v=-OzRhIOAfyU


2012.12.07(金)【話術】(金子登志雄)

 丸田さん、投稿ありがとうございました。『法科村塾』は年30回ですか。実質、毎週
のようにあるわけですね。その準備も大変でしょう。恐れ入りました。

 話術といえば、5日は東京司法書士協同組合で忘年会があり、お誘いを受け、参加して
きましたが、余興として組合員のご友人である講談師による「講談」がありました。

 抑揚をつけた話しぶりに引き込まれました。ポイントで、例の扇子で、「バチ!」と絶
妙の効果音でした。

 思わず、次の私の講演には、扇子を持ち込もうかなと思いましたが、会社法の講義では
ストーリーが作れません。丸田さんのように歴史に詳しいわけでもないので、歴史話で、
受講生の気を引くこともできません。

 政治家の演説では、かつての中曽根首相が抜群に上手でしたが、最近では野田首相では
ないでしょうか。有名なシロアリ演説、どじょう演説などがありました。

 話術のへたな私は、別の面で特徴を出すため、受講生の方から新しい視点や知識が3つ
以上得られたといわれることを重視しています。これは著作でも同じであり、最初の法律
本の書き出しに「これは役立つ、と思えた部分が3つもあれば、実務書としては成功だと
思っています。本書は、あなたにとって、いくつ役立つ内容があるでしょうか。きっと、
10個以上あったといってもらえるとの確信のもとに、本書を世に問います」と書いたと
おりです。

 あれ、今日は金曜日ですね。たまには(?)、会社法の話題にしなければなりません。
先日、某受験予備校の先生から、次の質問を受けました。

 「譲渡制限設定決議→新株発行→譲渡制限の効力発生」の場合に、新株主の利益保護の
ため、譲渡制限設定の登記申請が受理されないとされているが(昭和51・3・18民四
2157)、どう思うか。

 皆様はどう思われますか。新株の発行ではなく、新株予約権の行使や取得請求権の行使
の場合は買取請求や種類株主総会という保護がありますが、新株の場合にはないので、先
例の気持ちは分かりますが、一旦有効に決議したものが、のちの決議(ましてや、取締役
会決議)で効力を否定するのは行き過ぎではないでしょうか。新株主に対する損害賠償等
の問題にすべきであって、登記拒否の問題にすべきではないでしょう。

(小沢流川上作戦:土日にどうぞ)
 愛媛県上浮穴郡久万高原町……読めますか。「かみうけなぐん・くまこうげんちょう」
と読むのだそうです。人口1万人もいない小さな町ですが、小沢氏が選んだ最初の演説場
所として、ネットで一気に有名になりました。少しも眠くならない演説でした。

 http://twitcasting.tv/loveholic629/movie/7582921


2012.12.06(木)【私の眠くならない講演】(福岡・丸田幸一)

 金子ファンの皆さん、始めまして。福岡の丸田です。富田先生の「眠くなる講演を
するコツ」に触発され、初めて投稿させていただきます。

 私は、講義をするのが大好きで、毎月手弁当でやっている市民公開無料法律セミナ
ー『法科村塾』を始め司法書士会内外で、年間30回前後講義をしています。司法書
士歴19年なので、延べ数百回の講義をやってきたように思います。

『法科村塾』のご案内は、こちらです。

http://shi.shigyo.info/maruta/?m=pd&did=286&PHPSESSID=045165d2eb45646aa6fbae410c641515

 やはり多いのは、「裁判業務」に関する講義が多いのですが、実務経験談をふんだ
んに、「歴史タイム」と「笑い」を織り込むのが定番です。

 黒革の司法書士手帳には、長年「ギャグ」を書き貯めていて講義の5分前には、必
ずこの手帳でその日のネタを確認しています。

 というわけで、先生方のように高尚な法律の理論は喋れませんが、受講者を眠らせ
ない自信はあります。

 ちなみに、自分が受講している時は、金子先生の講義以外は、ほとんど寝ています。
研修単位の8割は、睡眠中にとっているかも知れません。

 ところで、担当中の福岡県司法書士会の総務部長もあと半年となりました。いよい
よ、私が崇拝する金子先生に追いつき追い越すべく、来年から死に物狂いで「会社法」
「商業登記法」そしてその実務に邁進していきたいと考えています。

 10年後を目標に金子先生に追いつきたいと思っています。それが、長年、私の商
業登記実務を支えて下さった金子先生への恩返しだと思っています。

 これまでも、あらゆる商業登記実務を一生懸命やってきましたが、実務先行という
現状は否めません。今後、理論もバリバリ押さえていきます。来年以降、時々、会社
法ネタを投稿したいと思います。

 レベルが低いかもしれませんが、皆さん、宜しくお願い申し上げます。


2012.12.05(水)【眠くなる講演その2】
(金子登志雄)

 富田さん、勘違いですよ。先日の講演がうまく行ったとしたら、受講者が実務家
ばかりだったからで、義務で出席している新人研修であったら、こうはなりません。

 私の講演は、「ものの見方、考え方、切り口」が中心なので、実務家の方は、自
分の知識や切り口と比較して、「なるほど、そういう方向から攻めればよいのか」
と感動してくれますが、新人には比較対象がないので、「ふ〜ん」で終わってしま
うことでしょう。

 これでは話す気も失せてしまいますので、新人研修や素人相手は、可能な限り、
お断りさせてもらっています。講師が私である必要もありません。

 外部の経営セミナーなどでは、最後に感想のアンケートをとるのですが、私が講
師の場合は、「非常によかった」と「全然分からなかった」の真っ二つ分かれ、中
間の「ふつう」がありません。

 これに対して、司法書士鈴木龍介さんの講演は、「非常によかった」「よかった」
ばかりです。一緒に講演したくないほど、全員に好評なんです。鈴木さんが話し上
手の点は横に置くと、基礎から丁寧に話しているからです。これぞ、本物です。

 私は受講生は基礎が分かっていると思ってしゃべってしまう傾向があり、この丁
寧さという点で講師失格ですから、結果的に、講演先も基礎の分かっている実務家
研修ばかりになってしまいます。

 四国や名古屋で講演した時、「年に何度くらい講演するのか」と聞かれ、「5、
6回」と答えたところ意外に少ないと思われてしまいましたが、その理由は、上記
です。

 富田さんも、プロレスファンや時計オタクを対象に講演すれば、拍手喝采ですよ。
お互い、性にあわないことはしないことですね。引き続き、新人研修はお断りしま
しょう。


2012.12.04(火)【眠くなる講演をするコツ】(富田太郎)

 私、富田も先日の金子先生の講義(「最近の商業登記問題と改正要綱」)を受講
致しました。

 感想は、
・「同業者である司法書士に、よくここまで惜しげもなく秘伝?を教えるなぁ〜。」
・「具体例が多く、聞き手は目を輝かせて聞いており、また、講演術(話し方、テ
 ンポ)が素晴らしい。」
ということでした。

 ところで、自称「金子門下」一番弟子の私にも、ごく、ごく、稀に講演の依頼が
来ることがあります。しかし、すべてお断りしています(きっぱり)。
 理由は………忙しい?? いいえ、聞き手を眠らせてしまうからです。

 実は過去3回ほど、講演・発表を行ったことがあります。
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★(1回目)東京司法書士会「判例研究の発表」
 はじめての講演であったためか、緊張のあまり支離滅裂………。

 あの辛口の金子先生に「徐々に慣れていけばよいから………」と慰められた記憶
があります。
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★(2回目)東京司法書士会 新人研修の講師
 テーマは「ストックオプション」。
 得意分野だったため、レジュメはP150ほど作り♪、適格税制の話までしたも
のの、マニアックな論点をたくさん話しすぎて、気がつけば、受講生の半分を爆睡
させてしまいました………(汗)。

 金子先生曰く「前よりはよかったけど、人には向き不向きがある。富田さんは執
筆の方で頑張ればよい」と慰められた記憶があります………(涙)
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★(3回目)住宅新報社の講演
 テーマは「司法書士の職務内容」。
 しかし、受けを狙っているうちに、途中からテーマと関係のない「私は、なぜ司
法書士になったか」という内容に変わってしまう始末。おまけに時間配分を誤り、
司法書士を目指す前のサラリーマン時代の話で終わりました………(恥)。
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 要は、私の場合
 @ 論点を盛り込みすぎ、「テーマが不明確」かつ「一つの論点が長い」。
 A 具体例が少なく、観念的な話が多い。 
 B 興奮すると、ヒトラーのように独善的に話し、聞き手の反応を無視する。
という点が、爆睡させる原因のような気がします。

 そんなある日、『講演のプロという方々』の雑誌の特集を読みました。
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★駄目な講演とは
 @ 主張が明快でない(テーマを盛り込みすぎ&結論が不明確)。
 A 具体例が少ない。
 B 聴衆を見ていない。
-------------------------------------------------------------------------
 この3つだそうです………。
 なんと!………すべて私に当てはまっています………(汗)

 なるほど〜、聞き手は爆睡するはずです………。
私は、どうやら「眠くなる講演をするコツ」を熟知しているようです………(恥)。

 どうりで、1回講演すると、2度と同じところから依頼が来ないわけですね…
……(涙)。


2012.12.03(月)【男対女の闘い】(金子登志雄)

 今度の衆院選挙は完全に、「勇ましい男」対「女」の選挙になりました。

 男組は、憲法改正・国防軍を唱える安倍自民党、反中国で核武装論者の石原維
新で、女組は、国民の命や足下の生活こそ最優先課題だと、反原発・反消費税・
反TPPを唱える嘉田(かだ)未來の党です。それだけでなく、国家の品格まで
主張するとは、品性に欠けた発言の多い男組側に対する痛烈な皮肉を感じました。

        http://nippon-mirai.jp/

 言い換えれば、極右路線と中道路線の闘いでしょうか。外交問題優先派と内政
問題優先派の闘いでもあります。

 選挙の仕方も男組は、応援団のマスコミを利用しての空中戦を得意としていま
すが、女組は、ひたすら辻立ちで訴えるどぶ板です。司法書士の姫井女史も、新
天地の千葉で、ボランティアに支えられて頑張っているようです。人手不足で、
悲鳴をあげているようですけど。

        http://ameblo.jp/yumiko-himei/

 利権維持のマスコミは、ずっと男組を支援してきたため、当初は、民主・自民
対維新の男組内の闘いのように報じて、第3党である小沢新党や本来の選挙の争
点である反原発・反消費税から国民の目をそらしてきましたが、国民生活最優先
の側が嘉田未來の党に大同団結したため、やっと本来の争点が浮かび上がってき
ました。弱者の味方の亀井さんも活躍の場ができて喜んでいることでしょう。鳩
山さんも未來の党にご執心のようです。

 女組の大同団結は男組にとっては相当ショックだったようで、男らしくもなく
急に主張を変えてみたり、ちょこっと表に顔を出した小沢叩きに必死ですが、や
はり原発被害で故郷に戻れない人々や子供への放射能被害を恐れるお母さん方、
就職もできない若者であふれている時代に、憲法改正や核武装でもないでしょう。

 男と女の間に位置する民主党と公明党も困りました。幹部連中は男組の連立与
党に入りたいようですが、民主党の支持母体である連合(労組)や、創価学会の
婦人部が、極右路線を受け入れるか疑問です。「民主がっかり、自民こりごり」
(鈴木宗男氏の言らしい)の無党派層や労組票のかなりの部分が未来の党に流れ
るのではないでしょうか。野田さんのように、比例重複立候補で保険をかける幹
部も出てくる始末です。

 今後の日本の行く末を決める天下分け目の関ヶ原はもうすぐです。

(石原さんの橋下評ですが、実に面白い)  
   http://tanakaryusaku.jp/2012/12/0005727 


2012.11.30(金)【自己株対価なのに資本金計上?】(金子登志雄)

 醍醐さん、27日はお世話になりました。また、過分のご講評を賜り、恐縮で
す。

 千代田支部セミナーは、上場会社を顧客に持つような司法書士も集まるので、
私も話しやすいです。受講者の反応がよいというのでしょうか。結構、高度な話
をしたのに、眠っている人もいませんでした。

 最後に受けた質問も高度な内容でした。

 「合併等の対価として自己株式のみを利用したのに、なぜ資本金を増加するこ
とができるか。自己株式処分差益は、その他資本剰余金への計上ではないのか」

 こういう質問は、企業法務の最前線にいる人しか出せません。

 計算規則35条2項や37条2項をご確認ください。自己株式対価オンリーで
も資本金を計上することができます。

 これは、組織再編で株主資本を再設計する場面だからです。自己株式処分差益
とは言わずに、株主資本等変動額の配分の問題になります。理屈をつければ、い
ったん、その他資本剰余金に計上し、同時に、それを資本組入れしたと考えれば
よいでしょう。

 新株式のみを対価にした場合も、資本金に計上しなくて済む理由は、いったん、
資本金に計上し、同時に、債権者保護手続をしているので、資本金の額を減少し
たと考えれば、ご納得いただけると思います。債権者保護手続をしない株式交換
では、その他資本剰余金に計上することができません。


2012.11.29(木)【千代田支部セミナー☆大盛況】(醍醐 香)

 みなさん、こんにちは。2年ぶりの登場です。

 さて、現在、私は東京司法書士会千代田支部で、セミナー担当をしていますが、一昨
日の27日は、地元の日本教育会館に於いて金子先生に講義していただきました。

 相変わらず、金子先生のセミナーは受講者の出足も良く、300名定員の会議室は受
講生で埋め尽くされ、大変盛況でした。

 本欄を閲覧なさっている方の中には、実際にご参加いただいた方も多いかと存じます
が、「最近の商業登記問題と改正要綱」をテーマにQ&A形式、豆知識なども交えて大
変充実した素晴らしいご講義で、3時間があっという間に感じられました。

 セミナー終了後のアンケートの感想では、

「いつもながら具体的事例に沿って説明して戴けたので大変勉強になった。」
「レアなケースの話が聞けて考え方の引き出しが増えた。」
「目からウロコが落ちる内容(特に講義内容の「会社法及び商業登記の論点」)ばかり
だった。」

 など大変好評をいただきました。

 先生は、「毎年の講師では、ネタ切れ」とご冗談をおっしゃっていましたが、今から
既に次回のご講義が楽しみです!! 次のテーマは何でしょうか!!!


2012.11.28(水)【総選挙を控えて】(島根・根来川弘充)

 今月16日衆議院が解散されました。

 時期については、「突然」「予想通り」と、評価が分かれたように思います。

 そして、与党である民主党が分裂し、また新党も前回の総選挙からは増え、小
規模な政党が乱立する様子です。

 どの政党も政策で結束していくこと自体は歓迎なのですが、いずれも単独で過
半数をとる見込みがないことには、不安を覚えます。なぜなら、各政党の主張で、
共有しやすい主張でまとまりやすいのではないかと思うからです。

 おそらくは、経済問題、国際問題、財政問題という大きな問題では、すでにそ
れぞれが対立しているのですから、これらの問題に対する主張で多数の党が、ま
とまっていくことは難しいでしょう。

 とすると、それ以外の主張で、何か共有できることがあれば、それでまとまっ
ていく危険があるのではないかと思うのです。

 この主張として、一つあげたいのが、「憲法改正」の問題です。これについて
は、積極的な発言をする党首が多いように思われます。

 国家の根幹にふれる問題であるだけに、国民全体を巻き込んだ、慎重かつ充分
な議論が必要だと思います。

 しかし、各政党がこの主張で、まとまっていくことがあれば、軽率に改正され
るのではないかと、とても不安に思うのです。

 数年後振り返ってみて、「憲法改正解散」などと、評価されないことを祈り、
投票したいと思います。


2012.11.27(火)【講師初体験】(仙台・立花宏)

 先日、地元司法書士会の研修会で、講師という役割をはじめて体験いたしました。本当
は私の勤務している事務所の所長に依頼があったようです。しかし、依頼を受けた所長が、自分ではなく立花にやらせる、と講師役を譲ってくださったのです。

 依頼内容は、医療法人やNPO法人などの法人登記手続について、というものでした。
法人登記は、株式会社を中心とした商業登記よりも絶対的な件数が少なく、司法書士でも
精通している方は少ないように思います。特に若手の司法書士には苦手意識をもっている
方も多いように感じます。自称若手の私も、けっして得意とはしていません。今回は、そ
の法人登記を苦手としている若手を対象とした研修ということでした。

 「所長はどうして、私に講師役を譲ってくださったのだろう。」

 経験の少ない私がはたしてどこまでできるのか、と不安を抱えながら、2ヶ月ほど前か
ら準備を進めました。準備を始めると、案の定、どうしてこのような手続をするのか、な
ぜ、そのように考えるのか、など、自分の中で十分に理解できていないところがたくさん
出てきました。

 自分が理解できていないことを、他人が理解できるように伝えることはできるはずがあ
りません。講義用の資料を作成しながら、わからないところがでてきたり、疑問に思った
ことがあったりすると、そのたびにいろいろな資料にあたって調べる、という作業を繰り
返しました。

 そうして、ようやく資料が完成したところで、説明の練習をしました。説明の練習をは
じめてみると、思ったほどうまく説明できない、わかりやすく説明できないということに
気づきました。もちろん、説明の仕方がうまくないということもあるでしょう。しかし、
一番の理由は、説明したい内容を十分に理解しきれていないということでした。わかった
つもりになっていても、実はわかっていなかったのです。

 他人に説明するには、本当に理解していることが必要です。今回の講師を引き受けたこ
とで、自分がいかに法人登記を理解していなかったかを実感することになりました。きっ
と、所長は、私にそのことを理解させたかったのに違いありません。

 これからは、なにかを理解できたか、を判断する基準として、そのことを他人にわかり
やすく説明できるか、ということを意識したいと思いました。

 ところで、地元司法書士会の次回の研修会は1月です。内容は会社法、講師は“超大物
と聞いています。きっと、すばらしい講義を聴くことができると思います。たくさんのこ
とを吸収できるよう、気合をいれて研修に臨みたいと思います。



2012.11.26(月)【敵を見誤るな】(金子登志雄)

 3連休はいかがお過ごしでしたでしょうか。私はいつもどおり、PCとにらめっこでし
た。この歳になっても、休みの日にやることがあるとは、ありがたいことです。

 さて、反論を許さない民主党に粛清され、不出馬に追い込まれた鳩山元首相の不出馬の
挨拶です。

  http://www.hatoyama.gr.jp/activity/detail.php?id=144

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 私が愛した民主党の同志たちには、どうか、結党の理念を思い、弱き者、小さき者の声
に耳を傾ける政治をしていただきたい。
 見えない放射能におびえる、若い母親たちの気持ちに、心を寄せる政治をしてもらいた
い。それは、理屈や数字だけの事柄ではないのです。
 経済や金融をもてあそび、ここでも勇ましい発言を続け、先祖返りをしようとしている
人びとや、目先の人気取りで離合集散を繰り返す人びとと、きちんと闘って下さい。
 敵を見誤らないように。
 敵を見誤らないために、繰り返します、常に、弱者の声に耳を傾ける政治を心がけて下
さい。
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 いろいろ批判もありましたが、鳩山氏は戦後初めてアメリカの言いなりにならないよう
に動いた勇気のある首相でした。辺野古なんて地名も知らなかった沖縄問題を全国に知ら
しめた人でした。弱者の味方でした。一時は沖縄から猛反発を受けましたが、いまでは沖
縄県民から絶大な人気があります。

 アメリカに従属した日本の政治をほんの少しアジア重視に切り替えようとした民族独立
派だったために、同じ方向の小沢氏とともに、アメリカ一辺倒の検察やマスコミから猛烈
なバッシングの集中砲火を浴び、無念の首相退陣を余儀なくされました。いまでも思い出
します。毎週のように恣意的な世論調査が行われ、「ほれ、世論はあなたを支持してませ
んよ」と突きつけ、鳩山氏を追い詰めました。徐々に庶民も鳩山氏よりも世論を誘導した
マスコミにまんまと乗せられてしまいました(これはいまでもいえます)。

 それを目の当たりにした管氏や野田氏は、アメリカや財務省、マスコミに逆らわないの
が政権延命の方法だと学び、結党の理念を捨てました。うそつき民主党の始まりです。政
治が大きく混乱し、中国をシナと呼び、核武装まで主張する勇ましい発言をする前都知事
や、反官僚といいながら実質は末端の公務員いじめをして拍手喝さいを浴びる攻撃型市長
が庶民の人気を得るようになりました。

 鳩山氏の「敵を見誤るな」は、われわれ自身にも向けられた言葉でしょう。言い換えれ
ば、「真実を見抜け」ということだと私は理解しました。偏向した大新聞とテレビでしか
情報を得ていない多くの方々には、鳩山氏の真意が読み取れたでしょうか。


2012.11.22(木)【踏み絵その2】(金子登志雄)

 まず、これを見てください。やや古く、昨年10月現在ですが「TPP交渉参加に反対
する請願に賛同した民主党国会議員」の氏名一覧です。

  http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111025-OYT1T01057.htm

 続いて、昨日発表された民主党の第1次公認候補を下記から開いてください。

 http://www.dpj.or.jp/article/101624/%E8%A1%86%E9%99%A2%E7%B7%8F%E9%81%B8%E6%8C%99%E3%81%AE%E7%AC%AC%EF%BC%91%E6%AC%A1%E5%85%AC%E8%AA%8D%EF%BC%92%EF%BC%93%EF%BC%97%E4%BA%BA%E3%82%92%E7%99%BA%E8%A1%A8   
 
 茫然自失の思いでした。

 私の住所地(選挙区)から出る民主党のS議員は、反TPPの論客だったのです。野田
民主党が「反TPPの者は公認しない」と明言したため、S議員はどうするのかと思って
調べたわけですが、第1次公認候補者として名前を連ねているところをみると、節操を曲
げて「踏み絵」を踏んだのでしょう。

 公認候補をみると、元社会党、元鳩山派、元小沢グループなど、消費税やTPPに反対
してきたはずの面々がずら〜り………。

 みてはいけないものをみてしまったような気分です。権力というのは、こんなにも恐ろ
しい力を持っているのでしょうか。野田さんも、つい1年前までは少数派閥のトップだっ
ただけなのに、いったん総理になると、こうも力を持つのでしょうか。

 S議員をはじめ、実際のところは「面従腹背」に過ぎないのでしょうが、政治家たる者
が日和見しては選挙民から信頼されません。仮に私がTPP賛成派でも、こういう節操の
ない人には投票したくありません。

 こういうのをみると、鳩山氏が節操を曲げなかったのは、私が思っている以上に、勇気
のあることだったのかもしれません。節操だけでは生きていけないという風潮がはびこり
そうですね。いやな社会になりました。


2012.11.21(水)【踏み絵】(金子登志雄)

 野田民主党は、党内に反対の多いTPPに賛成しない人は公認しないと明言しました。
消費税に賛成しない者も同様です。これらの発言からしても、野田戦略は、よく言えば
松下政経塾出身者らによる民主党の右寄り純化路線であり、悪く言えば、潤沢な民主党
資金(政党交付金)の独り占めでしょう。

 彼は選挙での敗北を覚悟し、これを逆手に取り、なかなか民主党を離党しない鳩山氏
らも追い出し、数が減ればたんまりある民主党の資金を自分と志を同じくする議員に配
れるし、選挙後に50名程度の少人数になっても、分母が少なくなった分、負け比率が
減少する、選挙後に自民党と公明党と連立政権(別名、翼賛体制)を組み、再び与党に
なろうという戦略を描いているのでしょう。起死回生の自分達だけの生き残り戦略です。

 解散も、幹事長を含め民主党幹部の大多数が反対しているのに、たった1人で決めて
しまいました。その剛腕ぶりは、剛腕小沢をはるかに超える非民主的独裁ともいうべき
ものです。財務省や大マスコミの後ろ盾があるからだとの専らの噂ですが、世論を無視
し、人に恨まれることを恐れない点では、歴代首相になかった部分であることは間違い
ないようです。

 これで石原さんや橋下さんのように大衆を巻き込むアジテーターの能力があったら、
ヒットラーになっていたでしょうから、太ったヒットラーはあり得ないし、一見、紳士
であって、よかったというべきでしょうか。

 ここまで徹底すると、権力亡者という面では、ご立派というか、すごい人です。逆に、
哀れなのが、民主党の創業者の鳩山氏です。大人の世界ですから、乗っ取られたとは言
いませんが、完全に破壊されてしまいました。そろそろ逆襲して意地をみせないと、ご
本人自身の選挙にも影響すると思うのですが、いつ動くのでしょうか。このままでは公
認なしの無所属立候補でしょう・・・と、昨日書いたのですが、今朝のニュースによる
と、立候補断念とか。踏み絵を踏まずに信念を通したのは立派ですが、一矢報いる逆襲
くらいはみせてほしかった。


2012.11.20(火)【話題の女性議員】(金子登志雄)

 小沢氏の無罪が確定しましたが、今日の新聞で、どの程度の大きさで取り上げるか、ぜ
ひ注目してください。というのは、東京新聞を除く大新聞は、国民の目を石原・橋下連合
にそらして、できるだけ小沢氏及び国民の生活が第1のことを報道しないようにしている
というのがネットの論調だからです。民主、自民に次ぐ第3位の政党で、公明党よりも議
員数が多いのにもかかわらずです。

 さて、飛行機に乗ると、時々、有名人に会います。今回の高松行きでは、岡山の民主党
の指導者で管前首相の後見人である江田五月議員が1人で乗っていました。元裁判官だけ
あって、品のよい紳士という雰囲気でした。

 この人と折り合いが悪かったのが、わが司法書士界からの唯一の国会議員である姫井由
美子議員ですが、男女問題のスキャンダルから、やんちゃ姫のイメージが強かったのに、
先日の有楽町駅前での演説が力強く、ネットで実に評判がいいのです。

(姫井議員演説)
  http://youtubu.tv/watch?v=2JzJw12LSB8

 「皆さん、どう思いますか」「そう思いませんか。皆さん」と、念を押すように力強い
演説をなさるのですね。報道から受けるイメージとの相違に驚いてしまうと同時に、つい
聞き惚れてしまいました。

 参議院から鞍替えして今度の衆議院選挙に出ることは知っていましたが、てっきり岡山
から出るのだとばかり思っておりましたら、まだ選挙区は決まっていないようです。あの
しゃべりは、無党派層向き(都会向き)だなと思いました。

 わが母校(高校)のある群馬県の高崎では、石田博英さんの孫である三宅雪子議員のツ
イッターが評判で、私も注目していましたが、何と野田首相の対抗馬として千葉県の船橋
から選挙に出ることになったようです。大変な勇気ですね。これでマスコミは生活党のこ
とを取り上げざるを得なくなりました。

(三宅議員ツイッター)
  https://jp.twitter.com/miyake_yukiko35

 三宅議員は2度目の首相への対抗馬ですが(前回は福田首相)、姫井さんといい三宅さ
んといい、国民の生活が第1には、女性軍が育っているようです。引き続き注目していき
たいと思っています。「そう思いませんか。皆さん」。

(民主党に残った女性議員は、哀れにも、こんな役割をしています)
  http://www.youtube.com/watch?v=cnXKudas5cQ&feature=youtu.be


2012.11.19(月)【高松訪問】(金子登志雄)

 土曜日は、香川県高松市に行ってまいりました。司法書士会四国ブロックでの会社法
の講演でした(ご担当の松本先生ほか皆様お世話になりました)。せっかく呼んでいた
だいたので、サービス精神が働き、盛り沢山のレジュメにしたため、全部を話しきれな
かったのが心残りです。

 翌日は、以前訪問して松の美しさに見とれた栗林(りつりん)公園を再度訪問し、か
ねてから疑問だった「松で有名なのに、なぜ栗(くり)の栗林公園というのか」を入り
口にいた案内人のおじさんに聞いてみました。「その質問はよく受けるんですよ。昔は、
栗林で鷹狩りの場所で、栗林荘というものがあった」とのことでした。

 時間があったので、そこから電車に乗り、金刀比羅さんに行ってみました。長い石段
で有名なため、想像するだけで疲れてしまい、運動(疲れること)大嫌いな私としては
敬遠していたのですが、香川県を3度も訪問し、1度も訪れないのでは、バチアタリと
思い直し、行ってまいりました。

 急坂の長い石段だとばかり思っていましたが、実際は、下記のとおり、なだらかな坂
の石段で、10段くらい上ると、おどり場になり、意外に上りやすかったのですが、長
い、長い、………少しもゴールに達しませんでした。

 http://www.kuraryoko.com/kagawakoto.html

 90キロの体重で重いパソコンを背負っていましたから、100キロ以上を支えて長
距離を歩くには、私の足はひ弱すぎます。ましてや栗林公園を1時間もかけて歩いてき
た後です。よほど途中で戻ろうかと思いましたが、5歳くらいの子供から、赤ちゃんを
抱いたお母さん、私より年配の方が頑張って上がって行くのに、大の男の私が悲鳴をあ
げるわけには行きません。何とか休み休み頑張りました。

 非常に疲れました。よって金刀比羅さんのことは一生忘れません。会社法の講演でも
徹底的に聴衆を疲れさせたら、一生忘れないで勉強になるのかなと思いましたが、これ
は無理ですね。



2012.11.16(金)【効力発生日の前日問題】(金子登志雄)

 民主党から離党が相次いでいますが、離党して自民党に行く人までいますので、その
節操のなさにはあきれてしまいます。しかし、それもこれも我々国民が選んだ人です。
天に唾を吐いても仕方ありません。筋を通した政治家は誰か、約束を守れる政治家は誰
かと、今度の選挙の参考にするしかありませんね。

 さて、合併等の組織再編では、効力発生日の前日までに株主総会の承認を得よと規定
しているのに、資本金の額の減少や株式譲渡制限の設定、株券の廃止などは、そのよう
な規定もなく、効力発生日に株主総会を開催してもかまいません。これはなぜか、と質
問されました。

 私の想像ですが、組織再編では「他社との関係で数字を締める」という発想があった
のだと思います。

 4月1日合併であれば、3月31日24時の財産内容を4月1日0時に承継するため、
31日24時までに全部を終わらせないと困るが、資本金の額の減少や定款変更では、
自社単独の問題であって、財産の移転はありません。決議と同時に効力を生じるのが原
則です。

 解散についても「数字を締める」ことが重要ですが、これは他社との関係ではなく、
言い換えれば「財産の移転」という問題が生じませんから、原則どおりなのでしょう。


2012.11.15(木)【大人気ない言説】(金子登志雄)

 急に解散風が吹いてきました。第3極の準備が整わないうちに解散してしまえ、
年内解散なら小沢新党にも政党交付金が渡らないから、カネの面でも圧倒的有利だ
という計算のようです。

 さて、小沢無罪判決後に記者会見した指定弁護士の大室俊三氏が「検察は小沢捜
査を早々とあきらめていて、本来、取っておくべき捜査資料がなくなっていた」と
敗北の弁を述べたようです。

 すごい言い分ですね。「私は検察が明らかに無罪とあきらめた人を資料がないの
に強制起訴をいたしました」という「犯罪行為」の自白じゃないですか。

 これでも法律家といえるのでしょうか。「ひとえに我々の力不足です」と上手に
ごまかす(?)大人の能力もないのでしょうか。

 野田民主党の大幹部の前原氏が、近々に出版する『政権交代の試練 ポピュリズ
ム政治を超えて』では、あのマニフェストは小沢が主導で作ったもので、自分は当
初から反対だったと述べているようです。

 これもすごい言い分ですね。当時、自分も党の幹部だったことを横に置き、「だ
って、小沢君が悪いんだもの。ボクには責任はありません」といっているわけです。

 子供だましのニセメール事件に引っ掛かり、大恥をかき、民主党を壊滅に追い込
んだのを小沢氏に救われ、大臣にもなれたのに、何たる言い草でしょうか。「口先
番長」といわれるだけあって、発言が軽すぎます。

 昨日書いた安倍自民党総裁の無実と裁判所の無罪は違うという弁といい、公明党
の山口氏の「小沢氏には説明責任が残っている」という弁といい、何か、大人気な
い発言が多すぎます。日本全体が劣化しているのでしょうか。

 出版といえば、こんな本を1市民の方が出すようですよ。この方は確か定年退職
後にネットを覚え、政治のことに関心がなかったのに、小沢問題に疑問を持ち自ら
検察審査会を統括する最高裁事務局まで足を運び、何度も何度も繰り返し質問した
人だと記憶しています。

  http://civilopinions.main.jp/2012/11/1113_1.html
http://civilopinions.main.jp/items/%E6%9C%80%E9%AB%98%E8%A3%81%EF%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A9%E3%82%B7.pdf



2012.11.14(水)【4041対1347】(金子登志雄)

 この比率は何だと思いますか。平成19年の公認会計士試験合格者数と今年の合
格者数です。

 http://www.fsa.go.jp/cpaaob/kouninkaikeishi-shiken/ronbungoukaku_24h.pdf

 一昨日の11月12日に合格発表があったようで、今年の合格者は1347人で、
平成19年の4041人のちょうど3分の1でした。たった5年で、こんな大きな
変化では、生まれた年の運・不運が大きすぎるのではないでしょうか。

 アメリカの圧力で弁護士や会計士を増やした結果がこの始末です。日本にはアメ
リカにはいない税理士や司法書士、行政書士が存在することを全く無視して、会計
士数や弁護士数を比較しても何の意味もないことは当時から指摘されていたのに、
ひどい結果です。「責任者出てこい!」ですね。

 昨日お会いした弁護士資格者の方は「旧司法試験合格者」だと、わざわざ「旧」
をつけていましたから、今後は、公認会計士でも、「公認会計士です。平成19年
合格のバブル会計士ではありません」と自己紹介してくるかもしれませんね。

 しかし、それでも、今年の会計士試験の合格率は7.5%です。合格率3%以下
の司法書士試験受験生からみれば、実にうらやましい数字ですね。



2012.11.13(火)【2審も無罪】(金子登志雄)

 予想通り、小沢氏は2審も無罪でした。小沢氏の政治的影響力をそぐための政治
弾圧でしたから、当然ですね。かろうじて、日本の司法の権威も保たれたというこ
とでしょうか。

 最初の西松建設事件はあっさり検察が白旗を揚げ、偽証の前科のある水谷建設の
怪しい証言を頼りに1億円問題を攻撃材料にしたのですが、これも証拠がなく勝ち
目がなかったので、最後は、検察審査会を裏から操っての謀略裁判でした。

 陸山会は秘書社宅用に9月に農地を購入し仮登記しましたが、その本登記を翌年
にしたため、経理処理も翌年にしたわけですが(会計問題の権威の弥永教授はこれ
が正しいと裁判で証言)、これを検察審査会の補助弁護士(誰が任命したかも疑惑
だらけです)が無理やり汚い金を隠すための操作だとして、やくざの犯罪に使う共
謀共同正犯の論理で小沢氏を被告にした事件でした。私に言わせれば、有罪だとし
ても駐車違反やスピード違反以下のばかばかしい事件内容でした。

 自民党の安倍総裁は「多くの国民は裁判での無罪と無実というのは別だと思って
いると思う」と述べたようですが、何たる人権感覚でしょうか。その後も小沢氏以
上に黒い疑惑が自民党のあの人も民主党のあの人もこの人も報道されたのに、逮捕
のタの字もない有様なのに、実に不公平な対応です。小沢支持者でなくても、検察
や司法、政治家、マスコミの対応は異常だと思った国民が多いのに、安倍氏の感覚
を疑います。

 裁判はこれで終わりだと思いますが、この数年間の政治的空白の責任をとるべき
東京地検特捜部の小沢問題の担当検察官幹部は、さっさと退職金をもらって辞任し
てしまいました。今月も1人辞任しました。

 顔をさらしている政治家とか芸能人は、何かあると本人が責任をとりますが、顔
のみえない公務員は、集団的無責任で誰も責任を取りません。

 政治家は、このアンバランスをもっと問題にすべきですが、次期首相ともいわれ
る安倍氏がこの感覚では、覆面公務員の暴走はやまないことでしょう。



2012.11.12(月)【商魂】(金子登志雄)

 パソコンを買い替えたために、土日はパソコン操作に四苦八苦でした。

 数年前に購入した時は、ウインドウズ7だったか、ビスタだったかが主流の時で
したが、使いやすいXPにバージョンを落として使ってきたため、今度購入したウ
インドウズ8は、全く別世界の製品でした。

 使い慣れたメールの Outlook Express 6 は使えないようですし、パソコンにつ
いても同じ会社の同じ製品にしたのに、旧製品の電源コードが使えませんでした。
前はパソコンの左側から電源を差し込んだのに今度のは右側からでした。机の上の
配置を変えなければなりません。

 これも商魂なんでしょうね。古いものがそのまま使えたら新しいものが売れませ
ん。そこで、わざと大幅改良して、前のものを使えないようにしてしまうのでしょ
う。ひどい話ですが、これも資本の論理の1つです。

 テレビショッピングで有名な「日本直販」が倒産したようですが、これも、木の
枝ばさみなど、壊れない製品を扱っていたため、限界がきたのだとか。

 良心的な商売は長続きしないのでしょうか。どおりで、金子事務所は、10年以
上も司法書士を継続しているのに、いまだに1人事務所なわけです(その代わり、
道の真ん中を歩けます)。

 会社法のバージョンアップである改正要綱も、機能ばかり増やし使いにくい改正
になっています。われわれの世界からいえば、ここをこう改正すれば使いやすくな
るのにといえる部分が大量にありますが、残念ながら民間の司法書士の声は、雲の
上にまで届きません。審議会などにも司法書士の代表はおりません。

 特に受験生が気の毒です。全く使われない機能(特別取締役制度など)のことま
で、試験に出てくるおそれがあるため勉強しなければならないのですから………。


2012.11.09(金)【登記はアートである】(金子登志雄)

 平成6年だったでしょうか。自宅マンションを買い換えました。都市整備公団の
中古マンションです。私は、まだ司法書士になっていません。

 売主はAさん(公団の担保あり)でしたが、担当司法書士が次のような手続をい
たしました。

 @ 1月3日売買契約(所有権は私に移転)。私は新自宅に住所移転。
 A 1月17日一部の現金授受。Aは公団担保抹消。
 B 1月26日に行われた登記の順序は、Aの担保抹消→@の所有権移転の順序
でした。

 法律を知っている私は、この登記に大いに驚きました。1月17日の所有者は私
ですから、担保抹消権者も私であるべきで、Aではないからです。A→@の順序で、
@と同時にAの登記をすれば、Aの抹消権利者がAであるというのは虚偽申請であ
ることがばれてしまうだけでなく、@とAの登記は矛盾してしまうはずだと思った
からです。

 しかし、今はわかります。登記は書面主義であり、申請ごとに書面上の整合性が
とれていればよいのです。上記の@とAは別の登記であり、@をみてAの登記を判
定してはなりません。Aの申請の段階では、「登記簿上」の所有者はAのままです。
この登記で問題ないのです。

 公団の担保抹消という特殊事例かもしれませんが、この登記の芸術を知って大い
に驚き、登記の勉強を始めたわけです。商業登記でも、昔のみずほグループの再編
など芸術としかいえない再編の登記(拙著「数社合併」に所蔵)が沢山あります。

 登記は知識ではなく知恵で行うものです。政治もそうですよね。田中さん。

 http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2012/11/post_322.html#more


2012.11.08(木)【門地とネトウヨ】(金子登志雄)

 日本国憲法14条に「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、
社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されな
い」とあります。門地とは、家柄や出自のことです。

 アメリカで黒人のオバマ氏が再選されたことは、表向きだけだとはいえ、アメリ
カ人の平等感の表明という意味で、実に素晴らしいことですね。

 アメリカという国は、国外では傍若無人にふるまうくせに、国内では、民主的な
ところがあり、それがアメリカ人のダイナミズムを産んでいるようです。

 オバマ氏に負けずに、わが国でも、橋下市長やソフトバンクの孫社長が出自問題
に関するネット上の心ない誹謗にも負けず頑張っています。

 誹謗する方は、中国・朝鮮に対する排外的ナショナリズムの思想を持った方(い
わゆるネトウヨ=ネット右翼)が多いようで、私がよくみる政治問題の掲示板でも、
小泉元首相から小沢氏、橋下氏、創価学会の池田氏など有名人はみな門地は日本人
ではないことにされています。思考停止のレッテル貼りです。

 ヨーロッパでは、元植民地からの移民が多いため、ネトウヨの力が相当強いよう
ですが、人は自分の不幸や貧しさを誰かのせいにしないと生きていけない生き物な
のでしょうか。

 情けないことですが、「誰かのせいにして心のバランスをとる」のは、われわれ
自身にも多かれ少なかれある感情です。これを乗り越えないと、大人とはいえない
でしょう。


2012.11.07(水)【1月1日再編の公告期限】(金子登志雄)

 11月のいま頃になると、1月1日を効力発生日とする合併等の組織再編の話が
舞い込み、日程表を作るのですが、いつも合併公告等は11月29日や30日掲載
で大丈夫なのかと不安になります。

 11月29日に合併公告を掲載しますと、民法142条により、期間の満了日が
12月29日になり、この日が休日扱いだと休日でない日まで満了日が延びるとさ
れています。

 民法142条は、「期間の末日が日曜日、国民の祝日に関する法律に規定する休
日【その他の休日】に当たるときは、その日に取引をしない慣習がある場合に限り、
期間は、その翌日に満了する」という内容ですが、この「その他の休日」に12月
29日や30日、31日が該当すると、公告期間の1か月を満たさないわけです。

 民事訴訟法95条3項には「期間の末日が……、12月29日から12月31日
までの日に当たるときは、期間は、その翌日に満了する」とあり、行政機関の休日
に関する法律1条1項では「12月29日から翌年の1月3日までの日」を休日に
しています。こういう規定があるので、余計に不安が募ります。

 しかし、結論から言いますと、登記や法定公告の世界では、カレンダーどおりで
す。12月29日、30日、31日は、日曜日でない限り休日ではありませんから
(今年の30日は日曜日ですが)、11月29日や30日の公告でも1月1日再編
に支障がありません。

 ちなみに、期間計算は翌日から起算しますが、年齢の数え方だけは「年齢計算ニ
関スル法律」により出生の日から起算します。11月29日生まれは翌年の11月
29日午前0時に満1歳です。そうしないと、30日になるまで「誕生日、おめで
とう」といえないからでしょう。


2012.11.06(火)【株式発行割合】
(金子登志雄)

 募集株式の発行等の「資本金の額の計上に関する証明書」につき、法務省のHP
に、次のようにあります(抜粋です)。

--------------------------------------------------------------------------
 @ 払込みを受けた金銭の額 金○○円
 A 給付を受けた金銭以外の財産の給付があった日における
   当該財産の価額                      金○○円
 B @+A                          金○○円
 C 株式発行割合
          発行する株式の数○株
      ――――――――――――――――――――――――=○○%
      発行する株式の数○株+ 処分する自己株式の数○株
 D B×C                          金○○円
 E 自己株式処分差損                     金○○円
 F 資本金等増加限度額(D−E)               金○○円
--------------------------------------------------------------------------
 
 このCですが、これは計算してはいけないようです。

 例えば、新株89株、自己株10株だったら、株式発行割合(89/99)
は、0.898989………となって割り切れません。

 ところが、計算しないで、Dを書くと、

 1株の払込金額×(89+10)×(89/99)で、分母が消えるのです。

 もっとも、金子式計算式は、株式発行割合も計算せずに済みます。

 Eが(自己株式帳簿価額−B×自己株式処分割合)ですから、

 F=D−E
  =B×株式発行割合−(自己株式帳簿価額−B×自己株式処分割合)
  =B×(株式発行割合+自己株式処分割合)−自己株式帳簿価額
  =B×(1)−自己株式帳簿価額
  =B−自己株式帳簿価額

 つまり、「総収入額−仕入れ値」に過ぎません。


2012.11.05(月)【巨人ではなく読売では】(金子登志雄)

 日本シリーズは巨人が勝ったようですね。プロ野球には全く関心がありませんが、
小中学生の頃は野球少年でしたので、少しは分かります。長嶋・王の時代でしたが。

 私の世代では運動神経のよい男子はみな野球部に入りました。3つ下の私の弟の
世代からはサッカーに人気が出てきて、野球を知らない人間も増えましたが、野球
人気は、依然として廃(すた)れていないようです。

 たぶん、日本人に合っているのでしょう。日本古来の歌舞伎でも相撲でも食事を
しながらみる演劇でありスポーツでしたから、野球の間(ま)がこれに合っている
わけです。チャンスやピンチでもない限り、投手と捕手が動いているだけですから、
十分に食事も会話も楽しめます。

 サッカーは食事しながら観戦できないのに、なぜ流行ったのかという私なりの分
析は、お祭り好きの国民性に合ったのではないでしょうか。ボール1つあれば済む
スポーツなので、世界中で流行っているのも、不思議ではありません。

 ところで、「巨人、日本ハムに勝利」というマスコミ表現に違和感を感じません
か。日本ハムに合わせるなら「読売、日本ハムに勝利」というべきです。巨人に合
わせるなら、「ジャイアンツ、ファイターズに勝利」とすべきでしょう。長すぎる
なら、「G軍、F軍に勝利」でしょうか。

 もし、読売新聞系列以外の全てのマスコミが巨人のことを「読売」と表現したら、
数年後には、巨人ファンが半減しているかもしれません。しかし、フェアな報道と
いう意味では、他のチームは「1企業、1地方チーム」だが、巨人は「国民チーム」
だといった不公平なイメージ表現は避けるべきではないかと思っています。


2012.11.02(金)【減資増資と増資減資】(金子登志雄)

 日本を代表するパナソニックにシャープが巨大赤字、ソニーも赤字………と暗い
ニュースばかり続きます。これから大リストラがはじまることでしょう。

 せっかく成長中の中国を中心とする東南アジアとの貿易で儲けてきたのに、最大
の顧客である中国のことを「シナ」と蔑視してはばからない、あの公私混同の暴走
老人が火をつけた尖閣問題による影響の損害はどの程度でしょうか。この暴走老人
を鬱積した政治の救世主のごとくヨイショするマスコミにも少しは責任を感じてほ
しいものです。

 さて、企業再建策の1つである100%減資は、資本金が1億円であれば、減資
で0円にし、全株式を消却し、増資で例えば2億円を再建主から調達します。全額
が資本金に計上されるとすると、登記簿には、「資本金1億円→減資で0円→増資
で2億円」と表示されます。

 減資増資の同時実行ですが、同時ですから、先に増資の登記を申請すると、「資
本金1億円→増資で3億円→減資で2億円」になります。

 どうせ2億円の増資があるなら、最初から減資額を2億円にして、増資を先に登
記し「資本金1億円→増資で3億→減資で1億円」という登記ももちろん可能です。
この場合は、現在の資本金額が減少しませんので、取締役会決議で可能です。

 しかし、この場合に先に減資の登記を申請しようとすると、「資本金1億円→減
資で△1億円→増資で1億円」となり、マイナスの資本金が介在しますので、登記
することができません。会社法447条2項で、資本金の額の減少につき、「その
効力を生ずる日における資本金の額を超えてはならない」と規定しているからです。

 同じ登記なのに、順序を変えると、できる登記とできない登記が生じてしまうわ
けですが、何か不思議な感覚です。

(土日を前に)
 生活党の東議員の国会演説がネットで大好評です。モノ静かな正論の力でしょう
か、ヤジ1つなく、与野党がシーンと聞いています。実に不思議な光景です。30
分程度ですから、土日にどうぞ。
  http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=vprr_GNE2u4


2012.11.01(木)【四半期配当】(金子登志雄)

 四半期ごとに配当するには、どうしたらよいのかという質問を受けました。会社
法では年に何回も配当することができますが、そのたびに基準日公告して株主総会
を開催するのかという疑問のようでした。

 答えは、会社法459条です。
--------------------------------------------------------------------------
第459条(剰余金の配当等を取締役会が決定する旨の定款の定め)
 会計監査人設置会社(取締役の任期の末日が選任後1年以内に終了する事業年度
のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の日後の日であるもの及び監査役設
置会社であって監査役会設置会社でないものを除く)は、次に掲げる事項を取締役
会が定めることができる旨を定款で定めることができる。
 ◆4 第454条【剰余金の配当に関する事項の決定】第1項各号及び同条第4
   項各号に掲げる事項。ただし、配当財産が金銭以外の財産であり、かつ、株
   主に対して金銭分配請求権を与えないこととする場合を除く。
--------------------------------------------------------------------------

 四半期配当会社として有名な本田技研工業の定款は、次のようになっています。
--------------------------------------------------------------------------
( 取締役の任期 )
第21条 取締役の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度に関する定時株主
 総会の終結の時までとする。
( 剰余金の配当等の決定機関 )
第37条 当会社は、取締役会の決議によって、会社法第459条第1項各号に掲
 げる事項を定めることができる。
( 剰余金の配当の基準日 )
第38条 当会社の剰余金の配当の基準日は、毎年6月30日、9月30日、12
 月31日及び3月31日とする。
  当会社は、前項のほか、基準日を定めて剰余金の配当をすることができる。
--------------------------------------------------------------------------


2012.10.31(水)【選挙立会人をして】
(島根・根来川弘充)

 10月21日(日)、私の住む島根県安来市で市長選挙が行われました。事前に、
市役所の人から、「投票所のある地域の自治会長に順番でお願いしておりますので、
していただけませんか」と、電話がありました。

 今年、不幸にも(?)私が自治会長をしていた上、今回の順番に当たってしまっ
たという訳です。

 選挙日当日、6時半に投票所である近くの保育所に集合しました。7時に開所と
同時に、最初の投票者に、投票箱が空であることを確認していただき、立会人とし
て施錠をしました。

 その後、20時までの13時間、投票所から出てはいけないとのことでしたが、
当日は、生憎、葬儀が入ったため、2時間程度、抜けなければならなくなりました。
私がいない間、代わりの者に立ち会ってもらいましたが、その引継の都度、不審な
ことはなかったなど、書面で引継の手続きを行いました。

 投票が締め切られると、タクシーが迎えにきたため、投票箱をもって、管理委員
とともに開票所に行きました。

 開票所でチェックを受けて、またタクシーで送っていただき、ようやく任務を終
える事になりました。

 とても長い時間、パイプ椅子は苦痛でしたが、民主主義の原点である大事な任務
です。国政は、混乱しておりますが、手続きが法にもとづき安心して行われる国に
いることは、素直に喜んで良い気がしました。


2012.10.30(火)【国情の相違とはいえ】
(金子登志雄)

 イタリアで大地震を予知できずに安全宣言を出した学者が禁固6年だそうです。

 http://mainichi.jp/select/news/20121024k0000m040073000c.html

 刑事犯罪に問うとは驚きです。原発は安全だと言い続けてきた日本の原子力村の
住人達はイタリアでは、みな死刑レベルでしょう。

 一方、国民の生活が第1の小沢党首などがドイツの原発事情を視察してきました。
その小沢氏の報告によると、「ドイツではチェルノブイリの事故による放射性のド
イツへの影響が問題になって以来、原発に懐疑的だったが、フクシマの事故を目の
当たりにして、消極的賛成から一挙に全面廃止を決めた。官民みな原発廃止に賛成
している。ドイツでは、日本で稼働していない原発が増えたことを高く評価してお
り、さすがは日本だと評価していた。しかし、原発推進者が政治家でも財界人でも
多いと話すと、目を丸くして驚いた顔をしていた」とのことです。

 このような小沢氏のドイツ視察に対しても、日本のマスコミは、「小沢氏の狙い
は何か(選挙対策に決まっている)」と、すぐに政局問題にすり替え、日本は、原
発に対してどう対処すべきかという本質的議論をしません。

 あの人とこの人の仲はどうの、石原は小沢嫌いだから組まない、どうのこうのと、
人間関係で政治の動きを報じるばかりで、石原氏の政治、橋下氏の政治、安部氏の
政治………という本質的な議論をマスコミ自身が避けており、そのくせ、自身の報
道の仕方を棚に上げ、政局の政治家はダメだと、もっともらしいことばかりいって
います。

 同じ元敗戦同盟国でも、こうも差がついてしまいました。この際、裁判官はイタ
リア人に限る、政治家はドイツ人に限る、という憲法改正を提唱したいくらいです。
とにかく、日本のマスコミの低レベルが情けない。


2012.10.29(月)【石原新党の行方】(金子登志雄)

 ニュース報道は、石原都知事の国政進出ばかりですね。そのため、小沢新党の結
党政治資金集めのパーティはどこかにはじかれてしまったようです。

  http://tanakaryusaku.jp/2012/10/0005445

 会費が1人2万円なのに、4000人の参加とは驚きました。ネット人気では、
ダントツの1番だとは知っていましたが、これほどとは思いませんでした。つい、
売上は欠席者を含めても1億円を超えたかなと下衆の勘ぐりをしてしまいます。
政党交付金が一切ない貧乏新党にとっては、一息ついたことでしょう。
 
 もう一方の石原老人のパワーも、すごいですね。週2回しか都庁に出勤しないの
で、やる気を失くしているのかと思っていましたが、尖閣以来、また、元気が出て
きたのでしょうか。

 新党を設立するようですが、長男の伸晃氏と3男宏高氏は自民党ですから、この
関係はどうするのか気になります。盟友の亀井静香さんにも、「いまさら何だ」と
拒絶されたようですし………。

 しかし、下記を読むと、だいぶ子煩悩のお父さんのようです。マスコミの大勢と
は異なる田中良紹さんの見方には、いつも感心してしまいます。

 http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2012/10/post_321.html#more


2012.10.26(金)【変更更正登記】(金子登志雄)

 あるとき、不動産登記(所有権移転仮登記)の問題で「平成24年8月1日売買」
を「平成24年8月1日売買予約」と更正登記する問題があったので、

 更正後の事項
  原因 平成24年8月1日売買予約

 といたしましたら、解答は、

 更正後の事項
  原因 売買予約

 だけで、年月日が省略されていました。

 商業登記では、事業目的のほんの1部を変更・更正しただけでも、全部を書き直す
のに、不動産登記は違うようです。付記登記で更正されるため、部分的な修正だけを
登記するからでしょう。

 ところで、現実の種類株式の登記事項は分量が多いのですが、このほんの1部を更
正すると、何と全面書き直しです。目的と同じです。ところが、新株予約権について
は、部分的変更・更正で済みます。

 種類株式や目的はパターンが決まっていないためで、単なるコンピュータ処理上の
問題と思いますが、新株予約権と種類株式に差があり過ぎるような気がいたします。


2012.10.25(木)【使命】(仙台・立花宏)

 先日、大好きな作家、池井戸潤さんの「ルーズヴェルト・ゲーム」という作品を
読みました。伝統ある社会人野球チームが舞台の物語です。

 バブル景気崩壊後、企業スポーツもそのあおりを受け、運動部を廃部にする会社
も多くなっています。舞台となる社会人野球チームも、最近の成績は低迷しており、
また、会社の業績不振の影響で、廃部にすべしという意見が会社の中で大勢となっ
てきます。

 そんなチームに1人のピッチャーが加入します。そのピッチャーは、飛び抜けた
才能をもっていましたが、高校時代にある事情から野球を断念しました。そして、
派遣社員としてその会社で働いていたのです。ところが、あることをきっかけに、
チームの監督にその才能を見出され、迷いながらもチームに加入します。

 強力なエースピッチャーの加入もあり、大会に向け、盛り上がるチーム。しかし、
業績不振の会社には、ライバル会社との合併の話も持ち上がり、会社の存亡の危機
に見舞われます。はたして、会社は、そしてチームはどうなるのか。

 といった内容で、ご興味がある方はぜひ、ご一読ください!
 (話の続きを期待した方、どうもすみません!)

 今日の話は、その作品に登場する、ある経営者のお話です。

 その経営者は、バブル景気の始まる前に、街の景色を見下ろせる土地を購入しま
した。サラリーマン世帯向けの建売マンションを建設するためです。

 しかし、マンション建設に着手する前に、世の中はバブル景気になります。その
土地の値段は瞬く間に倍、そして、そのまた倍になり、最終的には6倍にまで値上
がりします。その土地を売れば、大きな利益を得ることができます。しかし、その
経営者は売りませんでした。

 やがてバブル景気が崩壊し、土地の値段は下がり始めます。そして、ようやく沈
静化したのを見計らって、その経営者は当初予定していた通りのマンションを建て
たのです。マンションは瞬く間に売れました。

 それを聞いた他の経営者が、「欲を掻いてもっと値上がりするのを待っていたの
だろう。」とその経営者の行為を笑います。

 しかし、その経営者は答えました。「土地は建物を建てるために買ったんであっ
て、売るために買ったんじゃない。あの土地に素敵なマンションを建て、街を見下
ろす部屋でささやかかもしれないけど幸せな家族が暮らす。それでいいじゃないの、
何の問題があるのか」と。

 このような生き方をしていると、まわりからは変わり者と見られるかもしれませ
ん。でも、本当にそうでしょうか。

 仕事をしていると、周りの言葉に気持ちが揺れたり、感情に流されたりしそうに
なることがあります。

 自分の役割はなにか。自分のするべきことはなにか。司法書士としての自分の使
命はなんなのか。それを見失わないようにしなければならない。

 “ぶれない”司法書士にならなければ! と考えさせられた言葉でした。


2012.12.24(水)【橋下型と小沢型】(金子登志雄)

 大阪市長の橋下氏が週刊朝日で、その出自のことなどを書かれ、烈火のごとく怒
っており、記者会見やツイッターで週刊朝日等を「鬼畜集団」と罵倒しています。

 明らかに週刊朝日の行き過ぎですから、橋下氏の怒りは十分に理解できますし、
マスコミ嫌いの私としては橋下氏を応援したくなりますが、品性を欠いた罵倒につ
いては、つい引いてしまいます。

 これに対して、週刊文春で奥様のニセ手紙らしいものを出された小沢氏は、その
後も一切無視です。名誉棄損で訴える気配さえありません。「人の悪口はいわない、
言い訳をしない」という小沢家代々の家訓を見事に守っています。

 橋下氏と小沢氏のどちらが正しいというつもりはありません。橋下氏をみている
と中国や北朝鮮のように敵を徹底的に罵倒しますから、こちらのほうが国際的スタ
イルであって、小沢氏のほうが土着日本人型かな、いや関西型(信用重視の商人型)
と東北型(黙々と働く農民型)の相違かな、はたまた、新人類型と昔の政治家型か
なという点に興味があります。

 昔の大物の政治家は、田中角栄氏を筆頭に、「マスコミは政治家の悪口をいうの
が仕事だ。彼らの仕事を妨害してはならない」と鷹揚で、何を書かれても、反撃し
ませんでした(佐藤栄作氏は違いましたけど)。小沢氏も、このタイプなのか、あ
れほどウソ情報を含めて悪口を言い続けてきた朝日新聞やTBSのインタビューに
も、堂々とにこやかに登場しています。

 最近の政治家では、例えば、仙谷氏がセクハラ発言を週刊誌に書かれて名誉棄損
で訴えるなど(1審は敗訴で逆効果でした)、すぐに過剰反応してしまうようです。

 イギリスでは平気で王室批判をするマスコミもあるくらいですから、情報化社会
になったとはいえ、成熟した社会の政治家や公人は、やはり、不動心で構えていて
ほしいものです。たかが週刊誌記事じゃないですか。


2012.10.23(火)【真犯人の意図】(金子登志雄)

 PCの遠隔操作だったのに、誤認逮捕された方は、警察の過酷な取調べに抗せず、
ウソの自白をしてしまいました。真犯人が黙っていれば、起訴され、有罪判決に進
んでいたことでしょう。恐ろしいことです。

 どうもよく分からないのが真犯人の意図です。結果として、警察の捜査がいかに
いい加減で、見込みで自白を強要する取調べであったことを白日のもとにさらした
わけですが、まさか、警察の取調べのデタラメぶりを広報するためにしたわけでは
ないでしょう。
 
 多くの方が、今回の事件では、こんなにも簡単にウソの自白をしてしまうものか
と驚いたことでしょうが、そう思うのは安全地帯にいるからです。密室で圧力をか
けられれば、白を黒といってしまうのが普通の人間です。私もあなたも一緒です。

 比較的強い人間である政治家も、友人や家族まで取調べを受けると参ってしまい
ます。鈴木宗男氏の件ではガンで闘病中の女性秘書が取り調べられましたし、小沢
秘書の石川氏の件では無関係な女性秘書が何時間も拘束され保育園の迎えにも行か
せてもらえませんでした。佐久間福島県知事の件では弟さんの事業が破産に追い込
まれてしまいましたし、無関係な支持者まで容赦なく取調べを受けてしまいました。
リクルートの江副さんのときも著名経済人まで続々と調べられてしまいました。

 自分一人では頑張れても、周囲まで巻き添いにされると、耐えられる人はそうは
いないでしょう。

 恐怖心や弱みにつけ込んで自白をさせようという前近代的な取調べは、結果的に
警察や検察不信に跳ね返るわけですから、そろそろ全面的な取調べの可視化や弁護
士の立会などを認めるべきではないでしょうか。企業のコンプライアンス以前に、
司法のコンプライアンスこそ、優先課題です。


2012.10.22(月)【株式会社は株式製造販売会社】(金子登志雄)

 金曜日は福岡出張でした。司法書士会福岡西支部主催のセミナーで「会社の計算」
の講義でした(寺崎先生、大八木支部長、お世話になりました)。120名程度の
参加でしたでしょうか。盛況でした。

 このテーマは、過去に福岡で講演済みのため、「また、同じ内容か」といわれか
ねませんので、他の話題を挿入したり、説明の順序を変えたりしたため、違和感を
持たれないようにしましたが、大丈夫だったようです。2度目の方も、さらに理解
を深めてくださったようです。

 会場が狭からず広からずで、ちょうど話しやすい広さだったためか、私のほうも、
いつもと違い、「え〜と」が少なく、テンポよく話せました。

 株式交付の計算(増資や自己株式処分、吸収合併等)では、株式会社を株式製造
販売会社に見立てて、自己株式100万円を120万円で販売した場合は、売上が
120万円、仕入れ値が100万円で、儲け(自己株式処分差益)は、資本取引の
利益として、その他資本剰余金に計上されるが、新株式を120万円で販売したと
きは製造コストを0円と考え、まるまる120万円が資本金と資本準備金に配分し
て計上される、と話しました。

 この「株式会社は株式製造販売会社だ」という表現は、我ながら気にいっていま
す。居眠りしている人がいなかったので、きっと趣旨が伝わったのだと思います。
ややこしい「会社の計算」の話は、同じ内容でも、何度か聞いたほうがよいのかも
しれませんね。

 老後は、「昔の話題で出ています」と講演CDでも出そうかな。

    http://www.youtube.com/watch?v=Au4_b7MPcPI


2012.10.19(金)【総株主の同意書の閲覧】(金子登志雄)

 10月初旬は司法書士業務に多忙でハッピーな気分でしたが、全てが片付くと、
また傘貼り浪人生活に逆戻りです。商業登記専門は月の半ばは、ヒマなものです。

 私にとっての傘貼りは、もちろん、孤独なモノ書き作業です。これは、1つの注
文を片付けるのに、数か月かかることもよくありますので、こうして毎日、毎日、
パソコンの前に座っているわけです。

 しかし、たまに新発見します。今日の発見は、組織変更の総株主の同意書や、合
併対価が持分会社の持分であるときの総株主の同意書の閲覧はどうなっているのか
ということでした。

 319条の株主総会の省略の場合は、「総会決議があったものとみなす」関係で、
議事録の形式を作成しなければなりませんし(施行規則72条)、個々の同意書に
ついても、本店に備え置いて、株主や債権者の閲覧に供さなければなりません。

 しかし、総株主の同意の場合は、そういった規定がみつかりません。なぜでしょ
うか。

 319条の場合は、議決権のない株主を含みませんし、株主総会の代用のような
ものですから、一種の「議事」扱いです。これに対して、総株主の同意は「議事」
ではありません。

 きっと、議事の場合は賛成〇〇個、反対△△個となるから、債権者達にもそれを
示す必要があるが、総株主の同意が要件とされている場合には、本当に皆が同意し
たのかまで示す必要はないという配慮でしょう。また、319条と相違して、同意
の形式を問わないことも大きな理由でしょう。少なくとも、株主は閲覧する意味が
ありません。


2012.10.18(木)【定款の変更と定款を変更】(金子登志雄)

 昨日の延長ですが、会社法466条には、「株式会社は、その成立後、株主総会
の決議によって、【定款を変更する】ことができる」とされているのに、他の部分
の全部が「定款【の】変更【を】する」になっており、大量にあります。

 「組織変更をする」は納得することができますが、「定款の変更」を1語として
「定款の変更をする」は、きっと国語の先生からみると悪文でしょう。「変更する、
変更しない」という使い方をすべきであって、「定款【を】変更する」が正しい日
本語だと私は思っています。

 これも「悪貨は良貨を駆逐する」の一種でしょうか。いや、法律文書になると、
「悪貨は良貨【の】駆逐【を】する」と書かれそうですね。


2012.10.17(水)【効力が生ずる日】(金子登志雄)

 「効力【が】生ずる日」と「効力【を】生ずる日」の相違にこだわっていたのは、
会社法219条のためです。

 株券提出手続について規定する同条には「株券発行会社が次の各号に掲げる行為
をする場合には、当該行為の効力【が】生ずる日までに当該株券発行会社に対し当
該各号に定める株式に係る株券を提出しなければならない旨を当該日の1箇月前ま
でに、公告し」とありますが、次の2点で、悪条文です。

 第1点:次の各号に掲げる行為の中に新設合併や株式移転など設立登記を効力要
  件とするものが加わっていること。

 設立の登記は、決まった日にしなければならないものではありません。いつか分
からない日までに株券を提出せよという公告は、考えるまでもなく、実におかしな
内容です。

 旧商法368条は、債権者異議申述公告と同様に、1か月以内に株券を提出せよ
という内容でした。なぜ、これを踏襲しなかったのでしょうか。

 第2点:効力発生日の当日までに提出せよという内容で、効力発生日の前日まで
  に提出せよいう内容になっていないこと。

 旧商法の主流は「1か月以内に株券を提出せよ」ですが、359条は「株式交換
の日の前日迄に株券を会社に提出すべき旨」でした。

 このため、4月1日に株式交換の効力発生日を定めても、会社法219条では、
4月1日になっても、まだ株券提出手続が終わっていないことになります。設立登
記にあっては、その先も登記する日の24時までは全手続の完了はありません。

 この点は登記の通達で救済措置が採られましたので、実務上の支障はないのです
が、立法者は「当該行為の効力が生ずる日まで」とは午前0時までと思っていたの
かなと思い、「効力を生ずる日」との相違を探っていたわけです。

 いま分かっていることは、「効力【を】生ずる日」というときは、「以下、『効
力発生日』という」とされることがありますが、219条のように「効力【が】生
ずる日」という場合は会社の設立日を含むということです。

 きっと単に、条文作成者が別人だったというだけでしょうね。


2012.10.16(火)【生ずると生じる】(金子登志雄)

 今日は、どうでもいいお話です。

 さて、「生ずる」と「生じる」は、どこが違うのでしょうか。文語風か、口語風
か程度の相違ですよね。ですから、1つの書きもので、混在するのは感心しません。

 会社法:全て「生ずる」で、混在せず。

 施行規則:58条の見出しに「………端数が生【じ】る場合」とある以外は、全
     て「生ずる」でした。31条、32条、33条の見出しは「………端数
     が生【ず】る場合」です。

 計算規則:「生じる」が7個、「生ずる」が10個で、統一性なし。

 こういうのをみると、国会で決定する法律については、法案の立案担当者も真剣
にチェックするが、規則は手抜きしていることが、よく分かりますね。施行規則の
58条は、きっとチェック漏れでしょう。

 ところで、会社法で「【が】生ずる」と「【を】生ずる」が同じ数近くあります。

 当該行為【の】効力【が】生ずる日
 当該行為【が】効力【を】生ずる日

 どこが違うのですかね。ずっと考えていたのですが、これを書いたのを機にやめ
ます。それにしても、パソコンって便利ですね。一瞬にして、検索できます。



2012.10.15
(月)【名古屋訪問】
(金子登志雄)

 土曜日は早朝から名古屋に行き、久々に司法書士会中部ブロックでのセミナー講
師を務めてまいりました(磯貝会長ほか皆様お世話になりました)。
 
 中部地区の司法書士会は進取の気性に富んでいるのか、会社法施行以前の商法改
正の頃からよく呼んでいただきました。足もとの東京、関東ブロックでは、簡単に
権威者である大学教授を呼べる地理的環境にあったせいか、私には支部セミナーで
しか声がかかりませんでしたので、早くから広域のブロック単位で招聘してくださ
った中部には今も感謝の気持ちが続いています。

 テーマの一部は会社法改正要綱でしたが、私を含め、実務家は実際に立法化され
ないと関心が薄いので、それは1時間弱にして、最近の商業登記の諸問題につき話
してきました。

 改正要綱の目玉である「監査・監督委員会」という新しい機関については、「監
査役会を廃止し、監査役全員を取締役にして社外監査役を社外取締役に変えたよう
なもの」と話しましたので、ニュアンスは通じたと思います。

 社外取締役を増やせと米国等の海外から圧力があるようですが、米国には監査役
がいないのに、日本には社外監査役までいるのです。このうえ、社外取締役まで求
めるのは、司法書士や税理士がいるのに(米国にはいない)、弁護士を増やせとい
うかつての圧力と同じで、国情を無視した要求で、成功するのかについては、私は

疑問符です。


2012.10.12(金)
【黄色い帽子のチィチィパッパ】(金子登志雄)

 読んでいませんが、「週刊ポスト」に権力の魔力に負けたのか、政権側にすり寄
った田中真紀子さんが親しかったはずの小沢氏について「政治のことはロクにわか
りもしない黄色帽子の“チィチィパッパ(1年生議員)”」と批判したとか。

 いやぁ、驚きました。内容はともかく、素晴らしい表現力ですね。天才です。漫
才師のビートたけしさん並です。私に、これだけの表現力があれば、もっともっと
本が売れるのですが………。

 さて、超大企業が総資産額の0.1%にも満たない小さな小さな黄色帽子のチィ
チィパッパ分割(新設分割)を行う際には、取締役会決議が必要でしょうか。

 取締役会規則によれば、こんなものは代表取締役の権限にすぎませんが、商業登
記法では「取締役会議事録」を添付せよとなっています。

 会社法では株主総会の承認決議が不要とあるだけで、必ず取締役会の決議が必要
だとはありません。

 このように、会社法ではよいことも、商業登記法や登記の通達で否定されてしま
う事柄がいくつかあります。

 せっかく会社法で規制緩和したのに、登記が障害になってしまうのは避けたいと
ころですが、なぜか、会社法の改正ではマスコミも大騒ぎするのに、商業登記法の
改正を主張することはありません。商業登記法は、チィチィパッパ法で、大人の人
は見向きもしないのでしょうか。それとも、黄色帽子だから、近寄らないようにし
ているのでしょうか。



2012.10.11
(木)【秋の研修会】(金子登志雄)

 各地の司法書士会で秋の研修会があるのか、声をかけていただいております。中
には、会場を早期に押さえる関係で、来年の日程の依頼もあります。

 当方としては、もうネタ切れ………と思えど、研修委員の方にとっても、何かを
題材に研修会をしなければならないわけで、彼らご自身も何をテーマにしようかと
お迷いのようです。

 私が研修委員になっても迷います。司法書士倫理、不動産登記、会社法、成年後
見………、みなネタ切れでしょう。会社法では改正要綱が出ていますので、これは
よいネタになりますが、実務家は立法されないと真剣になれませんので、1時間が
限度のテーマでしょう。

 しかし、声をかけていただくだけでありがたいことですから、懸命にネタ探しを
しております。ネタもないのに、この徒然を5年間毎日書いてきたのですから、せ
っぱ詰まれば、アイデアも出てくるでしょう。

 それにプロの司法書士相手のセミナーは嫌いではありません。素人相手と相違し
て、「なるほどー」と感動してくれますし、時には貴重な質問をしてくれるからで
す。その質問が次の講演のネタになることもよくあります。

 次回は、どんな質問をしてくださるか楽しみに研修の日を待つことにしましょう。


2012.10.10(水)【法人番号は本籍主義】(金子登志雄)

 世はノーベル賞の話題一色ですね。また、野田さんが政治利用しそうで、山中先
生がお気の毒です。
 
 さて、この10月に2つほど、本店移転をしましたが、いまは、法人番号が変わ
らないので、何か慣れません。5月21日からのようです。

   http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00068.html

 例えば、かっては東京法務局管轄では、0100−01−000001などとい
う法人番号でした。0100が東京法務局で、01は株式会社です。港区に本店移
転すると、0104−01−………と、下6桁を含め、番号が変わりました。

 いまは全国どこへ行こうが、現在の法人番号が変わりません。いわば、現住所主
義から本籍主義に変わったわけです。有限会社が株式会社に商号変更しても、02
のままだと聞いています。

 きっとコンピュータ管理しやすいというのが理由でしょうが、これで出身地や、
ルーツ(元・有限会社)がばれてしまいますから、嫌がる人も出てくるでしょう。


2012.10.09(火)【リニューアル】(金子登志雄)

 10月の登記の書き入れ時も過ぎましたので、気分転換で、このホームページを
リニューアルしました。もちろん、パソコン音痴の私にできるはずもありませんか
ら、管理人に一切お任せです。不評でしたら、すぐに変えましょう。

 10月の登記の仕事が一段落して、執筆の仕事が中心になると、1日中、机に座
ってパソコンとにらめっこしているのに、なぜか、多忙という意識になれません。
モノ書き作業については、仕事の意識がないためでしょう。いつでも休憩できるか
らかもしれません。

 執筆というのは、料理と同じで、献立(テーマ)が決まっていればすぐにできる
のですが、本の著作のように献立から考えるのは結構大変です。読者に飽きられる
ので、昨日も今日もカレーライスというわけにはいかないのです。

 一方で、テレビの水戸黄門などは、何十年もワンパターンなのに、飽きられてい
ませんね。ニセ黄門が出てきたり、いくつかの筋書を交代で使っているだけです。
偉大なるマンネリといえるでしょう。

 ドラえもんのポケットを開発するのは無理ですから、私もマンネリあるいはリニ
ューアル技術を磨かないと、そのうち飽きられて、「あの人は今」と司法書士会で
いわれかねませんね。

 ところで、あの司法書士は今、何しているのですか。


2012.10.05(金)【組織再編と自己株式の消却】(金子登志雄)

 10月1日には、久々に株式移転の登記をいたしました。今回は、子会社で自己
株式の消却もありました。9月30日付の消却です。

 子会社の発行済株式の総数が1000株で、株式移転親会社の株式が1:1の比
率で交付されるとすれば、1000株が子会社の株主に交付されます。自己株式と
して所有する100株が消却されると、交付する親会社の株式数は900株になり
ます。

 このあたりの関係が子会社のほうでは気がつかないこともありますので、事前に
自己株式を消却する場合は必ず連絡をくれるように伝えておかなければなりません。

 同時に、早く自己株式の消却を決議した取締役会議事録を準備してもらうよう話
しておく必要があります。上記の例でいえば、「登記に添付する子会社の登記簿謄
本では発行済株式の総数が1000株になっているが、登記時点では900株であ
ること、設立会社の発行する株式数もそれに対応した数であること」を証明するた
め、この議事録が添付書面として必要になるからです。

 先に子会社で自己株式消却の登記を申請するのが理想的ですが、取締役会議事録
を子会社の管轄法務局に預けてしまうと、株式移転の登記の際に、親会社の管轄法
務局で、それを使えなくなるという事態が生じますので、担当司法書士としては、
上手に立ち回らなければなりません。

 株式移転に限らず、組織再編では、たまにこういうことが生じますので、事前に
十分にシナリオを作って動くしかありません。迷ったら、自己株式の消却は、株式
移転の登記が終わってからにすればよいでしょう。


2012.10.04(木)【一段落】(金子登志雄)

 10月1日の登記の完了時期がみえてきて、一段落している司法書士も多いこと
でしょう。私も同じですし、相談にのっていた司法書士の方からも、続々と「無事
に済んだ」という朗報が舞い込んでおり、喜んでいるところです。

 たかが登記でも、その背後には登記が無事に終わらないと入札に参加できない、
社会保険の手続ができないなど、大勢の生活に影響しますので、責任は重大です。
完璧を期したつもりでも、どこかに漏れはないかと多方面にアンテナを張っていな
ければなりません。

 登記申請書だけみると、随分と簡単な仕事のようにみえるでしょうが、これでよ
いのだと結論づけるまでには、さまざまな検討を経ているわけです。

 今日の東京法務局は、やはり、登記申請の窓口はそれほど混雑していませんでし
たが、登記簿謄本の窓口は混雑していました。登記が終わり、収穫に来た人が多い
のでしょうか。

 補正の窓口は誰も座っていませんでした。会社法施行直後は、ずらーっと並んで
いたものですが、施行後7年を経て、十分に浸透してきたのでしょう。たまに、補
正の席に座っている人をみると、司法書士ではなく、本人申請の方のようにみえま
した。

 何はともあれ、一段落しましたので、ゆっくり休みましょう。


2012.10.03(水)【大山登山】(島根・根来川弘充】

 9月はじめになるのですが、大山を登山しました。

 大山というのは、こちらで一番高い山で、1700メートルを超える高さがあり
ます。もちろん山の中腹から登山道があるのですが、その登山道の道のりは2キロ
ちょっとあります。

 私は過去に2度登ったことがあるのですが、はじめての方も一緒に登ることにな
りましたので、時間は登りだけで4時間みて、朝の7時からの登りはじめました。

 登りはじめて10分ちょっとで、息があがってしまったのですが、予定した時間
を30分ほどオーバーしながらも、なんとか無事登頂することができました。

 前に登頂したのが、約10年くらい前なのですが、景色が変わっていておどろき
ました。

 9合目あたりから、植物があまり無かったと記憶していたのですが、今回は、ほ
ぼ頂上付近まで緑が広がっていたのです。さらには非常に蝿が多かったです。

 登った時期は、おそらく前回と一緒であったと思います。地球温暖化の影響であ
れば、大変な変化だと感じました。


2012.10.02(火)【昨日の東京法務局】(金子登志雄)

 昨日は4月1日と双璧の商業登記の書き入れ時でしたので、私も朝1番で東京法
務局に申請に行くなど、あわただしい1日でしたが、大阪の田中司法書士や身内が
雑用的な仕事を手伝ってくれたため、何とか、全てを予定どおりに進行させること
ができました。

 東京法務局は、午前と午後の2度も顔を出したのに、思っていたほど混雑してい
ませんでした。係の方と立ち話をしたところ、「電子申請が増えて、法務局に来る
人が減ったためでしょう」とのことでした。

 それはいえますね。パソコンに弱い私ですら、100%電子申請にしており、近
い東京法務局以外は郵送で済ませていますから………。

 田中さんから指摘されて気づきましたが、受領証は各法務局によって個性がある
ようです。東京法務局(本局)は受付番号や受付日が印刷された用紙に「上記、書
面は受領した」ですが、墨田法務局は、申請書と添付書面の合計枚数と同じものを
つけて、最後に「上記、書面は受領した」でした。

 大阪法務局(本局)では「別添のとおりの登記申請書及びその添付書類について
平成〇年〇月〇日受付第〇〇〇号をもって受領したことを証する」だそうです。

 さて、試験は終わりました。数日後の合否の発表を待つばかりですが、こればか
りは何年経ても、慣れないものです。補正電話がないことを祈るばかりです。


2012.10.01(月)【後期の開始】(金子登志雄)

 今日から、3月決算会社は後期が開始ですね。そのためか、本日付の商号変更や
役員変更等の仕事を何件か受けており、久々に私も多忙の日になりそうです。

 朝一番で申請する案件もあったので、昨日は午後9時には床についたのですが、
平素の習慣で眠りにつけず、起きだして、これを書いています。眠れなかったのは、
本徒然を忘れているぞとの神様からのお知らせだったのかもしれません。完全に忘
れていました。

 土日はいつもながら原稿書きでした。現在書いているのは「株式」と「機関」が
テーマですが、株式については、もう過去に書きつくしているので、新ネタ探しに
苦労しています。執筆仲間からは、同じことの焼き直しでも、かまわないのじゃな
いかとアドバイスしてもらっていますが、性格なのか、それができません。

 ん、昨日は中間期ですよね。半期と中間期と第2四半期はどこが違うのかなども
ネタになるかもしれませんね。会社法454条5項の中間配当は、中間期に限らな
い、年のどこで配当しても中間配当というのだというのもいいかもしれませんね。

 人生の中間期も遠に過ぎ、人生の後期に入りましたが、頭の柔軟さだけはまだま
だ十分にありますので、今後も好きな会社法で頑張って行きたいと思っています。

2012.09.28(金)【株主総会と出席役員】(金子登志雄)

 昨日は当社(アクモス)の定時株主総会でした。例年、遠方の方も出席しやすい
ようにと午後1:30開始にしていましたが、今回は昼食時間もあろうかと考え、
午後2時開催にいたしましたら、例年よりも参加者が増えていました。設立以来、
ずっとオープン型の株主総会にしています。

 議案の中に「取締役1名選任の件」、「監査役1名選任の件」がありましたが、
いずれも重任で、役員席(いわゆるひな壇)に座っていましたので、役員席で立ち
上がり、「就任を承諾いたします」という発言がなされました。

 これを株主総会議事録に記載すれば、「株主総会に出席した役員」として氏名も
記載されていますので、出席したことが明らかですから、株主総会議事録を就任承
諾書の代用として使えます。別途、就任承諾書を添付する必要はありません。

 では、新人役員の選任で、株主総会終結後に就任の効力が生じる場合において、
株主総会の株主席に待機し、その場で「就任を承諾いたします」と発言した場合は、
どうでしょうか。

 役員席に座っていなくても、会場にいたことが明らかでであれば、何の問題もな
く株主総会の議事録の記載を就任承諾書の代用として使えるというのが古くからの
登記実務の運用です。

 ところが、登記情報2011年9月号の「登記官の目」に「就任承諾書として援
用するには『出席した役員』としての氏名の記載が必要である。この記載は『出席
した役員』として氏名を明記するのが望ましく、『被選任者が即時就任を承諾した』
旨、『被選任者がその場で就任を承諾した』旨の出席したことが伺われる記載では
不十分と考える」とあり、これが発端になったのか、一時期、一部の法務局で、従
前の運用と相違し、就任承諾の援用と認めず、問題になったことがあります。

 再度、「登記官の目」を読みなおしてみましたが、この方は、こういう新人も会
社法施行規則72条3項4号の「株主総会に出席した役員」と勘違いしているのか
もしれないと思いました。

 会社法314条に「取締役、会計参与、監査役及び執行役は、株主総会において、
株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な
説明をしなければならない」とありますから、「株主総会に出席した役員」とは株
主総会中の役員であるとみるべきでしょう。


2012.09.27(木)【王政復古?】(金子登志雄)

 下にも挨拶をしない石原、上にも下にも挨拶しない石破、上にも下にもペコペコ
する安部という揶揄が自民党内でいわれていたようですが、大本命だった石原氏は、
しゃべればしゃべるほど失言で支持が落ちて、最後は3位ですか。これも、マスコ
ミにちょっとでも批判されると、急速に支持が落ちる典型例ですね。

 長州の安部さんが自民党総裁に復活し、思わず、自民党のRestoration(王政復
古)かと思ってしまいました。ご承知のとおり、山口県出身の首相がダントツのト
ップです。
    http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/5237.html

 岸信介と佐藤栄作は兄弟で、安部氏は岸の孫にあたります。父親は外相でしたか
ら、政治家一家ですね。石破氏や石原氏を含め自民党総裁選に立候補した5人とも、
政治家2世ですから、あきれたものです。

 これでは、地盤も看板もない野心家が自民党から立候補しようとしても、狭き門
でしょう。その野心家達が自民党に相手にされず仕方なく民主党に流れたのが松下
政経塾出身者ではないかと私は思っています。彼らは、出世が目的で、何かをした
いからという理由で政治家になったわけではないので、簡単にマニフェストや約束
を破ってしまうのでしょう。

 2世のおぼっちゃま自民党となり上がりの民主党というところでしょうか。それ
を選んだのはわれわれ国民です。日本の将来は暗いですね。日本もポルトガルと一
緒で、かつての栄光から急速に衰退していくのでしょうか。


2012.09.26(水)【Restoration】(金子登志雄)

 Restorationという英語をご存知ですか。

 私は知りませんでした。事業再構築あるいはクビ切りのリストラ(restructuring)
と違うことだけは分かりました。

 実は、新党「日本維新の会」の英文名のようで、ただいま、これが波紋を呼んでい
ます(下記のロゴの下にあります)。

 http://sankei.jp.msn.com/politics/photos/120913/stt12091300080000-p1.htm

 外国人からみると、革新や革命の「維新」ではなく、イギリスの「王政復古」のイ
メージが強いらしいのです。例の清教徒革命後の王政復古です。

 明治維新のことを英語で、Meiji Restorationというようですから、そこから採
用したのでしょうが、明治維新も確かに徳川家に奪われていた天皇親政の王政復古で
すね。

 最近は、橋下維新も一時のブームが去り、人気が急落しているようですが、国政進
出の出足から躓いてしまったようです。

 しかし、橋下党首は変わり身が早いと同時に、こういうことには頑固そうですから、
国政への進出の目玉候補である前宮崎県知事の芸名のように「そのまんま」にするの
でしょうね。


2012.09.25(火)【襷(たすき)をつなぐ】(仙台・立花宏)

 先日、地元青年司法書士会の有志と、ある駅伝大会に出場しました。

 駅伝大会といっても本格的な競技会ではなく、障害のある子供たちへのチャリティ
を目的とした大会です。この大会には、地元青年司法書士会が有志を募り、毎年、参
加してきました。私も昨年に引き続き2度目の出場です。

 チャリティが目的の大会ですから、競争することが目的ではありませんが、大会は
大会です。優勝を目指し、本気で走るチームもあります。逆にコスチュームに工夫を
するチームや、景色を楽しみながら完走することが目標のチームもあり、チームカラ
ーはバラエティに富んでいます。

 今年の私たち青年司法書士会チームは若手が多く、上位をねらえるメンバーです。
私も気合をいれて大会に臨みました。

 さわやかに晴れた秋空のもと、地元出身の歌手、さとう宗幸さんの合図でレースは
スタートしました。選手は会場となった2キロ弱のコースを1周し、スタート地点に
戻ってきます。

 選手が戻ってくると、その選手が所属するチームのメンバーが、「がんばれ! も
う少しだ!」といった声援を送ります。

 私たち青年司法書士会チームも、戻ってくるチームメートが視界に入ると他のチー
ムに負けないくらい大きな声を出して声援を送りました。そのおかげか、表彰台まで
あと少しというポジションをキープしたまま、私の出番になりました。私の出番は最
終区。アンカーです。

 仲間がつないできた襷を受け取り、勢いよくコースへと飛び出しました。気合が入
りすぎていたのか、すこしオーバーペースのように感じました。5人の仲間がつない
できた襷です。大切にゴールまで届けなければなりません。呼吸を整え、ペースを落
ち着かせました。

 すると、気持ちまで落ち着いてきて、ふと、先日、読んだ本のことを思い出しまし
た。事業承継に関する本です。日本には長寿企業が多く、100年以上続いている企
業が数万社あるのだそうです。それだけ続いているということは、その企業は一代限
りでなく、何世代も承継されてきているはずです。承継のたびに、つなぐべき“襷”
をつないできたことでしょう。

 そのつなぐべき“襷”とはなんなのか。名前なのか、組織なのか、財産なのか、そ
れとも技術なのか。その“襷”の中身がなんであれ、きっとその“襷”にはいろいろ
な思いが詰まっていたはずです。それを100年以上もつないできたということはす
ばらしいことだな、と思いました。

 そんなことを考えていると、仲間が待ち受けるゴールが近づいてきました。私は襷
を高々とかかげ、ゴールへと飛び込みました。残念ながら、表彰台にはあと一歩、届
きませんでしたが、仲間がつないできた襷を無事、ゴールに届けることができました。
全体で10キロくらいのレースでしたが、全員で襷をつなぐことができたことを誇ら
しく思いました。


2012.09.24(月)【支持率の欺瞞】(金子登志雄)

 土日は、毎月中旬の年中行事である帰省をし、田舎でパソコンとにらめっこして
いました。やっと、ど田舎の故郷でも無線電波が順調に入るようになり、パソコン
作業も快適でした。

 21日には予想どおり、野田さんが民主党代表選で圧勝しましたね。赤字国債発
行法案と選挙制度改革法案の成立だけは片付けてくれないと、後任が困りますから、
順当なところでしょう。

 しかし、民主党員・サポーター32万のうち、投票したのは33.7%の11万
しかなかったようです。7万票で野田さんの圧勝だとしても、これでは本物の支持
かどうかあやしいものですね。国政選挙でもないのに、66.3%が棄権したのは、
ちょっと異常ではないでしょうか。

 ところで、過去どんなに不人気な首相でも、国民からの支持率は20%くらいあ
ります。この数字を鵜呑みにして、「ヘー」と感心してよいのは20代までで、そ
れを越えたら、「まさか」と疑わねばなりません。

 おそらく、突然、新聞社あたりから電話がかかってきて、「アンケートに協力く
ださい」といわれ、その内容が「現首相を支持しますか」というものでったら、多
くの人が、適当に「はい、はい」と答えてしまうのではないでしょうか。

 私も、1、2、3のどれにしますかと聞かれれば、面倒だと思い、全部1と答え
てしまう可能性が大です。アンケートとはいえ、見知らぬ人からの電話に対しては、
当たり障りのない返答をしてしまうのが普通でしょう。

 鳩山政権時代の調査は「普天間問題でアメリカから不信感を持たれているようで
すが、貴方は、鳩山政権を支持しますか」「秘書が逮捕されましたが、貴方は小沢
幹事長を支持しますか」などと「前置き」付きで支持率調査をしていましたが、野
田政権の支持率調査には、その前置きをしていないようです。

 こういう日本のマスコミに、まともに回答する人はいないでしょう。よって、誰
でも支持率20%は確保できます。


2012.09.21(金)【監査・監督委員会は普及するか】(金子登志雄)

 会社法の改正要綱案が示している「監査・監督委員会」という新しい機関設計は、
監査役会設置会社と委員会設置会社の中間で、監査役のいない簡素な委員会設置会
社のようなものです。

 業務執行機関と監督機関の分離の一環ですが、譬えていえば、プロ野球の現場と
フロントと関係みたいなもので、現場があまりに強くなりすぎたので、フロントを
強化しようという動きの1つです。

 この委員会には最低3名の取締役が必要で、過半数は社外取締役でなければなり
ません。そうすると、委員会に加わらない取締役を入れて、最低4名の取締役が必
要です(監査役は不要です)。

 現状では、取締役最低3名、監査役最低3名(うち2名は社外監査役)で計6名
の役員が必要です(監査役会設置会社を前提)。

 いまの体制をやめて、監査役を取締役にして、社外監査役を社外取締役にすると、
2名を役員から減らすことができるわけです(現場のほうが少ないことは現実には
あり得ないでしょうけど)。

 これで、外部からの社外取締役のいないコンプライアンスのしっかりしていない
会社という批判も回避できます。これは大きい効果ではないでしょうか。何せ、国
策に沿った機関構成ですから………。

 現状の委員会設置会社ですら日本に100社もありませんから、新しい機関設計
を提案されても流行るわけがないと私は思っていましたが、上記の社外取締役を置
かない会社といわれずに済む効果を考えると、思っていたよりは増えるかもしれな
いという気がしてきました。

 改正案が施行されると、上場会社等は社外取締役を置かない理由を事業報告等に
書かなければならないのです。まるで弁解調書です。屈辱です。

 このように、国策で社外取締役を推し進めれば推し進めるほど、監査・監督委員
会設置会社に逃げ込む会社が増えるかもしれないなと思いました。何せ、日本社会
は建前の社会で、うわべだけでも取り繕うことが重要ですから………。

(無関係な出来事)
 街頭演説から逃げ回っていた野田首相が仕方なく街頭演説に臨んだら、こういう
結果になりました。
 http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=ig6i1BVF06Q


2012.09.20(木)【ドキ、電子申請】(金子登志雄)

 ここのところ、いつもとは違う電子申請のことで、「ドキ!」とすることが2回
ありました。

 先般は、連件申請の順位番号で、あせりました。

 東京のAが大阪のBを吸収合併するときには、「@Aの合併申請、ABの解散申
請」の2つを同時にAの管轄である東京の法務局に申請します。連件申請です。

 その際には、「@に1、Aに2」と番号を振って連件申請であることを示して申
請することになっていますが、パソコンの画面でAが@の上にあったため、うっか
り「Aに1、@に2」として申請してしまいました。

 申請直後に気づき、@とAは同時申請だから、問題なく許されるだろうと期待し
て、管轄法務局に電話しましたら、「こういう例はないので、どう対応すべきか調
べなければならない。時間がかかる」とのことでした。それは困りますので、すぐ
に取下げし、再申請したことはいうまでもありません。

 後ほど、東京法務局に電話で確認しましたら、やはり取下げ、再申請がベストの
方法のようです。コンピュータは、こういうとき、融通が利かないですね。

 昨日は、添付書類の内訳表で、あせりました。

 上記の例で言うと、@もAも東京法務局に申請し、Aだけが審査後に東京法務局
から大阪法務局の転送されます。いわゆる経由申請です。

 この添付書類を申請先の東京法務局に届けるため、「書面により提出した添付書
類の内訳表」というものを印刷しましたら、Aの申請については、「大阪法務局 
御中」と印刷されるではないですか。「あれ、東京法務局に申請したつもりが、大
阪法務局に届いてしまったのか」とあせりましたが、どうも、最終の法務局が自動
的に印刷されるようです。

 いま頃気づいたのかと思う司法書士もいるかもしれませんが、いままでは「書面
により提出した添付書類の内訳表」というものがあるのを知らなかったため、それ
を添えて提出していませんでした。受付表を添えていました。

 しかし、繁忙期ではない時に、こういう経験をしておくと、あとが楽ですね。書
き入れ時の4月1日や10月1日の夕方あたりでしたら、もっとあせっていたこと
でしょう。


2012.09.19(水)【株主総会議事録作成者】(金子登志雄)

 会社法施行規則72条により、株主総会の議事録は、取締役が議事録作成者とな
り作成することになっています。

 では、株主総会終結と同時に取締役ABC全員が退任し、DEFが選任されたと
した場合に、この株主総会議事録作成者は誰でしょうか。
 
 松井信憲著『商業登記ハンドブック〔第2版〕』では、株主総会開催中に取締役
であった者が作成するのは当然だからABCだとありましたが、立法担当者だった
葉玉氏は退任した取締役には作成権限がないから、DEFに権限があるとの見解の
ようです。総会時点説と議事録作成時点説の相違というべきでしょうか。

 松井本によると、総会中にABCが辞任し、総会中にDEFが就任すると、議事
録作成者はABC・DEFだそうです。

 しかし、これはおかしいです。例えば、議題が「第1号議案/取締役改選の件、
第2号議案/取締役報酬額改訂の件」で、第1号議案は総会開始10時から30分
で終了し、第2号議案が10時半から閉会時間の11時までだったとすると、AB
Cは10時半には取締役ではないのです。松井説では、第2号議案につき、ABC
には議事録作成権限がないということにならないのでしょうか。

 もっとおかしいのが、解散と清算人選任を決議した場合の株主総会議事録です。
解散が可決されたと同時に取締役ABCは取締役でなくなるのに、清算株式会社の
株主総会議事録を作成することになります。ここは、清算人が作成するのが当然で
はないでしょうか。

 辞めてしまった人間に、これをせよといっても無理な話ですし、辞めた側でも無
給でなぜ、そんなことをしなければならないのかという心境になるでしょう。ここ
は、作成時点の取締役・清算人が議事録作成権を有するとの葉玉説のほうが実務家
に受け入れやすいのではないでしょうか。


2012.09.18(火)【尖閣問題の責任】(金子登志雄)

 久々の3連休でしたが、相変わらず部屋に閉じこもって、原稿書きでした。よく
休みもなく「大変ですね」とかいわれますが、頼まれ仕事とはいえ、好きなことを
しているだけですから、少しも苦痛ではありません。嬉々として、やっています。
唯一のよくないことは、喫煙量が平常時の倍になることでしょうか。

 執筆に疲れると、ネットニュースなどをみるようにしていますが、台風の点以外
は尖閣問題で火を噴いた中国の反日デモが中心でした。中には反日など、どうでも
よく政府批判や生活に対する欲求不満からのデモ参加も多いでしょうが、日本とし
ては見過ごせない事態であることに変わりがありません。

 日中友好条約の際に中国が「棚上げ」でかまわないといい、日本が実効支配して
きたのですから、現状維持(既成事実の積み重ね)が一番有利なのに、中国嫌いで
戦争大好きの石原都知事が都知事の立場なのに国政に口を出し、紛争を煽っている
のですから、中国進出の日本企業は、都に損害賠償を求めたい心境でしょう。

 野田政権も20億の価値など疑問なのに素早く購入し、紛争に油を注ぎました。
きっと、中国や韓国との紛争を上手に利用し、支持率アップに使いたいのでしょう。

 これで、またもや、オスプレイの配備は絶対に必要だ、原爆開発能力を見せ付け
るためにも原発は必要だ、アジアとの友好を重視する小沢・鳩山に国政は任せられ
ないという世論操作がマスコミを通じてなされることでしょう。現に、野田内閣の
支持率が少し上がってきたようで、「近いうちに解散」も、参院で問責決議を受け
たことも、どこかに飛んで行ってしまいました。いつまでも操られる国民のままで、
いいのでしょうか。


2012.09.14(金)【条文番号は定款内容か】(金子登志雄)

 単元株式制度を採用していない上場会社では、平成19年11月27日に全国証
券取引所が公表した「売買単位の集約に向けた行動計画」のため、株式分割と同時
に単元株式制度の採用が強制されています。会社法でも、1株を100株に分割し
た際には、定款変更の決議でありながら、取締役会の決議で、発行可能株式総数を
100倍まで拡大し、1単元100株まで設定できるとされています。

 そこで、各社がどういう定款の変更をしたかと調べてみましたら、最近は、次の
方式がほとんどです。

--------------------------------------------------------------------------
(旧定款)
 第6条 当会社の発行可能株式総数は3万株とする。
 第7条 ………自己株式の市場買取………

(新定款)
 第6条 当会社の発行可能株式総数は300万株とする。
 第7条 当会社の単元株式数は100株とする。★新設
 第8条 ………自己株式の市場買取………   ★条文番号繰下げ
--------------------------------------------------------------------------

 びっくりしました。無関係な旧7条以下の条文番号の繰下げまで、取締役会で決
議しているのです。いままでの考え方では、条文番号もりっぱな定款の内容だから、
それを繰り下げたり繰り上げたりするのは株主総会の特別決議が必要だとされてい
たからです。

 いくら会社法で株式分割のときは、単元株式数を取締役会だけで定めてよいとあ
っても、無関係な条文までは動かせないと考えるのが通常ではないでしょうか。

 どうも平成22年あたりからこの方式が流行ってきたようです。それまでは、第
6条の2や、第6条第2項を新設して単元株式数の条文にしていたからです。

 しかし、考えてみれば、この条文番号は単に順序を示しただけで、定款内容とは
無関係だという考え方もできますので、私は、この際、この方式がもっともっと普
及することに賛成です。従来の通説には反しますが、定款とは株主総会の特別決議
で変更するほど価値のある部分に限るという考えをしたいからです。これを契機に、
学者の間でも、この考え方が普及していくことを望んでいます。


2012.09.13(木)【定型表現】(金子登志雄)

 登記申請の委任状に、委任事項として「復代理人の選任の件」と加えると、顧客
から「先生が自ら登記してくれないのですか」と聞かれ、「登記申請の取下げ、登
録免許税又は手数料の還付又は再使用証明の手続及びその受領に関する件」と加え
ると「登記申請を取り下げられては困るのですが」といわれることがあります。

 会社の設立で定款の作成を依頼されたので、定款に「当会社の株式につき質権の
登録又は信託財産の表示を請求するには、当会社所定の書式による請求書に当事者
が署名又は記名押印して提出しなければならない。その登録又は表示の抹消につい
ても同様とする」という条項を設けると、「100%子会社の設立なので、質権等
を設定することはあり得ませんが」といわれることがあります。

 いずれも、ごもっともな意見であることは司法書士も重々承知しておりますから、
私は「万が一のためです」とか「株式譲渡で100%子会社でなくなる場合もない
とはいえないじゃないですか」などと無粋な反論はせずに、「決まり文句です。印
刷文字と思って気にしないでください」と答えることにしています。

 こういうことは世の中に多数ありますね。100%子会社などの株主総会議事録
で、よく「満場一致により賛成可決した」という表現をみますが、はじめて議事録
をみた方は、非常に驚くようです。株主が1名なのに「満場一致」とはどういうわ
けだという感覚ですが、慣れてしまうと、何も感じなくなります。

 感じなくなった人をベテランというようですが、こんなことでいいのですかね。


2012.09.12(水)【利札】(金子登志雄)

 会社法697条2項に「社債券には、【利札】を付することができる」とありま
すが、この「利札」は何と読むでしょうか。

 債券の下にくっ付いている小さなクーポン券のことです。
http://image.search.yahoo.co.jp/search?rkf=2&ei=UTF-8&p=%E5%88%A9%E6%9C%AD

 私は、ずーと、「りふだ」と読んでおり、信じて疑いもしませんでしたが、ある
受験テキストに「りさつと読む」とありましたので、驚いてしまいました。

 「りふだ」ではいけないのかとネット検索しましたら、結論としては、どちらで
もよさそうです。

 当社の役員で銀行の元役員だった方に聞きましたら、「りさつ」と使っていた記
憶があるとのことでしたし、簿記の本でもそうだという人がいました。大学時代の
商法の教授が「りさつ」と読んでいたと教えてくれた仲間もいました。しかし、法
律用語辞典に「りふだ」とあったという人もいました。

 会社法の教科書である江頭本や前田本を調べましたら、ルビがふってありません
でしたが、あいうえお順の索引のところをみると、明らかに「りさつ」としか読め
ないようでした。

 専門用語としては、「りさつ」なのでしょうか。ちょうど、遺言を法律家は「い
ごん」と読むように(遺書の「い」ですから)。

 徐々に自信を失ってしまいました。いままで、札付きの悪を「ふだつきのワル」
と読んでいましたが、これも、「サツ付きのアク」が正しかったのでしょうか。お
金で悪さして、サツに捕まる悪党ですから………。


2012.09.11(火)【今こそ重厚長大に】(金子登志雄)

 自民党の谷垣さんが、幹事長の石原さんとの調整ができずに、総裁選出馬断念に
追い込まれました。

 野田首相に「近いうちに解散」と騙されるようでは党総裁は無理なので、自業自
得でしょうけど、谷垣さんを支える立場の幹事長である石原さんも同罪ではないで
しょうか。どうも、長老連中が扱いやすい石原さん支持に回ったので、谷垣さんも
あきらめたようです。

 しかし、これで「近いうちに解散」という約束はなかったことにされ、口先だけ
の松下政経塾支配がさらに続くことになりそうです。

 マスコミは「嘘つきは政治家と弁護士の始まり」と著書に堂々と書いた弁護士の
橋下さんをヨイショしてばかりしていますし、今後も、口先だけ達者な軽量級の人
材が日本を支配し続けるのかと、暗澹たる思いです。
 
 弁護士は、その場を口先で取り繕い、相手を攻撃するのが商売ですから、かつて
のオウム真理教の「ああいえば、上祐(じょうゆう)」と同じで、大局感をもって
動く人達ではないので、私は政治家には不向きな職業だと思っています。

 これでは、過酷な権力闘争に勝利してきたプーチン、胡錦濤、オバマ氏らと対等
に渡り合えるとは思いません。

 昭和50年代から、盛んに「重厚長大から軽薄短小に」と産業構造の転換が叫ば
れましたが、政治家までが、これほど軽薄短小になるとは思いもよりませんでした。

 それを選んだのは、テレビのワイドショーと思考を同じくしてしまう我々国民自
身ですね。ますます悲観的になってしまいます。


2012.09.10(月)【郷原著『検察崩壊』】(金子登志雄)

 元検事さんの郷原信郎(のぶお)著『検察崩壊』が猛烈に売れているようです。
出版されたばかりなのに、アマゾンでも簡単に入手できないようです。

http://www.amazon.co.jp/%E6%A4%9C%E5%AF%9F%E5%B4%A9%E5%A3%8A-%E5%A4%B1%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%81%9F%E6%AD%A3%E7%BE%A9-%E9%83%B7%E5%8E%9F-%E4%BF%A1%E9%83%8E/dp/4620321478/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1347167707&sr=1-1

 一応、法律家のはしくれである私は、出版前から予約していましたので、土日に
4分の3だけ目を通しました。

 巻頭特別対談は、検察の不祥事に指揮権を発動しようとしてクビになった小川前
法務大臣と郷原氏の対談でしたが、ここは、まだ読んでいません。

 第1章は小沢秘書だった石川議員との対談で、検察の脅迫やウソが生々しく語ら
れていました。

 第2章は大阪地検特捜部長だった大坪氏(ただいま裁判中)との対談でしたが、
大阪の人間には簡単にシッポ切りをし、刑事裁判の被告人にまで追い込みながら、
もっと罪の重い東京地検の佐久間元特捜部長や田代元検事には戒告程度の軽すぎる
処分に、猛烈に怒っていました。東京地検の不祥事はシッポ切りで済まないくらい
上層部に影響するので、組織防衛をはかった様子がよく分かります(検察株式会社
にこそ、外国人の社外取締役を義務づけるべきだという私の平素からの主張がご理
解いただける思います)。

 第3章は検察の不祥事を追及する市民の会の代表で歌手の八木さんとの対談でし
た。検察のクーデターで、民主主義が破壊されたことを相当怒っていました。確か
に、あのとき検察が民主党政権潰しに動かなければ、小沢総理になり、今とは随分
と違う日本になっていたことでしょう。歴史まで変えてしまいました。

 (市民の会)
   http://shiminnokai.net/

 不謹慎ながら、面白かったのは、検察は最後の手段として「奥さんを呼び出して
取り調べるぞ」と脅迫することが多いのですが、石川議員は独身で、その手を使え
なかったという部分と、検察に不都合な人間には痴漢の冤罪で捕まえてしまうこと
が多いのですが、八木さんは女性で、その手が使えなかったとあった点です。

 ウソの検察情報を垂れ流して小沢バッシングをし、いまだに何の反省もせず、今
も反小沢の野田政権を応援している毎日新聞が、この本を出版する無節操さには、
あきれてしまいますが、いずれにしろ、いまだに検察は正しいと信じている方には、
実にショックな本であることは間違いないでしょう。

 郷原氏も東京地検特捜部にも勤務したことのある元検事ですが、東大の理系出身
で、「理に合わないこと」が許せないことと、検察を愛するゆえの真実追及本です。
法律家だけでなく、民主主義を守りたい人や自由主義者にとっては、必読の書だと
思いました。ぜひ、ご一読を。


2012.09.07(金)【株券は無記名式?】(金子登志雄)

 金曜日ですね。会社法の話題にしましょう。

 会社法216条(株券の記載事項)には、次のようにあります。
----------------------------------------------------------------------------
 株券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、株券発行会社の代表取締役がこ
れに署名し、又は記名押印しなければならない。
 1 株券発行会社の商号
 2 当該株券に係る株式の数
 3 譲渡による当該株券に係る株式の取得について株式会社の承認を要することを
  定めたときは、その旨
 4 種類株式発行会社にあっては、当該株券に係る株式の種類及びその内容
----------------------------------------------------------------------------

 商法225条(株券の記載事項)には、「株券には………、【株主の氏名】を記載
し」とありましたのに、会社法では消えています。

 これをもって株券は無記名式になったということがありますが、無記名式新株予約
権や無記名式社債の無記名式とは意味が異なりますから、正確な表現ではありません。
本来の無記名式とは、原簿(株主名簿、新株予約権原簿、社債原簿)にも氏名が載ら
ないものであるのに対し、株主名は株主名簿に記載されるからです。

 では、なぜ、会社法216条のような中途半端な規定を設けたのでしょうか。『論
点解説 新・会社法』220頁よると、記載する必要性が乏しいこと、記載を求める
と株券発行事務を遅滞させる一因とっていたことも考慮されたとのことです。

 これによると、無記名式ではなく記名不要式というのでしょうか。余計な規定を設
けて、混乱させただけのような気がしないでもありません。


2012.09.06(木)【社外の要件】(金子登志雄)

 資本関係のないA社とB社が10月1日に共同株式移転でCホールディングスを
設立し、兄弟会社になります。同時に人事交流し、B社の代表取締役社長XをBの
取締役から辞任させ、A社の社外監査役にしたいのですが、可能でしょうか。

 Xは、過去にA又はその子会社の取締役、会計参与若しくは執行役又は支配人そ
の他の使用人となったことがないため、現在の会社法では可能です。意外ですが、
XがB社の代表取締役社長を継続中でも可能です。

 ところが、会社法制の見直し要綱案によると、兄弟会社の業務執行取締役若しく
は執行役又は支配人その他の使用人でないことが「社外であること」の要件に追加
されます。そうすると、無理でしょうか。

 しかし、『論点解説 新・会社法』289頁に次のようにあります。
--------------------------------------------------------------------------
 当該株式会社の子会社に該当するか否かの判定は、当該者が業務執行取締役等で
あった時点において行う。すなわち、A会社の取締役が、B会社の業務執行取締役
であった期間中、B会社が1度でもA会社の子会社であった時期があれば、現在は
B会社がA会社の子会社でなくなっているとしても、当該取締役については、社外
性は認められない。
 逆に、当該取締役がB会社の業務執行取締役であった時点においてB会社がA会
社の子会社でなかったならば、現時点で子会社であるとしても、社外性は認められ
る。
--------------------------------------------------------------------------

 これによると、XはB社から離れたので、大丈夫そうですね。しかし、企業再編
が増加し、かつ会社法の改正で、親会社や兄弟会社の業務執行取締役は社外取締役
になれないとなると、さまざま問題が発生しそうです。兼任禁止ではなく、社外だ
ったのに社外でなくなる案件が増えることでしょう。


2012.09.05(水)【CT検査】(島根・成瀬公平)

 先月はツツガムシに噛まれたかもしれないと心配していた成瀬です。

 その後、ツツガムシに噛まれた症状は出ませんでした。それでも、暑いせいなの
か、アルコールのせいなのか原因はわかりませんが、体調は悪く、先日、ついにダ
ウンしました。

 あまりにも頭の痛みが酷いため病院へ行き頭の検査をすることになりました。検
査は生まれて初めてのCT検査です。頭が酷く痛みますので、悶絶しているうちに
あっという間に検査は終わりました。

 すぐに検査結果を医師から聞くことになり、病院のパソコンの画面にCT検査の
画像が表示されました。

 その画像が表示された途端に思わず吹いてしまいました。なんと、子供の頭の
「形」と同じ画像が表示されていました。実はわたしの子供の頭の形は、芸術的な
斜め45度の絶壁です。赤ちゃんのときの寝かせ方が悪いとこれまで嫁さんを責め
ていましたが、原因は私の頭の形にあることが判明しました。嫁さん、申し訳あり
ませんでした。

 頭の形の画像を見てからは何だか体調が良くなりました。CT検査は、頭の検査
だけでなく、頭の痛みにも効くようです。


2012.09.04(火)【いじめとメッセージ】(島根・根来川弘充)

 私は、最新のニュースを知るのに携帯電話を利用する事が多いです。もっとも、
自らサイトを開くわけでなく、勝手にニュースが送られてきます。(もちろん、
このようなサービスを利用しているためですが・・・)

 ただ、その中には、「これがニュースなのか?」という記事も含まれています。
例えば最近では、いじめについて、著名人がメッセージを発信するというもので
す。

 いじめをしている子供、いじめられている子供、どちらでもない子供、それぞ
れに対するメッセージが、ニュースとして送信されてきます。見ていて、なるほ
どと思うところはあるのですが、このようなメッセージで、いじめが減るかと思
うと、そうでも無い気がしてしまいます。

 私ごとながら、子供時代は、いじめる側もいじめられる側も、多かれ少なかれ
経験してきました。振り返って見ると、いじめる側にあったとき、それが本当に
悪い事だと分かっていなかったと思います。

 大人になるにつれ、いろいろな経験を経て、本当に悪い事をしたと、いまさら
ながら思うのです。逆に言えば、良い事なのか悪い事なのかが分からないから、
子供だとも思うのです。

 私は、いじめの大きな問題は、人を狂気に走らせることにあると考えています。
幸いにも、私の場合はそこまでいたることも無かったのですが、何故そうならな
かったかは、特に理由は思い当たりませんので、きっと、その危険性はいつでも
あったのだろうと思います。

 ただ、よく考えてみると、大人の世界でも狂気なのではないかと思うことを良
く目にします。例えば、戦争やテロといったものは、その代表でしょうが、匿名
によるインターネットへの書き込みなどにも、それを感じることがあります。

 「人をどうすれば狂気に走らせないか」を問題にするならば、メッセージが必
要なのは、子供ではなく、大人の方ではないかと思えてしまいます。


2012.09.03(月)【後任、補欠、増員】(金子登志雄)

 金曜日の問題提起はいかがだったでしょうか。

 その後もいろいろ考えているのですが、「後任、補欠、増員」は日常用語との
関係もあり、実にややこしい問題を含んでいます。

 日常用語では、野球の例のように、「定員」があって、定員の補充が補欠で、
定員枠の拡大が増員ですが、取締役や監査役の任期計算の場面では、定員は無関
係のようです。

 しかし、この「定員」につき、取締役会設置会社であろうと「1人」と考える
と、AB2名のところ、ABとも任期途中で退任した場合は、後任であるCは定
員の補充だが、Bのみが退任した場合は、後任であるCは、前任者であるBとの
関係では補充だが、定員の面では増員といえるのではないでしょうか。

 では、退任したBの補充として、CDEを選任するのは何というのでしょうか。
1人が後任で、2人は増員だという考え方もあるでしょうが、私は全員が後任で
あり、任期計算は増員扱いだと考えます。

 なお、このように「後任」は前任者数と相違してもかまわないと思いますが、
「補欠」の場合は、「前任者数=補欠」ですから、CDEの誰がBの補欠かを決
めねばなりません。

 ますます、ややこしくなりましたが、お時間のある方は、このクイズ問題に、
ぜひ挑戦してみてください。


2012.08.31(金)【補欠と増員の狭間】(金子登志雄)

 今日は、本欄閲覧の司法書士の皆様に、最近発見した重要な問題をプレゼントい
たしましょう。私の解答を読む前に、ぜひ、ご自身でご検討ください。

--------------------------------------------------------------------------
 取締役会の存在する某社では「取締役ABC、監査役P」でしたが、つい最近の
臨時総会でCPが辞任し、後任として取締役D、監査役Qが選任されました。決算
期が8月なので、10月の定時総会でABの任期が満了します。Pも在任していれ
ば任期が満了するはずでした。
 さて、この会社の定款には、補欠取締役又は増員取締役の任期は前任者又は在任
取締役の任期満了時期と同じ、補欠監査役も前任者の任期を引き継ぐという定めが
ありますが、新人の取締役Dと監査役Qの任期は、いつまででしょうか。
--------------------------------------------------------------------------

検討1:DQは補欠ですか。
検討2:補欠でないとすると増員ですか。
検討3:取締役3名を欠いた状態でも増員といえますか。

 ここから下は、ご自身で検討した後に読んでください。
=====================================
(ご参考=すぐに解答が目に入らないための目くらましです)
 野球の員数は9人です。補欠要員をABとします。
9人の誰かに事故があると、A又はBが参加します。補欠とは【交代要員】です。
補欠がABの2人では不十分だというときに、補欠にCを加えることが増員です。
増員とは現存員数に追加することです。
=====================================

 DQは補欠になりません。補欠であることを明示していないため、単なる後任に
過ぎません。勘違いしている方が非常に多いので、ご注意ください。

 増員は現存員数に追加することですが、取締役の現存員数を3人と捉えると増員
になりませんが、私は現存員数は2人とみます。もし、3人だとすると、監査役の
Qも増員監査役になってしまいませんか。そういう考え方はありません。

 また、Cの辞任とDの選任が1か月空いたとしたら、誰でも取締役がAB2人の
ところにDを増員させたとみるでしょう。同時でも同じだと考えられませんか。辞
任が総会終結後だとしても、Dを増員者として予選したとみればよいでしょう。

 結局、【補欠とは前任者との関係】でいう用語、【増員とは在任者との関係】で
いう用語であり(在任者がゼロのQは増員ではない)、本件Dは、補欠として選任
されることも、増員として選任されることもあり得るのであって、今回は増員とし
て選任されているのでABと同時に任期満了退任するというのが私の結論です。

 本問の難しさは法定員数(3人)を欠いた状態だから、欠員の補充であって増員
ということに抵抗があることだと思いますが、任期を計算するための増員の基準は
【現存】員数であって、法定員数の問題ではありません。


2012.08.30(木)【ガバナンスの崩壊】(金子登志雄)

 竹島、尖閣で日韓中が騒々しいようですが、もし、急成長しそうな韓国企業や中
国企業があったとして、皆様は投資したいと思いますか。

 投資する・しないの基準は、あの国が嫌いかどうかではなく、儲かるかどうかで
しょう。かの国の企業のコーポレートガバナンス(企業統治)がしっかりしている
かどうかは、投資リスクとしては考慮しても、それがために投資を控えることはな
いと思いますが、いかがでしょうか。リスクなくして大儲けはできません。

 さて、愛する会社法の見直し案の背景に、日本企業はコーポレートガバナンスが
しっかりしていないから、外国人からみれば怖くて投資できないという理由が述べ
られています。

 しかし、前記したように、本当にそれが理由とは思えません。日本企業への投資
が減っているのは、日本はもう青年ではなく老人になってしまい、発展しないと思
われているからでしょう。要するに、魅力が減ってきたのです。

 にもかかわらず、社外取締役を増やせ、業務執行と業務執行のお目付け役は組織
的に分離せよなど学者先生はおっしゃるのですが、実業界の人間からすれば、何を
ピント外れなことをとしか感じないのではないでしょうか。

 そもそも、法律を最も遵守すべきは、日本の政府や検察組織・最高裁判所、学者
先生の所属する教育界のはずなのに、そのガバナンスの崩壊ぶりは、ご承知のとお
りの体(てい)たらくであり企業社会の比ではありません。ウソツキやペテン師に
道徳を説かれても聞く気がしません。

 また、これまで米国の圧力で日本はさまざまな改革(?)をしてまいりましたが、
うまくいった試しがありません。弁護士や会計士の合格者を増やした結果がどうな
ったでしょうか。大規模店舗の解禁は地方をシャッター街にし、製造業の派遣まで
自由化した結果はワーキングプアを増加させ格差社会を産み出しています。

 欧米文化とイスラム文化の戦いは戦争にまで発展していますが、各国には各国独
自の歴史や文化がありますから、その歴史や文化を大事にして、欧米の制度や仕組
みが正しいという前提の干渉(法改正)は、少なくとも日本国内だけを市場にして
いる企業(圧倒的多数)にまで求める必要はないでしょう。防衛すべきは領土だけ
ではなく、文化もあることを忘れたくないものです。


2012.08.29(水)【問責決議案】(金子登志雄)

 奥方様からしょっちゅう問責決議されている皆様、たまには憲法の勉強でもいか
がですか。

 自・公が参議院で野田総理の問責決議案を出したようです。なぜ、不信任決議案
といわないのでしょうか。憲法69条が根拠です。

--------------------------------------------------------------------------
 内閣は、【衆議院】で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したと
きは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。
--------------------------------------------------------------------------

 参議院の問責決議は法的効果がありません。そのため、問責決議後には「問責決
議を受けたお前が出てくる限り、審議には協力できない」と審議を拒否して抵抗す
るしかありません。

 これで予算案を執行する法律である特例公債法案も今国会での通過は絶望的とな
りました。わが国経済は地獄に向かって進むことになります。

 庶民の出身でありながら、景気や国民生活がどうなろうと全く興味もないかのよ
うな野田総理の一連の対応やしぶとさには怒りを越して、感心してしまいます。こ
ういうことも、松下政経塾で教えてくれたのでしょうか。

 また、自・公も衆議院では「近いうちに解散」という野田総理のヤルヤル詐欺の
約束を信じて不信任決議に欠席で協力したばかりなのに、今度は問責決議案の提出
とは………。実に情けないことですが、それを選んだのはわれわれ国民ですよね。
もっと、私を含め国民は賢明にならないといけないようです。


2012.08.28(火)【韓流スターの受難】(金子登志雄)

 竹島問題で、韓国メディアに韓流スターがいじめられていますが、なぜ、「君た
ちはよくやった。あの日本から、大金を巻き上げたのだから。今後も、ますます精
進して日本から金を貢がせてほしい」とならないのでしょうか。

 昔、イギリスにビートルズという髪の毛は伸ばし放題で、服装もけばけばしく、
音楽も騒々しいだけ(当時の大人はそう思っていました)の4人グループのロック
バンドがあり、世界中の若者を虜にしました。

 イギリスの中ではイギリスの恥だという意見も多かったようですが、外貨を稼ぎ
まくったため、エリザベス女王から大英帝国の勲章を授与されました。

 そこまでしなくても、韓流スターの日韓親善に果たした役割は非常に大きいもの
があるのに、それも全てご破算になってしまいました。

 なぜ、こういう差が生じるのでしょうか。儒教の国で真面目な国民性だから? 
1民族だから? 成功している人間の足を引っ張って落としたいという嫉妬心? 
日韓親善を許せないから?

 まぁ、よく分かりませんが、韓国の庶民がいろいろな意見を持つのは自由ですが、
マスコミが焚きつけてコトを大きくするのは、日本も韓国も同じですね。


2012.08.27(月)【日韓中の成熟度】(金子登志雄)

 土日は帰省し、久々にワードショーなる白痴化番組をちらっとみましたが、ほと
んどが、竹島、尖閣問題でした。

 韓国では、2国間のTPPともいうべき米韓FTAも不平等条約だと評判が悪い
ようですし、韓国経済も相当悪くなっているとの話もあります。また、李大統領の
親族の不正も問題になっているようですから、竹島問題は明らかに大統領が失政を
ごまかし、目を日本に向けさせるための周到に計算された人気挽回策でしょう。

 それに乗せられた韓国マスコミが、韓流スターに踏み絵を踏ませていじめている
ようですが、韓国もまだまだ大人の社会にはなっていませんね。九州への観光旅行
もキャンセルばかりだそうです。反日のポーズをしないと、非国民扱いされてしま
うのでしょう。反日のリーダーになった李大統領の支持率も急上昇とのことです。

 もちろん、日本も韓国を批判することができません。反小沢かどうかの踏み絵の
世論調査ばかりされた後には、「絆」、「ひとつになろう日本」などという標語に
乗せられ、大震災や原発問題の責任追及をうやむやにされ、何となく日本人全部の
総ざんげ問題にされてしまい、それを理由に消費税アップの口実に使われてしまい、
三党合意に至ると、今度はオリンピックに目をそらされ、いまや、反中国、反韓国
に目を向けさせられ、韓流スターを日本に入れるななどという小児病患者まで出て
くる始末です。尖閣問題も軍用機オスプレイの配備に誘導されそうです。

 領土問題は一朝一夕に解決するような問題ではないのですから、もっと大人の対
応をすればよいのにと思いますが、日本や韓国、中国の文化度では、私も非国民の
一人になるのでしょうか。

 ここまで書いて、ネット検索していたら、田中良紹さんがブログを更新していま
した。日本では李大統領が頭がおかしくなったという論評が多いのに、彼も、李大
統領の計算づくの行動だという見方でした。いつも、アメリカさんの意向を気にし
ながら動くのは国際政治の現実のようです。

 http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2012/08/post_312.html#more


2012.08.24(金)【株主平等原則】(金子登志雄)

 22日は、某大手経営コンサルタント会社で会社法109条2項の属人的定めに
ついて講義及び議論してまいりました。

 事前に学者の解説を読んで行きましたが、何をいいたいのかさっぱり分かりませ
んでしたし、明らかに間違いだと思われる箇所もみつかりましたので、無視して、
自説を述べてまいりました。

--------------------------------------------------------------------------
第109条(株主の平等)
@ 株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わ
 なければならない。
A 前項の規定にかかわらず、公開会社でない株式会社は、第105条第1項各号
 に掲げる権利に関する事項について、株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定款で
 定めることができる。
B 前項の規定による定款の定めがある場合には、同項の株主が有する株式を同項
 の権利に関する事項について内容の異なる種類の株式とみなして、この編及び第
 5編の規定を適用する。
--------------------------------------------------------------------------

 2項に「前項の規定にかかわらず」とありますから、1項の例外であることは明
らかですが、株「主」平等原則の例外がであるかについては、疑問があります。

 1項は、株「式」の平等を定めたもので、2項は、組合的な小規模閉鎖会社を前
提に株「主」を基準に、株主の平等の限界と定款自治を定めたものだともいえるか
らです。

 議論は、主に「株主甲に限り1株につき議決権100個とする」と定めるときに、
残りの乙丙丁など全員の同意を要するのか、309条4項の特殊決議でよいのか、
「1株につき1万個」という極端な場合はどうか、「株主乙に限り議決権なし」と
定める場合はどうか、不利益を被る反対株主に買取請求があるかなどという点を巡
ってなされました。

 私の見解の披露は長くなるので控えますが、全員の同意が必要であれば309条
4項の存在意義がなくなるため、原則は不利益を受ける者全員の同意は不要であり、
一部の学者が反対株主に「買取請求あり」というのは間違いだと思っています。そ
れを許容する明文上の根拠もありません(上記の3項は「定款の定めがある場合」
の話であって、これから定款に定める場合には適用されません)。

 結局、規定がはっきりしないから利用は避けようと動くか、不明朗だからこそ利
用価値が高いと思うかは、その人の個性であり、利用する人ごとに異なる取扱いが
なされてしまいそうです。


2012.08.23(木)【仕事をするということ】(仙台・立花宏)

 「きっと君たちは、机に向かって問題と答案用紙を配られたら、誰にも負けない
いい点数をとるんだろう。だが今回の試験は、まず解くべき問題を探してくるとい
うところからはじまっていたようなものだ。君たちは、その肝心な勝負に負けた。
その結果、君たちは、間違った問題を解き、間違った答えを出した。」

 これは、「ロスジェネの逆襲」(著者:池井戸潤)という小説の中に出てくる言
葉で、自らの誤った判断により失敗をおかした部下が見苦しい言い訳を始めたこと
に対して、上司が述べた言葉です。

 厳しい言葉のようにも思いましたが、でも、仕事をするということの難しさを的
確に表現しているなあと感じさせられた言葉でした。

 受験生時代は、司法書士になるための試験はとても実務的な試験と聞いていまし
た。

 しかし、試験に合格し、いざ、実務を行うようになると、仕事をするということ
は、試験問題を解くのとはまるで違うということを思い知らされました。

 試験問題は、問題を解くための前提となる条件や、回答すべき論点はすべて問題
文を読めばわかるようにできています。それに対して、実務では依頼者等から聞い
たり、資料を丹念に読み込んだり、条件や論点をすべて自分で集めたり見つけ出し
たりする必要があります。

 依頼者等からの聞き取りや資料の読み取りを誤ってしまうと、“間違った問題を
解いてしまう”ということにもなりかねません。

 司法書士試験に合格し、実務に就いた後、スムーズに実力を発揮する人もいれば、
なかなか実力を発揮できず、苦労しているように思える人もいます。もしかしたら、
“解くべき問題を探す”というところで差がでてきているのかな、と思います。

 実はいま、ある研修会の企画に関わっています。商業登記の担い手である司法書
士が企業法務の観点から、東日本大震災からの復興にどのように関わっていけるの
かを考えています。約1時間弱の寸劇という形になる予定です。

 “解くべき問題を作る”という難しい作業、がんばりたいと思います。 


2012.08.22(水)【喫煙者のオアシス】(金子登志雄)

 富田さんに限らず喫煙者は、どこに行っても、まずは喫煙場所を探します。それ
だけ少なくなりました。追い詰められてきています。

 分煙ではなく全席とも喫煙できる喫茶店は、どこも混雑しています。喫煙者にと
って居心地がよいため、そこに長く滞在するからです。回転率は悪いでしょうが、
コーヒーだけでなくトーストなども注文するため、採算に合うのでしょう。

 喫煙者は、歩いていても、喫煙場所のある公園でも見つけると必ず立ち寄ります。
砂漠でオアシスを見つけたような感動があります。生き返ります。

 ところが、数か月後には、そのオアシスが撤去されているのです。おそらく心の
狭い狭い反喫煙者が「税金の無駄だ」なんて行政にクレームをつけたのでしょうが、
真意は税金の問題ではなく、喫煙自体に強い不快感をお持ちなのでしょう。

 ここ毎日、電車の中などで、腕や背中にタツーをしている人をみましたが、不快
感を持つ方には、タツーがみえないような服装をせよといいたくなるだろうなと思
ってみていました。

 きっと憎い喫煙者を滅ぼした後は、心の狭い人はタツ―攻撃を開始することでし
ょう。タツーの後は「犬を連れて歩いてはいけない」「道を3人以上で横に並んで
歩いてはいけない」「電車の中で化粧をしてはいけない」などという法律ができ、
最後はイスラム圏の女性のように「全て国民は不快を与える顔を露出してはいけな
い」ということになるかもしれませんよ。

 冗談を………と思いでしょうが、風俗雑誌(いわゆるエロ本)などが青少年の育
成によくないという理由で過激に規制された後には、政治思想への統制がはじまる
といわれておりますから、風俗は思想の自由の防波堤になっている部分があります。

 同様に喫煙に寛大であることは、自由社会を守ることに通じるのですが、分かっ
てくれる人が少ないのですよね………。


2012.08.21(火)【万国の●●●よ、団結せよ!】(東京・富田太郎)

 ここ数か月、全国行脚の日々でした。

 書類を客先でいただき、そのまま法務局へ直行することもあり、はじめて行く
地方の法務局もありました。

 また、法務局と言っても千差万別で、各法務局により、大きな違いがあること
に気がつかされました(つくづく)。

 僭越ながら、下記が私の各法務局の評価です。

◎◎・・最良  ◎・・優良    ○・・可   ×・・不可
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 東京法務局   本局       ◎◎
 東京法務局   港出張所      ◎
 東京法務局   品川出張所     ◎
 東京法務局   新宿出張所     ○
 東京法務局   渋谷出張所     ×

 名古屋法務局           ◎◎
 仙台地方法務局           ×
 大阪法務局             ×
 新潟地方法務局 新発田出張所    ×
 福岡法務局   北九州支局     × 
  (以下省略) 
――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 なんの評価??

 商業登記に詳しい法務局の評価?? 対応の良かった法務局???

 いえ、そうではありません。
これは『タバコを吸うことができる法務局か否か』の評価です(きっぱり)!

ちなみに、
 東京法務局新宿出張所は、喫煙室はなく法務局の外にバケツが一つ置いてあ
り、そこでしかタバコが吸えないので○。

 港出張所は喫煙室がありますが、『タバコは健康の害です』みたいな無粋な
ポスターがはってあるので、◎一つです。

 ここで、心配なのは、上記『優良法務局』も、『邪悪な非喫煙者』の投書・意
見によって、喫煙所が撤去されるのでは?という恐怖です。

 恐る恐る資料を調べてみると、やはり法務省の『国民の声』(法務省への意見
窓口)には次のような投稿があったようです。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 『東京法務局1階ロビーに喫煙所を設置しているが撤去していただきたい。
一部喫煙者のためだけに喫煙設備を設けるのは税金の無駄である。』
――――――――――――――――――――――――――――――――――――

税金の無駄???

 タバコの売上げは、税金の一部(注)になっているのに、阿呆で、教養のない
方のようですね(冷笑)。

(注)1箱410円のうち264円が税金
  (たばこ税法/昭和59年8月10日法律第72号)

これに対する法務省の回答は

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 『当該喫煙所を利用される来庁者は少なくなく、仮に喫煙所の撤去を行った場
合には禁煙区域における喫煙やそれに伴う火災・事故等の発生が懸念されること
から、現時点において、喫煙所の撤去は難しいものと考えます。』
(平成23年6月27日 取組全体の自己評価(案)/法務省予算監視・効率化
チーム)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 さすがぁ〜法務省ですね♪
 
 ・・・・・・・・・・・・

 んん????『現時点において〜』・・・・・・(汗)

 毅然と『未来永劫、撤去は難しい(きっぱり)!』と
言ってほしかったのに………。

 『万国の喫煙者よ、団結せよ!』です!


2012.08.20(月)【商業登記倶楽部夏季セミナー/in札幌】(金子登志雄)

 18、19の土日は、商業登記倶楽部の夏季セミナーが倶楽部の創業20周年を
記念して札幌で行われたため、同倶楽部5人委員会の私も、鈴木龍介さんと一緒に
参加してまいりました。

 会場は中島公園の近くでしたが、この公園の周囲はホテルばかりでした。郵便局
やコンビニよりも多いでしょう。

 遠い九州はじめ全国から名だたる司法書士が100名以上も参加していましたか
ら、商業登記倶楽部のパワーにはすごいものがありました。もちろん、マスコミを
代表して(?)、キンザイも取材に来ていました。日司連会長もお祝いに来てくだ
さいました。

 主宰者の神ア(こうざき)先生の執念であった近日発売の下記の『商業・法人登
記六法』をはじめ、非売品の重要な資料その他も大量に配布されましたので、参加
者には大いに価値あるセミナーになったことでしょう。

(商業・法人登記六法)
http://www.biz-book.jp/%E5%95%86%E6%A5%AD%E3%83%BB%E6%B3%95%E4%BA%BA%E7%99%BB%E8%A8%98%E5%85%AD%E6%B3%95/isbn/978-4-502-05910-0

 メインゲストは中央大学の野村修也教授で、会社法の改正方向に絡んで日本企業
のコンプライアンスを中心に1時間40分ほど話してくれました。さすがに話はう
まく、聴衆を魅了していました。

 私も20分ほど話しましたが、根がひねくれていますから、「会社法の改正の勉
強をする前に現在の会社法を十分に理解しましょう」と、旧商法と会社法の考え方
の相違を中心に話しました。

 商法時代は、これから何をしようという発想で規定ができていたが、会社法は現
時点から過去を振り返って、あれも済んだ、これも済んだということで効力を発生
させている。また、準備金の資本組入れが、準備金の減少と資本金の増加に因数分
解されるなど、デジタル思考になった。親会社と子会社の関係も、親は親、子は子
だったが、今後は、多重代表訴訟をはじめ、「AはA、BはB」という考え方が見
直される可能性が高い。しかし、子は親の一部なら、子会社の決算公告はしなくて
よいなどということも考えないとおかしい………なんて、平素の考えを述べてまい
りました。

 夜は懇親会、2次会に続いて、地元のK先生から夜でも行列のできる札幌ラーメ
ンのお店に案内していただきました。K先生、ご馳走様でした。

 さぁ、今日から、また、行列のできた試しのない当事務所を開きます。


2012.08.17(金)【株式会社と清算株式会社】(金子登志雄)

 「すべての株式会社は取締役を1人以上置かなければならない」………〇か×か。

 100人の法律家の100人又は99人が〇にするでしょう。会社法326条に
も「株式会社には、1人又は2人以上の取締役を置かなければならない」とありま
す(注:「1人又は2人以上」とは数学的には1人以上ですが、「単独又は複数」
という会社法用語です)。

 しかし、ふと考えると、会社が解散して清算段階に入ると、取締役が不在になり
ます。

 おかしいなと思いませんか。よくみると、会社法476条に「清算をする株式会
社(以下「清算株式会社」という。)は、清算の目的の範囲内において、清算が結
了するまではなお存続するものとみなす」とあります。

 要するに、会社法は「株式会社」と「清算株式会社」を別物と把握しています。
事業報告も事務報告という用語になります。きっと、設立時株式会社、通常時株式
会社、清算時株式会社という区分けの発想でしょう。

 これに関連して、電子公告による決算公告の5年間継続義務を規定している会社
法940条をみますと、主語が「株式会社」になっています。

 ということは、解散して清算株式会社になると、5年間継続義務がなくなると解
釈してよいのではないでしょうか。

 なぜ5年間も継続義務があるかというと、取引しようとする人や株主になろうと
する人が業績の推移を調べるのに便利だからでしょう。有価証券報告書の最初の頁
である「企業の概況」も過去5年間の推移を記載するようになっています。

 解散したら、取引したいとか株主になりたいという人は登場しませんから、極論
したら、清算人が「現務の結了」の一環として、決算公告をホームページから消し
てしまってもよいといえないでしょうか。

 合併による解散は清算が不要で清算株式会社にはなりませんが、それ以前に株式
会社でもなくなるため、決算公告の5年間継続義務は会社の消滅とともに消滅し、
合併で引き継がれることはあり得ないというのが私の主張です。

 大手法律事務所の森・濱田松本の『組織再編』7頁には、合併で承継されるとあ
りますが、深く考えた上での見解とは思えません。


2012.08.16(木)【伝説の男】(金子登志雄)

 お盆休みはいかがだったでしょうか。私は例によって、頼まれ原稿に対する執筆
三昧で、オリンピックも旅行も帰省も全く他人事でした。

 唯一、ニュースで、ウサイン・ボルトの100mと200m制覇をみましたが、
まさに超人ですね。カール・ルイスや東京オリンピック時代のマラソンのアベべな
どと同様に、後世に語り継がれる快挙でした。

 本人も「伝説の男」であることを証明したと発言していましたが、日本人がこれ
を発言したら、相当なバッシングが生じたことでしょう。日本人だったら「応援し
てくださった皆さんが背中を押してくださったおかげです」とか、たわいない発言
でもして、飛んできそうな矢を避けるところでしょうか。これじゃ、世界に通じる
発言はできませんね。

 200mでは、3位までが同じ服装のジャマイカでした。なぜ、こんなに強いの
でしょうか。

 ジャマイカはキューバと同じ西インド諸島にあるのに、スペイン語ではなく英語
を使うと聞いたので、さっそく調べてみましたら、やはり、もともとはスペイン領
だったのに、イギリスに追い出されてしまったようです。

 スペインやイギリスの植民地として過酷な労働を強いられ、かつアフリカから連
れてこられた奴隷も多かったようで、弱い肉体は自然に淘汰され、また混血に次ぐ
混血で優秀な肉体をもつ民族に育ったのかもしれませんね。

 ちなみに、デバラの今は誰も信じてくれませんが、私は中学校のとき、200m
の選手で、群馬県の某市の全中学校が集まる陸上競技大会で1番でした。

 県大会では予選落ちでしたが、ボルトをみていると、自分の若い頃をみるような
心境です………というのは大ウソで、高校からは全く運動をせず、いまも「せっか
く神様からいただいた体をいじめるのはよくない」とスポーツとは無縁に生きてい
ます。長生きして、スポーツは体に悪いことを実証すれば私も伝説の男になれるか
もしれませんね。


2012.08.10(金)【本欄のお盆休み】(金子登志雄)

 野田内閣不信決議案はあっさり否決で、ちょっと拍子抜けでした。独特の政局感
を持ち、喧嘩に強い小泉元首相らの剣幕に押されて谷垣さんも一旦はこぶしを振り
上げたのですが、あせった財務省やマスコミ勢力になだめられて、最後は、3党の
仲良しこよしが復活したようです。

 「近い将来」の解散の約束が「近いうちに」解散という方向に変わったから谷垣
さんも了承したとの報道がありますが、危機を乗り越えた野田さんが、そう簡単に
解散するとは思えません。また、いま解散したら民主党は壊滅するため、党が許さ
ないでしょう。

 そうなると、今度は自民党内が内輪もめしますが、今回、党の方針に逆らって賛
成票を投じた小泉ジュニア(進次郎)氏ら7人を自民党は処分することができるの
でしょうか。処分しないと、3党合意に逆らった小沢らを処分せよといっていたこ
とがブーメランとして自民党に戻ってきます。

 これで終わらず、まだまだ、波乱がありそうですね。

 さて、来週はお盆休みのところが多いようですが、24時間365日年中無休の
コンビニエンス事務所である当事務所は、休みません。ただし、神田小川町の事務
所ではなく、思い切り喫煙のできる別の場所で仕事をする予定ですので、面会をご
希望の方は事前にご連絡ください。

 また、本ホームページ管理者にも休みをとらせますので、この徒然も13−15
日は休みます。「人に頼まずに自分で更新すればよいじゃないか」と思われた方も
多いでしょうが、そういう現場の作業は事務所の所長である私の仕事ではありませ
ん(ほんとは、更新の仕方を知らないのですが)。

 それでは、また16日に本欄でお会いいたしましょう。


2012.08.09(木)【童謡:ふるさと】(金子登志雄)

 国会情勢が風雲急を告げてきましたね。三党合意で板挟みの自民党の谷垣さんも、
「つつがなしや谷垣」とはいえなくなっているようです。

 名曲、童謡「ふるさと」の歌詞です。
--------------------------------------------------------------------------
 うさぎおいし かのやま  こぶなつりし かのかわ 
 ゆめはいまも めぐりて  わすれがたき ふるさと

 いかにいます ちちはは 【つつがなしや ともがき】
 あめにかぜに つけても  おもいいづる ふるさと

 こころざしを はたして  いつのひにか かえらん
 やまはあおき ふるさと  みずはきよき ふるさと
--------------------------------------------------------------------------

 この3番の「こころざしを はたして いつのひにか かえらん」というのは、
実に日本人らしいですね。米国人や中国人などは、故郷に錦を飾りたいという心境
は薄いのではないでしょうか。

 まだ父母が健在中の話のようですから、これ、東京に出て予備校通いしている受
験生の歌みたいに読めませんか。

 仕送りしてくれているお父さん、お母さん、お元気ですか。ボクは、きっと東大
に合格し、財務省に入り、財閥の娘と結婚し、いつの日にか、運転手付の車で、ふ
るさとに帰るぞ、といった自分を励ます歌のようにも読めてしまいます。

 いやですねぇ、挫折ばかり繰り返しており、志を果たせなかった人間は、つい、
こういう皮肉な読み方をしてしまいます。

 いずれにしろ、日本社会の成長神話も終わり、立身出世を望む時代は終わりまし
た。桃太郎のように異国を征服して略奪する人よりも、金太郎のように、原発も求
めず、熊や自然と調和して生き、共生する生き方を大事にする時代ではないでしょ
うか。童謡「ふるさと」も歌詞全体では、自然に対する賛歌ですから、反原発運動
で歌われることもあるようです。

 いつまでも「やまはあおき みずはきよき ふるさと」でありたいものです。


2012.08.08(水)【OB会】(金子登志雄)

 4日の土曜日には、慶応大学新田研究会(民法ゼミ)のOB会があったので、参
加してきました。

 マイペース人間の私は、団体生活が苦手で徒党を組むも大嫌いなため、いわゆる
三田会などという会には可能な限り逃げ回って参加しないのですが、この会だけは、
恩のある先生への感謝の気持ちから、できるだけ参加しています。

 学生時代のゼミの運営が、事例問題を出し、翌週までに解答のレポートを作成し、
そのレポートをもとにディベートし合う形式でしたから、1年間で相当鍛えられま
す。どこかの説の受け売りのようなことを言えば、すぐに追及され、ボロがでてし
まいます。

 2週連続でレポートの提出をサボると退会処分を受けるルールでしたので、大学
の授業には出ずに雀荘にいることの多かった私もさすがにゼミだけは真面目に出席
いたしました。

 こういうゼミだったので、ゼミ員皆が先生に感謝しており、毎年のOB会も盛況
です。私は4期生ですが、後輩には弁護士や政治家が多いのも、討論で鍛えられた
からでしょう。裁判官も大学教授もいます。

 今回は、多忙なのに民主党の長妻昭君も主賓として参加し、30分くらい講演を
してもらいました。

 残念ながら、政局の裏話はありませんでした。名刺交換や挨拶も控えました。主
賓さんに、「最近の民主党は評判悪いぞ」といってしまいそうでしたので………。
やはり、思ったことを口に出してしまう私は集団生活は無理ですね。今後も、孤独
な一匹羊として司法書士業務や執筆業務に精を出すしかないようです。


2012.08.07(火)【懇親会】(金子登志雄)

 姫井講義の後の懇親会の席で、姫井さんと名刺交換しました。

 名刺を出して「司法書士です」と申し上げましたら、「私も」といわれ、親しく
会話できましたが、会社法で有名な金子先生(?)を存じてくれてはいないようで
した。無理もありません。県会議員8年から国会議員へという経歴が示すとおり、
彼女の本職は司法書士よりも議員です。会社法どころではなかったでしょう。

 雑談で「尖閣諸島を20億円も出して買うなら福島の被災地の土地を買えばいい
のに、民主党はパーフォーマンスばかりで、ほんとにダメですね」といいましたら、
「尖閣の時価は〇〇〇円で、頑張れば私だって買える値段なのに………」と疑問を
提示していました。

 選挙区である岡山の江田五月さんとの確執、新党「国民の生活が第一」のことな
ども聞いてみましたが、しっかりしたお考えを持っており、マスコミ報道から受け
るヤンチャ姫のイメージとは相違しました。コンビニ経営者達からは強い期待を受
けていることも今回知りました。

 その後は、亀井静香さんに詳しいフリーライターの高橋清隆さんと雑談しました。
亀井さんも、マスコミから受けるイメージと相違し、実際は神経が細やかでシャイ
な方だそうです。亀井さんの尊敬する人物は、大塩平八郎、西郷南洲、チェ・ゲバ
ラであり、共通点は負けると分かっていても生命を賭して信念を貫き、後世にその
生き様を残したことだそうです。亀井さんの平素の発言も、このまま米国やCIA
にやられてなるものかという悲壮な覚悟のものが多いといえます(米国は国内では
民主的ですが、こと外交に関しては残酷で恐ろしい国といわれています)。

 高橋さん達、フリージャーナリストの生活もコンビニ経営者と同じく大変なよう
で、同業の岩上安見さんや田中龍作さんのように支援募金で動く人、上杉隆さんの
ようにゴルフジャーナリストという副業を持つ人などさまざまなようです。高橋さ
んもアルバイトをしながら、ジャーナリストとして生きているとのことでした。

 真実を伝えたいという彼らのジャーナリスト魂を身近で触れるにつけ、テレビ局
のシナリオどおりにコメントを発するお気楽で恥知らずの御用コメンテーター達と
の人間性の差を強く感じざるをえませんでした。


2012.08.06(月)【姫井:コンビニ改造論講義】(金子登志雄)

 今日は原爆記念日ですね。広島の資料館も長崎の資料館も訪問したことがありま
すが実に悲惨なものでした。根こそぎといった感じでした。フクシマでも、そのう
ち記念館が作られるでしょうが、こういうことは真実を後世に伝えねばなりません。

 議事録さえ作らなかった日本政府の動きに対して米国では膨大な資料が残された
ようです。臭いものに蓋をする文化としない文化の差だとしても、真実を直視せず、
建前と本音を使い分け、歴史に学ぼうとしない日本文化には問題ありですね。何度
も同じ過ちを繰り返しますし、現に繰り返しています。

 さて、24時間365日年中無休のコンビニ経営では、儲かっているのは本部ば
かりで、現場の店は「働けど働けど………」の富田事務所状態であることは、知る
人ぞ知る事実です。

 これに関連して、なぜか、政治学者で全く面識もない岩渕美智子さんという方が
主催する「未来社会研究会」というところから、「コンビニ改造論と最近の政局」
というテーマで、7月31日夕方から、姫井由美子参議院議員の講義があるという
案内が当事務所のFAXに入りましたので、姫井さんをみてみたいという好奇心も
あり、参加してきました。

(岩渕美智子さんのHP)
 http://sites.m-iwabuchi.com/

 行ってみましたら、顔見知りの司法書士が3人いました。聞けば、司法書士政治
連盟からの参加で、司法書士でもある姫井さんには、当業界がだいぶお世話になっ
ているとのことでした。

 講義では、姫井さんだけでなく、コンビニ経営者の数名が現状を訴えておりまし
たが、その1人の方(コンビニの親会社出身の方)が「コンビニ経営者は奴隷だ」
とおっしゃっていました。銀行出身の経営者の方も、いらっしゃいましたが、口ぐ
ちに本部の不当性を訴えておりました。儲かってくると、近所に同じ系列店が出店
してしまうようです。

 本部にさまざまな改善を訴えると、契約の解消を迫られるので、怖がってユニオ
ンにも加盟しないようです。

 コンビニ経営者は一応は経営者であるため、労働者としての権利も主張できず、
経営者でありながら、仕入れも値引き販売も自由にできず、深夜の客がない地域で
も24時間営業を強いられ、その人件費も馬鹿にならないようです。

 その他の詳細は、参加していたフリーライター高橋清隆さんに報告してもらいま
しょう。

 http://www.janjanblog.com/archives/78341

 その救済に孤軍奮闘しているのが姫井議員だそうですが、スキャンダルを乗り越
えて頑張ってほしいものです。


2012.08.03(金)【ツツガムシ】【島根・成瀬公平】

 みなさま、連日の猛暑の中、つつがなく日々をお過ごしでしょうか。

 先週の金曜日から2泊3日のキャンプをしてきました。設営場所は、電気・ガス
・水道はもちろん下水道もなく、山道を30分ほど歩かなければならない人郷から
離れた海岸でした。景色は素晴らしく、山からは小川が海へ流れ込むとても風情の
ある場所でした。

 キャンプにあたって地元の人とお話をする機会がありました。誰からも言われる
のは、キャンプ地周辺では「ツツガムシ」に気をつけなさいということです。ツツ
ガムシとはダニの一種で、噛まれると死ぬこともある怖いダニとのこと。長袖長ズ
ボンを着用すること、活動した後にはお風呂に入ること、テントで寝ることなど注
意を受けました。冒頭の「つつがなく日々をお過ごしでしょうか」の「つつがなく」
はツツガムシに噛まれることなくの意味だとも教えてもらいました。

 さて、キャンプが始まってみると、半袖半ズボンしかなく、お風呂はない、さら
にテントの数が足りず新聞を被って外で寝るというあり得ない設営となりました。
案の定、次の日には体の至る所が虫に刺されています。ツツガムシに噛まれると黒
い刺し口になるそうで、新聞を被って寝た者一同は恐怖を味わうことになりました。

 月曜日から仕事に復帰し、お客様と「つつがなくはツツガムシのことですよ」と
自慢げに話をしていたところ何人目かのお客様がその語源を否定されました。そこ
で事務所に帰ってから辞書を調べてみると、確かにつつがなくはツツガムシが語源
ではないとあります。なんと俗説とのこと。

 人に話をするときは何事もきちんと調べたうえで行わなければ恥をかくことをあ
らためて感じる出来事でした。

 ちなみに、今日まで生きていますのでツツガムシには噛まれておらず大丈夫かな
と思っていたところ、辞書を調べるうちに潜伏期間が1週間ということがわかりま
した。みなさまにまたお会いできることを切に願っています。


2012.08.02(木)【日本人はなぜデモをしないのか】(金子登志雄)

 昨日の根来川さんの投稿を参考に、表題について考えてみました。

 法を無視した検察の反対派への横暴、財務省の税務当局を使っての反対派への嫌
がらせ(政府批判の新聞社もこれでやられています)、国民主権を無視した菅政権
以来の民主党政権の横暴ぶり………、これだけの材料があれば、海外では暴動が起
きているところなのに、なぜ日本人はデモなどの行動に移さないのかという問題が
雑誌やネットに多く取り上げられるようになりました。

 古くは秀吉の刀狩りで牙を抜かれたからだという人もいますし、徳川300年の
平和な時代で、政治はお上がやるもので庶民は無関係だという考え方が浸透してい
ると述べる人も、島国を理由にする人もいます。周囲を海で囲まれ、政治亡命する
こともできない環境だからです。

 全て一理あると思いますが、やはり富国強兵の明治政府以来続いた官僚主権国家
(マッカーサーも改革に手を付けなかった)が、それなりに成功してきたことが原
因でしょう。

 厳しい割に裁量の余地のある法律をたくさん作り、国に逆らう人間には、政治資
金規正法だ、脱税だと襲いかかり、国に協力的な人間には、目こぼしし、水戸黄門
や暴れん坊将軍を代表するテレビ番組で、権力側にもいい人は多いと宣伝し、政治
は汚いもの、政治家は悪い人、政治を話題にする人は変な人という風潮を長年にわ
たり作ってきましたし、また、この環境は庶民にとっても実に居心地がよかったた
め、日本人全体がぬるま湯に浸かってきたためでしょう。

 本来「政治とは日々の生活そのもの」ですが、政治と生活は別物だと思っている
人が日本には多いようです。

 しかし、居心地のよかった環境の背景には、日本経済が高度成長し、三種の神器
(テレビ、冷蔵庫、洗濯機)を揃え、マイホーム、マイカーを求めることに庶民の
関心が強かったことがあると私は思っています。いまや、失われた10年、20年
という不景気が長期に続いていますから、日本人も徐々に変わってくるのではない
でしょうか。

 毎金曜日の官邸前の反原発デモは、やっとマスコミも取り上げるようになりまし
たが(これも海外メディアが、NHKはじめ日本のマスコミはおかしいと言い始め
たのがきっかけです)、この数年、全国で小沢支持(反検察デモ)が何度も行われ
ていること、野田さんや枝野さん、菅さんの地元で、「〇〇を落とせ」デモが何度
か行われていることなどは、ネット市民であれば知っていることです(皆様は、ご
存知ですか。それほどネットと新聞・テレビは相違します)。

 都合の悪いことは「知らしめず」、仕方なく知らしめる場合も、20万人を1万
数千人と小さく伝えたり、あのデモのバックには左翼の扇動家がいるとコメンテー
ターに語らせる紙やテレビ電波の時代から、ネットやツイッターの時代になり、後
者が前者を凌駕する頃には、日本も大きく変わることでしょう。あと何年後、いや
何十年後でしょうか。


2012.08.01(水)【五輪の影で】(島根・根来川弘充)

 ロンドン五輪が開幕しました。
 日本人選手に是非がんばってほしいです。

 ところで、新聞でも当然のように、五輪ニュースが取り上げられます。
もはやスポーツ欄だけではなく、社会欄、地方欄にも大きく取り上げられています。

 そうすると一方では、五輪がなければ大きく取り扱われていた記事が、小さく取
り上げられることになります。こうした記事が大きく取り扱われたらと思って、新
聞を見直しますと、気になることが出てきます。

 特に最近、気になりました記事は、7月29日に反原発のデモ隊が国会議事堂を
取り囲んだというものです。

 その記事の中でも、デモの主催者が人数が20万人と発表しているのに対し、警
視庁が1万数千人と発表しているという点がとても気になりました。

 両者で、こんなにも数字の開きがあるのは何故なのかと思うのです。さらには、
これだけ違いがあるにも関わらず、それをそのまま記事にすることにも気になりま
す。何故、裏付け調査をしないのだろうかと。

 最近では、インターネットでも容易に写真や動画が手に入る時代です。そこで、
調べれば容易にどちらが正しいかわかると思います。

 容易に現場を想像できない記事は、私のような一市民にとっては混乱のもとです。
それならば、いっそ記載しないでほしいとも思います。

 この反原発のデモは、五輪後も続くと思われます。今後も、新聞記事にどのよう
に取り扱われるか、気にしたいと思います。


2012.07.31(火)【大阪市の刺青問題】(金子登志雄)

 汗が目に入るほどの暑さに辟易し、駅から家までたどり着けず、喫茶店で一休み
してしまいました。

 さっそく喫煙室でパソコンを開けてみると、大阪市職員の刺青問題が掲載されて
いました。まだ終わっていないのですね。

  http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120730-00000106-san-soci

 私もヤクザや刺青は大嫌いですが、他人がすることには、とやかくいいたくあり
ません。世界には刺青が崇高な文化だと思っている国もあることでしょうし………。
橋下さんのコスプレ浮気と同じで、個人の自由でしょう。

 ふと、背中に本格的な刺青をしていた大阪市の元助役で弁護士の大平光代さんは
いまどう思っているのだろうかと気になって、検索してみました。

 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%B9%B3%E5%85%89%E4%BB%A3

 再婚していましたが、お子さんがダウン症や白血病のようですから、大変ですね。

 彼女の本(だから、あなたも生きぬいて)は読んだことがありますが、同じ刺青
でも極道がする刺青は本格的で、皮膚呼吸も困難で長生きも無理のようですが、最
近流行りのタツ―は、掘りも浅く、ファッションの域を出ないそうです。

 少なくとも老人性のシミで苦労している年配者からみれば、若い女性のタツ―く
らいどうでもよいと思うのですが、橋下さんは。なぜこんなことを目の敵にするの
でしょうか。


2012.07.30(月)【飯田候補善戦】(金子登志雄)

 毎日、暑いですねぇ。ずっと冷房を控えていたためか、いい年して、上半身がア
セモだらけになってしまいました。仕方なく、冷房をつけるようになったら、今度
は風邪気味になってしまいました。どうも、行き過ぎる傾向があるようです。

 それよりも、日本全国で冷房をつけて、オリンピックをテレビで観戦していると
いうのに、少しも停電しませんね。電力会社の原発がなければ電力不足になるとい
う言い分は、やはり意図的なウソだったのでしょう。

 注目の山口県知事選は、反原発の飯田候補が岩国へのオスプレイの配備で追い風
も吹き善戦しましたが、自・公の推す山本候補には及ばなかったようです。

 しかし、野田民主党に近い高村候補には圧勝したようですから、野田さんは社会
党を潰した村山首相と同じく、民主党を潰した首相として歴史に残ることは、ほぼ
確定でしょう。

 ところで、山口県知事選の飯田候補、実は、ある方の紹介で、4年前に登記の相
談で当事務所に来たことがあります。そのとき、雑談で「飯田さんも、テレビに出
たりして、自然エネルギーの専門家として売りだしたらどうですか」と失礼なこと
を言ってしまいました。返事はもちろん「とっくにマスコミにはよく登場しており
ます」でした。

 まさか、これほどの全国的な有名人になるとは、当時、想像もしておりませんで
した。きっと当事務所に来たことがよい切っ掛けになったのでしょう。

 全国の選挙立候補予定者の皆様、お布施を持って、当事務所にお越しください。
当選までは保証できませんが、善戦までは実績付きですよ。


2012.07.27(金)【商業登記の即日原本還付】(金子登志雄)

 各地に講演に行った際に、「ここでは即日原本還付がなされていますか」と確認
することにしています。

 原本還付とは、登記の添付書面である合併契約書とか株主総会議事録の原本を提
出する代わりに、「原本に相違ない」と記載し押印した原本の写しを提出すること
ですが、原本と写しが同じものかを登記所にチェックしてもらうため、いったんは
両方とも提出し、原本だけが還付される方式です。

 都内では、申請と同時に窓口係が原本と写しを照合し、すぐに原本を回収するこ
とができるのですが、地方では、登記が完了するまで、原本も預けたままの状態に
置かれているようです。

 これは実に困ります。申請と回収のため、2度も登記所に行かねばなりませんし、
原本を他で使いたいこともあります。補正の電話があり、「議事録にこう書いてあ
るが」といわれても、原本もないのですから、確認もできません。

 なぜ、こういう差が生じるかというと、扱う分量の差と多忙さでしょう。都内の
登記所では扱う分量が多いため、原本と写しの2つを登記所に保管する場所もない
し、紛失という問題も生じたら困るので、さっさと返却してしまうのだと思います。

 登記所が原本を預かるということは、審査も細かくなります。印鑑が薄いとか、
割印(契印)がないとか、つまらないことを言ってくる傾向があります。おそらく、
都内の登記所では、1件当たりの審査時間が平均10分だとすると、地方では、そ
の倍をかけていることでしょう。

 登記所の効率化のためにも、原本還付は即日にしてほしいものです。また、地元
の司法書士会と登記所との協議の場で、それを提案してほしいものです。


2012.07.26(木)【オリンピックへの関心度】(金子登志雄)

 明日からロンドン・オリンピックだというのに、少しも盛り上がりませんね。私
の周囲でも全く話題に出ません。

 やはり、オリンピックは国威発揚の場で、もう十分に世界に知れ渡っている日本
では、国威発揚の必要性がないということでしょう。

 東京オリンピックのときは高校1年生でした。マラソンの円谷、バレーボールの
大松監督と河西を代表する東洋の魔女、重量挙げの三宅、体操の小野・遠藤、柔道
の猪熊、水泳の山中………と、選手の名前を結構いえたものですが、今回はほとん
どいえません。かろうじて水泳の北島ならいえますけど。

 しかし、国民のメダルへの期待度が少なければ、選手もプレッシャーに押しつぶ
されずに済み、のびのびと活躍してくれるかもしれません。間違っても、第2の円
谷選手にはならないでほしいものですが(意味不明の方は、円谷幸吉で検索してく
ださい)、現代っ子は、最初から気にしていないかもしれませんね。女子サッカー
のなでしこは、プレッシャーが大きいかもしれませんが………。

 勝っても無残に負けても、何十年後には誰も話題にしなくなりますから、選手の
みなさんには、悔いの残らないよう力を発揮し、成果が出ずとも、ロンドンで思い
きって楽しんできてくださいといっておきましょう。


2012.07.25(水)【SPC】(金子登志雄)

 「SPCを設立したいのですが………」という相談を受けたことのある司法書士
も多いことでしょう。

 私も、たまに、SPCとLLPとLLCと、どこが違うのかなどという質問を受
けますが、「オレは日本人だ。日本語で話してくれ」といいたくなってしまいます。

 このSPC、ほんと曲者です。SPCといわれたので、資産流動化法を根拠とす
るものかと思うと、どうも話が違い、ある会社をMBO(経営者による企業買収)
するための会社など、単に、特定の役割をもっただけの会社のこともあります。
 
 NETで調べたら、最近は、前者をTMK(tokutei mokuteki kaishaの頭文字
をとった日本語です)といったり、SPCだがSは、specific であって、後者の
special ではないとして区別したりで、混乱中です。

 AKB48はアキバで、KSD49は「国民の生活が第1」の49士だそうです。
このまま行くと、年末にはAKR47というタイトルのテレビ映画ができそうです
ね(赤穂浪士47人衆)。

 どうも、われわれおじさん族は、アルファベットが弱いなと思っていたら、不動
産登記の世界にも、不動産番号と家屋番号と地番があります。もう、勝手にしてく
れですね。

 あ、しまった。わがグループもアルファベット3文字でした。本徒然のネタで始
終苦労していますから、最近はやりの数字を入れて、ESG49と改名しようかな。


2012.07.24(火)【会社の合併】(仙台・立花宏)

 私たち司法書士は会社登記の専門家ですので、会社の合併手続に関与することが
あります。その際、会社が作成した合併契約書を拝見したり、また、合併契約書案
を作成したりすることもあります。

 でも、ある合併契約書を目にしたとき、なにか特別な気持ちが湧きました。それ
は、私が以前、勤めていた会社の合併契約書でした。

 その会社に勤務していたとき、私はその会社の従業員持株会に入会していました。
十数年勤めた後にその会社を退職する際、持株会から株式を受け取り、それからず
っと、その会社の株式を持っています。

 今回、その会社が合併することになり、株主総会の招集通知が届きました。その
招集通知に、合併契約の内容が記載されていたのです。

 上場している会社ですので、合併契約の内容等は、顧問弁護士の先生や、もしか
したらどなたか合併手続に詳しい司法書士の先生にも相談しているでしょう。その
内容について、私のような駆け出しの司法書士が言うべきことはありません。

 ただ、その合併契約書を見たとき、かつての上司や同僚、後輩の顔が眼に浮かび
ました。“彼らは、この合併をどのように受け止めているのだろう。”

 合併を行う理由として、両会社の技術力・営業力・コスト競争でシナジーを発揮
し、事業分野の強化と効率化を推し進める、とありました。

 もちろん、組織の見直しも進められるでしょう。かつての上司や同僚、後輩だけ
ではありません。相手の会社に勤務している方達も、不安な気持ちでいるに違いあ
りません。

 会社の合併は、その会社の従業員や関係者等にも、いろいろな影響を与えます。

 “いままで、自分が合併登記の仕事をした際、そのようなことを意識していただ
ろうか。”“登記手続を無事終わらせるということばかりに目を向けていたのでは
ないだろうか。”

 今回、かつて自分が勤務していた会社が合併することになり、はじめて会社が合
併するということを身近に感じることができたような気がします。


2012.07.23(月)【岐阜講演と再び「席上」問題】(金子登志雄)

 21日の土曜日は岐阜県司法書士会で「募集株式、自己株式、種類株式」につい
て講演してまいりました(飯沼会長はじめ、みなさまお世話になりました)。これ
で岐阜での講演は3度目です。繰り返し呼んでいただけると、前の講演が不評では
なかったと分かり、うれしいものです。

 会場は岐阜高山でも第2会場が設置され、WEBで同時配信され、さながら大手
上場会社の株主総会のような気分でした。

 思わず上場会社の株主総会のやり方(議案の一括上程方式など)から説明し、就
任承諾書の代用となる株主総会議事録に「席上、就任承諾した」で十分かどうかの
話題につなげました(7月7日本欄の話)。

 これについては、東京港区の元支部長原田さんも5回にわたり話題にしていまし
たし、司法書士ブログで閲覧数日本1の京都の内藤さんも取り上げていました。

 http://shihoushoshi.main.jp/blog/

 http://blog.goo.ne.jp/tks-naito/e/04c9cea5ad053e5a5d2953ea5d073842

 いまや、司法書士業界のホットな話題になってしまいましたが、私は、東京法務
局見解と同様に、「席上」とあれば全く問題ないという意見です。「その場で就任
承諾した」でも同じです。

 厳しいのは名古屋法務局のようで、講演後の懇親会では、「先週、名古屋法務局
で『席上』だけではダメだと就任承諾書を要求された」と話してくれた方もいらっ
しゃいました。まだ、同法務局のローカルルールは変わっていないようです。

 しかし、「席上」というのは、「会議の席で」という意味であって、株主総会は
株主の会議ですから、役員が座るひな壇の席とは限らないはずです。

 したがって、株主総会後に就任となる役員候補者であっても、「席上、就任を承
諾した」とあれば、その株主総会に参加しており、会議の場で就任承諾したという
意味ですから、出席していることは明らかであり、就任の承諾を証する書面として
肯定するのが正しいというべきです。

 法務局のローカルルールに合わせて司法書士のわれわれのほうが注意すべきこと
ではなく、ローカルルールのほうを改めるべきだと思っています。 


2012.07.20(金)【ブラックジャーナリズムの採算】(金子登志雄)

 13日本欄で、権力側は小沢氏を民主党から追い出したので、今度は、次の選挙
で大活躍しそうな大阪維新の橋下氏を狙い撃ちし、女性問題が週刊誌に出るという、
ちょっと信憑性のある噂をそれとなく紹介しましたが、予想どおりでしたね。隠し
子ではありませんでしたが。

 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120719/lcl12071908280000-n1.htm

 しかし、橋下さんはマスコミからはそう嫌われていませんし、マスコミ対策も上
手ですから、先手を打ったようです(野田首相に対して、急にヨイショしはじめた
のも、橋下さんの危機感の裏返し、又は防衛策でしょう)。

 小沢夫人のニセ手紙のときも思いましたが、なぜ、週刊誌は自誌の品位を落とし
てまで、また、名誉棄損で訴えられることを覚悟の上で、こういう野蛮な行為をす
るのでしょうか。橋下さんの家庭に波風を立たせるような内容でもないのに……。

 採算計算してみてください。この記事で10万部がいつもより売れたとします。
1冊350円で、3500万円の儲けです。経費はいつもの部数(70万部程度と
か)で賄えるでしょうから、まるまる儲けです。

 橋下氏の元愛人さんに仮に数百万円の謝礼を支払い、橋下氏から裁判で訴えられ
負けても、たかだか百万円程度の損害賠償でしょう。

 ということは、ウソであろうと何だろうと、3000万円の儲けです。私の勝手
な計算では、小沢夫人のニセ手紙では、ひょっとして1億円近い儲けだったかも。
これでは、雑誌の品位よりも儲けを優先したくなります。

 まるで昔の総会屋のようですね。週刊文春も品が落ちたものだと思いますが、そ
れを育てているのは、われわれ一般市民です。ネットで内容は分かりますから、買
わないのが一番です。

 それ以前に、政治家に対しては、正しい政治をしているかどうかを基準に判断す
べきであって、そのプライバシーを基準に評価しないことです。政治家は、カネと
オンナにクリーンであるべきだという考え方は、有力政治家を貶めるための日本独
自の考え方であって、世界標準ではありません。しいて言えば、女をみる目がなか
ったことを政治能力として問題とすべきでしょう(これは、ちょっと酷かな)。 


2012.07.19(木)【女性パワーに期待】(金子登志雄)

 民主党参議院議員の女性3人が離党し元国民新党の亀井亜紀子さんと「みどりの風」
を設立しました。

  http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120717-00001044-yom-pol

 新党「国民の生活が第1」にも、森ゆうこさんや、やわらちゃん、ただいまネット
世界で人気急上昇中の三宅雪子さんなど女性多数が含まれており、筋を通してぶれな
い点は、すぐに立場やあと先を計算をしてしまう男と違って、女性の長所でしょうか。

 検察の不祥事につき、検事総長をまで告発してしまう勇気ある団体「健全な法治国
家のために声をあげる市民の会」の会長も八木啓代(のぶよ)さんという女性です。

 これに対して、野田さんや前原さんなど松下政経塾出身者には、どこの党でもいい
自分が出世できるなら………という、きわめて男性的(?)な野心を感じます。きっ
と、政治家になろうと決意したとき、政権党だった自民党が立候補させてくれなかっ
たので、仕方なくベンチャー政党だった民主党から立候補したのでしょう。自民党野
田派といわれても、違和感を感じません。

 こういう男性の筋の通らない悪しき野心に辟易したのか、いまや国民のうち支持政
党なしが70%近くです。政治に対する失望の現れであり、危険な数字であり、国民
が独裁者の登場を願ってしまいかねない状況です(橋下人気にもこの傾向があります)。

 こんなときに、筋を通す女性達が多数前面に出てきたことは、非常によいことだと
思っています。このパワーに押されて、優柔不断な男どもも動き出し、よい方向に進
んでくれることを願っていますが、どっちつかずの鳩山さん達はいつ行動するのでし
ょうか。


2012.07.18(水)【取締役の一致】(金子登志雄)

 昨日もうだるような暑さでした。群馬の館林市では39度だったとか。日中に卵
を外に出しておくと、ゆで卵ができるかもしれませんね。

 こんな暑さにもかかわらず、代々木公園で行われた16日の反原発10万人集会
には、大飯原発再稼働に危機感を持つ一般市民が17万人も集まりました。

 まさに、Keeping silence after Fukushima is barbarian(福島の事故後も沈黙
しているのは野蛮人だ)と立ち上がった人々でしょう。

 さて、話変わって、商業登記法46条1項に「登記すべき事項につき株主全員若
しくは種類株主全員の同意又は【ある取締役若しくは清算人の一致】を要するとき
は、申請書にその同意又は一致があつたことを証する書面を添付しなければならな
い」とありますが、この「取締役の一致」とは何でしょうか。

 意味不明ですよね。調べましたら、会社法と同時に改正されて、整備法で、そう
いう用語が挿入されました。

 前の文章が株主【全員の同意】ですから、ここは取締役【全員の一致】と読むの
が素直ですが、会社法のどこにも、それを要求する規定がありません。

 「一致」で商業登記法を検索しましたら、「発起人全員の同意又はある発起人の
一致」(47条)、「取締役の過半数の一致」(80条など)とありましたから、
これは会社法348条2項の「取締役が2人以上ある場合には、………取締役の過
半数をもって決定する」の意味のようです。

 要するに、非取締役会設置会社の「取締役の決定」の意味のようですが、通常、
一致とは全員の一致を意味し、過半数の一致を意味しませんので、紛らわしい用語
を挿入したものです。きっと、「【ある】取締役の一致」としたことで、「一部の
取締役の一致」を表現したのでしょうけど………。


2012.07.17(火)【株券一部提出公告】(金子登志雄)

 3連休は暑かったですねぇ。群馬県の館林(たてばやし)市では、37.6度に
もなったとか。また、北九州のほうでは集中豪雨で大変でしたね。テレビをみなが
ら、呆然としておりました。心から、お見舞い申し上げます。

 さて、出不精の私は、故郷の群馬県に帰省しましたが(東の館林とは正反対の西
のほうです)、いつもながら、一歩も外に出ず、パソコンの前で頼まれ原稿の執筆
三昧でした。

 ちょうど株券提出公告の会社法219条の部分に関係する原稿でしたが、そこに
は、1.株式の譲渡制限設定、2.株式併合、3.全部取得条項付種類株式の取得、
4.取得条項付株式の取得、5.組織変更、6.合併、7.株式交換、8.株式移
転の8つの場合に株券提出公告が必要である旨が規定されています。

 この中で全部の株券を提出せよとなっていない規定がありますが、どれだかお分
かりですか。

 株式併合ではありません。旧商法時代は10株を1株に併合するような場合に、
10で割り切れる10株券や100株券は提出不要とすることができましたが、会
社法はこのような便宜を認めていません。

 答えは、取得条項付株式の取得ですが、一部だけの株券を提出せよと公告する場
合に、どのように、その一部を特定するのでしょうか。そのような事案が生じたら
困るでしょうね。

 なお、拙著にたまに書きますが、条文からしても株券【提出】公告が正しいのに、
法務省の通達では伝統的に株券【提供】公告と表現しています。表現にこだわる法
律家らしくないので、早期に改めるべきだと思っています。


2012.07.13(金)【合併と社外監査役】(金子登志雄)

 「小沢新党 孤立深める船出」、小沢新党の船出に対する毎日新聞の見出しです。

 新党が誕生した時くらい、お祝いの1つもいうのが日本的美風だと思うのですが、
社の方針なんでしょうが、大手新聞は相変わらず小沢憎しですね。

 小沢の次は大阪の橋下市長を貶めるために、隠し子騒動が週刊誌に登場するとい
う噂もありますが、おかしな社会になったものです。

 さて、A社がB社を吸収合併した場合に、B社の取締役をA社の社外監査役に選
任することができるかという質問を受けました。

 「妥当性は別として会社法の定義からすれば問題ないと考えます」と答えました。
会社法の定義では、社外監査役は「株式会社の監査役であって、過去に当該株式会
社又はその子会社の取締役、会計参与若しくは執行役又は支配人その他の使用人と
なったことがないものをいう」です。

 返答後にお客様から「千問の道標」402頁に「問題ない」とあるようなので、
該当頁を送ってくれといわれましたので、そうしましたが、あっさりと社外監査役
の要件に該当しないと書いてありました。

 しかし、そんな単純なものではなく、「合併=人格合一説」からいえば、「合併
会社=AB合同会社」ですから、定義規定から、はねられるはずです。

 「合併=現物出資説(法人は合体しない)」によってはじめて、合併会社はA社
であって、解散したB社とは違うという解釈となり、「千問の道標」402頁のよ
うな回答になるはずです。

 いずれにしろ、古い商法時代の通説であった「人格合一説」は、完全に滅びたよ
うです。


2012.07.12(木)【政界再編の幕開けか】(金子登志雄)

 とうとう、小沢新党「国民の生活が第1」が船出ですね。これで民主党は「国民
の生活が第1」と宣伝できなくなってしまいました。党名を変えるなら、「日本シ
ロアリ党」か「何でも一任党」がよいとからかわれているようですから、第1ラウ
ンドは新党の勝利ということでしょうか。

 小沢氏の改革に恐怖を抱いているマスコミ等では、新党を意識的に過小評価して
いるようですが(追い詰められて結党とか)、反消費税や反原発の多くの国民は、
民・自・公の翼賛政治に行き場のない怒りを感じているため、選択肢が増えたこと
は日本の民主主義の発展のためにも素直に評価すべきことではないでしょうか。

 私の勝手な想像ですが、政界大再編の幕が切って落とされた日として、7・11
は歴史に残る日になると思っています。おそらく今後は、北海道の大地、名古屋の
減税、大阪の維新だけでなく、あちこちに地方政党が出現し、合従連衡の戦国時代
がしばらく続くことでしょう。混乱は困りますが、新しい時代が生まれる過渡期で
すから、これは避けられないと思っています。

 私の個人的感触ではマスコミの評価と正反対で、小沢新党は相当伸びると予測し
ています。理由は勝手連的な熱心な支持者が全国に多く、しかも政治意識が高いた
め、マスコミが流す風に影響されずに、必ず選挙に行く人達が多いからです。

 これもマスコミや霞が関が小沢氏を非民主的に貶めようとし過ぎたことや、国民
を恫喝し過ぎたために(日本がギリシャのようになるとか、停電してもいいのかな
ど)、逆に政治無関心層を覚醒させてしまい、新党支持者を増やしてしまったとい
う皮肉な結果が出るであろうと思っています。


2012.07.11(水)【言葉遊び】(金子登志雄)

 松下政経塾出身の「ノーだ」総理はどうしちゃたんでしょうか。突然、尖閣列島
の国有化などを言い出し、中国・台湾に喧嘩を吹っかけたり、何かに取り憑かれて
しまったかのようです。垂直に離着陸できる米国の軍用機オスプレイの配備につい
ても強引で、このまま行けば「本土の沖縄化」が進みそうです。

 ところで、オスプレイって、鷹の種類の名前(ミサゴ)のようですが、別名、未
亡人製造機というようです。当初は、何の意味かさっぱりわかりませんでしたが、
しょっちゅう事故を起こし、乗組員を死亡させ、未亡人を大量に作っている欠陥機
という意味のようです。いかにも、米国式のブラック・ユーモアですね。日本人の
未亡人を作ってほしくないものです。

 言葉遊びといえば、「ドラえもん歌弁解」というのを昨日知りました。不祥事を
起こした場合に今後の対策を述べるときに「基本的に」「原則として」などという
文章を挿入し、いつでも逃げられるようにすることをいうようです。つまり、やる
気もなく、「こんなこといいな、できたらいいな♪」とほざくことらしいです。

 取調べで「ぶっ殺すぞ、この野郎!」と暴言を吐いたことを裁判で正直に話し、
検事をやめた市川寛弁護士(3月26日付の本徒然参照)のツイッター内にあった
言葉ですが、彼個人の言葉か、検察全体に通じる用語かは不明です。

 市川ツイッターをまとめたものです。
  http://sun.ap.teacup.com/souun/8001.html

 ほんと、ドラえもんに助けてほしい時代になりました。「こんなこといいな、で
きたらいいな♪」。


2012.07.10(火)【種類株式の登記事項】(金子登志雄)

 種類株式の登記をいたしました。定款には、次のようにありました。

--------------------------------------------------------------------------
1.〜5.(略)
6.議決権
  A種優先株主は、株主総会においてA種優先株式1株につき1個の議決権を有
 する。
7.役員選任権等
 (1)A種優先株主を構成員とする種類株主総会において、取締役2名を選任す
   ることができる(残りの員数は、普通株主と共同して選任する)。
 (2)A種優先株主を構成員とする種類株主総会において、本定款に定めるオブ
   ザーバー2名を選任することができる。
8.拒否権
     〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜(中略)〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 (j)取締役の選任(ただし上記7.に基づく取締役の選任を除く)及び解任
--------------------------------------------------------------------------

 6など登記する意味もありません。「1株1議決権」は原則どおりだからです。
しかし、登記しないと、6が欠番になってしまいますし、7と8を繰り上げると、
下の方の「上記7.に基づく」も「上記6.に基づく」に変えねばなりません。こ
れは行き過ぎだと思い、任意的記載として認めてくださるようにお願いして登記し
てもらいました。

 7の(2)は、会社法が定める種類株式の内容ではないので、これは私のほうで
登記申請事項から外しました。会社法が定めるのは、取締役又は監査役の選解任に
限定しているからです。

 8の(j)に関しては、取締役の選任は全て7の種類株主総会によるのだから無
意味ではないかというご意見もあろうかと思いますが、A種優先株式の全部が自己
株式になって7が効力を失う場合等も考えられるため、意味のある規定でしょう。

 このように種類株式や新株予約権では、どこまで登記すべきか迷う内容が少なく
ありません。だから、種類株式等は面白いのだともいえますが………。


2012.07.09(月)【特別決議要件】(金子登志雄)

 金曜日の官邸前は、相変わらず、全国からすごい集まりだったようですね。

   http://tanakaryusaku.jp/2012/07/0004649 

 これでも頑強に報道しない大手新聞やテレビは政府の広報誌というべきでしょう
が、新聞やテレビしかみない人と、ネットもみる人の小沢氏に対する意識調査で、
評論家の板垣氏が改めて驚いていました。お互い、前者の情報弱者にならないよう、
気をつけましょう。

 http://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken/e/6d67680f91dec1640e652740896b0088

 さて、7月の第2日曜日だと思っていた司法書士試験は先週の7月1日開催でし
た。カリスマ講師の山本浩司先生から問題を送ってもらいましたが、今年の商業登
記記述式試験は、有限会社Aが有限会社Bを吸収合併する問題でした。

 存続会社である有限会社Aの株主総会議事録です。
--------------------------------------------------------------------------
第1号議案 定款一部変更の件
 (有限会社のままでは合併存続会社になれないので、株式会社へ移行するための
  定款変更決議です)。
第2号議案 役員選任の件
 (株式会社移行後の役員選任です)
第3号議案 合併契約承認の件
第4号議案 役員選任の件
 (合併と同時に役員を追加するものです)
第5号議案 定款一部変更の件
 (合併と同時に定款を変更します)
--------------------------------------------------------------------------

 株式会社の場合は定款変更等の特別決議は「過半数の議決権が出席し、出席した
議決権の3分の2以上の賛成」が必要です(会社法309条2項)。上記のような
特例有限会社にあっては「総株主の半数以上が出席し、総株主の議決権の4分の3
以上の賛成」が必要です(整備法14条3項)。

 不思議な気がしました。上記の第3号・5号議案は株式会社に移行した後のこと
を決議しているのに、移行後の定款規定による会社法309条2項の規律ではなく、
有限会社の特別決議要件が必要だとの前提で試験問題が作られているのです。

 それで間違いないのでしょうが、株式会社に移行したことを条件に決議している
のだから、移行後に決議した場合と同様に、会社法309条2項の規律に従ってよ
いという見解があってもよいと思うのですが、いかがでしょうか。

 私が受験生であったら、ここで10分以上も考えてしまったことでしょう。改め
て、こういうことにすぐ拘るから、私は実務向けで試験向きの性格ではないことを
再確認してしまいました。


2012.07.06(金)【就任承諾表現】(金子登志雄)

 金曜日ですから、商業登記の話題にいたしましょう。 

 さて、ただいま、6月の定時株主総会の後始末で、役員変更登記を受託している
司法書士も多いことと存じますが、就任承諾文言の取扱いで苦労していませんか。

 株主総会議事録に「第〇号議案/取締役及び監査役選任の件」とあり、ABCを
選任したところ、就任承諾がなされたので、「なお、被選任者はその就任を承諾し
た」との記載があれば、就任承諾書を登記の添付書面に付ける必要はなく、「就任
承諾書は議事録の記載を援用する」という取扱いが「原則として」可能です。
 
 「原則として」という意味は、被選任者がこの株主総会に出席し、株主総会の開
催中に総会議場で「就任を承諾した」と発言した場合に限られ、その旨が議事録上、
明白でないと、この対応ができないからです。ここは会社法施行以降、厳格に取り
扱われるようになりました。

 それでは、次の表現では、いかがでしょうか。

1.「被選任者は【直ちに】その就任を承諾した」………議事録文章の脈絡次第で
 総会議場にいると判断されたり、いないと判断されたりで、この表現にはリスク
 がありそうです。

2.「被選任者は【席上】その就任を承諾した」………「席上」とは「会議の場に
 おいて」という意味ですから、これはOKです。最近、一部の法務局で、勘違い
 から否定的運用がなされたようですが、平成19年に東京法務局が東京司法書士
 会からの問い合わせに対して、この表現でOKと明白に回答しています。当然で
 しょう。「席上」というのは、そういう意味ですから。

 全国のどの法務局でも通じさせるためには、「なお、【本総会に出席中の】被選
任者はいずれも直ちにその就任を承諾した」と書くか、出席役員欄のところに、出
席役員候補の氏名も列挙しておくことでしょうか。

 うるさ型の法務局に出すときは「なお、【誰がみても本総会に出席していること
が明らかな被選任者は、〇〇法務局の登記官にも届くような大声で】、その就任を
承諾した」とでも記載したら、いかがでしょうか。

 そういうお遊びが嫌いな方は、「なお、被選任者は会場で立ち上がり、議長席及
び会場に向かって、深々とお辞儀をした後に、『未熟ではございますが、就任を承
諾いたしますので、今後ともよろしくお願いします』と丁重に就任承諾の挨拶をし
た」と、ありのまま(?)正確に書いたらいかがでしょうか。


2012.07.05(木)【離党組の偉大な功績】(金子登志雄)

 民主党を離党した中村哲治参議院議員の【7月3日】のブログです。

 http://tezj.jp/blog/

---------------------------------------------------------------------------
 昨晩、懇意にしていた労働組合の幹部から「申し訳ないが、あなたには失望しま
した。あなたに期待して動き回ったわが組合員の無償の汗を思い浮かべたことがあ
りますか? 残念です。」というメールをいただきました。
言葉もなく、「申し訳ございません。中村哲治」と一言返すのがやっとでした。
---------------------------------------------------------------------------
 
 1つの決断は、ある人には大歓迎され、別のある人には罵倒される………、政治
家や経営者は日々この繰り返しですから、私は政治家や経営者の苦労に目が行って
しまい、安全地帯の外野席から彼らをからかってばかりいる無責任なマスコミや評
論家という人種が大嫌いなわけです。

 こういう度重なる締め付けを跳ね返して信念を貫いた50名の政治家は、やはり
偉大だと素直に評価したいと思っています。

 とくに、少数の反対派を村八分にする3党合意の翼賛政治という政治状況の下で、
消費税反対派は無力感で政治不信になるところに、新しい対立軸や選択肢を作り、
政治への期待感を持たせた功績は特筆すべきものがあります。政治に失望し、もう
2度と選挙には行かないと決めていた方も、これで戻ってくることでしょう。

 しかし、どこの労働組合か知りませんが、労組も消費税賛成、創価学会員などの
庶民を票田にし弱い者の味方のはずの公明党も消費税賛成………では、消費税反対
の一般庶民はやりきれないですね。


2012.07.04(水)【未支給年金】(島根・根来川弘充)

 先日、成年被後見人が亡くなられました。

 後見人の事務は、被後見人が亡くなれば、原則無くなるのですが、現実は、死亡
届等、様々な事務を行う必要があります。

 今回は、国民年金に関して社会保険庁に死亡の届け出をしたときのお話です。
社会保険庁の受付窓口で、

 「未支給の年金がありますが、生計を同一にされる親族の方はおられますか。」
と聞かれました。

 私は、この質問に疑問をもちましたので、次の質問しました。
 「同居でなくとも、相続人は受け取る権利はあるのではないでしょうか?」
すると、受付窓口の回答は、
 「いえ受け取ることができません。国民年金法に未支給年金を受け取る権利のあ
る人が定めてあります。」とのことでした。

 目の前で法律を見せていただきましたが、国民年金法第19条に次のとおり、規
定されていました。

(未支給年金)
 第19条 年金給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給す
べき年金給付でまだその者に支給しなかつたものがあるときは、その者の配偶者、
子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であつて、その者の死亡の当時その者と生計を
同じくしていたものは、自己の名で、その未支給の年金の支給を請求することがで
きる。

 例え相続人であっても、「生計を同じく」していないと、未支給年金は、受け取
れないようです。「親の面倒をきちんと見ましょう」という目的なのか、しかし、
相続権を制限するこの規定には疑問が残ります。

 今回受付していただいた被後見人には、「同居していない」相続人がおられます。
残念ながら、相続人は、未支給年金は受け取れないようです。


2012.07.03(火)【愚直】(金子登志雄)

 昨日は新事業年度が開始した当社のキックオフミーティングでした。役員変更登
記の書き入れ時でしたが、役員の職責を全うするため、仕事用のノートパソコンを
片手に出席してまいりました。

 そこで、社員全員で5つの行動指針を唱和したのですが、その中の1つに「正し
いと思うことを愚直なまでに誠実にやり続けます」というのがあります。

 ふと、民主党を飛び出した、あるいは追い出された50人の「愚直者」のことに
思いが行ってしまいました。与党にいれば、たとえ、非主流派でも、良い目に合う
ことが多いのに(陳情が多いし、官僚からの応対も丁寧になり、選挙に有利です)、
損得抜きに「愚直」や「信念」を選んでしまったようです。党員資格停止処分を受
けることがはっきりしたので、飛びださざるを得なかったのでしょうか。

 離党届を撤回した2人は2人とも弁護士でした。選挙区事情などもあったのでし
ょうが、頭の良い人は、良い意味でも悪い意味でも、「計算」が先走って「愚直」
になれないところがあるようです。ふと、キューバの前首相カストロ(弁護士でも
ありました)の「戦わないための口実は、いかなる時期にも、いかなる環境のもと
でも、常にありあまるほどある」という名言を思い出してしまいました。

 しかし、これで民主党でも亀井さんを追放した国民新党と同様に、クーデターが
成功してしまいましたね。創業社長の鳩山氏もそのうち党員資格停止の座敷牢入り
でしょうが、「力こそ正義だ」の嫌な時代になったものです。

 そんなことを思っていましたら、以前、本欄で紹介したラテン音楽の女性歌手・
八木啓代(のぶよ)さんが代表を務める「健全な法治国家のために声をあげる市民
の会」が、自浄作用のない検察に見切りをつけて、検事総長らを犯人隠避罪で告発
したというニュースが飛び込んでまいりました。ここにも愚直なまでに信念を貫く
人達がいました。

  http://nobuyoyagi.blog16.fc2.com/blog-entry-653.html


2012.07.02(月)【反原発集会に20万人?】(金子登志雄)

 土日は、これからある司法書士会での会社法講演レジュメを作って過ごしました。
2日では完成することはできませんでしたが、いつもオリジナルで作成し、どこか
で使ったレジュメをそのまま使うということはしていません。

 土日、休日も一切無関係に、ここ10年以上、ほぼ毎日、パソコンの前に座って
おり、疲れると、ネット検索して気分転換をしています。今回のネット検索では、
反原発集会の次に興味を持ちました。

http://twitter.com/akahataseiji/status/218663988702089216/photo/1/large?tw_p=twt

http://tanakaryusaku.jp/2012/06/0004591

 主催者発表では20万人の参加ということですが、話半分でもすごいですね。前
回の22日は4万5000人の参加だったようですから、それをネットで知った人
が多数参加したようです。

 原発賛成、消費税賛成の大手マスコミは、こういうのを会社の上層部の方針で意
識的に報道にしませんから、こういうことが行われていることさえ知らない方が多
いようです。さすがに今回の人数は無視できず、一部のメディアは取り上げたよう
ですけど。

 たった11人の消費税賛成派議員が反対派議員の処分を求めて官邸に乗り込むと、
「そうだ、そうだ、造反者(小沢ら)を許すな」と遠回しに記事にするくせに(反
対派のことを「造反者」と表現すること自体が印象操作の1つです)、名もなき庶
民が10万人以上集まっても、1行も記事にしない日本のマスコミは、もう報道機
関とはいえないでしょう(外国メディアは早くから取り上げていました)。

 世論誘導機関ですね。それだけ既得権側のマスコミも世の中の新しい潮流に必死
に抵抗しているのでしょうか。インターネットの開発は産業革命ですし、旧報道機
関VS草の根ネットだけでなく、原発VS環境、消費税(国家主義)VS地域主権
等々で、日本を2分する戦いがはじまったように感じます。


2012.06.29(金)【倫理の崩壊】(金子登志雄)

 民主党の57人の消費税反対派に対して、賛成派議員の一部が「ぼくらも反対し
たかったのに、しがらみで反対できなかった。小沢君や鳩山君達だけ、ええかっこ
して、ずるいよ。校長先生、小沢君や鳩山君達を厳しく処分してよ」と校長室(官
邸)に乗り込んだよい子達(?)がいたようです(あえて名前は書きません)。自
分の信念を貫かずして、他人の処分を求めるとは、これでも国民の代表でしょうか。
まさに、唖然呆然です。

  https://twitter.com/aritayoshifu/status/217977998064889856

 一方、どさくさにまぎれて、陸山会事件で捜査報告書を変造した田代主任検事や
それを指示したといわれる佐久間元特捜部長に対する処分がでました。

 どの程度の処分だったと思いますか。参考までに、もっと軽度の大阪地検の不祥
事では、主任検事も上司の特捜部長も懲戒免職で、懲役1年6月の起訴でした。主
任検事だった前田氏は、既に上訴もせず服役中です。今後、弁護士にもなれません。

 何と、東京地検の不祥事は、大阪地検よりも悪質で、民主党政権の崩壊を推進す
るほど歴史や社会に甚大な影響を与えただけでなく、検察上層部に対してもウソの
報告をしたのに、主任検事には6か月の減給処分、特捜部長には戒告のみで、不起
訴でした。へたに処分すると検察の組織的犯罪が明るみにでてしまうという配慮で
しょうが、組織防衛のためとはいえ、まさに「田代君や佐久間君達ばかり、エコひ
いきして、ずるいよ」と大阪の検事さん達はいいたいことでしょう。
 
 全く、法の平等も、法治国家も、倫理もあったものではないですね。この倫理な
き組織防衛の傾向は、社会全体が乱れ始めていますから、まだまだ数年以上、続く
ことでしょう。これも日本が生まれ変わるための歴史の1コマなのか、日本没落の
序章なのか………。

(参考までに悪い子の鳩山君の言い分です。土日にどうぞ)
 http://www.hatoyama.gr.jp/activity/detail.php?id=92


2012.06.28(木)【57という数字】(金子登志雄)

 ネットでは、田中真紀子も、海江田万里も予想に反して消費税に賛成したのに、
あの薬害問題の長崎の福田衣里子は信念を貫いた、偉い、という福田株が急騰中の
ようです。

 それにしても、民主党の中から反対者が57人しかいないとは、少な過ぎます。
選挙時に話していたことと違う行動をとって恥じないのでしょうか。

 そんな感じを持つのが普通だと思うのですが、「これでいいのだ。どうせ反対し
ても3党合意で可決するのは間違いないので、賛成しようが反対しようが大きな意
味はない。もし、反対派が100名を超えるような事態になったら、党が完全に分
裂して、それこそ野党の自民党の思う壺だ。かといって、30人程度なら、反対派
は出て行け、除名だとなるから、『分裂せず、除名できず』の数字として57は実
に見事な数字だ。だから、小沢氏も、これ以上の反対派を集めなかったのだろう」
との意見や見方もあります。

 もし、そうであれば、反対した人と海江田万里氏らが顔を合わせても、お互いに
気まずい雰囲気にもならず、「やあやあ。先日はご苦労さん」と会話できるのでし
ょうか。

 われわれ庶民の世界では、「あいつは、そういう人間か」と思うと、2度と付き
合わなくなりますが、数が重要な政治の世界では、排除の論理では、永久に少数派
ですから、きっと「昨日の敵は今日の友」で、そんなことにこだわっていられない
のでしょう。ある意味では、大人の世界といえますが、純な人間には向いてない世
界ですね。


2012.06.27(水)【363:96(79:21)】(金子登志雄)

 皆さんは、消費税アップに賛成ですか。

 国民の間では7:3あるいは6:4で反対が多いようです。それはそうですよね。
誰も負担が多くなることを歓迎しません。

 プロの経済学者にアンケートをとれば、おそらく、9.9:0.1くらいで反対
が多いでしょう。あの竹中平蔵元大臣ですら反対しています。この不況のときに消
費税を上げるなどということは、経済の自殺行為だからです。経済の常識です。

 消費税を上げて最も喜ぶのは財務省でしょう。自分達の給与を民間並みに下げる
必要がなくなるだけでなく、予算で配分するカネが増えて財務省の権限が強化され
るからです。ますます官僚主権が強まり政治家の権限は低下します。

 なのに、衆議院議員の間では、約8:2で賛成が多いのは、愚かを超えて異常と
いえないでしょうか。国民の意思も、経済の常識も通じない世界がそこにあるので
す。世も末に近い異常事態だと思いますが、皆様の感覚はいかがでしょうか。

 民間では、経営が思わしくないので、やむをえず商品を値上げしようとするとき、
取締役会で値上げやむなし派の賛成と断固反対派の比率が8:2になったとすると、
「それほど反対するのなら、商品を値上げせずに済むという確たる信念があるのだ
な。試しに、お前、責任者になってやってみろ」と、2割側にチャンスが回ってく
るものですが、国会では、それさえもなく、消費税賛成派の大手マスコミを含めて、
「反対派を切れ、処分せよ」の大合唱です。大手マスコミは異常です。

 なぜ、野田さんが消費税アップに熱心になったかというと、財務省に洗脳された
からという意見が多いようですが、私は、自民党の政策に抱きつき、争点をなくし、
政権を長期に維持するためだと読んでいます。これで、自民党は、内閣不信案を出
しにくくなりましたし、選挙で民主党を非難することができなくなりました。野田
さんが小沢氏など反対派を追い出せば、野田さん自身の長期政権が無理になります。

 この消費税アップで一番喜んだのは財務省で、一番損をしたのが自民党だと私は
みていますが、さて、野田さんは反対派を追い出して墓穴を掘る(自民党が最も喜
ぶ)ことになるでしょうか。


2012.06.26(火)【板ばさみ】(金子登志雄)

 いよいよ今日は消費税値上げが衆議院を通過する日ですね。天下分け目の関ヶ原
になるかと思っておりましたら、数の上では野田氏の圧勝のようです。無理と思わ
れた法案につき、よくここまでこぎ着けたもので、野田首相のごり押し、あるいは
剛腕ぶりは剛腕小沢氏のはるか上を行くものでした。

 党内議論も十分に行わず、「一任されました」と強行採決を繰り返し、党議決定
に逆らうと処分するぞと脅かすのですから、無茶苦茶です。やはり財務省を中心と
する官僚と大手マスコミの強力な支援があったから、無茶を押し通せたのでしょう。

 「民主党は国民生活第1の原点に戻り、マニフェストを守れ」という政権交代の
立役者である小沢氏側は、消費税賛成側から、小沢夫人による「離婚しました」、
「小沢には隠し子が」などという週刊文春の紙爆弾(怪文書?)を全国会議員や小
沢氏の末端の支持者にまでばらまかれるなど、仁義なき攻撃にさらされました。

 (ご参考:紙爆弾の真偽に関する筆跡比較)
 http://twitter.com/lllpuplll/status/216583394178506752/photo/1

 人を貶(おとし)めるには、カネとオンナが定番ですが、カネ問題で小沢叩きが
無理と分かったら、今度は苦し紛れのオンナ問題を消費税政局のこの時期に持ち出
してくるとは、あまりに卑劣で、手が古すぎますが、「勝てば官軍、これが政治だ」
ということでしょうか。すごい世界です。

 困ったのは中間派です。与党や権力のうまみを味わってしまったところに、官邸
側からのアメとムチにさらされ、小沢の味方と思われるとマスコミから叩かれそう
だという計算もあり、信念との板ばさみに苦しみ、最後は楽な道(寄らば大樹)に
走ってしまったようです。

 わが後輩のミスター年金・長妻君も、いまや地元の支持者から裏切り者扱いされ
ているようですから、野田さんの剛腕ぶりも罪深いものです。
 
 その他の中間派といわれる方々の多くも、賛成派に妥協したようです。「国民生
活第1」という民主党の看板は菅政権以降「与党議員生活第1」に変わったのでし
ょう。いまはよくても、国民との約束(4年間消費税はあげない。シロアリを退治
するのが先だ)を反故したことで、次の選挙は大丈夫なのでしょうか。


2012.06.25(月)【重畳的債務引受】(金子登志雄)

 土日は、4月からずっと不動産登記の解説文を作っています。といっても、すで
に詳細な解説文はあり、その要約版を作っているだけです。会社法法令集のミニ解
説作りのようなものです。きっと、難しいことをコンパクトにまとめ、分かりやす
く説明する技術を買われたのでしょう。

 さて、抵当権者をAとし、債務者をBとする抵当権につき、Cが重畳的(ちょう
じょうてき)債務引受をした場合の抵当権変更登記ですが、解説には「BCは連帯
債務者になる」とありながら、登記申請書では「変更後の事項 連帯債務者C」と
しか記載してありませんでした。

 これ、きっと初心者の人は迷うのではないでしょうか。BCが連帯債務者になる
のなら、「変更後の事項」は「連帯債務者BC」とすべきではないかと思うはずだ
からです。

 そこで思いましたが、この場合は本来の連帯債務とは違って、Bの債務に対して
Cが一方的に連帯する関係(片面的というか、追加的というか)であって、Bの立
場は従前どおりではないでしょうか。そうでなければ、Bも普通の債務者から連帯
債務者になったことを登記簿にも表すため、、「変更後の事項 連帯債務者BC」
とすべきだからです。

 一般社会でも、重畳的債務引受(併存的債務引受)は、連帯保証をしたのと同視
されており、相互に同じ立場の連帯債務者になったとは考えていません。

 例えば、甲社が乙社に対して吸収分割し、移転する債務に併存的債務引受をする
ということは、移転債務に連帯保証するのと同じで、甲の会計帳簿からは債務が消
え、帳簿の欄外に注記するのではないでしょうか。もし、真正の連帯債務であった
ら、このような会計処理は無理でしょう。

 不動産登記は商業登記以上に不明朗な部分が多いように感じています。


2012.06.22(金)【定款のこぼれ話】(金子登志雄)

 もう1回、定款の話にします。

 100%といってもよいほど、会社の定款の第1条が商号で、第2条は事業目的
か、エーザイのように経営理念です。

 では、会社法の規定では、何が1番でしょうか。

 次のようになっています(ついでに、民法も参考に取り上げます)。
--------------------------------------------------------------------------
 会社法27条(株式会社)   | 民法37条(社団法人)
   1 目的         |  1.目的
   2 商号         |  2.名称
   3 本店の所在地     |  3.本店の所在地
--------------------------------------------------------------------------

 このように商号よりも先に目的が来ます。

 目的とは、営もうとする事業のことです。人は、まず「〇〇事業をしたいなぁ。
〇〇屋さんで生きて行きたいなぁ、儲かりそうだし、私に合っているかもしれない。
よし会社を興そう」と先に目的があって、その後に作る会社の名前を決め、事業所
探しをしますから、商号よりも目的が先行します。

 「当社は〇〇と△△事業を営みたくで創業し、もって××と名乗ることにした」
という流れで書けば、目的が筆頭に来ても違和感がないでしょう。エーザイが経営
理念を定めたのも、こういう発想があると思います。

 ところで、皆様の中でエーザイの定款の「本会社は………」という表現に違和感
を感じた方はいらっしゃいませんか。ほとんどが「当会社は………」とするのに、
エーザイは「本会社」です。

 実は、昔は「本会社」が主流であり、東京電力も日本電気も新日鉄も「本会社」
です。老舗の証(あかし)でもあります。
 いつから「当会社」が主流になったのかは知りませんが、定款をみなれていると、
こういう微妙な違いに気づくものですが、いかがでしたか。


2012.06.21(木)【変わった定款規定】(金子登志雄)

 定款の話題になったついでに、変わった定款規定を定めている会社があります。

--------------------------------------------------------------------------
  第8章 定款の変更
第37条(定款の変更)
 本定款の変更は、本定款第14条第2項に従い、株主総会の決議をもって行う。
ただし、次の場合は、取締役会の決議で、変更又は字句及び表現を修正することが
できる。
 1.法令の規定で認めているとき
 2.法令の改廃により定款に定めがあるとみなされたものを本定款に記載又は記
  録するとき
 3.法令の改廃により定款の定めが無効とされたものを本定款から削除するとき
 4.法令の改廃により本定款の用語又は表現を改めるとき
 5.その他、条数の組み換え、句読点の位置の変更、縦書き化、横書き化など、
  定款の実質的内容の変更を伴わない形式的変更を行うとき
--------------------------------------------------------------------------

 上場会社の定款変更議案で、「但し」を「ただし」に直すことや、句読点の位置
まで、株主総会の特別決議の承認事項にしているのをみると、上記のように定めて
おけばよいのにと思うことが多々ありませんか。

 こんなことを定める会社は法務に余程詳しいのでしょうね。アクモスという会社
ですが、監査役が司法書士らしいですよ。


2012.06.20(水)【定款に経営理念その2】(金子登志雄)

 立花さん、投稿ありがとうございました。

 定款に経営理念を掲げる会社で有名なのは、エーザイです。全国の司法書士の参考に
なると思いますので、目的を含めて、ご紹介します。

------------------------------------------------------------------------------
(商号)
第1条 本会社は、エーザイ株式会社と称し、英文では Eisai Co., Ltd. と表示する。
(企業理念)
第2条 本会社は、患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット
   向上に貢献することを企業理念と定め、この企業理念のもとヒューマン・ヘルス
   ケア (hhc) 企業をめざす。
  A 本会社の使命は、患者様満足の増大であり、その結果として売上、利益がもた
   らされ、この使命と結果の順序を重要と考える。
  B 本会社は、コンプライアンス(法令と倫理の遵守)を日々の活動の根幹に据え、
   社会的責任の遂行に努める。
  C 本会社の主要なステークホルダーズは、患者様と生活者の皆様、株主の皆様お
   よび社員である。本会社は、以下を旨としてステークホルダーズの価値増大をは
   かるとともに良好な関係の発展・維持に努める。
   1.未だ満たされていない医療ニーズの充足、高品質製品の安定供給、薬剤の安
    全性と有効性を含む有用性情報の伝達
   2.経営情報の適時開示、企業価値の向上、積極的な株主還元
   3.安定的な雇用の確保、やりがいのある仕事の提供、能力開発機会の充実
(目的)
第3条 本会社は、次の事業を営むことを目的とする。
   1.医薬品の研究開発、製造、販売および輸出入
   2.その他適法な一切の事業
------------------------------------------------------------------------------

 このように、第2条に企業理念を定めるのが一般ですが、私は、自社グループの会社
に、日本国憲法のように前文に定めて格調高いものを作ったことがあります。しかし、
業績が悪く、すぐに閉鎖しました。

 企業理念を定めるなら、立花さんの顧客のように、十分に会社が落ち着いてからのほ
うがよさそうですね。衣食足らないと格調高さが恥になりますから。

 ちなみに、今回初めて知りましたが、エーザイの語源は「衛材」だそうです。


2012.06.19(火)【経営理念】(仙台・立花宏)

 少し前、あるお客様から、会社の定款を見直したい、とのご依頼をいただきまし
た。会社の設立後、数年が経過し、会社の規模も少しずつ大きくなってきたので、
組織の見直し等も含め、会社の状況にあわせて、定款も見直したいということでし
た。

 会社の定款に定める内容の打ち合わせをしていたところ、そのお客様から、経営
理念を定款に定めたい、というお話をいただきました。

 何年か前に受けた研修で、定款に経営理念を定めることを勧めていたので、一度、
機会があったら、お客様に提案してみたいと思っていたところでした。

 打ち合わせが終わり、後日、定款案を作成して、説明させていただくことになり
ました。

 定款に経営理念を定めたいなんて、洒落たことをおっしゃる方だなあ、と思った
のですが、話を聞くと、どうやら東京都の猪瀬副知事が、テレビ番組で発言した内
容が影響していたようです。

 その発言は、東京都が、東京電力の株主として、定款に経営理念を定めることを、
定時株主総会の目的とするように、東京電力に提案するというものでした。

 興味が湧いて、東京電力のホームページを見てみると、今年の定時株主総会の招
集通知が掲載されていました。そして、第6号議案に、そのお客様がテレビで見た、
東京都が提案したと思われる内容がありました。

 そして、その議案の後ろには、東京電力の取締役会が、その議案に反対する旨が
記載されていました。定款には、主として会社の組織、事業目的、株式等の基本的
事項について、具体的かつ明確に規定するものであり、経営理念のように多義的に
解釈されうる事項を定款に規定することはなじまない、ということが理由のようで
す。

 そういう考え方もあるのか、と思ったのと同時に、お客様に提示する定款案はど
うしようか、と悩みました。

 定款に経営理念を定めたいというお話をいただき、ぜひ、やりましょうと、返事
をしてしまっていたからです。

 東京電力の取締役会がおっしゃるように、定款は、主として会社の組織、事業目
的、株式等の基本的事項について、具体的かつ明確に規定するものかもしれません。
でも、まず、どのような企業でありたいか、どのような志のもとに会社を経営して
いくのか、という理念があり、それを実現するために組織、事業目的、株式等の基
本的事項を定めるのではないだろうか。だから、経営理念を定款に定めることは、
けっして、おかしなことではない、そう自分に言い聞かせました。

 数日後、お客様に提示した定款案には、お客様の思いを込めた経営理念を記載し
ました。お客様も大変、満足してくださり、定款案の内容は確定し、無事、株主総
会で承認されました。

 さて、東京電力の株主総会では、どのような結論がでるのでしょうか。
 結果に注目したいと思います。


2012.06.18(月)【民法でいう合併】(金子登志雄)

 会社法2条の吸収分割の定義によると、「株式会社………がその事業に関して有
する権利義務の全部又は一部を分割後他の会社に承継させること」ですから、吸収
分割【承継】会社が他社から権利義務を受けることは吸収分割とはいいません。す
なわち、吸収分割とは、分割する会社の行為です。
 
 ところが、吸収合併の定義では「会社が他の会社とする合併であって、合併によ
り消滅する会社の権利義務の全部を合併後存続する会社に承継させるもの」とあり、
合併存続会社の行為も含むのかどうか、いまいちはっきりしません。

 そんなことをずっと思っていたとき、民法第398条の9(根抵当権者又は債務
者の合併)を読み、新発見しました。

--------------------------------------------------------------------------
@ 元本の確定前に根抵当権者について合併があったときは、根抵当権は、合併の
 時に存する債権のほか、合併後存続する法人又は合併によって設立された法人が
 合併後に取得する債権を担保する。
A 元本の確定前にその債務者について合併があったときは、根抵当権は、合併の
 時に存する債務のほか、合併後存続する法人又は合併によって設立された法人が
 合併後に負担する債務を担保する。
--------------------------------------------------------------------------

 根抵当権者のA社(存続会社)がB社(消滅会社)を吸収合併するとき、上記第
1項が適用されるように読めてしまいませんか。

 しかし、この民法規定は、合併による【根抵当権の移転】の規定ですから、上記
はB社が根抵当権者であるときの規定です。

 吸収合併とは合併消滅会社の行為であって存続会社の行為ではないと、私は旧商
法時代の大昔から学会の通説に逆らって主張し続けていましたが、何と、こんなと
ころにも強力な根拠が条文の形で規定されていたとは………。


2012.06.15(金)【株主提案権】(金子登志雄)

 株主総会のピークが近づき、すでに上場会社の株主総会招集通知を手にした方も
多いのではないでしょうか。

 総会のピークは27日か28日でしょう。問題の東京電力は、株主数が90万人
で代々木の国立競技場で27日開催です。

 株主47万人の野村ホールディングスは、ホテルオークラで27日開催ですが、
そこでの株主提案の議案が18個もあり、その第12号議案がいま話題になってい
ます。
 
 http://www.nomuraholdings.com/jp/investor/shm/2012/data/report108.pdf

---------------------------------------------------------------------------
 第12号議案 定款一部変更の件(日常の基本動作の見直しについて)
 
 提案の内容:貴社のオフィス内の便器はすべて和式とし、足腰を鍛練し、株価四
桁を目指して日々ふんばる旨定款に明記するものとする。

 提案の理由:貴社はいままさに破綻寸前である。別の表現をすれば今が「ふんば
りどき」である。営業マンに大きな声を出させるような精神論では破綻は免れない
が、和式便器に毎日またがり、下半身のねばりを強化すれば、かならず破綻は回避
できる。できなかったら運が悪かったと諦めるしかない。
---------------------------------------------------------------------------

 ノーコメントにしておきましょう。


2012.06.14(木)【所有権保存登記の順位番号】(金子登志雄)

 司法書士の皆さん、次のように質問されたら、何と答えますか。

--------------------------------------------------------------------------
 不動産の登記簿には「権利の部」というのがあって、そこに順位番号1番で真っ
先に登記されるのが「所有権保存登記」だと聞きましたが、これには例外がないと
いうことでよろしいですか。
--------------------------------------------------------------------------

 おそらく、100人のうち、99人から100人が「そのとおりだと思います」
と答えてしまうでしょうが、何と、甲区2番で登記されることがあることを知りま
した。

  法務省の登記記録例
  http://www.e-profession.net/tutatu/h210220m2_500_besshi_kenri.pdf

 この36頁の登記記録例324をみると、不動産工事先取特権(さきどりとっけ
ん)で甲区1番に登記義務者の表示がなされています。では、所有権保存登記は、
どこに記録するのでしょうか。

 不動産登記法87条1項には、建物を新築する場合における不動産工事の先取特
権の保存登記をした場合において、「建物の建築が完了したときは、不動産の所有
者は、遅滞なく、所有権保存の登記を申請しなければならない」とあります。

 これは、新規に登記用紙を起こして、先取特権の登記記録を閉鎖するのだろうと
いう気もして、司法書士仲間に問い合わせましたら、不動産登記規則162条によ
り、先取特権で作った登記記録をそのまま所有権の登記にも流用するようです。

 ここまでは分かりましたが、それでも、甲区1番の登記義務者につき、順位番号
も含めて抹消し、新1番として所有権保存登記をするのかもしれないと推測しまし
たが、こういうことに詳しい、土地家屋調査士をも兼ねている島根の渡部先生から
(最近、本欄に登場しませんねぇ)、順位番号2番で所有権保存登記をするのだと
教えていただきました。

 こんなこと司法書士のほとんどが知らないだろうと思っていたら、受験指導界の
カリスマ講師である山本浩司先生から、あっさりと「こういう珍しいことは、受験
生なら知ってますよ」といわれてしまいました。先生の受験用著書にも載っている
ようです。

 知らないのがベテラン司法書士の証(あかし)のようです。私は超ベテラン司法
書士であることを確認できました。


2012.06.13(水)【弱い附合と強い附合】(金子登志雄)

 民法242条に「不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権
を取得する。ただし、権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げない」と
あります。

 この本文の附合(昔はこう書きました)とは、不動産と一体化し、不動産の構成
部分になってしまい、これを切り離すには、余計な費用がかかるから(社会経済上
の不利益)、これを不動産所有者の物にしようというものです(あとはカネで清算
します)。

 これにつき、昔から「弱い附合、強い附合」ということがいわれており、例えば、
次のネットのように、植えた木は強い附合で、置いた庭石は弱い附合だとあります。

    http://www.mainiti3-back.com/g/194/

 私にいわせれば、庭石のように直ちに取り外せるものは「附合」していないので
あり、そもそも民法242条の適用の前提を欠くというべきです。賃借人が建物に
付けた造作ですら、独立の所有権の対象であり、附合とは扱われていません。だか
ら造作買取請求できるのであって、附合とは相違します。

 民法242条ただし書は、附合して1個の合成物になったけれど、権原によって
附合させた場合には、例外的に所有権が留保されるという規定です。建物賃借権は
権原には含まれません。借りた建物を勝手に増改築する権利など、あるはずがない
からです。

 いまだに、大昔の支配的見解であった「弱い附合、強い附合」に洗脳されている
人が多いとは驚きですが、もっと自分の頭でごく普通に考えましょうよ。私のよう
に、マスコミと学者のいうことは信じなければ、仕事で大きな失敗をしないで事故
なく生きていけますよ。


2012.06.12(火)【司法書士議員の危機】(金子登志雄)

 我ら司法書士出身の唯一の国会議員である姫井由美子さんが次回の選挙で危機の
ようです。民主党公認を外されるようです。民主党の看板は地に落ちているので、
どうでもいいといえば、そのとおりですけど………。

http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/local/upper_house_election_okayama/?1339343886

 確かに男性問題でひんしゅくを買ったことは事実でしょうけど、もう過去の事実
ですし、そんなことはプライベートな問題ですから、これが天下の公党が行う仕打
ちかについては、私は疑問に思うと同時に、別の理由だろうと邪推しています。

 というのは、周知のとおり、岡山といえば菅首相の後ろ盾で、小沢追い落とし派
の有力者である江田五月議員の牙城です。にもかかわらず、姫井さんはここのとこ
ろ小沢支持を鮮明にしており、江田さんとの確執が取りざたされていました。

 姫井さんの地元の後見人である江田さんからしたら、面倒をみていたかわいい子
に反旗を翻させられたようなものですから、これは許せないでしょう。このあたり
が公認外しの真意ではないかと私は推測しているわけです。

 江田五月さんというと私の世代では社会党右派で社民連を作った江田三郎さんの
ご長男で元裁判官というイメージのほうが強いのですが、若い方からは、元参議院
議長というイメージでしょうか。いずれにしろ、政界の中では良識派でクリーンな
政治家というイメージでした。一時の菅さんと同様に、市民派の代表と受けとめら
れていました。

 しかし、最近は、菅さん人気の急降下とともにご本人の印象も悪化し、元人権派
弁護士といわれる仙谷由人さんと合わせて司法権力と結託して裏工作する人という
ダーティーなイメージも持たれてきたようです(それだけ大物になったともいえま
すけど)。最高裁長官と小学校時代から一緒だったことも関係しているようです。
また、昔は財界が権力とされてきましたが、いまは司法権力のほうが怖い存在です
から、そこに近いというだけで警戒の目でみられてしまうこともあるでしょう。

 いずれにしろ、姫井由美子さん、あなたの生き様が問われています。へたに妥協
せずに信念を貫いてください。昨日紹介した森ゆうこさんのように、女性は男より
強いから心配はしていませんが………。


2012.06.11(月)【森ゆうこ著「検察の罠」】(金子登志雄)

 小沢支持の超元気なおばさん議員「森ゆうこ」さんのことを知らない方はいない
でしょう。

 「何だ、あのおばさんは………」と世間ではみられているようですが、私は、前
々から、日本の民主主義を守るために計算抜きに必死に頑張っている日本のジャン
ヌダルクか、女・鈴木宗男かという印象を持っていましたが、どういう素性の方か
は全く知りませんでした。

 彼女の著書が出ましたので、さっそく購入し、先週、帰宅電車の中で読んでみま
した。

http://www.amazon.co.jp/%E6%A4%9C%E5%AF%9F%E3%81%AE%E7%BD%A0-%E6%A3%AE-%E3%82%86%E3%81%86%E3%81%93/dp/4537259418/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1339259954&sr=1-1

 いや、素晴らしい本でした。文章が力強く、テンポがよく(プロのライターの支
援があったのでしょうけど)、彼女の生き様及び家族の支援にも感銘します。

 もともとは家業のディスカウントチェーンを手伝う普通の大学生だったようです
が、家業が忙しく大学は8年で卒業し、結婚もし、子供もでき、社会と触れ合うう
ちに、周囲に勧められて町会議員になり、労組等の支持母体もカネもないのに、実
力で参議院議員に2回も当選しているようですから本物中の本物です。

 彼女の有名な言に、「私に何かあったら、ホウソウ関係者を疑ってくれ」(法曹
と放送を引っかけたダジャレです)とあるとおり、命がけで司法権力や大手マスコ
ミと戦っているのは彼女くらいでしょう(ネットの世界では、ウソ報道で有名な朝
ズバ、みのもんたさんの政敵扱いです)。

 彼女に小沢問題でインタビューに来る記者のうち、大手新聞社の記者は実に不勉
強だが(NHKの有名キャスターを含む)、スポーツ紙や日刊ゲンダイなどの記者
のほうがよく勉強しているとも書いてありました(小沢氏がフリー記者や外国人記
者には愛想がよいのに、大手マスコミの記者には仏頂面になる理由もこれです)。
 
 圧巻は「森ゆうこに鉄槌を下す」と影で発言していた法務省幹部との直接対決の
場面でしょうか。

 検察審査会は司法に属すため、司法が起訴し司法が裁判する前近代的な遠山金さ
んの世界になっていることや、マスコミの利権は官僚以上であることなどにも触れ
てありました。

 彼女を支持するかどうかは別にして、日本社会の問題点がよく分かりますし、ア
マゾンの読者感想でも5つ☆が多いようですから、私も一読をお勧めします(本に
は実名が多く登場するため、この本を「暴露本」と感じる方もおられるでしょうが、
これは常に脅迫され狙われている彼女の防衛策だと理解すべきでしょう)。


2012.06.08(金)【司法への政治介入?】(金子登志雄)

 陸山会事件における検察の捜査報告書の捏造問題につき、小川前法相が検察に自
浄能力がないと判断し、指揮権の発動を検討していたことにつき、「政治の司法介
入はよくない」という愚かな論調が多いようです。

 私にいわせれば、実にとんでもないことで、司法が政治に介入してばかりいるこ
との方が問題であって、指揮権の発動は当然に行われるべきだと思っています。ま
してや、検察は準司法とはいえ、行政に属します。

 ここで何度か書きましたが、小沢事件の本質は、既存の司法権力が政権交代を阻
止するために、マスコミを利用して、民主党代表の小沢氏を狙い撃ちしたものです
(政権取り後は鳩山氏も母親からの献金問題で狙われました)。

 小沢氏の事件内容である西松建設問題は検察の大敗北に終わり、あわてて別件の
陸山会事件を持ち出しましたが、これでも勝てずに捜査報告書まで捏造して、検察
審査会を利用しているのに、これほど重大な「司法の政治介入」を不問にし、「政
治の司法介入はよくない」などとは、よくいえたものです。

 国民の多くが「司法は正しく、政治は悪」という非民主的な宣伝(司法神話)に
洗脳されていますが、政治家は、われわれ自身が選んだ「国民の代表」ではありま
せんか。公務員である検事さんよりも、政治家の方が偉いのだという考え方をしな
い限り、民主主義とはいえません。

 政治家にはさまざまな党派がありますから、相互に抑制し合っている限り怖い存
在とはいえませんが、検察は軍隊と同じで、トップ1人の命令で一斉に動く組織で
す。どちらが怖いかといったら、後者に決まっています。だからこそ、政治で抑制
しなければならないのです。

 過去の指揮権発動は造船疑獄事件において犬養法相が抜いたものしかありません
が、これも検察が暴走しすぎて、自分では止められなくなり、検察自らが政治にお
願いして発動してもらったものです。その結果は、「政治は悪、検察は正義」とい
う検察神話になったわけですから、政治がはめられた事件とでもいうべきでしょう。

 自民党政権が下野してから、いろいろな真実がみえてきました。日本の支配者は、
明治時代からずっと「霞が関」であり、自民党政権はそれに乗っていたお神輿にす
ぎませんでした。野田民主党政権も同じです。

 マスコミも誰が日本の支配者かをよく知っており、国民の大多数が反対している
消費税にさえ、国民の側ではなく支配者側に立って報道しています。大手マスコミ
も日本式権力構造にどっぷりと組みこまれていますから、日本は世界に冠たる官僚
主導の管理国家だといえましょう。

 ただ、ここ数年は、この日本式権力構造が時代に合わなくなり、改革派と守旧派
の熾烈な権力闘争が行われている最中だというべきでしょうか。


2012.06.07(木)【同意と承諾】(金子登志雄)

 「同意」と「承諾」について、どのように使い分けるのか真剣に考えたことはあ
りませんが、次の条文をみて考え込んでしまいました。

--------------------------------------------------------------------------
民法第398条の12(根抵当権の譲渡)
 @ 元本の確定前においては、根抵当権者は、根抵当権設定者の【承諾】を得て、
  その根抵当権を譲り渡すことができる。
第398条の14(根抵当権の共有)
 A 根抵当権の共有者は、他の共有者の【同意】を得て、第398条の12第1
  項の規定によりその権利を譲り渡すことができる。
--------------------------------------------------------------------------

 ほとんど同じ文章なのに、前者は「承諾」で、後者は「同意」になっています。

 おそらく、「同意」は事前にするもので、「承諾」は主として事後に行うものだ
が事前でもよいという国語的な意味合いだけでなく、承諾は同意より重たい概念と
いうイメージを感じないでしょうか。根抵当権設定者の承諾は原則的に必要なもの
だが、共有者の同意は本来は不要だが例外的に必要だというニュアンスを私は感じ
ましたが、皆さんは、いかがですか。

 会社法ではどうかなと思い調べようとしましたが、「承諾」と「承認」はどこが
違うのかという別な疑問も生じてしまいましたので、後日の宿題にしておきましょ
う。そんなことを調べ始めれば、あっという間に1時間は使ってしまいますから。


2012.06.06(水)【財布の中身】(金子登志雄)

 テレビ番組で、芸能人の財布の中身をみせるコーナーがありましたが、たまたま
家族と一緒にみていたところ、私の財布の中身を聞かれましたので、「今日は10
万円近く入っている。定款認証費用で5万円が必要だから」と答えましたところ、
何といわれたと思いますか。

 「危険だ。そんなのカードで支払えばいいじゃないの」

 全く考えてもいませんでしたが、公証人役場や登記所内の印紙売場でカード払い
は可能なのでしょうか。きっと無理だとは思うのですが、挑戦してみる価値はある
かもしれませんね。無理だと思っていたJRの切符がカードで購入できましたので、
こちらも、ひょっとしたら、ひょっとするかもしれませんから。

 何でもカード時代ですね。銀行のキャッシュカード以外にも、健康保険証カード、
印鑑証明書カード、病院の診察券カード、ビル入室用セキュリティカード、買い物
のポイントカード………と、私の財布の中も訳の分からないカードばかりです。こ
ういうカード類は、写真付でないため身分証明書にはなりません。

 ちなみに、司法書士の会員証は写真付カードですが、公的機関の発行したもので
はないため、世間では身分証明書としての価値を認めてくれません。司法書士にな
ったばかりで、うれしくて、「オレは司法書士だ」と誇りたいために、会員証を出
すと、きっと、寂しい思いをするはずですよ。

 というわけで、私は運転もしないのに写真付身分証明書として運転免許証だけは
更新していますが、カードがないと何もできない時代になり、何かおかしいですね。


2012.06.05(火)【よく分からないこと】(島根・根来川弘充)

(野球に詳しくない方には、すいません。)
 現在、プロ野球は交流戦がまっただ中ですが、先日、友人との雑談ででた質問で
す。

 「走者がいるとき、内野ゴロで進塁するケースがあるが、これはバントのように
犠打扱い(打数に入らない)にならないのか?」

 私は、「バントは、最初から送ろう(犠牲になろう)という意思しかないから、
その意思の違いだろう。」と答えました。

 ところが、そう答えて、はっと気づきました。
(犠牲フライは、ヒットやホームランもねらっている!!!)
犠打の定義とは何なのか、よくわかりません。

 仕事では先日、一般社団法から目的変更登記申請の依頼をうけました。

 目的変更の効力発生日は、認可書の到達日になると考えていいたのですが、とこ
ろが、目的変更をした定款には、「○年○月○日から施行する」と附則がついてい
ました。

 目的変更の効力発生日は、附則にさだめた日までさかのぼるのか、少ないながら
手元にある文献を調べてみましたが、残念ながら見つかりませんでした。

 もし、効力発生日が認可書到達日と考えると、この附則の効力は目的変更に及ば
ないことになります。

 附則も認可を受けているのだから、効果も及ぶだろうと考え、附則にさだめた日
で申請しました。

 結果は・・・、残念ながら認可書到達日でした。(補正です)

 附則で定めておきながら、登記では違う日が変更日として記載されます。依頼者
には、よくわからないことだろうと思います。


2012.06.04(月)【同時申請の委任状】(金子登志雄)

 効力発生日を6月1日とするAがBを吸収合併する登記を同日に申請しましたが、
事前にお客様側のコンサルタントから、「B社からの登記申請委任状を要求されて
いなかったが、ほんとに大丈夫か」という電話質問がありました。

 司法書士の皆様、何と回答するのが正しいでしょうか。

 「必要ありません。6月1日午前0時にB社は消滅しており、委任したくてもで
きません。B社の権利義務を包括承継したA社の合併委任状がB社の委任状を含ん
でいます」・・・で通じますでしょうか。

 昔、司法書士になる前ですが、この合併の経験から同時申請には委任状は1通で
よいものと思い込んでしまい、自社グループの管轄外本店移転で移転先への委任状
を添付せずに補正になったことがあります。思わず、「え、必要なんですか」と聞
いてしまったものでした。

 それ以来、理由を考えるようにしていますので、吸収分割では分割会社も消滅し
ないため委任状がそれぞれ必要で、管轄外申請の場合は、会社実印を押し印鑑証明
を添付する必要があることもすぐに分かりました。

 ところで、A社の合併委任状は5月29日付になっていました。安全のため、6
月1日に訂正しましたが、合併効力発生前の5月29日付でも予約の委任状として
有効だとして、登記実務上は無事に受け付けてくれるものでしょうか。ご経験者は
いらっしゃいませんか。


2012.06.01(金)【新株予約権付社債の発行決議】(金子登志雄)

 司法書士が新株予約権付社債(通常は転換社債型新株予約権付社債)の発行案を
依頼されることは、会社法になって、すっかり減ってしまいました。会社法のせい
ではなく、長引く不況が原因でしょうけど。

 先日、非公開会社(譲渡制限会社)における転換社債型新株予約権付社債につき
相談されましたが、次の点について、皆さんはどうお考えですか。

 これは社債だから、株主総会の承認は不要ではないか。

 確かに社債ですが、新株予約権付社債と考えずに、社債付新株予約権と考えた方
が実態に即しており、非公開会社であれば、株主総会決議が必須です。

 では、株主総会決議と総数引受契約をすれば取締役会決議を省略できるか。

 募集株式や募集新株予約権の発行であればそのとおりですが、これは新株予約権
付の社債なんです。社債の発行に取締役会決議を省略することはできません。

 要するに、新株予約権付社債は、新株予約権と社債の2つであり、同時発行と考
えることが必要です。商法時代はこんなことを考えずに済んだのですが………。


2012.05.31(木)【目黒法務局廃止】(金子登志雄)

 とうとう、東京にも法務局統廃合の津波が押し寄せてきました。目黒区の法務局
が渋谷区の法務局に統合されます。統合されるのなら世田谷区かなと予測していま
したが外れました。6月11日からですから、渋谷から目黒へ、目黒から渋谷へ本
店移転を考えている方は、それ以降にしたほうが登録免許税も安上がりです。

 http://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/frame.html

 法務局の廃止に「残念」などという発言は禁句ですね。地方ではもっと進展が早
く、お隣の千葉や埼玉では商業登記庁が1つ、神奈川では2つに集約されてしまっ
ているのに、東京では、まだ23区内のほとんどの区に存在しています。

 法務局が統廃合すると、一般の方が近くの法務局に気楽に相談に行けず、専門家
に任せようと行動するため、司法書士にとっては、不都合ばかりではありませんが、
電子申請に乗り遅れている年配司法書士にとっては、廃業の危機かもしれません。

 私も年配司法書士の1人で、ネットにはからきし弱いのですが、電子申請だけは、
周囲の応援を得て、問題なく使いこなしています。

 ところで、司法書士会の支部はどうなるのでしょうか。法務局単位で支部が作ら
れている傾向があるので、東京でも目黒支部は渋谷支部に統合するのでしょうか。
司法書士会も無関係ではいられないことでしょう。


2012.05.30(水)【泥だらけの権利証】(仙台・立花 宏)

 先日、相続登記の手続を依頼したいという方が事務所にお越しになりました。

 依頼者は年配の女性で、亡くなられたご主人の名義になっている土地と建物のう
ち、土地のみを、自分の名義に直したいというのです。

 相続人はその女性と、長男、長女、次男の4人で、その4人で話し合いをして、
その女性が不動産を相続すると決めたのだそうです。

 その女性は、「不動産の資料です。」と言いながら、鞄から書類を取り出し、私
に手渡しました。

 それは権利証でした。受け取った瞬間、手触りに違和感がありました。なにか、
表紙が埃っぽく、ざらざらしています。そして、ゴワゴワしています。

 “もしかしたら・・・”

 私は、あることを想像しました。

 私の様子を見ていたその女性は、口を開きました。

 「昨年の震災のときに津波で流されたんです。でも、1か月くらいしてから、警
察の方が泥の中から見つけて、届けてくれたのです。」

 “やっぱりそうだったのか。”私はそう思いながら、女性が続けて鞄から取り出
した戸籍に目をやりました。亡くなられたご主人の欄を見ると、“平成23年3月
11日推定午後4時死亡”との記載がありました。

 ひととおり、手続等の説明を終えると、その女性は私に言いました。

 「この権利証はもう使わないでしょうから、処分していただけませんか。」

 その女性がどのような気持ちで、権利証の処分を依頼しているのか、私には判断
がつきかねました。

 “もしかしたら、気持ちを整理したいのかもしれない・・・。いろんなことを思
い出してしまうから、もう見たくないということだろうか・・・。”

 私が沈黙して思案していると、女性は言いました。

 「こんなことをお願いするのは筋違いですよね。すみませんでした。」

 そして女性は続けました。

 「主人がローンを組んで、ようやく手に入れた自宅でした。ローンの支払いが終
わったと思ったら、震災で、その自宅も主人と一緒に流されてしまいました。権利
証は、主人のお墓に主人と一緒に入れてあげるのがよいのかもしれませんね。」

 私はなんと返事をしてよいかわかりませんでした。

 “こんなとき、ベテランの先生方は、どのように答えるのだろう・・・。”

 まだまだ、司法書士として、力不足であることを実感させられました。


2012.05.29(火)【整備法136条19項】(金子登志雄)

 法務省の登記記録例によると、新設分割のとき設立会社の登記簿には次のように
記録されます。
--------------------------------------------------------------------------
 東京都台東区上野一丁目1番1号台東商事株式会社から分割により設立
                         平成19年10月1日登記
--------------------------------------------------------------------------

 ところが、分割会社のほうは、次です。
--------------------------------------------------------------------------
 平成19年10月1日東京都千代田区大手町一丁目1番1号千代田商事株式会社
に分割
                         平成19年10月8日登記
--------------------------------------------------------------------------

 登記した日が違っているのは法務局の管轄が違うせいですが、それは横に置くと、
前者には「平成19年10月1日」が文頭にありませんが、後者にはあります。

 これは、前者は設立登記であって登記が効力発生日だから、「平成19年10月
1日登記」の部分で設立の日が分かるので、二重に効力発生日を記載する必要がな
いという配慮です。純粋の設立のときも、単に「設立」とするだけであって、「平
成〇年〇月〇日設立」と登記しないのは、このためです。

 これに対して、吸収合併や吸収分割など登記を効力発生要件としない場合は、単
純な「変更登記」ですから、変更年月日を文頭に置きます。

 ところが、特例有限会社を株式会社に移行させるときは、登記が効力発生要件で
ありながら、次のように登記します。
--------------------------------------------------------------------------
 平成19年10月1日第一電器有限会社を商号変更し、移行したことにより設立
                         平成19年10月1日登記
--------------------------------------------------------------------------

 明らかに、文頭の「平成19年10月1日」は余計です。伝統的な登記手法から
逸脱しています。

 これは整備法136条19項に「特例有限会社の商号並びに商号を変更した旨及
び【その年月日をも登記しなければならない】」と規定されているので、上記のよ
うな年月日の二重記載が生じてしまったわけですが、その理由は、整備法立案者が
登記のことを全く分かっていなかったからだというしかありません。


2012.05.28(月)【ヨムよりカクがいい】(金子登志雄)

 ウイスキーの瓶の話ではありません。自分で書くよりも、他人の原稿をチェック
するほうが数倍疲れるという話です。

 私の仕事の中で、この原稿チェック仕事は結構あります。株主総会招集通知(事
業報告から)をチェックしてほしい、役員変更議事録案等をチェックしてほしいな
どという会社からの依頼だけでなく、書籍の原稿のチェックの仕事もあります。

 長時間この仕事を続けますと、目と背中が疲れ、文字がかすんできますが、不思
議なことに、自分で原稿を書くときは、もっと長時間になっても疲れません。

 他人(ヒト)に言わせると、「他人に合わせるのは、そりゃ疲れるよ」というこ
とですが、私の場合はそういうことではなく、自分の原稿の場合は、五感の全部を
使って集中しているのに対し、他人の原稿をチェックする場合は、頭と目しか使っ
ていないからだと思っています。

 つまり、一部分が疲れるから、全身が疲れたように感じるが、自分の原稿の場合
は全身運動なので疲れないのだと思います。その代わり、頭の中がカッカと燃え盛
り、興奮のためかすぐには寝付けません。

 どちらも困ったものですが、人様の原稿をチェックする際にも、もっと集中して
やれば疲れないのだと信じているのですが、何かよい集中する方法はないものでし
ょうか。


2012.05.25(金)【故意の立証】(金子登志雄)

 21日の夕刻に渋谷駅で刺傷事件があったことはニュースでご存知と思いますが、
事件の30分後か1時間後か分かりませんが、私も報道陣でごった返す渋谷駅を降り
しました。

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120523-00000065-mai-soci

 幸い、被害者は死に至らなかったようですが、単に見知らぬ人と体がぶつかった
程度で刺されてしまうとは怖い世の中ですね。貧困と格差を作った小泉改革以来、
世相が殺風景になっているようで、自殺者数も増えているようです。

 さて、この犯人は「殺意はなかった」と供述しているようですが、殺人の故意と
は「こうすれば人は死ぬであろう」と認識するだけでよく(認識説)、「死んでほ
しい」と希望すること(認容説)までは不要ですし、刃渡り30センチのサバイバ
ルナイフで刺しておいて殺意がないとは到底無理な主張でしょう。

 昔、司法試験を合格し司法修習中の友人に聞きましたが、検察での研修で、タク
シーへの無賃乗車の男の取調べを担当させられたのだそうです。ところが、犯人は
頑として故意を認めず困り果ててしまったところ、指導検事から「自白させようと
しないで、タクシーに乗る時、財布の中身がいくらだったかを聞くなど、周りから
攻めねばダメだ」と教わったとのことです。

 もっとも、以前、ある元地検特捜部の検事さんに、この話をしましたら、「簡単
ですよ。これこれこうでしたとこちらで作文し、密室で署名をしろと迫ればいいん
ですから」といわれてしまいました。

 現場の検事は故意の立証に苦労しているのに、エリート揃いの特捜部の検事さん
は思い描いたストリーを被疑者に押しつける傾向があるようです。逮捕された大阪
地検の前田検事も、「小沢事件は東京地検の妄想だ、現場は厭戦気分だ」と法廷で
供述しましたが、こんな話を聞くと、捕まって取調べを受けるなら特捜部ではない
ところを願いたいものですね。


2012.05.24(木)【異議がなかった旨の証明書】(金子登志雄)

 合併や減資の際に、債権者に異議がないかと公告や催告をしますが、商業登記法
によると「異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相
当の担保を提供し………を証する書面を添付しなければならない」とありますから、
異議がなかった場合は何も添付しなくてもよいと読めてしまいます。

 しかし、そうすると、法務局にとっては、異議があったのか、なかったのかも分
からなくなってしまいますから、法律上の添付書面にはなっていませんが、申請書
に「異議はなかった」と書くか、その旨の証明書を提出する慣例になっています。

 さて、A社がB社を6月1日に吸収合併するにあたり、B社の債権者保護手続で
異議がなかったと証明するのは誰でしょうか。

 旧商法時代はB社が証明していましたが、会社法では、証明日次第になります。

 旧商法では吸収合併も「登記」が効力発生要件でしたから、B社が証明すること
で全く問題がなかったのですが、会社法では効力発生日(ここでは6月1日の午前
0時)に合併の効力が発生するため、6月1日付けでBの証明書が作成されるとま
ずいのです。なぜなら、午前0時にBは合併解散し、会社が消滅しているはずだか
らです。

 そこで、6月1日付けの証明書にするなら、A社が「B社ではこれこれのとおり
債権者保護手続をしましたが、異議はありませんでした」と証明することになりま
すが、自社分だけでなくB社の分についてまで証明するため、時々、「これ同じも
のが2つあるよ」とお客様に言われてしまいます。内容がちょっと違うのですけど。


2012.05.23(水)【余事記載登記】(金子登志雄)

 先日、資本金5億以上の未公開の某社の登記簿謄本をみておりましたら、社外取
締役が登記され、2年ごとに重任登記がなされていました。

 ところが、登記簿のどこをみても、@委員会設置会社である、A特別取締役の定
がある、B社外取締役の責任軽減の登記がある、ことになっていません。

 登記に関する会社法911条をみていただけばお分かりのとおり、社外取締役の
登記は、@かAかBの場合に限り登記することができるのであって、それ以外は登
記することができません。商法時代とは相違します。

 人材不足の地方の法務局であれば、登記官自身も知らなかったということもある
でしょうけど、都内23区内のそれなりの法務局でした。

 批判しているのではありません。常日頃から、誰にも迷惑にならない商業登記に
あっては、これくらいの寛容さが法務局にあってもよいと思っていますので、何と
なく、うれしい気分です。

 そもそも、間違って「取締役A」に「取締役A(社外取締役)」と登記してしま
っても、虚偽の内容ではありませんし、余事記載の無益で無効な登記であっても、
違法で有害な登記とは思えません。単に、登記簿に法的には無用なことが記録され
ているに過ぎません。

 余事記載がいけないというなら、種類株式や新株予約権の登記では、余事記載だ
らけで、全く余事記載がない完璧な登記のほうが珍しいくらいです。

 上記の会社の定時株主総会後の登記を引き受けましたが、専門家の私が余事記載
登記を白昼堂々と申請するわけにもいきませんので、今回から「取締役A」で登記
しますが、真面目で融通の利かない司法書士の方であれば、過去に遡って更正抹消
を求めたりするのでしょうね。


2012.05.22(火)【太陽と月】(金子登志雄)

 昨日は、会う人ごとに「見ましたか」という時候の挨拶が繰り返されたようです。
金環日食のことです。

 面倒くさがり屋の私はもちろん見ていません。その時間帯は、執筆の疲労で寝て
いました。

 さて、金環日食とは無関係ですが、ここ何年も、月であるはずの会社法(商業登
記)ばかりに日があたり、太陽の民法(不動産登記)を後ろに置いてきましたので、
4月から不動産登記のおさらいをしています。もちろん、仕事の関係です。

 司法書士試験の択一試験並の問題を次々と解いていますが、試験から離れて15
年以上経つのに、正解率9割以上ですから、まだ腕は衰えていないようです。自転
車と同じで、いったん乗れるようになったら、一生、乗れるのかもしれません。

 というよりも、会社法を深く理解するには民法の知識が前提となるので、意識せ
ずとも、民法から離れていなかったのでしょう。逆に言うと、不動産登記や民法を
中心にしている人は、下流(?)の会社法に疎くなりがちだということになります
が、多くの司法書士のみなさん、いかがですか。

 昔、民法学者の恩師が「会社法学者は分からない点があると民法に戻れば済むが、
民法学者は哲学にまで戻らねばならない。時効の学者は『時とは何か』と哲学して
しまう」と話していたことがありますが、「民法学者は下流を研究しないので、ど
うしてもビジネス社会から遊離してしまう」ともいえそうですね。


2012.05.21(月)【裁判員制度3年目】(金子登志雄)

 5月21日の今日で裁判員制度がはじまって、ちょうど3年目です。

 私はこの制度に賛成でした。国民主権の学校だと思っていたからです。仮に、間
違った評議をしたとしても、それを痛みに感じれば、少しずつ国民も学習していく
だろうと思っていたからです。

 その効果が出たかどうかは、今後、検証しなければなりませんが、同じく市民参
加の検察審査会が見事に検察やマスコミに操られていた実態をみるにつき、市民参
加には反対しませんが、予断をもって判断しやすい素人参加には強い疑問をもつよ
うになりました。

 せめて、年齢制限を置き、昔の集落や部族の長老会議のように、人生や世の中が
分かっている人間だけを裁判員にするような制度はできないものでしょうか。司法
書士が裁判員になれないのも行き過ぎのように思います。

 ところで、最近のテレビドラマで冤罪をテーマとするものが増えてきたように思
いますが、私の気のせいでしょうか。

 土曜日のテレビ朝日のドラマスペシャル「灰色の虹」もその1つであり、冤罪で
服役していた若者が出所後に、担当捜査官、担当検事、担当弁護士等に復讐する内
容でした。

 なかなか見応えのある内容でしたが、常に正義の警察官や検事が登場し、事件を
解決して行く姿はウソっぽく、正義は常に勝つとは限らないのが現実社会であるこ
とを知っている熟年者には、ややもの足りませんでした。

 冤罪被害者が裁判員に復讐しないためには、裁判員制度よりも、捜査の可視化の
ほうがずっと重要ではないかと思った次第です。


2012.05.18(金)【4月1日就任取締役】(金子登志雄)

 3月決算の上場会社では、6月の定時株主総会の準備をはじめたようですが、そ
の子会社も連動して、最近、定時株主総会の準備をはじめたようです。

 ここで会社も司法書士も気を付けねばならないのは、「平成23年4月1日就任
取締役」の存在です。上場会社の子会社では3月下旬(例えば29日)に臨時株主
総会を開催して、4月1日付で取締役を選任していることが多いのです。

 この場合に、定款に「取締役の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のう
ち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする」と定めているとすると、
任期は何時まででしょうか。

 選任された平成23年3月29日の2年後は平成25年3月29日です。それ以
内の最終の事業年度は平成24年3月31日までです。その定時総会は平成24年
6月開催の定時株主総会になります。よって、今回の定時株主総会で任期満了退任
します。取締役就任期間は1年3ヶ月にも満たない結果となります。

 株主総会決議では「【選任】の効力が平成23年4月1日」としたのだから、平
成23年4月1日から計算すべきではないかと思わないでもありませんが、会社法
立案担当者は、この選任を事実行為としての選任と解釈しており、登記実務もこれ
に従っています。

 なお、平成23年3月31日選任の場合は、選任後2年が平成25年3月31日
になりますので、セーフになりますから、ややこしいですね。やはり、登記は商業
登記のプロに頼みましょう。


2012.05.17(木)【東高西低】(金子登志雄)

 といっても、源氏と平氏の話ではなく、東の検察と西の検察の格差の話です。

 最近の報道によりますと、民主党の政権取り妨害のため、西の石井一民主党議員
を狙った大阪地検特捜部の郵便不正事件(通称、村木厚子事件)で証拠のフロッピ
ーを偽造した前田恒彦元検事が懲役1年6月を終わり、15日に満期出所したそう
です。しかし、今後10年間は弁護士にもなれないそうですから厳しいものです。

 この事件では上司の大坪元特捜部長と佐賀元副部長も懲役1年6月の求刑で現在、
裁判中です。

 これに対して、東の小沢一郎民主党議員を狙った東京地検特捜部の事件では、捜
査報告書を捏造したといわれる田代検事に対しては、16日の新聞報道で嫌疑不十
分で不起訴だとのことです。上司だった方々も、これでまずは一安心でしょう。

 こういう報道に対して関西の方々はどんな心境になるのでしょうか。関西の新聞
は何もコメントしていないのでしょうか。東に住む私ですら、ちょっと露骨過ぎて、
西の皆様に申し訳ない心境になってしまいます。

 もう1つ、驚くニュースがありました。東西の検察の暴走を強く批判をしていた
元検事の郷原信郎氏が上記の大坪氏の弁護人に就任したそうです。ということは、
大坪氏が法廷で何らかを暴露する可能性が出てきたということでしょう。

 これが怖いので、東の田代検事をうっかり逮捕できないのだとしたら、田代氏や
上司の方々は、西の方向に足を向けて眠ってはいけないでしょう。


2012.05.15(水)【単元未満株式の権利】(金子登志雄)

 学生が就職面接に会社訪問している姿をよくみましたが、皆、同じ色の同じ服装
ですね。特に女性は例外をみることがほとんどありません。情報化社会になり個性
重視の時代になったというのは幻想かもしれません。

 さて、上場会社の定款をみると、次のような条項が入っていることが少なくあり
ません。
---------------------------------------------------------------------------
第*条 当会社の株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外
  の権利を行使することができない。
(1)会社法第189条第2項各号に掲げる権利
(2)会社法第166条第1項の規定による請求をする権利
(3)株主の有する株式数に応じて募集株式の割当ておよび募集新株予約権の割当
  てを受ける権利
---------------------------------------------------------------------------

 (1)の会社法第189条は単元未満株式の権利に関する規定ですから納得できる
のですが、(2)の会社法第166条第1項は取得請求権付株式の取得請求について
の規定です。

 周知のとおり、上場会社のほとんどが種類株式発行会社ではありません。取得請求
権付株式を発行していないのに(2)を定めているのです。

 なぜ、こんなことをするのかと調べましたら「将来、取得請求権付株式を発行する
かもしれないから」などというもっともらしい解説がありましたが、その程度の理由
であったら、取得請求権付株式を発行することができる旨の定款の定めを置くときに、
一緒に定めれば済むことです。

 真意は、他社が定めているからという「横並び思想」でしょう。学生だけでなく、
企業も金太郎飴です。異分子を排除するのが日本の伝統文化とは思いたくありません
が、何か怖い文化ですね。皆と一緒でないと不安でならない社会に、いつからなった
のでしょうか。


2012.05.15(火)【平氏と平家】(金子登志雄)

 「東の源氏、西の平氏」と私も思い込んでいましたが、ネットで調べたところ、
これは間違いのようですね。平氏の中で西で活躍したのが平清盛を中心とする伊勢
平氏であって、これが俗にいう「平家」であって、東の平氏(坂東平氏など)は、
源氏側に付いたようです。

 確かに、「遠くの親戚より近くの他人」ですから、東国に居住しながら、源氏に
逆らうのは得策ではありません。東の平氏が源氏側に付くのも自然でしょう。

 で、関東人であるわが先祖はどうしたのかなと、金子姓の起源を調べましたら、
武蔵国入間郡金子村が起源(ルーツ)であることは分かりましたが(JRの八王子
と群馬県の高崎をつなぐ八高線=はちこうせん=の駅に金子駅があります)、源氏
や平氏以前から存在する氏のようで、はっきりしませんでした。

 もっとも、ご承知のとおり、金子姓は全国各地に広範囲に分布しており(繁殖力
だけはよさそうです)、武蔵国入間郡金子村が起源というのも怪しいものです。

 今日は(今日も?)、ネタ切れでつまらない内容でしたね。明日からは、法律ネ
タでも探しましょう。


2012.05.14(月)【平家の落人部落伝説】(金子登志雄)

 土日は瀬戸内海の小豆島近辺を小旅行してまいりました。相変わらず小リュックで
重いノートPCを背負い、同伴者の後ろに付いていっただけですけど………。
 壇ノ浦で滅びた平家の本部があった屋島にも行きました。

 平家というと子供の頃から悪役イメージを植え付けられてきましたが、最近では、
NHKの大河ドラマで平清盛を取り上げ、歴史の歯車を進めた「武士社会の創業者」
と評価しているようですから、時代も変わったものです。

 屋島では売店のおじさんが、平氏は武家だが貴族化してしまったのに対し、源氏は
体力のある農民中心だったから、平氏は源氏に勝てなかったと説明していましたが、
面白い見方ですね。と同時に、平家には高貴な家柄というイメージもあるようです。 

 これに関連して、全国各地の僻地(へきち)に「平家の落人(おちうど)部落」と
言い伝えられる場所がありますが、あれのほとんどがウソだそうです。

 昔の新聞記事に掲載されていましたが、先祖代々にわたり辺鄙な地域に住む人は、
「先祖がこんな辺鄙なところに居を構えたのは、きっと深い訳があるに違いない」と
自分を納得させて生きてきたが、それがいつしか、「ここは先祖の平家が逃げ隠れ住
んだところ」に代わり、代々と伝承されてきたというのが本当のところのようです。

 こういうインセンティブ(?)はお金がかからなくていいですね。


2012.05.11(金)【ムネオ日記から】(金子登志雄)

 昨日の件で、同じく政治的迫害を受けた鈴木宗男氏は、どんな意見かと、久々に
ムネオ日記を覗いてみましたら、やはり強い批判をしていました。

 http://www.daichi.gr.jp/diary/diary_top.html

 鈴木氏の受けた迫害は、小沢氏どころではなく、国会で議員辞職勧告決議を受け
るなど、四面楚歌の状態でしたし、収賄罪・政治資金規正法違反・議院証言法違反
(偽証罪)で有罪を受けたのに、逞しく生き残り、今や北海道では絶大な人気があ
ります(マスコミで報道されたムネオハウスなどは裁判で全く問題とされず、別件
での有罪です)。

 「こういう犯罪者を当選させるなんて、地方の人間は何を考えているのだ」と若
い頃の私は思っていましたが、還暦も過ぎて世の中が少し分かってきた今は全く逆
の見方です。

 今は、「地方の方は自営業であったり農家であったりし、足を地につけて働いて
いるから、ワイドショーを代表とするうわついたマスコミ報道に影響されることも
少なく、自分の頭で考えて行動するのに対し、サラリーマン家庭の多い都会は、生
きて行くうえで周囲との協調性が重要なのか、一番楽なマスコミを通じて流される
風や空気でモノを判断する傾向が強い」という見方であり、都会人の思考のほうに
批判的です。

 鈴木氏は私と同世代ですが(学年は私より1つ上)、駅の階段ですら、ふうふう
いいながら昇っている私からは、あのパワーと不屈の精神だけは、憧れてしまいま
す。本欄と違って、ムネオ日記は土日も休まずです。これ、たいへんなんですよ。

(参考)
 小沢グループから声明が発せられました。小さい文字で、老眼にはきついので、
土日にでもゆっくり吟味してみます。
  http://www.shinseiken.jp/index.html


2012.05.10(木)【驚きの控訴】(金子登志雄)

 民主党政権になってから、検察や司法の政治化が顕在化し、いわゆる法治国家や
司法の常識が全く通じなくなっていましたが、またですね。有罪の見込みがないの
に、指定弁護士が控訴を決定したようです。

 これで、本件はよくいわれているように司法や法律問題ではなく、小沢氏という
政治改革派の実力者に力を発揮させないことが目的の政治的事件であることがます
ますみえてきました。有罪にする必要はなく、彼に活動させないことが真の目的で
しょう。フェアではありませんが、これが権力闘争の現実です。

 小沢復権、消費税値上げストップか、国民生活が第1の政治に戻るか………など
というマスコミの論調をみながら、小沢氏は予想以上に怖がられているな、これは
控訴もあるかもしれないと2割程度の確率でみていましたが、まさか本当になると
は思いませんでした。

 マスコミの宣伝の成果か、小沢氏は悪い奴だと思っている方が国民の7割以上も
いるようですが、少なくとも小沢氏一人で今でも共産党や社民党などよりも支持率
の高い政治家です。民主党国会議員の中では3分の1が支持している有力政治家で
すし、岩手県を中心とする東北地方では、東日本の復興のために、小沢氏に対する
期待度はものすごく大きいものがあるようです。

 これほどの実力者を働かさせないなど、大変な国家的損失だと私は思うのですが、
日本はまだ近代国家ではないということでしょう。30年後、40年後の日本国民
が現在の日本社会の民主主義の成熟度をどう評価するのか、長生きして、ぜひ、そ
れを知りたいものです。

(参考)
 鋭い見方をする評論家の田中良紹さんの論評を知りたいと思っていましたら、さ
っそくブログを更新していました。ネットの政治意見を代表する見解でした。

 http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2012/05/post_299.html#more


2012.05.09
(水)【思へば遠く来たもんだ】(富田太郎)

 GWの前半は、仕事を休み(正月以来の休みでした♪)、サラリーマン時代の上
司・同期の方々と会食をいたしました。

 これまでに、何度か書きましたが、私は元々サラリーマンで、40歳の時に司法
書士の道に入りました。司法書士としては13年目、開業してからは7年目。よう
やく中堅に入るか否かぐらいの業歴です。

 よって、自分の中では、「まだまだ、これからだなぁ・・」と思っていたのです
が、サラリーマン時代の上司は、既に定年退職し隠居生活(羨ましい)。また、同
期だった方々も、あと何年か経つと定年。

 話題は、「老後、いかに過ごすか? 貰える厚生年金の額は●◆で〜△◆。定年
後、子会社に残れるかなぁ〜?etc」などが中心で、「びっくりする!」ととも
に、何やら、「自分も人生の後半にさしかかっているのだ」と改めて実感しました。

その夜、書庫にあった『中原中也の詩集』をパラパラ〜とめくると、
≪頑是ない歌≫ /中原中也『在りし日の歌』より抜粋

 『思へば遠く来たもんだ
  十二の冬のあの夕べ  港の空に鳴り響いた汽笛の湯気は今いづこ
   (中略)
  それから何年経ったことか 
  汽笛の湯気を茫然と 眼で追いかなしくなっていた
  あの頃の俺はいまいずこ

  思へば遠く来たもんだ
  此の先まだまだ何時までか 生きてゆくのであらうけど
  (以下略)』

 そうだよなぁ・・・。今の状況に満足しているわけではないが、不満だらけとい
うわけでもない。でも、もう昔には戻ることはできないよなぁ〜・・・・。めずら
しく感傷的な気分になってしまいました。

 ≪後日談≫
 GWの後半は、いつものとおり、コンビニ弁当を食べながら事務所で仕事。
そんな折、同年代の某社社長から仕事のTELがあり、余談で、「(前記の)人生
後半の話」をしたところ

 社長曰く、
「大丈夫ですか(笑い)! 
 富田センセ??? もしかして、GW前半、休みましたかぁ?
 なれないことするからですよ!

 センセは、あと10年たっても、事務所でコンビニ弁当食べながら徹夜している
と思います(きっぱり)!
 それより、先週お願いした〜△◆●〜」

 ・・・・・・・・・・・・・・・(汗)

 詩人には、到底なれそうもない富田でした・・・・・(涙)。


2012.05.08(火)【農地の移転】(島根・根来川弘充)

 先日、ある方から、兄から田畑を譲り受けたいのでどうすれば良いかと相談を受
けました。対象の田畑は、島根の山間地にあります。

 登記簿による所有者は、その相談者の兄で、現在は都会に出られているそうです。
今、田畑の管理はこちらに住んでおられる弟さんがしているのですが、兄もいよい
よ年をとって、こちらに帰ってくることがなくなったので、登記名義を変えたいと
いうことでした。

 ところが、農地の移転には、農地法により農業委員会の許可がいります。その要
件として、譲り受ける側がある程度、農地を所有等していないといけません。移転
ができない大体のケースが、この要件に引っかかります。

 今回ご相談いただいた件も、残念ながらこの要件に引っかかりました。相談者に
その旨を伝えましたところ、
 「国は山間地の農業の効率化をすすめながら、一方で流通を妨害している。」
 「誰も手がつけられない農地を増やして、誰が農業を支えるのか。」
 「先生方も実情をご存知なら、行政に働きかけをしてほしい。」
と言われました。なるほど、もっともなことです。

 農地法で規制された当初は、水利などの問題もあり、農地の分散を防ぐことは、
意味があったと思います。しかし、今日はこちらの方で、担い手は減る一方で、
農業ができない所有者は、自らの田畑を荒廃させる訳にはいかないのですから、
他人に手間賃を払っても作っていただいているという実情があります。田舎では、
農業をしてくれるという人が出てくるだけで、大変ありがたいことです。

 立法事実がないのであれば、法律は無効であると考えても良いのではと思いまし
た。「法律はこうなっていますので」と杓子定規につい考えてしまっていた自分に、
強く喝を入れられた思いでした。ものを言ってくれる依頼者はありがたいものです。


2012.05.07(月)【ロシアからの驚愕メール】(金子登志雄)

 連休も終わってしまいました。1日だけ、都内で各地の花祭りツアーをしました
が、その他は、いつもどおり、気分転換にマスコミやテレビの表層的な世界とは異
なるネット世界の意見などを味わいながら(?)、モノ書き作業をしていました。

 さて、本日の題目の「ロシアからの驚愕メール」をみて、ぴんと来た方は、かな
りのネット政治世界の住人でしょう。

 八木啓代(のぶよ)さんというラテン音楽の歌手の方が会長の「健全な法治国家
のために声をあげる市民の会」に、なんと、ロシア語のメールが入り、そこに検察
の捜査報告書や石川議員の隠し録音の文字おこしが添付されており、ただいまネッ
トの政治世界は大騒ぎです。

  (市民の会)
   http://shiminnokai.net/index.html

  (捜査報告書)
   https://docs.google.com/open?id=0ByWdni-HzzdgV0RMV0o5WWNiTlk

  (石川録音)
   https://docs.google.com/open?id=0ByWdni-HzzdgQkl3Z0w2cTdiNXM

 検察の内部告発かどうかは分かりませんが(これ以前に関係する国会議員やマス
コミの一部には漏れていますから)、検察審査会に届けられた捜査報告書をみると、
特捜部も自分では起訴できず、素人の検察審査会に強制起訴させようという意図が
みえみえで(アンダーラインまで引いて強調しています)、内容面を含め、今後、
大きな問題に発展しそうです。

 虚偽の工作をしても、いつかはばれるものですね。小沢さんの言ではありません
が、お天道様はみています。


2012.05.02(水)【知識量と記憶力】(金子登志雄)

 5月になったら急に陽気がよくなりましたね。野には花が咲き、女性が美しく見
える今日この頃です。

 さて、先日、久々に仲間の司法書士と会食しましたが、合併再編の拙著を読んだ
はずなのに日が経つと記憶に残っていないという話になりました。ところが、私は、
こと会社法の話題であれば、1読しただけで、確か商事法務に弁護士が書いていた
はずだ程度の記憶は確実に残ります。なぜでしょうか。私は記憶力は特別によいほ
うではありません。

 学生時代、民法のゼミに入っていましたが、何か言えば、先生が「その論点は誰
々先生の本に詳しいですね」などと出版されたばかりの本の内容のことまで話すこ
とに驚いたことがあります。

 そこで分かったのですが、10の量の知識しかなければ1の新しい知識を覚えて
長期に記憶に残らせるのは至難の技ですが、100の量の知識のある方は、1や2
の新しい知識を即座に自分のものにし、長期に記憶に残すことが容易だということ
です。100のうちの既存の知識と無意識に関連づけていますから、記憶が強化さ
れるわけです。

 私も会社法や商業登記の新しい知識であれば、「なるほど、全く気づかなかった
論点だ」とか、「これ今後は使えるな」とか、既存の知識と関連づけるだけでなく、
新知識に対して感動を感じるため、記憶が強化され半永久的に覚えてしまいます。

 何をいいたいかといいますと、早く10の知識量から20、30、40と増やし
ましょう、さすれば「読んだのに記憶に残っていない」ということがなくなります
よということですが、私も会社法や商業登記のこと以外については、10以下の知
識しかありませんから、人のことはいえません。関心のない草花や寿司ネタの名前
などは、1時間後には忘れています。やはり、1番は関心があるかどうかですね。

 なお、上記「お知らせ」のとおり、「会社法」法令集が改訂されました。そろそ
ろ書店に並ぶ頃です。おかげさまで、第9版になり、条文集としては長期ベストセ
ラーの地位を保っています。9版には、中間試案も掲載されていますし、1年以上
経過しての改訂ですから、ぜひ、新板にお取り換えなさるようお勧めいたします。


2012.05.01(火)【判決文を読んでみました】(金子登志雄)

 連休の谷間ですが、サービス業の手前、休むわけにも行かず、今日も仕事です。

 さて、連休前半の3連休は、いつもどおり、帰省し、ネットでドラマをみたり、
ニュースをみたりして過ごしていましたが、先般の小沢判決について、大手マスコ
ミの論調が判決理由は小沢真っ黒だ、指定弁護士は控訴すべきだなどという意見だ
ったので、ほんとかいなと思って、私もネットで判決文を探して読んでみました。

 衆議院議員の階猛(しなたけし)氏のHPに掲載されていました。氏は東大卒、
長銀・新生銀行出身の弁護士でもあり、小沢氏と同じ岩手県選出です。

(判決文)
 http://shina.jp/a/wp-content/uploads/2012/04/ozawa.pdf

 100頁弱もあったので、流し読みしただけですが、感想は、階猛氏とほぼ同じ
でした。氏のHPから引用すれば、「裁判所は、結論として、虚偽記載は認めつつ
共謀がないという理由で無罪にしたのですが、この虚偽記載が悪質ではないことも
しっかり認定しています。まず虚偽記載の動機については、やましい金を隠すため
などではなく、小沢さんが資産家であることを公にしたくなかったとか、マスコミ
の批判的な報道を先送りしたかったためだとしています。そして、収支報告書の虚
偽記載は計画的になされたというより、正しい記載をするつもりが方針変更や事務
処理の誤解、手違いなどもあって生じた面があることを認めています」ということ
です。

 当然でしょう。検察は、4億円がゼネコンからの裏献金かという見込みで30億
円もかけて捜査したのに、それが見つからないので、いやいや(?)不起訴にした
のですが、素人の検察審査会が、経理処理の違いという実に馬鹿馬鹿しいことに共
謀共同正犯というヤクザにしか使わない論理で強制起訴したのですから………。

 小沢氏を嫌うのは自由ですが、事実も正確に把握せず、判決文も意図的に曲解し
て、「あいつを潰せ」と相も変わらず世論を煽る人達の人権感覚が信じられません。
国民大衆を馬鹿にしています。

 私は、そういう人が小沢氏と同じ目にあっても、その人を支援するつもりなんで
すが、私のほうがお人好しでおかしいのでしょうか。

 なお、この検察審査会のメンバーがどこの誰かどころか、生年月ですら一切秘密
のベールに包まれており闇に隠されています。にもかかわらず、先般はTBSテレ
ビの「クロス23」とかいう番組にメンバーの1人が登場し、議決は正当であった
と述べたようです。どうやって、TBSテレビは、その人を探り当てたのでしょう
か。これでは、全日空ホテルでの5000万円手渡しの衝撃映像と同じく、「やれ
せのTBS」という世間の評価のほうを信じてしまいます。


2012.04.27(金)【小沢無罪判決に思う】(金子登志雄)

 無罪でしたね。

 法律的には誰がみても完全無罪の事件でしたが、もともとはマスコミを巻き込ん
での民主党の政権取り阻止を目的に始められた政治事件でしたから、3割くらいは
有罪の可能性を否定できないと思っていましたが、さすがに、無茶な判決は出せな
かったようです。

 私が政治裁判でも7割の無罪可能性を予測しはじめたのは、石川氏の隠し録音で
流れが大きく変わってきたこと、検察が起訴した事件ではないため裁判所も無罪を
出しやすかったであろうこと、もし有罪にしたら、高裁段階で、ますます検察や最
高裁事務局の不正が暴かれしまう可能性があったので(最近は、検察審査会は会合
していないという疑惑まで出ていました)、そろそろこの問題を収束させたいとい
う意識が司法当局に出てきていると読んでいたためです。

 小沢氏支援者の中には、公訴(起訴)棄却にしなかったことなどを非難する向き
もあるようですが、この点は裁判所が指定弁護士側にある程度の花を持たせただけ
でしょう。そうでもしないと、負けた側が怒りで控訴(上訴)してしまいますから、
それを避けたのだと私はみています。

 反小沢氏側からは、無罪判決が出ても、政治的道義的責任は免れないとか、4億
円の説明責任を果たしていないなどといまだに責める向きもあるようですが、あき
らめの悪いことです。単に10月に購入した農地の仮登記を本登記にした翌年1月
に経理処理しただけの実にたわいもない事件ですし、小沢氏が相続財産などで個人
として4億円を持っていたからといって、その説明責任などあるはずがありません。
〇〇代議士が〇〇万円しか持っていないことに説明責任がないのと同じです。

 4億円程度は自由に動かせないで、オバマ大統領やプーチン首相、あるいは、あ
の北の将軍様と、対等に渡り合えるはずがありません。政治家に清貧を求めるのは
経営者に経営能力を求めないのと同様に間違いです。

 それよりも、こんな馬鹿げた事件に検察が30億円も使ったことのほうが余程問
題にすべきだと私は思うのですが、検察から情報を欲しい大手マスコミ記者クラブ
は一切無視のようです。これも困ったものです。マスコミに反省を求めるのは間違
いなのでしょうか。 


2012.04.26(木)【立花さん、お大事に】(金子登志雄)

 ぎっくり腰ですか。たいへんですね。

 私は、なったことがないので、ぎっくり腰のイメージがわきません。40代の頃、
急に腰が痛くなり、かがんでしか歩けない状態になったことはありますが、数日で
直りました。あれがそうだったのでしょうか。

 40肩、50肩は、2、3度経験しましたが、いずれも利き腕ではないほうでし
たので、どうということはありませんでした。

 花粉症も煙草を吸っているので(?)なったことがありませんし、ここ10年以
上、眼科・歯科・耳鼻科以外は無縁であり、丈夫な体をもらったことを親に感謝し
ています。

 もっか気にしているのは、メタボが1番です。生涯で一番太っており、3桁体重
まで、あと5キロに近づきました。

 運動は体に悪いという固い信念をもっていますから、やせるために、さまざまな
サプリメントを試してみるのですが、サプリメントを飲んでいるから安心だという
気持ちが先行してしまうのか、かえって太ってしまいます。

 しかし、太れるということは健康な証拠と思い、今日も不規則な生活をしようと
思っています。

 「健康とは健康のことを意識しない状態である」(金子)
 
 うん、我ながら名言です。


2012.04.25(水)【手すり】(仙台・立花 宏)

 先日、落としたタオルを拾おうと床に手を伸ばしたとき、不意に、腰に違和感を
感じました。ぎっくり腰です。

 多少、痛みはあったものの、最初はそれほどひどくなかったので、痛みを我慢し、
腰をかばいながら、仕事をしていました。

 ところが、時間がたつにつれ、症状がひどくなり、椅子から立ち上がるのにも、
苦労する状態にまでなりました。

 一日の仕事を終え、家路に就くころには症状がさらに悪化し、腰が痛くてまっす
ぐ立つこともできません。また、普段は、持つのにそんなに負担を感じない通勤用
の鞄も、その重みがズシリと腰にひびきます。鞄はあきらめ、事務所に置いたまま
帰ることにしました。

 いつもは、事務所から家まで、約30分かけて徒歩で通勤をしていますが、さす
がに無理と思われたので、バスに乗って帰ることにしました。

 しかし、バス停までのほんの短い距離を歩くのにも一苦労です。すいすいと歩い
ている周りの人達の流れにのれず、歩道の端をのろのろと歩きます。ちょっとした
のぼり坂や段差も負担です。

 また、階段をのぼるときには、腰にかなりの負担がかかり、階段の手すりに縋り
つくようにしてのぼりました。これまで、これほど階段の手すりが有難く感じられ
たことはありません。

 そのように苦労してその階段をのぼるうちに、法律にかかわる私たち司法書士に
は、法律に関する手すりのような役割もあるのではないか、という思いが湧いてき
ました。

 私たち司法書士に仕事を依頼してくださる方はもちろん様々です。中には、急に
法律に関する手続をしなければならなくなり、その手続を負担に感じ、苦痛すら感
じて依頼される方もいらっしゃるのではないかと思います。階段の手すりのように、
ささえになり、その苦痛を少しでも和らげる。司法書士には、そんな役割も期待さ
れているのではないだろうか。そんな風に感じられたのです。

 そして、その役割を果たすためには、安心して縋(すが)りつけるよう、しっか
りとした手すりでなければならない。縋りついてみたら、ミシッと軋んでしまうよ
うな手すりだったら、安心して縋りつけません。

 法律に関する手すりのような役割を必要とする方に、安心して身をまかせてもら
えるよう、しっかりと役割を果たせる司法書士でありたい、そんな思いを強くした
出来事でした。


2012.04.24(火)【株式併合の株主通知】(金子登志雄)

 株式併合の質問を受けましたので、何かよい事例はないかとネット検索いたしま
したら、こんな質問をみつけました。

---------------------------------------------------------------------------
 株式の併合をする場合、20日前までに反対株主に買い取り請求権を与えるため
の通知が必要ですが(116条)、改めて2週間前までに通知を要する(181条)
理由が分かりません。
---------------------------------------------------------------------------

 皆さんだったら、どうお答えしますか。ネット上の回答は、次のとおりであり、
会社法のミスだというものでした。
 
   http://oshiete.goo.ne.jp/qa/7271857.html

 この質問に正しく答えられる方は、会社法に関しては、中級以上でしょう。ネット
の質問も回答は、会社法が施行された平成18年や19年ならともかく、現時点では
初級並としか評価できません。

 そもそも会社法116条(1項3号)は種類株式発行会社で、ある種類株式の株式
併合を決定する場合に、その決定で不利益を受ける種類株主の種類株主総会の決議を
要しない旨の会社法322条2項を根拠とする定款の定めがある場合に限っているこ
とを全く分かっていません。

 例で説明しましょう。

 種類株式発行会社ではない普通の会社が株式併合するときは、株主総会の決定と会
社法181条の効力発生前2週間前の株主通知が必要です。116条は無関係です。

 普通株式8と優先株式2を発行している会社が優先株式を併合するときは、株主総
会の決定と株式併合により議決権や優先配当で不利益を受ける優先株主の種類株主総
会が必要であるところ、322条2項の定款の定めがあれば、この種類株主総会が不
要になります。

 これでは種類株主の利益を守れないから、買取請求という問題に発展するわけです
が、種類株主総会をしなくても株主総会で決議するのだから、いいじゃないかとは思
わないでください。普通株式8と優先株式2では、株主総会で負けてしまいますから。

 なお、これが優先株式の株式分割の話だったとすると、買取請求できるのは普通株
式になります。株式分割の対象となった優先株式に不利益はありません。


2012.04.23(月)【上手な叱られ方】(金子登志雄)

 先週は小沢一郎氏の秘書だった現・衆議院議員石川知裕(ともひろ)さんの最新
著書である『雑巾がけ』を読んでみました。彼は、裁判費用を工面するため(もち
ろん親分?は1円も出してくれません)、一生懸命に本を書いていますし、先般、
あの5000万円事件の全日空ホテルで、結婚式をあげたばかりなので、お祝いの
意味もありました。といっても714円ですが。

  http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4106104660.html

 内容は、学生時代から政治家を志し、卒業後憧れの小沢事務所で書生生活をした
ことやその後の秘書時代の修行の内容が中心でしたが、2点ご紹介しましょう。

 あるとき、小沢氏が宴席で不在の時、渡部恒三氏から電話があったので、電話に
出た書生の石川氏が「後でかけ直すよう伝えておきます」と返事をしたところ、帰
ってきた小沢氏に「俺が嘘つきになるじゃないか」と怒鳴られたとのことです。

 小沢氏は酒を飲んだ後は判断ミスをする可能性があるので緊急時以外は絶対に電
話しないのだそうです。さすがは一流のプロ政治家ですね。約束とウソに関しては
異常なほど厳しい人であることは小沢氏を支持する方の間ではよく知られた事実で
すが、ここまでとは驚きました。

 参考になったのは、石川氏の勧める「上手な怒られ方」の部分でした(以下は、
要約です)。
--------------------------------------------------------------------------
 相手が怒っているときには一区切りがつくまでは絶対に反論しないこと。ついつ
い、「でも」「しかし」と口を挟みたくなるが、絶対にやってはいけない。
 正論を述べて反論しても、相手は納得しない。「それはそうかもしれないけど、
そもそもお前の態度が悪い」と、別のところに矛先を向けてくるからだ。
--------------------------------------------------------------------------

 新入社員に教えておきたい内容ですね。


2012.04.20(金)【瑕疵の治癒?】(金子登志雄)

 会社法32条1項に次のように定められています。
--------------------------------------------------------------------------
 発起人は、株式会社の設立に際して次に掲げる事項(定款に定めがある事項を除
く。)を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。
 1 発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数
 2 前号の設立時発行株式と引換えに払い込む金銭の額
 3 成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額に関する事項
--------------------------------------------------------------------------

 さて、AB夫婦が各50万円を出し合って2人で株式会社を設立するにあたり、
定款作成日が4月1日、Aが50万円を振り込んだ日が4月2日、Aに50株、B
に50株、1株あたりの払込金額は1万円、資本金は100万円と上記に従い定め
たのが4月3日、Bが50万円を振り込んだ日が4月4日だったという書面を提出
したとき、この会社設立登記は無事に終わるでしょうか。

 残念ながら、補正になります。理由は、4月3日にAの分は50万円だと定めた
のに、それより前にAが自分の分は50万円だと勝手に思い込み支払うのはおかし
いじゃないかという理屈です。

 しかし、Aが勝手に思い込んだのであっても、ABで事前に打ち合わせていたと
しても、Aは自分の分は50万円になるという想定のもとに先払いしただけで、結
果も予想どおりになったのですから、実体法的には、瑕疵(?)の治癒と判定され、
問題視されることはないでしょう。

 合併等の組織再編では、効力発生日までに全手続が済んでいれば、その順序は問
わないとされているのに、会社の設立手続だけは、こういう杓子定規な運用がなさ
れているのです。

 われわれ司法書士は慣れていますけど、弁護士さんあたりだったら、怒りまくる
ところかもしれませんね。弁護士さん、健康のため、登記は司法書士に任せたほう
がよいですよ。


2012.04.19(木)【商業登記専門司法書士】(金子登志雄)

 昨日の話題で思い出しましたが、不動産登記専門で商業登記を一切しない司法書
士、債務整理専門で登記を一切しない司法書士等は珍しくありませんが、商業登記
専門で不動産登記ですらしない司法書士というのは日本で何人いるのでしょうか。

 1人だけ私より年長の方を知っていますので、日本では私と2人かなと思ってい
ましたら、ある時、某駅で見知らぬ若い司法書士さんから挨拶されました。聞けば、
時折、私に質問電話(というより私の意見を聴取)してくる方でしたが、若いのに
商業登記専門だそうです。大事務所の中で商業登記を専門にしている方は何人か知
っていますが、独立開業しながら商業登記専門は、私の知る限り、これで3人にな
りました。

 いや、私よりすごいです。私のような兼業業務(会社役員やモノ書き業)をせず
に、包丁1本で生活しているわけですから。

 司法書士ならお分かりのとおり、商業登記で数十万円の報酬になることはめった
にありません。組織再編とか種類株式発行の大口増資でも頻繁に受託できればよい
のですが、役員変更等ばかりでは、よほど顧客数を確保しておかないと生活も大変
でしょう。

 しかし、不動産と違うのは、1回限りの客ではなく、リピーター客が多いという
ことです。特に子会社をいくつか持っている会社を顧客にすると、子会社からの相
談もあるので助かります。

 が………、ここ数年の合併再編で子会社の数がめっきり減らされてしまいました。
合併再編の仕事はうれしいけど、その後は見通しが暗くなります。やはり、私は、
兼業業務を捨てられそうもありません。


2012.04.18(水)【楽学/不動産登記法】(金子登志雄)

 不動産の「登記済証」(いわゆる権利証)制度が廃止され、「登記識別情報」に
変わった平成17年の不動産登記法の改正以来、不動産登記とは、ほぼ無縁に生き
てきました。不動産に関しては、年に1件か2件程度しか仕事がなかったので、新
しい制度に対する勉強意欲もわかなかったからです。

 ちょうど、多くの司法書士が、商業登記に関しては年に数件しか仕事がないので、
会社法に対する勉強意欲がわかず、今日に至っているのと同じようなものです。

 しかし、司法書士の看板を掲げながら、「登記識別情報」や「登記原因証明情報」
等の新しい用語に十分な知識がないのも恥ですから、遅ればせながら、富田氏の名
著『楽学司法書士不動産登記法』で、総論部分だけ目を通してみました。

 漠然としかイメージがつかなかった「登記識別情報」につき、やっと実感をもっ
て理解することができました。当該不動産に関する登記義務者かどうかの識別情報
であって、登記済証(権利証)に代わるものということですね。

 ついでに、抵当権・根抵当権の一部についても目を通しましたが、抵当権の処分
など分かりにくい部分まで具体例で説明してあり、実によくできた本でした。表紙
に「わかりやすく、されど深く」とあるとおりでした。

 昔とった杵柄で、普通の人の数倍の早さで目を通せますので、今週中にも全文に
目を通すつもりです。


2012.04.17(火)【恩人】(金子登志雄)

 昨日は、久々に中央経済社の拙著の前・担当編集者(定年退職済み)S氏とお会
いし、昔話を肴に、一杯やりました。

 S氏は、私どもの出版を快く引き受けてくれ、私や富田氏の名前を全国に売り込
んでくれた恩人です。彼なくして、いまの私もESGもありません。

 たまに読者の方から「どうやって中央経済社に接触したのか」と質問されますが、
特別なことは何もせず、ごく普通に中央経済社のホームページ上のメールに「私は
これこれしかじかの者ですが、商法改正の本を書いておりますので、出版をお願い
できますか」と入れただけです。

 それでS氏が当事務所を訪ねてきたのがご縁でした。当事務所と中央経済社が歩
いて10分の距離であったことと、私が過去にM&Aの本を2冊出していたことが
幸いしたようです。

 そこで書きかけの原稿をみせましたら、すぐにOKしてくれました。ありがたい
ことです。

 実をいうと、中央経済社の前に他の出版社に売り込んだところ、断られてしまい
ました。理由は、学者や弁護士の書いた商法の本が数百冊ある中で、格落ちの司法
書士ふぜいが商法の本を出しても売れるわけがないという判断のようでした。

 ところがS氏は、そういう考え方を全くせず、私の原稿を数枚みただけで、これ
は面白いと思ってくれたようです。

 ベテラン編集長でしたので、品のない題名である『これが新商法だ!これが新登
記だ』も社内の反対を抑え込んでくれました。

 その本のはしがきの最後に「気掛かりはただ一つ、………全国的な知名度に欠け
るわれわれの出版を快く引受けてくれた中央経済社のS法律編集部編集長のお立場
を悪くしないかと祈る心境でいる」と書いたのは本心です。もし、売れなかったら、
彼の出世にも響いたでしょう。

 S氏とのコンビで出した『親子兄弟会社の組織再編の実務』も先日7刷(7回目
の増刷)になりましたし、『「会社法」法令集』も第9版が印刷に入りました。よ
い相棒が退職し寂しいものです。


2012.04.16(月)【取締役選任権付株式】(金子登志雄)

 金曜日の夜から土曜日の朝にかけて、定款に種類株式を定める作業をいたしまし
たが、A社(非公開会社)に出資しようとする種類株主予定者(B)からの要求事
項(定款変更案)に「第1種優先株主を構成員とする種類株主総会において、取締
役2名を選任することができる」という条項があったので、さまざま考えてしまい
ました。

 BとしてはB側の取締役を2名送り込むから、残りは株主総会で選任してほしい
ということでしょうが、会社法はこれを認めていません。このような場合は全取締
役を種類株主総会で選任しなければならないからです。したがって、残りは普通株
主との共同の種類株主総会で選任するよう提案しました。

 一番考えてしまったのは、A社の既存取締役abcdの身分はどうなるのかです。

 旧商法では、このような種類株式を定款に定めると、既存取締役は任期満了退任
することになっていましたが、会社法には、そのような規定がありません。したが
って、株主総会で選任されたabcdは、このような種類株式が発行された後も、
やはり株主総会で解任することになるのでしょう(※このあたりにつき解説本があ
りましたら、ぜひお知らせください)。

 A社では、定款変更と同時に、新取締役efgを選任したいとのことでしたが、
定款変更の効力発生が先であれば、種類株主総会で選任しなければなりませんので、
ここは、定款変更の効力の発生を後日とし、株主総会で選任するよう提案しました。

 種類株式を発行する会社は少なくありませんが、会社も出資者も種類株式を十分
に理解しているとはいえないのに、使いこなせるのでしょうか。法務局さえ十分に
理解していないので、おかしな登記も多々ある状況です。


2012.04.13(金)【代表取締役選任決議の効力】(金子登志雄)

 昨日に関連した問題ですが、A社には取締役甲乙丙丁(甲は代表取締役)がおり、
平成24年3月31日をもって甲が取締役を辞任するというので、平成24年3月
30日の取締役会で乙を代表取締役に選任し「選任の効力は平成24年4月1日」
とした場合に、この選任は認められるでしょうか。

 商業登記倶楽部の実務相談室によると、4月1日時点で甲が取締役ではないので、
選ぶ権利のない者が参加していたことになるから、この決議には問題ありという某
登記事務官の意見があったそうです。

 とんでもない意見です。この意見の行き着く先を考えると、期限付総会決議は株
主に異動があったから無効ということになりかねません。

 乙代表取締役を選任する決議時点では、甲も取締役で選任権限を持っていたわけ
ですから何の問題もなく有効な決議のはずです。

 上記の見解は、取締役の任期切れ以前に取締役の重任を前提に任期切れ後の代表
取締役を予選した場合の先例と混乱したものでしょう。


2012.04.12(木)【任期計算の「選任後」】(金子登志雄)

 旧商法時代は、取締役や監査役の任期は「就任後〇年」という定め方でしたが、
会社法になってからは、「選任後〇年」と起算日が変わりました。就任時期は、被
選任者次第で変わりますから、選任機関側の行為を基準にしたわけです。

 では、定款に会社法332条1項本文と同様に「取締役の任期は、選任後2年以
内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとす
る」とある3月末日を決算期とする会社(A社)があったとします。

 A社で、平成24年3月30日の臨時株主総会でに取締役甲を株主総会で選任し
「選任の効力は平成24年4月1日」とした場合は、甲の任期はいつまででしょう
か。

 「選任の効力は平成24年4月1日」なら、任期は平成26年5月か6月の定時
株主総会終結までだと思うでしょうが、登記実務は、「選任後」を「選任決議後」
と解釈し、起算日を平成24年3月31日にしますので、満2年後の平成26年3
月31日午前0時以前に終了する事業年度末日を基準に、任期は平成25年の定時
株主総会の終結時までだとします。

 すなわち、「選任後」とは、選任決議の効力発生後ではなく、事実行為としての
選任(予選)決議時以後という解釈のようです。

 これに対しては、松井信憲著『商業登記ハンドブック〔第2版〕』などで疑問を
呈していますが、補欠監査役の任期の起算日などとの整合性から、「選任決議後」
で実務は運用されています。

 今年の4月1日は日曜日でしたので、3月中に株主総会を開催し、「選任の効力
は平成24年4月1日から」とした会社が多数存在しますが、来年の定時株主総会
で任期切れに気づくでしょうか。


2012.04.11(水)【先駆け(登録免許税)】(金子登志雄)

 4月には会社の設立(組織変更、新設分割や株式移転等を含む)が多いのですが、
その中でオンライン申請を実行した司法書士の方のうち、かなりの数が「補正」に
なったと思います。私もやってしまいました。

 株式会社の設立の登録免許税は原則として15万円のところ、オンライン申請で
は4000円安くなるはずだったため、いつもどおり、金146,000円で申請
いたしましたところ、担当法務局から「4月からの値引き額は3000円だよ」と
いわれてしまいました。

 http://www.moj.go.jp/content/000011324.pdf  の(※9)です。

 きっと法務局内部では、注意せよという連絡網が回ったのでしょうが、司法書士
会では回ったのでしょうか。

 上記をみると、不動産登記でも値引き額が変わりましたから、補正の「先駆者」
は多かったことでしょう。

 私も名誉の先駆者になれました。まさに「先駆け」です。

 本欄をみた全国の司法書士の皆さん、お気をつけくださいませ。


2012.04.10(火)【橋下ツイッター】(金子登志雄)

 昨日の続きですが、大阪の橋下市長と朝日新聞がケンカをはじめたようですね。
朝日新聞の4月4日付社説が消費税増税をめぐり反対する小沢グループを批判した
ことに対し、橋下氏は朝日新聞を「狂っている」と批判したとか。

 4月6日のツイッターには、こんな文章もありました。
--------------------------------------------------------------------------
 朝日、読売は自分たちの声こそが絶対に正しいという思い上がりも甚だしい。選
挙を通じた民主政を選択している以上、たとえ不合理であっても国民の生の声を軸
にするのは当然だ。それをポピュリズムと呼ぶなら、北朝鮮のような専制体制を選
べばよい。日本の学者は民主政を軽視する人が多くなった。

 今の朝日と読売は、自分たちが正しいと思っていることをとにかく政治にやれと
要求する。日本最大の圧力団体だ。政治もそれに屈する。朝日と読売の考えは国民
の考えを代弁していない。そして国民の生の声を政治が汲もうとすると朝日と読売
はポピュリズム!と批判する。

  http://twilog.org/t_ishin/asc
--------------------------------------------------------------------------

 ご立派の一語です。聞くところによると、政治家は大手の新聞記者にぺこぺこす
るようですが、橋下氏は、面と向かって戦いを挑んだわけですから、すごい勇気で
す。

 「朝日と読売の考えは国民の考えを代弁していない。」という部分は全くそのと
おりですが、朝日と読売が書くことによって、それが国民全体の考えと勘違いし、
無意識に同調しようという国民性があることも事実です。それで、意図的な質問を
ぶつけて毎週のように世論調査をし、「ほれ、内閣支持率はこんなに減りましたよ」
と、鳩山内閣を追い込んだのも大手新聞でした。

 さすがにこの追い込みの手法はネアカの橋下さんには通じませんし、笑い飛ばさ
れてしまうことでしょうが、何を発言しても、大手新聞にも恨まれずにいるとは、
橋下さんは実に得な個性をしています。

 ぜひ大新聞から、あの小沢さん並に総攻撃されるよう橋下さんにも頑張っていた
だきたいものです。

 さっそく、橋下ツイッターをお気に入りに登録しましたが、毎日、膨大な分量で
すから、どこまで目を通せますか………。


2012.04.09(月)【理の崩壊】(金子登志雄)

 国民新党の分裂騒ぎをみていますと、権力側である与党にいたいという権力の魔
力は想像以上に強いのでしょうか、とうとう、恩のある亀井代表を追い出してしま
いました。まるで、戦国時代の下剋上をみる思いです。

 判官びいきの国民性からは、筋を通した亀井さんに対する応援が多いようですが、
一時的とはいえ、負けは負けでしょう。ネットでは筋を通した女性の亀井さん人気
が急上昇のようです。

 それにしても、最近の政界を中心とした風潮は、勝てば官軍で、理念も筋も道徳
もどこかにすっ飛んでしまったようです。

 消費税は4年間上げない、その前に行政の無駄を省く、シロアリを退治して、マ
ニフェストを「命がけ」で守れと絶叫していた民主党がいまや党首自ら「命がけ」
で消費税アップに邁進中です。党の決定も強行採決以上の非民主的なものでした。

   http://www.youtube.com/watch?v=y-oG4PEPeGo

 権力の横暴をチェックする使命を持つマスコミが公約違反の民主党執行部を叩く
べきなのに、全く逆で、消費税に反対し執行部に逆らうのはあの悪党(?)集団の
小沢グループだという政策ではなく人間関係の政局問題に歪曲している始末です。
少なくとも、自民党政権時代の新聞は、反権力というポーズをとっていましたが、
いまは、それさえしておらず、なりふりかまわずという無謀ぶりです。

 仮想敵を作り、その敵を手段を選ばず(上手にマスコミを巻き込み)徹底的に叩
き、仮想敵が正論を主張しようと、それに味方する奴は非国民だという風潮が小泉
さんの時代から出てきたようです。

 国全体から見れば野党的な立場ですが、大阪市長の橋下さんの手法もこれと同じ
であり、権力に逆らうと、いつ仮想敵側に回されるかと、生きにくい時代になりま
した。

 しかし、逆に言えば、いま日本は、旧制度が制度疲労し、新しい日本になるため
の産みの苦しみを味わっているのかもしれません。政権交代によって、誰が本当の
権力者か、誰が本物の政治家かがあぶり出されてきたようです。

 こういう変化の激しい時代には、目先の利益を求めても(目先の勝ち馬に乗って
も)、数年先には大失敗の結果を招きかねません。「生きにくい時代=慎重な選択
が必要な時代」と言い換えておきましょう。


2012.04.06(金)【中間試案への論評その15(最終回)】(金子登志雄)

 最終回の論評その15は、次の提案についてです。

--------------------------------------------------------------------------
■いわゆる人的分割における準備金の計上
 吸収分割株式会社又は新設分割株式会社が吸収分割の効力が生ずる日又は新設分
割設立会社の成立の日に剰余金の配当(配当財産が吸収分割承継会社又は新設分割
設立会社の株式又は持分のみであるものに限る。)をする場合には,会社法第44
5条第4項の規定による準備金の計上は要しないものとする。

■発行可能株式総数に関する規律
@ 新設合併等における設立株式会社(会社法第814条第1項)の設立時発行株
 式の総数は,発行可能株式総数の4分の1を下ることができないものとする。た
 だし、設立株式会社が公開会社でない場合は、この限りでないものとする。
A 公開会社でない株式会社が定款の変更により公開会社となる場合には、当該定
 款の変更が効力を生じた時における発行済株式の総数は、発行可能株式総数の4
 分の1を下ることができないものとする。
--------------------------------------------------------------------------

 人的分割(分割型会社分割)は、会社法の構造では、「会社分割+剰余金(=受
領株式又は持分)の配当」ですが、この現物配当でも、その1割を準備金に計上せ
よという会社法445条4項は、あまりにも行き過ぎだという反省に基づく改正案
が前者であり、後者の@は立法の不備の修正、Aは行き過ぎの調整でしょう。

 上記の@については、気付いていましたか。確かに、会社法814条は4倍制限
の規定である37条を適用除外しています。こういう中間試案をみますと、いまの
うちにやっておけと読んでしまう方も少なくないことでしょう。


2012.04.05(水)【Tセンセとバッタリ】(金子登志雄)

 昨日、横浜市内の某公証人役場に行きましたら、背中から、突然、「金子先生」
と呼ばれてしまいました。

 一応、私は司法書士業界では有名人のためか、法務局等の場所で、よく声をかけ
られるので、一瞬、「声を掛けてくれた人の名前を失念していたらどうしよう」と
不安が先走りましたが、ふり向けば、何と、すぐに名前が出てくる、あのプロレス
大好きおじさんのTセンセではありませんか。

 こんな偶然というのがあるのですね。Tセンセとは頻繁に会っていると思われて
いますが、1年に数回しか会っていません。その人に、はじめて訪問した東京都内
ではない場所で会ってしまったのです。

 私は、定款認証の用事であり、いつもは別の公証人役場を使っているのですが、
一昨日の強風雨のためか、公証人が早帰りしたらしく(無理もありません。当社も
午後3時には閉店しました)、認証は翌日になるといわれ、別の役場にし、電子申
請し、昨日、委任状等を届けてきたというわけです。

 Tセンセとは喫煙仲間でもありますから、公証人役場の近所の飲食店で軽食をと
りながら、ニコチンを充填してきたことはいうまでもありません。

 私はその足で横浜地方法務局に行ってまいりましたが、ビルの管理が厳しくなっ
ていましたね。通行証(?)をもらって、中に入りました。


2012.04.04(水)【中間試案への論評その13】(金子登志雄)

 飛ばしてしまった論評その13です。

--------------------------------------------------------------------------
■募集株式が譲渡制限株式である場合等の総数引受契約
 募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合
(会社法第205条)であって、当該募集株式が譲渡制限株式であるときは、株式
会社は、株主総会の特別決議(取締役会設置会社にあっては,取締役会の決議)に
よって、当該契約の承認を受けなければならないものとする。ただし、定款に別段
の定めがある場合は、この限りでないものとする。
--------------------------------------------------------------------------

 取締役会設置会社である非公開会社が譲渡制限株式を第三者割当てにより募集す
る際は、次の順序です。

 @ 株主総会で募集決議(Aさんに声をかけようという199条の決議)
 A Aさんに申込まないかと声掛け(203条1項)
 B Aさんから株式申込み(203条2項)
 C 取締役会でAに割り当てるという決議と割当通知(204条)
 D Aは株式引受人となる(206条)
 E Aは払い込み(208条)、株主となる。

 ところが、会社法205条の総数引受契約だと、「契約=申込み+承諾(割当)
だから、A〜Dを省略できます。

 とすると、Aが株主として相応しいかの取締役会の判断(C部分)が省略されて
しまい、譲渡制限株式の譲渡(新株主の参加)に会社の承認を要するという建前か
らして、まずいじゃないかということで、中間試案の考え方が生じるわけです。

 しかし、現実には、誰と総数引受契約を締結するかは、株主総会決議の段階で明
確にされていることがほとんどであり、実務上の不都合はありません。法の体系整
備の1つにすぎない改正案です。司法書士の立場からは、登記の添付書面が1つ増
え(取締役会議事録)、面倒だなという気がします。


2012.04.03(火)【4月1日付役員変更】(金子登志雄)

 3月決算会社にとっては、一昨日が年初だったため、一部の役員を交代する例が
少なくありませんでした。

 単に取締役の辞任や就任であれば、3月中の総会で新役員を選任し、選任の効力
を4月1日にすれば足りますが、困ったのは、代表取締役たる取締役Aが3月31
日に辞任し、後任のBが4月1日付で選任され、かつ4月1日付で代表取締役に選
任する場合です。

 Bが取締役に就任していない3月に取締役会を開催し代表取締役を選任すること
はできません。取締役でない者を選任することになるからです。4月1日に取締役
会を開催する場合には、日曜日のため出席人員を確保できるかどうかという問題だ
けでなく、退任済みのAを参加させて会社実印を議事録に押すことができないので、
取締役会出席者全員の個人実印の押印とその印鑑証明書の添付という問題が生じま
す(商業登記規則61条)。

 この対策に、Aの辞任を4月1日の後任代表取締役の就任後にしたり、逆にBの
選任等を3月30日にしたりと各社とも苦労していました。

 本欄読者の皆様なら、日曜日に電話会議をすればよいじゃないかと思うかもしれ
ませんが、その設備を設けている会社は、まだ多くありません。会社法370条の
書面による取締役会決議にすればよいじゃないかというご意見もあるでしょうが、
日曜日に書面を交付し回収するのは困難ですし、そもそも定款にこれを許容する条
項が必要です。

 ああだ、こうだという工夫をして、ノウハウは生まれて行くものですが、皆様の
場合は、どんな工夫をいたしましたか。


2012.04.02(月)【サツカン(新人研修)】(金子登志雄)

 今日は、当社の入社式です。新入社員が一生忘れない日になるだろうと思えど、
私自身は入社式のことを覚えていません。

 新人研修のことはよく覚えています。大学の先生と違い、実務家講師のしゃべ
りは具体的で分かりやすいと思ったものでした。

 不動産や株式(証券)に興味があったため、信託銀行に入社したわけですが、
お札のニセ物を使って、枚数を数える訓練は忘れられない思い出です。

 あれ、一般の方は、感心してみてくださいますが、1週間でできるようになり
ます。

 下記↓ですが、ヨコカンもタテカンも、この動画の早いと遅いの中間くらいの
スピードで、私はいまでも数えることができます。

(早い)
  http://www.youtube.com/watch?v=WoxZoft6LMA

(遅い)
  http://www.youtube.com/watch?v=R-U1K1MmTlI&feature=fvwrel

 上記の動画のヨコカンは、1度に5枚単位で50枚なら10回、100万なら
20回ですが、私のいた信託銀行では、1度に4枚ずつ数えました(1度に手に
する枚数は50枚程度にせよともいわれました)。このように、各銀行によって
流儀の相違があります(上記の動画でもヨコカンで親指を起点に扇形にするのか
の相違がありますし、確か郵便局方式は、動画とは逆方向に扇形を開く方式だっ
たと思います)。

 私のいた頃は、機械が正確でなかったこととニセ札を指の感触で探すため、手
で数えていたわけですが、いまは機械も正確になったようで、見事なサツカンを
みる機会もなくなりました。さびしいものです。


2012.03.30(金)【基準日と反対株主の範囲】(金子登志雄)

 昨日のお客様から、「中間試案の論評その12から、いきなり14に飛んでいる
よ」との指摘を受けてしまいました。論評13を飛ばしてしまったようです。それ
は来週に掲載しましょう。

 さて、会社が行おうとしている一定の事項〈例えば、吸収合併)に反対の株主は、
株式の買取請求ができます。

 では、反対株主とは、どういう人をいうかというと、吸収合併存続会社でいえば、
次のとおりであり、合併以外でも同様の規定ぶりです。

--------------------------------------------------------------------------
1号 吸収合併等をするために株主総会の決議を要する場合 次に掲げる株主

 イ 当該株主総会に先立って当該吸収合併等に反対する旨を当該存続株式会社等
  に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該吸収合併等に反対した株主
  (当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)
 ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主

2号 前号に規定する場合以外の場合すべての株主
---------------------------------------------------------------------------

 吸収合併承認の決議が6月の定時総会で、株主を確定させるための基準日が3月
31日だとしたとき、基準日後の4月1日に株主甲から株式を譲り受けた乙は、基
準日後の株主のため、定時株主総会に出席できません。株主総会で合併に反対する
ことができないわけです。

 では、Bは、1号ロあるいは2号で、買取請求を行使できるでしょうか。

 条文からすると、1号が株主総会を開催する場合で、2号はそうではない場合
(簡易合併や略式合併)と読めますから、2号には該当しないようです。

 1号ロに該当するかについては争いがあります。

 否定説は、1号イは議決権株式、1号ロは議決権制限株式を意識した規定であり、
乙は1号株主だから不可(譲渡人甲が株主総会に出席してしまう可能性もある)と
説き、肯定説は、文字どおり、乙は「当該株主総会において議決権を行使すること
ができない株主」だと主張します。

 私は否定説ですが、乙が株主になった後の5月に合併が決まったのに、総会にも
出席できず、買取請求もできないのは気の毒だという気がしないでもありません。

 合併議案だけ特別に臨時株主総会にし、5月末日あたりを基準日にすれば、こう
いう不都合の多くを避けて通れるのですが、総会開催の経費が余計にかかるので、
企業は採用しないでしょう。もうちょっと、明確な規定にしてくれるとよいのです
が………。


2012.03.29(木)【中間試案への論評その14】(金子登志雄)

 論評その14は、次の提案についてです。

--------------------------------------------------------------------------
■監査役の監査の範囲に関する登記
 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会
社について、当該定款の定めを登記事項に追加するものとする。
--------------------------------------------------------------------------

 これ、どんな登記になるかと考えると、

   監査役 〇〇〇〇
    (会計限定)

 などという社外監査役型の登記ではなく、

   監査役設置会社(会計限定)

 などという機関設置の登記でしょう。

 中小企業の大多数が会計限定監査役でしょうから、影響の大きい改正案であり、
登録免許税3万円の新たな負担が課せられますので、いまさら何だと思わざるをえ
ません。

 弁護士会は、取締役の責任を追及する代表訴訟の際に、監査役に「取締役を訴え
よ」と請求してよいのか判断つかないから(会社法386条)、この中間試案の提
案に大賛成のようですが、監査役の権限の範囲を知りたかったら、定款を閲覧した
り、会社や監査役に問い合わせれば済むことですから、これだけの理由では、登記
の必要性があるのか疑問です。

 落とし所は、登録免許税を無料にすることと、登記懈怠に対する緩和策でしょう
が、前者の権限は財務省管轄ですから、難しそうですね。

 この不況のときに民主党執行部はマニフェスト違反の消費税を決め、法務省筋は
新たな登録免許税を課そうと中間試案を発表する………庶民及び零細企業には、厳
しい時代が来そうですね。


2012.03.28(水)【中間試案への論評その12】(金子登志雄)

 論評その12は、次の提案についてです。

--------------------------------------------------------------------------
会社分割等における債権者の保護
■詐害的な会社分割における債権者の保護
 分割会社が承継会社等に承継されない債務の債権者(「残存債権者」)を害する
ことを知って会社分割をした場合には、残存債権者は、承継会社等に対して、承継
した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができるものとする。
ただし、吸収分割の場合であって、吸収分割承継会社が吸収分割の効力が生じた時
において残存債権者を害すべき事実を知らなかったときは、この限りでない。
(注)分割型を除く。
--------------------------------------------------------------------------

 債権者甲   乙
     \ /
      A社―――――――――→B社

 A社が一部の事業(事業債務として乙からの債務あり)をB社に吸収分割すると
き、債権者乙に対しては、債権者保護手続がなされますが、甲にはなされません。
なぜなら、乙にとっては債務者がAからBに変更する不利益がありますが、甲にと
っては依然Aが債務者であり、Aは吸収分割の対価を受領するため、Aの純資産額
も変わらないからです。中間試案でいう残存債権者とは、甲のことです。

 しかし、この吸収分割が甲に不都合な場合には、甲は民法424条の詐害行為取
消権(債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした法律行為の取消しを裁
判所に請求することができる権利)を行使できると解されています。

 それにもかかわらず、中間試案が残存債権者甲の保護を会社法に定めようとして
いるのは、民法424条の要件効果では甲の保護として不十分だということです。

 趣旨には賛成ですが、組織再編を推進する私の立場からは、規定を設けることで、
会社分割への委縮効果にならないかが気になるところです。


2012.03.27(火)【桜の季節】(仙台・立花宏)

 先日、不動産決済の立会に向かうため、駅で地下鉄を待っていた時のことでした。
きれいな桜色のスプリングコートを羽織った若い女性が、携帯電話で誰かと話をし
ているのが目に入りました。

 「受かってたよ。うん、ありがとう。」本当にうれしそうに話をしています。ど
うやら、大学の合格発表か何かの帰りなのでしょう。仙台では桜のシーズンはまだ
少し先ですが、一足先に、満開の桜を見ることができたような、そんな気持ちにな
りました。

 「ああ、この季節なんだなあ。」となにか懐かしいような気持ちになりました。
そして、ちょっとだけさびしい気持ちになりました。

 桜色のスプリングコートを羽織った若い女性を見て、予備校で出会ったあの女の
子が思い出されたのです。

 20年以上前のこの季節のことです。私は大学受験に失敗し、周りに対して、必
要以上にコンプレックスを感じていたように思います。世を拗ねる、そんな気持ち
だったと思います。おそらく、大学受験に失敗しただけでなく、予備校のクラスを
決める試験の結果、同じ高校の同窓達より1ランク下のクラスに入学することにな
ったことも影響していたのでしょう。極力、高校の同窓達に会わないようにさえし
ていたと思います。

 予備校のクラスごとの入学ガイダンスが行われたとき、私は暗い気持ちで席に座
っていました。一通り、説明が終わったので、高校の同窓達に顔を会わせないよう、
そそくさと帰宅しようと準備していると、隣に座っていた女の子が明るく声をかけ
てきました。

 「来年、どこを受けるんですか?」
その女の子は、きれいな桜色のカーディガンを着ていました。

 「地元の○○大学教育学部だよ。」
と無愛想に答えたような気がします。○○大学は地元では難関大学とされていまし
た。私が入学した予備校のクラスは、その○○大学より下のランクの大学を対象と
したクラスとされていましたので、なんとなく答えにくいな、と感じながらそう答
えました。

 「あっ、一緒だ。じゃあライバルだね。これからよろしくね!」

 その時から、私はその女の子を意識するようになりました。

 その女の子は、いつも桜色の衣服を身に着けていたように思います。

 きっと桜色が彼女の好きな色だったのでしょう。

 その女の子は成績がよく、本来、上のクラスにいるべき生徒だったように思いま
す。カリキュラムの区切りのタイミングで行われる模擬試験では、その女の子はい
つもクラスでトップでした。

 「どうだった?」

 試験のたび、その女の子は声をかけてきました。

 高校の同窓達や周囲の人達と距離をとっていた私にとって、その女の子は、予備
校時代、唯一、会話をする人間だったかもしれません。

 「あんまりよくなかった。」

 いつも無愛想に、そんな答えしかできない自分が情けなく思えていました。

 その女の子に追いつけるよう、私はそれまでにないくらい一生懸命勉強しました。
そして、その女の子が「これ、いいよ!」と言ってくれた参考書を使ったりもしま
した。

 あっという間に季節は巡って、予備校のカリキュラムは1月に終了となりました。
予備校のカリキュラムの最後の日、

「じゃあ、大学で会おうね!」

 と、その女の子に声をかけられました。

「うん、約束だよ!」

 それまで、その女の子に声をかけられても、いつも無愛想な態度をとっていた私
は、初めて素直に言葉を返したように思います。

 そして、そのときもその女の子は桜色のカーディガンを着ていたように思います。

 3月の合格発表の日、私は、大学のキャンパス内に掲示された合格者の名前の中
に自分の名前を見つけました(当時は、合格者の名前も発表になっていました。)。
しかし・・・。

 その女の子の名前は見つけることはできませんでした・・・。

 それ以来、私はこの季節になると、その桜色が似合う女の子のことを思い出すの
です。

 そして、ちょっとだけ、さびしい気持ちになるのです。

 一足先にそのキャンパスで咲くはずだった桜が咲かなかったことを思い出して…
……。


2012.03.26(月)【市川寛著『検事失格』】(金子登志雄)

 日曜日はわが母校(群馬県立高崎高校)が甲子園に登場したので、テレビで応援
しましたが、残念ながら完敗でした。私の高校時代は野球部員が9人いないので、
試合のときは臨時要員を募集していたくらいですから、選抜であれば、出られるほ
どになっただけで十分でしょう。

 さて、表題の本を読んでみました。

 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4620321141.html

 前々から題名に興味を持ち、購入済みでしたが、何となく一連の検察の不祥事に
関する便乗商法かと思い、目を通さないでいたのですが、とんでもない真面目な本
でした。

 著者は、野心家(検察の世界では政治家や公務員を起訴し有罪にすると出世でき
る)の上司がはじめた冤罪事件(佐賀市農協背任事件)に、部下として主任検事を
やらされ、冤罪と知りながら、取調べで「ぶっ殺すぞ、この野郎!」と暴言を吐き、
虚偽の自白をさせた元検事でした。

 この程度の暴言が取調べで日常的になされていることは冤罪に関心のある方なら
誰でも知っている事実ですが(よく行われるのは椅子を蹴飛ばされたり、壁の前に
顔をつけるように長時間にわたり立たされること)、市川氏は裁判の証人になった
際に、偽証せずに正直に暴言を認めたことで有名になってしまいました。だから、
検事を辞めざるをえなかったわけです。

 その後、隠れるように静かに生活していたのに、一連の検察不祥事で、またもや
表に出されてしまったようですが、下の写真のとおり、まだ40代です。検事にさ
えならなければ、平和で穏やかな生活を送れたことでしょう。

 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/8078

 日本人が外国人から恐れられているのは、個人の道徳観が組織の論理の背後に隠
れ、組織になると平気で悪行を行うことです(あるいは組織を守ることが日本人の
道徳観になっています)。

 検察組織も同様で、人権よりも道徳よりも、組織の論理(無罪は検察の恥、無罪
を出すと出世できない)で、真面目な若者が改造されて行く過程が実に生々しく書
かれていました。この人も「運命の人」の1人のようです。

 会社勤務経験のある方なら、他人事ではないでしょう。組織に抵抗できないのな
ら、自分の所属する組織(会社)を選ぶことが道を誤らないコツかもしれません。
その点、自由業の司法書士は、組織の束縛がないので気楽です。

 なお、佐賀市農協背任事件の被害者側の本は、下記です。

 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/488345049X.html


2012.03.23(金)【「運命の人」最終回】(金子登志雄)

 昨日登場させた佐藤栄作元首相のノーベル平和賞の受賞に最も腹を立てた人は、
毎日新聞の西山元記者ではないでしょうか。

 彼は、佐藤内閣時代の沖縄返還の日米密約をすっぱ抜いた特ダネのために、国家
機密の漏洩で逮捕され、有罪となり(一審は無罪)、毎日新聞も辞めざるをえなく
なり、長年、運命を翻弄された人でした。

 彼をモデルとしたテレビドラマ「運命の人」は今週が最終回でした。その最終回
では、沖縄で少女が米軍に暴行されたとき、沖縄の新聞は被害者のプライバシーを
重んじて小さな記事にしたのに、本土のマスコミが被害者の人権などを無視して大
騒ぎした部分が特に印象に残りました。

 オセロ中島さんの問題でもそうですが、芸能人や弱い人(及び決して名誉棄損な
どで訴えないあの大物政治家)の人権などは一切無視して、あることないことを記
事にする日本のマスコミは異常です。リクルート事件の江副氏の場合も、知り合い
の女性が「江副の女」にされたり、佐藤優さんも「鈴木宗男の運転手」にされたり
(ご本人は運転免許を持っていない)、水谷建設が全日空ホテルで小沢秘書の石川
氏に1億円を渡す現場をみたなどという人が登場し再現シーンをテレビ放映したり
と、常軌を逸しています。訂正すらいたしません。

 背景には、売れればよい(視聴率が上がればよい)というマスコミの姿勢がある
のでしょうが、それを喜んで受け入れるわれわれ自身の人権尺度にもおおいに問題
があるでしょう(そのため、いま、反マスコミの姿勢を示すため、意識的に新聞を
購読しない、テレビはみない、情報はネットで、という人が急増中のようです)。

 米軍基地問題で沖縄を犠牲にし続けてきた日本は、原発問題でこれからはフクシ
マを犠牲にし続けるのではないかと危惧してしまいますが、そういうことを考えさ
せてくれただけでも「運命の人」はよい番組でした。毎日新聞系のTBSだったか
ら放映したのかもしれませんが………。再放送でもあったら、ぜひどうぞ。


2012.03.22(木)【造船疑獄事件】(金子登志雄)

 検察神話が生まれたのは、のちにノーベル平和賞をもらった佐藤栄作氏の収賄事
件で犬養法相による指揮権発動がなされてからですが、実は、検察が捜査に行き詰
まり、指揮権の発動を懇願したのが真相だとされています。

 ここまでは私も知っていましたが、米国CIAが絡んで同じ自由党の緒方竹虎氏
による吉田内閣への弱体化の意図があったことは、今回の「国会探検」を読むまで
知りませんでした。
 
 http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2012/03/post_294.html#more

 ここに田中良昭さんの言として、「国民から選ばれた政治家を『巨悪』(という
ことは国民は巨悪なのだ)、それを摘発する検察を『正義』と考えるマインドコン
トロールに冒され、国民は民主主義とは真逆の論理を信じ込んでいる」とあります
が、この視点について、皆様はどう思われますか。

 反論もあろうかと存じますが、私は実に鋭い見方であると同時に、これを「鋭い」
と評価しなければならないことに、日本の政治評論家やマスコミのレベルの低さが
あると思い、情けない思いを感じています。

 庶民のモノの見方には、「成功者(特に政治家・経済人)はきっと悪いことをし
たから成功したのに違いない、成功者が叩かれ潰されるのは、いい気味だ」という
嫉妬心があると私はみています(それを煽りたてるのがマスコミです)。

 「金儲け又は成功=悪」と信じる考え方の行く付く先が、「政治=悪」、「株式
投資=悪」、「不動産業やゼネコン=悪」になるのでしょう。マスコミ論調そのも
のです。

 金儲けや成功が悪なら、自由競争社会は否定されます。株式市場も自由経済の根
幹です。金儲けや成功者を好きにならなくても一向にかまいませんが、少なくとも
成功者の足を引っ張ることに喜びを感じる哀れな人間にはなりたくないものです。


2012.03.21(水)【小沢事件最終陳述】(金子登志雄)

 19日は小沢事件に関する被告人側の最終陳述が行われました。

 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120319/k10013824111000.html

 小沢氏は「東京地検特捜部による本件強制捜査は、政権交代を目前に、野党第一
党の代表である私を政治的・社会的に抹殺することが目的であり、それによって政
権交代を阻止するためのものだったと考えられる」と述べたようですが、そう思っ
た人も多いようで、この事件で、検察司法神話が崩れ、小沢氏への支持者が増えた
のは皮肉な展開でした(マスコミ報道を鵜呑みする一般の方は「小沢=悪人」と思
い込んだ人が多いようですが、その一方で、小沢氏はそんなに悪い奴なのかと小沢
氏に関心を持ち調べた方は、逆に小沢ファンに向かったようです)。

 記憶に残るのは佐藤優氏の見立てでした。検察が2度も小沢氏を不起訴にしたと
き、ほとんどの専門家が「これで終わり」と評価したのに、佐藤優氏は「検察は、
『検察対民主党』の戦いを避けて、『国民対小沢』の戦いを仕向けて検察審査会を
利用する」と警告していたことです。石川議員に隠し録音を勧めたのも佐藤優氏で
したが、彼の先読み能力には、今更ながら驚嘆してしまいます。

 4月26日に判決が出るようですが、法律のプロの見立ては完全無罪ですが、小
沢秘書裁判で、推認に継ぐ推認で有罪にされた例があるので、全く予想もできませ
ん。この事件は、司法問題というより、政治裁判ですから、どちらに転んでも不思
議ではありません。
 
 有罪説は、裁判長が無罪を出したら権力から命を狙われるから無理だろうといい
(この場合の「権力」が何かについては諸説あります)、無罪説は、秘書裁判と違
って検察が2度も不起訴にしたのだから、裁判長も検察に気遣いする必要がないの
で無罪を出しやすいだろうというものです。

 どういう判決になるか全く分かりませんが、日本の司法どころか、日本の民主主
義にとって歴史に残る判決になることは間違いありません。


2012.03.19(月)【「会社法」法令集のルーツ】(金子登志雄)

 中央経済社の「会社法」法令集がそろそろ改訂時期なので、手にとって最後の頁
を開いてみましたたら、「2006年3月1日第1版第1刷発行」とありました。

(「会社法」法令集=2006年3月1日第1版発行)
 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4502048801.html

 「あれ、おかしいぞ。平成17年に出版したはずなのに」と思い、調べましたら、
それは次のものでした。

(会社法(平成17年6月成立)=2005年7月5日発行)
 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4502933406.html

 いや、間違いました。次が正真正銘の最初でした。

(会社法「現代化」法案=2005年4月15日発行)
 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4502929506.html

 7年前のいま頃に現代化法案が発表され、6月に法律として成立し「会社法」と
なり、法務省令が翌・平成18年に発表されたので、「会社法」法令集に書名を変
えたのでしょう。青字のミニ解説担当者なのに、そこまで気づいていませんでした。

 当時、中央経済社の編集者S氏から会社法の条文集を出したいという話を聞いた
私が「そんなの国が作った条文を写すだけで、出版とはいえないじゃないか。商事
法務も出すだろうから、競争で負けるのは明らかなので、やめたら」とからかいま
したところ、「じゃあ、どうすればいいんだ」と怒られてしまいました。

 その剣幕に押され(S氏は、商法との新旧対照表を入れ、差別化を考えていたよ
うです)、「判例付六法が売れているので、それを真似て、ミニ解説付にしたらど
うか」と提案しましたところ、「それができる人はいない。先生やってくれるか。
とにかく早く出した方が勝ちだが、何日でできるか」と聞かれましたので、「1週
間くれ」と答えてしまいました。

 その後、現代化法案が発表され、みましたら、すごい分量でしたが、約束した手
前、徹夜に継ぐ徹夜状態で1週間で仕上げ、出版されたのが上記の「現代化」法案
でした。私もまだ50代で徹夜する元気がありました。

 中央経済社も「ここが勝負どころ」とみたのか、採算度外視の680円(税抜き)
で売り出し、新旧対照表もあり、ミニ解説もありで、一挙に市場を抑えてしまいま
した。

 「会社法なら中央経済」というイメージ作りに、この条文集の果たした役割は実
に大きいと思いますが、私もそこに関われて幸せでした。こうして、いまでは定年
退職したS氏とは「戦友」であり、時々、昔話を酒の肴に飲みに行く関係です。 


2012.03.16(金)【新株予約権対価と分配可能額】(金子登志雄)

 取得請求権付株式の株主が会社に対して、定款に定めた株式の内容に従い、株式
X株を第Y回新株予約権〇〇個と引換えに取得してくれなどと請求すると、その株
式は自己株式となります。

 定款の定めにより対価が社債であってもかまいませんが、会社法166条による
と、この対価たる新株予約権や社債の「帳簿価額が当該請求の日における第461
条第2項の分配可能額を超えているときは」、この請求ができないことになってい
ます。

 この条文をはじめてみたときは、対価に帳簿価額があるということは、自己新株
予約権や自己社債を対価にするのかと迷ってしまいましたが、新規発行の新株予約
権や社債を含む概念として立法されたようです。

 ここまではよいとして、対価が既存財産の現金ならともなく、新株予約権や社債
を対価にして発行するのに、なぜ分配可能額の制限が生じるのかと疑問に思う方が
多いようです(何も気づいていない人のほうが多いでしょうけど)。文献をみても、
学者先生が訳の分からない解説をしています。

 思うに、この話は実に単純であり、対価が株式や無償でない限り、取得請求後の
貸借対照表の純資産の部に「自己株式/△・・・円」と計上されるからです。

 例えば、分配可能額として、その他利益剰余金のみが80万円と計上されている
とき、100万円の価値ある取得請求権付株式の取得請求がなされ、100万円の
価値ある新株予約権が対価として交付したとするなら、純資産の部は、

 その他利益剰余金   80
 自己株式     △100
 新株予約権     100

 となり、分配可能額は、△20になってしまいます。

 対価が100万円の社債であれば、

 負債(社債)    100
 その他利益剰余金   80
 自己株式     △100

 で、やはり分配可能額は減少するのです。このように、対価の方向からではなく、
取得請求権付株式が取得請求の結果として自己株式になることから攻めて行けば、
分配可能額制限も容易に理解することができるのではないでしょうか。


2012.03.15(木)【中間試案への論評その11】(金子登志雄)

 論評その11は、次の提案についてです。

--------------------------------------------------------------------------
■ 簡易組織再編等における株式買取請求
  存続株式会社等において簡易組織再編の要件を満たす場合(会社法第796条
 第3項)及び譲受会社において簡易事業譲渡の要件を満たす場合(同法第468
 条第2項)には、反対株主は、株式買取請求権を有しないものとする。

■ 組織再編等の差止請求
  略式組織再編に加えて、それ以外の組織再編(簡易組織再編の要件を満たす場
 合を除く。)についても、株主が当該組織再編をやめることを請求することがで
 きる旨の明文の規定を設けるかどうかについては、次のいずれかの案によるもの
 とする。
【A案】当該組織再編が法令又は定款に違反する場合であって,消滅株式会社等の
  株主が不利益を受けるおそれがあるときは、消滅株式会社等の株主は、消滅株
  式会社等に対し、当該組織再編をやめることを請求することができるものとす
  る。存続株式会社等についても、同様の規律を設けるものとする。
【B案】明文の規定は、設けないものとする。
--------------------------------------------------------------------------

 簡易組織再編とは、小規模の再編をする場合ですから、株主地位を左右するほど
の重大な場面ではないため、株式買取請求を認めないのは賛成です。

 問題は通常の組織再編に対する差止請求のほうですが、真に法令又は定款に違反
する場合であれば決議無効などの救済策もありますし、明文の規定を設けることに
よって、組織再編の妨害行為として使われないかという危惧を私は持ってしまいま
す。皆様はいかがでしょうか。


2012.03.14(水)【中間試案への論評その10】(金子登志雄)

 論評その10は、次の提案についてです。

--------------------------------------------------------------------------
■特別支配株主による株式売渡請求等
@ 株式会社(以下「対象会社」という。)の特別支配株主は,対象会社の全ての
 株主(特別支配株主及び対象会社を除く。以下「売渡株主」という。)に対し,
 その有する株式の全部を特別支配株主に売り渡すことを請求することができるも
 のとする。
--------------------------------------------------------------------------

 A社の株主構成において、議決権の9割以上を甲が所有し、残りを乙丙丁………
という少数株主が保有していた時、甲が少数株主から強制的に購入できるようにし
ようというものです。

 弁護士さんあたりは、財産権の侵害だといいそうですが、生命や思想信条等の精
神的な人権と相違し、少数株式という財産権ですから私は賛成です。

 というのは、甲がA社につき思いきった改革をしようにも、会社を売却しように
も、少数株主の異議で、チャンスを逃すことが多いことを実務家として目の当たり
にしてきたためです。M&Aコンサルタント上がりの司法書士としては、A社の幸
せが第1であり、決して甲の横暴や乙丙丁の我儘が基準ではありません。

 ただ、1つの会社に議決権シェアで9割以上も持っている株主が存在することは、
同族経営の中小企業でも少なく、多くの場合が企業買収した場合です。企業買収の
際には、売り手のオーナーからの経営の引継ぎを円滑にするため、全部の株式を買
収せずにオーナーに1割を残し、残り9割を購入することが少なくないのです。売
り逃げを防止する効果もあります。

 したがって、この特別支配株主による株式売渡請求等は、身近なようでいて、身
近な手続にはならないと私は見込んでいますが、どうでしょうか。


2012.03.13(火)【「絆」から卒業】(金子登志雄)

 根来川さん、投稿ありがとうございました。「絆」に対しては被災者でない私も
違和感を持ちました。

 特に、「ひとつになろう日本」という標語には、本質から目をそらし、「日本人
全体の連帯責任」だといわれているようで、「絆」以上に抵抗を感じた方が少なく
ないようです。

 大震災による津波が20mに達することを気象庁がキャッチしていたのに、それ
を公表しなかったミスも、大手マスコミでは報道されず、全て想定外の災害とされ、
「がんばろう日本」の嵐にかき消されてしまいました。

 ひねくれ者の私は、私や家族が寄附したカネは、今どこに消えたのかという疑念
のほうが大きい震災1年目でした。十分に被災者に届いていないことは、周知のと
おりです。

 一般論ですが、大きな金が動くところには必ず官僚が登場し、自分の金ではない
のに、これを取り仕切り、「先生の選挙区にはこれだけ金を回しましたから、先生
のお手柄にしてください」などと政治家に恩を売り、官僚の権限(力)を強化する
ので、今回もそれがあるのだろうかと疑ってしまいます。

 今でも復興が第1の優先課題なのに、政府もマスコミも、目くらましのように、
消費税だ、TPPだという話題で紙面を占領させ、大震災や原発問題から国民の目
をそらせようとしているとしか思えませんが、われわれ国民自身も、少々どころか
相当忘れやすく、おめでたいので、うまく利用されてしまっているようです。

 確実にいえることは、権力に対しては、欧米先進国並、いや全世界の圧倒的多数
の国と同様に、疑い深く、しつこく、ひねくれ者が多い社会にならないと、日本は
同じ過ちを何度でも繰り返すということでしょうか。


2012.03.12(月)【2012年3月11日】(島根・根来川弘充)

 この日は、東日本大震災からちょうど1年になるのですが、全国青年司法書士協
議会の総会が、山形市にて開催されました。また、前日には全国大会が開催され、
震災をテーマに講演会がありました。

 講師は、被災地で子供の支援にあたっておられる大学の博士で、自らの実体験を
もとにして話されました。

 その内容は、報道では規制のため、なされることがない被災地の悲惨な実情でし
た。

 例えば、

 町中にいたるところにある犠牲者のご遺体の数々。それを日常として受け入れざ
るを得なかった子供たちが、惨い話を日常会話で普通に話していること。 
 被災地の孤児となった子供たちと、親族をなくした子供たちとの間の経済的、精
神的支援の格差。
 などであり、話がすすむにつれ、心は重くなっていきました。

 中でも、印象に残りましたのは、昨年、「今年の漢字」に取り上げられた「絆」
という言葉についてのお話です。この言葉、被災地の皆様の中には、『嫌悪感』を
抱いておられる方が、かなりおられるとのことです。

 報道では、規制の問題もあり、すべての事実が伝えられることはありません。
それだけでなく、「分かりやすく伝えたい」ためか、「テーマ」を設けて、それに
沿って、事実が構成されています。

 大災害の様々な問題を、簡潔にして社会が受け入れてしまうことに対する『嫌悪
感』といったものが、被災者の皆様にはあるのだろうと感じました。

 改めてこの災害の問題の大きさを実感し、自分として何ができるのかを、考えな
ければならないと思いました。


2012.03.09(金)【実力派弁護士】(金子登志雄)

 ニュースでご存知のとおり、東京電力に5兆5045億円という史上最高額の代
表訴訟が起こされました。

  http://www.youtube.com/watch?v=SKFhO-EmEU4

 すごい金額というか、これでも不十分だというべきかは横に置いて、この原告側
弁護士の河合弘之氏は、中部電力の浜岡原発の原告側弁護団長ですから、原発問題
には、本気で取り組んでいるようです。

 河合氏は、民事紛争問題では実力派弁護士として著名な方であり、かつてはボラ
ンティアで帰国子女の国籍取得問題等でも活躍されていましたが、M&A弁護士と
しての知名度が一番高く、過去の名だたるM&A事件のほとんどに登場しているの
ではないでしょうか。

 被告側の大企業が著名な大手法律事務所に弁護を依頼すれば、原告側で成長過程
の中堅中小企業は、対抗上、河合事務所のような中堅規模の実力派事務所に依頼す
ることが多いため、攻めに強い弁護士というべきでしょうか。今回も原告側です。

 私も司法書士になる前は、M&Aコンサルタントでしたから、同業の関係で、彼
とは面識がありますが、私より年長なのに、すごいバイタリティだといつも感心し
てしまいます。

 彼は、かつて「取締役は、形式上は株主総会で選ばれるが、現実は社長が取締役
を指名している。こういう現実を知らないと、正しい弁護はできない」といってい
ましたが、これは司法書士にもいえますね。

 実務に強くなるためには、教科書の知識だけでは不十分だということです。知識
よりも知恵が重要だともいえます。


2012.03.08(木)【子会社間合併なのに略式合併】(金子登志雄)

 一昨日の『ずばり解説!会社の計算』出版記念講演会において、新宿のT先生か
ら、面白い情報を教えていただきました。

T:「100%子会社同士の合併なのに略式合併と説明している上場会社があるが、
  これはおかしくないか」

私:「略式合併というのは、合併相手が特別支配会社(つまり親会社)のときに使
  う用語ですから、子会社同士ではあり得ません」

T:「でも、あるんですよ」

私:「よかったら、資料を送ってください。上場会社のミス事例として保存してお
  きたいので………」

 昨日、T先生からメールで送っていただきました。まさかと思っていましたが、
本当でした。ついでに、ネット検索してみましたら、もう1つ、みつかりました
(その会社に悪いので、社名はここに書きませんが、興味のある方はネット検索し
てください)。

 念のため、下記も見出しに「子会社間の合併」とあり、中味に「会社法第784
条第1項に定める略式合併であるため、合併契約承認株主総会を開催いたしません」
とあるため、「これもそうだ」と思ってしまいましたが、よく読むと、子と孫の関
係でした。これは正しいですね。

 http://www.ut-h.co.jp/news/pdf/20110524GP.pdf


2012.03.07(水)【出版記念講演】(金子登志雄)

 昨日は、東京司法書士協同組合主催で『ずばり解説!会社の計算』出版記念講演
会でした。

 出席者は東京の司法書士ばかりで商業登記を行っている方が多いので、資本取引
と損益取引の話もいたしました。

 兄弟会社間の合併で資本金等を合算する計算規則36条の合併によって増加した
「その他利益剰余金」は、貸借対照表を基準とした資本取引なので、それを資本金
に組み入れることができるが、子会社を吸収合併して得た利益(抱き合わせ株式消
滅益)は、損益計算書に計上される利益(特別利益)なので、資本金に組み入れる
ことはできないなどといった話です。

 会社法の条文をよくみると、損益計算書に計上される経過利益は「期間の利益の
額」とされ(会社法461条2項2号イ参照)、剰余金とはいいません。剰余金に
なれるのは、貸借対照表に計上されてからです。

 こんな話を数年前にしたら、聴衆の半分は、チンプンカンプンだったという感想
になったことでしょうが、昨日は、多くの方に通じたようです。それだけ、会社の
計算を理解している司法書士が一時よりずっと増加したということです。

 岐阜、富山、東京と、ここ数日間、講演が続きましたが、うれしいことに居眠り
する人がほとんどいないのです。私のしゃべりがうまくなったのか、聴衆の司法書
士が計算を理解しだしたのか………、きっと後者でしょう。分かる内容なら、居眠
りしないものですから。


2012.03.06(火)【富山の薬売り】(金子登志雄)

 JRの富山駅の前に、次のような銅像がありますが、何だかわかりますか。

    
 
 年配の人には懐かしい姿だと思いますが、いわゆる富山の薬売り(薬の行商人)
です。私が育った群馬県の深い山奥にまで、来ていました。

 各家庭に薬箱を置き、1年に1度(だったと思います)、薬売りが来て、使った
ものだけを補充し、代金を支払うシステムですが、昔は(とくに田舎では)、近く
にコンビニも薬局もなかったので、ほとんどの家庭で富山の置き薬をしていました。
わが家も例外ではなく、腹痛や風邪などで世話になったものです。

 富山から来た薬売りの方は、お客の家に泊めてもらったりして、行商していたわ
けですが、越中富山から上州(群馬県)の片田舎まで来るということは、おそらく
全国津々浦々まで網羅していたのでしょう。

 風呂敷で包んだ背中の柳行李(やなぎごおり)の中身を全部売り払って富山に戻
り、また行商に出るのでは非効率この上ないことですから、どこかに卸問屋みたい
な中継基地があったのでしょうか。

 また、上州担当の販売員が少なく見て300人いたとすると、関東地域だけでも
うん千人でしょう。中部地方で、うん千人、関西で、東北で……と計算すると、た
いへんな情報網だと思うとともに、富山に男性がいなくなってしまいませんか。

 きっと農繁期は富山、農閑期に行商だったのでしょうが、昔のこととはいえ、そ
の流通システム等に興味がつきませんね。

 全国の皆さん、セミナーの置き箱の会社法講師に空きが出たら、いつでも行商に
まいりますので、ぜひ呼んでください。 


2012.03.05(月)【富山訪問(配当優先株式)】(金子登志雄)

 土日は、日本司法書士連合会中部ブロックの北陸地域主催で、「増減資と種類株
式の基礎」について講演のため、富山市に行ってまいりました(幹事の皆さん、お
世話になりました)。

 2008年に講演で訪問した際は、新潟県経由で電車で行ったため、日本海側か
らの強風でお約束の時間ぎりぎり到着でしたので、今回は飛行機にしました。雲の
上から富士山もみえ、よい眺めを堪能できました。

 種類株式では、旧商法時代と相違し、「1株当たり年300円を限度として」
と定め、X年は年300円、Y年は200円の配当の株式を発行するなどといった
融通が利かなくなったことへの理解がやはり難しいようでした。

 拙著(『募集株式と種類株式の実務』)143頁に書いたとおり、会社法のもと
では、優先配当額が異なれば株式内容が異なるので、異種類の株式になるからです。
登記の基本通達(平成18年3月31日民商782号)にも、「会社法に基づき発
行される各種類の株式については、定款でその内容の要綱を定めた場合でも、当該
種類の株式を初めて発行する時までに具体的な内容を定めることを要するため、1
の種類の株式につきその発行時期に応じて異なる優先配当額を定める取扱い(旧商
222条3項、平成2年12月25日法務省民四5666号当職通達参照)は、す
ることができない」とあります。

 ただし、年300円の配当と決めた優先株式につき、Y年は業績が悪かったので、
その一部である200円しか払えなかったというのは認められます(差額が翌年に
累積するかどうかは定め方次第)。しかし、300円か0円かというオール・オア・
ナッシングが実務だと聞いています。


2012.03.02(金)【素人の誤解】(金子登志雄)

 先日、「新株予約権を発行したいが自己株式を交付することも可能ですか」との
質問を受けました。公認会計士の方からです。

 当然に「OKですよ」と返答したわけですが、どうも納得できない様子の顔でし
た。雑談の過程で理由が分かりましたが、彼は「新株」の予約権だから、「自己株
式」は除外されると思いこんでいたわけです。

 「新株」の「予約権」と2つに分けずに、「新株予約権」で1語であり、新株式
に限らないと思ってくださいなどと説明しましたが、いまになって思うと、「新株
の【代用】として自己株式も認められています」と説明すれば、容易に納得してい
ただけたかもしれません。

 このように、われわれにとっては常識であることが、専門外の一般の方には、通
じないことが多々あるようです。

 会社の事業目的を変更したので登記してほしいという委任状の委任事項に「定款
変更による登記の件」などと書かれてしまうことも少なくありません。決算期を変
更したので、登記してほしいという依頼もあります。

 しかし、人のことはいえません。私も無職の頃、JRの駅で「あの〜、無職なの
ですが、通勤定期を買えるのですか」と聞いて、笑われたことがありますから……。


2012.03.01(木)【したたか風見鶏】(金子登志雄)

 先日、ある時事問題に関する評論家(A氏)のセミナーに参加してきました。質
疑応答の際に、ある聴衆が「あれほど小沢バッシングに熱心だった朝日新聞が最近
になると小沢さんへのインタビューを1面に取り上げたりしているのは、どうして
でしょうか」という質問をしました。

 ネットでは、朝日新聞が小沢氏の復権を見越して軍門に下った(あるいは手打ち
した)せいだという意見が多いのですが、A氏も「マスコミは権力に弱い」といっ
ていましたので、その見方自体は否定しませんでしたが、主たる理由として、一言
「商売です。いままでは小沢氏を叩くと新聞が売れたが、いまは叩かない方が新聞
が売れると計算したから」という趣旨の返答をしましたので、笑ってしまうと同時
に、実に鋭い指摘だなと感心してしまいました。

 同じことですが、いままでは小沢氏を叩くと出世できると思い、検事も新聞記者
も一生懸命に、あることないことを問題にして叩いてきたわけですが、石川元秘書
が検事の取調べを隠し録音したあたりから、こりゃ検察の方が悪いことがばれてし
まった、へたに小沢氏を叩くと「正義の味方」というスタンスが取れず、新聞も売
れなくなるかもしれないという計算をし出したようです。

 そのせいか、相変わらず新聞では小沢氏を叩いても、系列の週刊誌では小沢氏を
持ち上げる動きが目立ちます。ラジオも前々から、テレビと違い、小沢氏支持論調
が少なくないとラジオ好きな人から聞いたことがあります。

 マスコミもシタタカですね。新聞と週刊誌、テレビとラジオを上手に使い分けて、
風見鶏をやっているわけです。


2012.02.29(水)【閏年】(金子登志雄)

 今日は2月29日、閏年ですね。この日になると、平成16年に冷や汗をかいた
ことを思い出します。

 平成15年の暮れのことでした。新規顧客のA社から「3月1日に合併するには、
合併公告をいつまでにすればよいのか。ぎりぎりの日を教えてほしい」といわれた
ので、平成15年のカレンダーをみながら、「このまま行くと1月31日が土曜日
ですから、1月30日に合併公告を出せば大丈夫です。2月は28日しかなくても、
債権者保護手続上は1ヵ月計算されますから大丈夫です。28日は土曜日ですが、
合併公告の満了日として問題ありません」と答えていました。

 暮れぎりぎりの2度目の会合でも「ほんとに1月30日の公告で大丈夫か」と念
を押されたので、半分不安に思いながら、自信満々の口調で「大丈夫です」と答え
ました。お客様に不安を与えてはいけないからです。

 翌16年の1月4日、合併の準備をしようと、新しいカレンダーをみたら、びっ
くり仰天! 2月が29日まであります。それも日曜日です。

(平成16年カレンダー)
 http://www.to-yama.com/i/kare16.html

 冷や汗がどっと出てきました。公告期間の満了日が日曜日であるため、1日ずれ
てで3月1日が満了日になるのです。

 当時の法律では、合併登記が合併の効力の発生だったため、債権者異議申述期間
の満了日以降の3月2日に登記すれば何の問題も生じないのですが、合併期日であ
る3月1日午前0時前に期間を満了させないのはプロの手続とはいえません。

 正月早々、「申し訳ありません。合併公告のぎりぎりセーフの日は1月30日で
はなく28日です。2月が閏年で、しかも29日が日曜日である偶然が重なってい
ることに昨年は全く気づいていませんでした」とお詫びのメールをいれましたが、
そのとき以来、翌年のカレンダーが手元にない限り、うっかりしたことは絶対にい
わないようにと肝に命じました。

 A社はいまは上場しており、私の優良顧客の1つになっています。


2012.02.28(火)【生年月は個人情報か】(金子登志雄)

 当社がまだ小中学生並みの実力しか持ち合わせていないとき、取締役管理部長と
して、情報開示を担当しておりましたが、業績予想の大幅下方修正の発表など都合
の悪いことの開示は実に嫌なものでした。予想が違っていた申し訳なさとともに、
発表後に株主の方からのお叱り電話やメールが押し寄せるからです。

 しかし、どんなに不都合なことでも即座に正確に発表し、聞かれたら答えること
がわれわれの責務だと信じていましたので、臭いものに蓋をせずに、発表し答えて
きました。上場会社は私物ではないので、投資家やご主人様である株主には正しい
情報を知らしめねばならないからです。

 公的機関と国民との関係も同じだと思います。国民の税金で公的機関が成り立っ
ているわけですから、情報開示の要求があれば、可能な限り開示するのは公務員の
当然の義務だといえましょう。もちろん、他の法益との調整が必要ですが………。

 例の小沢検察審査会問題で、2度の議決とも、メンバーが相違するのに、平均年
齢が34.55歳だったことに疑問を持った市民がメンバーの生年月日の開示を求
めたところ、生年月日は個人情報だから開示できないと拒否されたので、「それで
は生年月まででいいから、教えてくれ」と請求しました。

 その解答は、下記でした。

>検察審査員及び補充員選定録.pdf他4枚
http://civilopinions.main.jp/items/%E6%A4%9C%E5%AF%9F%E5%AF%A9%E6%9F%BB%E5%93%A1%E5%8F%8A%E3%81%B3%E8%A3%9C%E5%85%85%E5%93%A1%E9%81%B8%E5%AE%9A%E9%8C%B2.pdf

 会社法制の見直しに関する中間試案などでもお分かりのとおり、民間には情報開
示を強く求めながら、裁判所を含め官の側の意識は上記のとおりです。それとも、
生年月を開示すると何か都合の悪いことでもあるのでしょうか。


2012.02.27(月)【岐阜講演(欠損と損失)】(金子登志雄)

 土曜日は岐阜市司法書士会のお招きで「会社の計算」の講義に行ってまいりまし
た(伏屋支部長ほか皆様、大変お世話になりました)。

 講義自体は居眠りする方も1人もいらっしゃらなかったので、好評だったのかな
と期待していますが、欠損と損失の相違に関しては、全員の方には通じなかったか
もしれません。

 きっと、参加者の中には、本徒然をみている方もいらっしゃるでしょうから、再
度、説明しておきますので、私の代わりに説明してください。

 損失・・・資本と利益のうち利益(その他利益剰余金)がマイナスの状態
 欠損・・・資本と利益とは無関係で、剰余金(分配可能額)がマイナスの状態

 したがって、

  資本金      1000万円
  その他資本剰余金  500万円
  その他利益剰余金 △400万円

であれば、損失は400万円だが、分配可能額は100万円のため、欠損ではあり
ません。その他資本剰余金から400万円をその他利益剰余金に振り替え、損失を
ゼロにすることが「損失の処理」です。また、欠損があり欠損のてん補のためには、
資本金や準備金の取崩しが必要です。

 翌日曜には、岐阜城(齊藤道三や織田信長の居城)を訪れてきました。難攻不落
の山城として有名だけあって、山の頂上にありますから、途中まではロープウエイ
です。ロープウエイから降りてからも少し登りますので、平素から体を大事に扱い、
決して運動で体をいじめるような不埒な行為をしない私にとっては、実にきつい登
りでしたが、天守閣からみる下界の街並みや長良川は絶景でした。

 今日からまた、長良川の鵜飼の鵜のように、せっかく仕事をしても腹が膨れない
下界の生活に戻ります。


2012.02.24(金)【気持ちの良い挨拶】(仙台・立花宏)

 みなさんは、何か、身体に良いことしてますか?

 私は、健康維持のため、週1回のジョギングを習慣にしています。日頃、机の前
に座って仕事をすることが多く、体を動かす機会が少ないので、3年ほど前から続
けています。

 ジョギングといっても、散歩の延長のようなもので、のんびりと景色を楽しみな
がら5〜6キロ、調子がよいときは10キロくらいの距離を走ります。身体を鍛え
る、というよりは、ストレス解消がおもな目的かもしれません。

 決まったコースはなく、気分によっていろいろなところを走ります。

 先日は、自宅から2キロくらいのところにあるお寺のあたりまで、気持ちよく走
ってきました。そこには、230段くらいの石段があり、高校時代はよくクラブ活
動でトレーニングに使ったものです。

 石段の前でひとやすみしてから、石段を登り始めました。

 そのとき、その石段では、地元高校の野球部が、ひとりひとり石段を駆け上がる
トレーニングをしていました。

 一番上まで行き、また、上から駆け下りてきます。さすが、高校生だけあって、
たいした体力です。

 野球部員たちは駆け下りてくる途中、のんびりと歩いて石段を登っていた私とす
れ違います。

 驚いたことに、最初の野球部員が、すれ違う際に立ち止まり、気をつけの姿勢を
とって、深々とおじぎをし、私に、「こんにちは。」と大きな声で挨拶したのです。
野球部員たちは、一定の間隔で、順に駆け下りてくるのですが、最初の野球部員だ
けでなく、全員、同じように挨拶をするのです。結局、20人以上の野球部員と挨
拶をしました。

 その野球部員たちは、私に対してだけでなく、その石段を登っている方々、全員
に同じように挨拶しているのです。

 トレーニングという目的があるにもかかわらず、それよりも挨拶を優先するとい
う高校生の行動に感心しました。高校の運動部というと、勝利優先、体力、技術優
先といったイメージがあったのですが、こういう、精神面の指導もしっかりとされ
ているのだなあ、と、とてもうれしい気持ちになりました。

 そして、思いました。

“私は、いつもこのような気持ちの良い挨拶ができていただろうか?“

 司法書士として、お客様に対して失礼のないような対応を心掛けているつもりで
した。しかし、この高校生たちのように、仕事の途中、出会った人たち全員にまで、
立ち止まって、きちんとした挨拶するような行動がとれていたか、と問われたら、
言葉に詰まるかもしれません。

 “お客様や仕事の完成という、石段の頂上にばかり気をとられて、もしかしたら、
その途中ですれ違う人たちには、礼儀がおろそかになっていたかもしれない・・・。”

 ちょっぴり反省もさせられた出来事でした。


2012.02.23(木)【中間試案への論評その9】(金子登志雄)

 論評その9は、次の提案についてです。

--------------------------------------------------------------------------
■親会社等の責任
 株式会社とその親会社との利益が相反する取引によって当該株式会社が不利益を
受けた場合における当該親会社の責任に関し、明文の規定を設けるかどうかについ
ては、次のいずれかの案によるものとする。
【A案】次のような明文の規定を設けるものとする。(略)
【B案】明文の規定は,設けないものとする。
--------------------------------------------------------------------------

 親会社が事業会社のとき、子会社との役割分担では、子会社では製造や輸入を担
当し、親会社に転売し、親会社が外部(消費者など)に販売することが多いように
思います。

 このように親会社と子会社の取引は頻繁にあり、この取引に着目し、利益相反か
どうかを検討するとしたら、収拾がつかないということにならないでしょうか。

 また、この取引の範囲をどう限定するのでしょうか。親子会社間の吸収分割取引
は資本取引として除外するが、事業譲渡取引は含むということでよいのでしょうか。

 この規定を設けることによって、新たなもめごとが生じるのではないかと危惧し
てしまいます。


2012.02.22(水)【中間試案への論評その8】(金子登志雄)

 久々に中間試案への論評ですが、その8は、次の提案についてです。

--------------------------------------------------------------------------
■ 多重代表訴訟
【A案】株式会社の親会社の株主が当該株式会社の取締役等の責任を追及する訴え
  (多重代表訴訟)を提起することを認める制度を………創設するものとする。
【B案】多重代表訴訟の制度は、創設しないものとする。

■ 親会社による子会社の株式等の譲渡
   株式会社は、その子会社の株式の全部又は一部の譲渡をする場合であって、
  次のいずれにも該当しないときは、当該譲渡がその効力を生ずる日の前日まで
  に、株主総会の特別決議によって、当該譲渡に係る契約の承認を受けなければ
  ならないものとする。
   @ 当該譲渡により譲り渡す株式の帳簿価額が当該株式会社の総資産額の5
    分の1を超えない場合
   A 効力発生日において,当該株式会社が,当該譲渡により譲り渡した株式
    を発行する株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合
-------------------------------------------------------------------------

 持株会社が解禁され、「〇〇ホールディングス」という社名の会社が増えました
が、持株会社からみれば、子会社は1事業部門も同じようなものです。

 したがって、親会社の株主も子会社の取締役に対して代表訴訟を起こせるように
したり、子会社の株式を譲渡することをもって親会社の事業譲渡扱いすることは、
納得できます。

 私の心配は、親子関係であろうが、独立した別会社という伝統的な扱いをここで
壊してよいのかという点です。法人税だって別々にとるのに、上記の時だけ、子会
社を独立の会社として扱わないことに納得できません。
 子会社株式と親会社の事業も法的見地からは差が大きすぎます(事業債権者が存
在するか、従業員の所属先、税務上の取扱いなど)。

 この問題は短兵急に結論を出してはいけないでしょう。
 

2012.02.21(火)【言論のテロ】(金子登志雄)

 普段は全くテレビをみませんが、田舎に帰った時だけは、することもなく、土日
もテレビ三昧の怠惰な生活を送ってしまいました。

 テレビ報道は、個人の問題であるオセロ中島さんのマインドコントロールの問題
ばかりで、民主主義の根幹の問題である小沢裁判で石川知裕議員ら元秘書の取調べ
段階での供述調書の大半を裁判所が検察による圧力によるもので信用できないと証
拠採用しなかった点は軽くあしらわれていました。

 検察審査会に検察から提出された石川議員の供述証拠は、検事の作文だっただけ
でなく、小沢氏に有利な証拠(70のゼネコンが小沢事務所にカネを渡したことが
ないと供述したメモなど)は意図的に検察審査会に提出されていなかったことが既
に判明していますし、検察審査会の審査員や担当弁護士を小沢氏に不利になるよう
に意図的に選んだ疑惑までがネットや一部の週刊誌(先週のサンデー毎日など)で
も明らかにされているのに、テレビはその報道を避けているようでした。

 ところで、オセロ中島さんに家賃不払いで立退請求している大家さんの本木雅弘
さんが主役の「運命の人」というテレビドラマをご存知ですか。

 私は1、2回しかみたことがありませんが、1970年代に毎日新聞の西山記者
が沖縄問題の密約をすっぱ抜いたために、国家機密の漏洩で逮捕され起訴された事
件です。

 本来なら国民を騙した政府が糾弾されるべきですが、頭のよい検事さんが起訴状
に意図的に、「女性(外務)事務官とひそかに情を通じ、これを利用して」、秘密
を漏洩させたという文章を挿入したために、密約問題あるいは国民の知る権利の問
題が一転して男女の下半身のスキャンダルにすり替えられてしまいました。

 週刊新潮をはじめ、当時の愚かなマスコミも、報道の使命(権力の監視)をすっ
かり忘れ、下半身のスキャンダルで毎日新聞と西山氏を追い詰めて行きました。

 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E5%B1%B1%E4%BA%8B%E4%BB%B6

 あれから40年以上も経過しているのに、リクルート事件や小沢問題をみると、
日本のマスコミも国民も少しも成長していないようです。

 確かに自分とは無関係と思う一般国民からは他人のスキャンダルほど面白いもの
はないでしょうが、標的にされた方の立場、人権や信用を考えると、われわれ自身
も「言論によるテロ」の共犯者になっていないでしょうか。 


2012.02.20(月)【日本一の寒さ】(金子登志雄)

 土日は、故郷である群馬県の田舎に帰省していましたが、寒い寒い。雪は降らな
いし降っても積もらないところですが、暖かい東京と雪国の新潟県や長野県に挟ま
れた中途半端な場所であるため、事実上は、日本で一番寒いところの1つではない
かと密かに思っています。栃木県の宇都宮に2年ほど勤務していたことがあります
が、やはり同じように思いました。

 群馬のもうちょっと先の新潟県や長野県などの雪国まで行きますと、家の作りも
柱も実に頑丈で、部屋の中には備え付きのストーブがあり、部屋の中を暖かくして
あるのに対し、雪の積もらない群馬県や栃木県の大部分では隙間風の入ってくる家
の作りですし、暖房設備も十分ではありません。私の子供の頃はコタツしかありま
せんでした。

 ふと、ここで司法書士を開業したら、どんな仕事が多いのだろうかと考えてみま
したが、会社はほとんどありませんし、マンションの類も1つもないド田舎ですか
ら(今は合併で市になっていますが、実際は郡部地区です)、きっと農地転用とか、
債務整理しか仕事がないことでしょう。子供相手の学習塾でも経営しながら細々と
司法書士をするしかなさそうです。

 やはり会社法大好き人間の私には、最前線の大都会で働くしかなさそうですが、
いまは交通機関も発達していますから、仕事場所は大都会でも、自宅の場所として
は田舎暮らしもよいかもしれませんね。ただし、暖かいところに限りますが。

 さぁ、今週も頑張りましょう。あれ、予定を記載した手帳が真っ白だ。懐が寒い。


2012.02.17(金)【合併比率と転換比率】(金子登志雄)

 株式会社甲と乙の合併比率が1:1に決まると、これが固定され、合併比率を変
更するときは、改めて、合併契約書の締結から、やり直すのが一般的です。合併比
率は合併契約の中心的要素だからです。

 これに対して、新株予約権の行使価額や取得請求権付株式などでは、転換比率等
を決めていても、株式分割や併合があった場合のほか、現在の株価よりも安い価額
で株式が発行された場合の対策として、付随的に次のような加重平均の調整式を定
めておくことが多いといえます(加重平均方式のほか、フルラチェットという調整
方法も有名ですが省略します)。

          既発行 調整前 新発行 1株当たり
          株式数×転換額+株式数×払込金額
  調整後転換価額=―――――――――――――――――
            既発行株式数+新発行株式数
 
  (注)新株予約権の場合は「転換」を「行使」に変える。

 現在の株価よりも安い価額で株式が発行された場合以外でも、合併を決議したら、
株式交換を決議したら………と、あらゆる場合を想定し調整できるようにしていま
す。まさに、雨が降ったら………、みぞれの場合は………、大雨の場合は………、
大雪の場合は………といった書き方です。人間不信の欧米から輸入された制度だか
らでしょうか。

 しかし、このような場合は、その都度、新株予約権の行使価額や取得請求権付株
式の普通株式への転換比率を株主総会の決議で変更できるように定款に定めておけ
ば、こんな面倒な調整式などにつき定めておく必要はありません。

 株主数の少ない中小企業では、定款変更のための株主総会の開催も難しくはない
ので、一度、そんなことも提案してみようかなと思っていますが、きっと「他の会
社と違うことをするのはどうも不安だ」という反応をされてしまうことでしょう。

 種類株式の希釈化防止条項(調整式)のことを考えていたら、合併比率との落差
に思いが至ってしまいました。

 なお、転換株式はなくなり、現在は取得請求権付株式などと言いますから、転換
価額ではなく取得価額というべきですが、いまでも「転換」と使うことが多いよう
です。新しい概念が「取得」されず概念の「転換」には時間がかかるのでしょう。


2012.02.16(木)【分りやすく、されど深く】(富田太郎)

 先日、都庁でNPO法人設立について打ち合わせの後、ご担当の方と雑談をしま
した。

 富「都庁で出されている『特定非営利法人ガイドブック』♪ この本は素晴らし
いですね。」

担当「わかっていただけますか♪ 我々の苦心の作です(ニコニコ)♪」

 富「これがあれば、法律知識のない方でも書類が作れますね。」

担当「そうなのです♪ 市販のNPOの本より、分りやすく書かれていると思いま
す。」

 富「しかも、値段は520円! 凄いなぁ〜。」

 実はこの『特定非営利法人ガイドブック』、都庁で販売されているのですが、平
易な言葉で解説され、かつ図表満載。この本があれば、誰でも書類が作れるのでは
と思わせる内容です♪

 常々思っていたのですが、なぜ法律書、他の官庁の申請マニュアルは、あのよう
に難しく、分りにくいのでしょうか? 深遠なる法律の世界と言われればそれまで
ですが・・・・。

 そもそも、経済学部出身の私にとって、法律書自体が、不親切で分りにくいもの
でした。

 私が大学時代に学んだ経済学の世界では、「分りやすい教科書を書ければ一流の
証」という金言がありました。

 サムエルソン(Paul A. Samuelson)の「経済学」(注)などは、その代表的な本で
す。なのに・・・・・法律書ときたら・・・・。

(注)サムエルソン「経済学」とは!
 ★名著、内田貴「民法」(東大出版会)の初版本の前書きにも、「経済学の教科書
ではサムエルソンのような分りやすい&深い本があるのに、法律書の教科書は・・・
(涙)。だから私はこの本を書こうと思った。」という趣旨のことが書いてあります。

 ★経済音痴の菅直人氏も首相時代、サムエルソン「経済学」を読んで勉強している
と広言! 国会で、自民党の林氏に「本当に読んだのか?」と問われると、菅氏曰く
「10ページだけ読んだ・・・」と爆笑をかった。

 ちなみに1000ページぐらいの本です・・・・(汗)

 ところで、作家「井上ひさし」の創作のモットーは、『難しいことを分りやすく、
分りやすいことを深く、深いことを面白く』だそうですが(劇団「こまつ座」の機関
誌「the 座」より引用)、これは、すべてについて言えることではないでしょうか。

 その意味で、『特定非営利法人ガイドブック』のような誰にでもわかる本。
私も、いつかこんな本を書きたいものです〜♪

PS
 ご存知かと思いますが、本年4月1日より改正NPO法が施行されます。これまで、
2以上の都道府県に事務所があるNPO法人は内閣府(NPO法人室)が所轄官庁で
したが、今後はそのよう場合でも、主たる事務所がある都道府県が所轄庁となります。
くれぐれもご注意を!


2012.02.15(水)【取締役選解任権付株式】(金子登志雄)

 昨日の続きですが、1種類の株式しか発行していない非公開のA社が取締役選解
任権付株式を発行しようとすると、例えば、次のように定めます。

--------------------------------------------------------------------------
第*条 当会社の発行可能種類株式総数は、普通株式〇〇〇株、A種株式〇〇株と
   する。
  A 普通株式の株主は、その種類株主総会で取締役を3名選任できる。
  B A種株式の株主は、その種類株主総会で取締役を1名選任できる。
--------------------------------------------------------------------------

 この場合も、いままでは普通株主が取締役を自由に選任できたのに、以後は3名
に限定され、権利が小さくなるわけですから、会社法322条1項1号ロ(株式の
内容の変更)に従い、普通株主の種類株主総会が必要でしょうが、昨日の例のよう
に、2段階の定款変更と構成できません。

 しかし、おそらく、次のような想定だと考えます。
--------------------------------------------------------------------------
(第1段)
第*条 当会社の発行可能種類株式総数は、………とする。
  A A種株式は、・・・・の種類株式とする。

(第2段)
第*条 当会社の発行可能種類株式総数は、………とする。
  A 普通株式の株主は、その種類株主総会で取締役を3名選任できる。
  B A種株式の株主は、その種類株主総会で取締役を1名選任できる。
--------------------------------------------------------------------------
 
 つまり、配当優先株式とか議決権制限株式とか新規に定めただけで単独で種類株
式になるものと相違し、取締役選解任権付株式は、既に種類株式であるものの2次
的属性であり、それゆえに普通株式を巻き込む内容になるのでしょう。

 かねてより、そのような仮説を持っていましたが、昨日の例を通じてやっと取締
役選解任権付株式の性格のしっぽを掴めたように思いました。


2012.02.14(火)【種類株式の発行方法】(金子登志雄)

 1種類の株式しか発行していないA社が議決権制限株式(A種株式とする)を発
行できるようにし、かつ既存の株式(普通株式とする)の内容も同時に次のように
変更したいときは、どのような手続が必要でしょうか。

--------------------------------------------------------------------------
第*条 当会社の発行可能種類株式総数は、普通株式〇〇〇株、A種株式〇〇株と
   する。
  A 普通株主は、剰余金の配当を受けることができない。
  B A種株式の株主は 、株主総会で議決権を行使できない。
--------------------------------------------------------------------------

 定款変更が必要であることは間違いありませんが、問題は普通株主の種類株主総
会の要否です。

 私は、会社法322条1項1号ロ(株式の内容の変更)に従い、必要説ですが、
条文には「種類株式発行会社が次に掲げる行為をする場合」とあり、本事例はそれ
に該当しないのではないかという疑問も生じることでしょう。

 しかし、上記は次の2段階の定款変更をまとめただけです。
--------------------------------------------------------------------------
(第1段)
第*条 当会社の発行可能種類株式総数は、………とする。
  A A種株式の株主は 、株主総会で議決権を行使できない。

(第2段)
第*条 当会社の発行可能種類株式総数は、………とする。
 【A 普通株主は、剰余金の配当を受けることができない。】
  B A種株式の株主は 、株主総会で議決権を行使できない。
--------------------------------------------------------------------------
 
 つまり、第1段で種類株式発行会社になり、それを受けて第2段で種類株式発行
会社が種類株式の内容を変更したのです。

 ただ、A種株主がこの段階では不在ですから、株主総会の構成メンバーと普通株
主の種類株主総会の構成メンバーが完全に一致しますので、この株主総会は普通株
主の種類株主総会を兼ねたものとみて差し支えありませんから、種類株主総会の議
事録も添付せよなどというヤボなことは法務局も要請してこないと期待しています。


2012.02.13(月)【転換型から交換型へ】(金子登志雄)

 先週の土日には、商業登記法の全条文を読んでみました。

 その58条に「取得請求権付株式の取得と引換えにする【株式の交付】による変
更の登記の申請書には、当該取得請求権付株式の取得の請求があつたことを証する
書面を添付しなければならない」とありましたが、ちょっと不親切な規定だなと感
じませんか。

 さて、商法時代の転換株式は、AがBに変身するものであって、Aは消滅してい
ました。1対1の転換比率では、株数に変化がありません。

 ところが、会社法では、このような転換(変身)構成はとらず、Aを会社に引き
渡す代わりにBを会社から交付されるものになりました。すなわち、交換構成です。
あるいは、会社からみれば、Aを取得して、代金の代わりにBをもって支払うとい
う対価の発想です。

 交換型・対価型ですからAは消滅せず会社に保有され自己株式になります。対価
のBが新株式であれば、B株式の数が増えるため、発行済株式の総数の変更登記が
必要ですが、会社が保有済みの自己B株式を交付する場合には、株数に変化がない
ので変更登記は必要ありません。Aも自己株式になるだけ(持ち主が代わるだけ)
ですから、登記事項に変化がありません。

 商業登記法58条の【株式の交付】とは、新株式の発行と自己株式の交付のこと
ですが、自己株式を交付する場合は変更登記事項が発生しないのですから、ここは
【株式の発行】と規定すべきだったのではないでしょうか(59条や60条等も同
じです)。誤解を招く紛らわしい規定です。


2012.02.10(金)【企業性悪説】(金子登志雄)

 相変わらず、法律雑誌は会社法制の見直しに関する中間試案をテーマに、いろい
ろ趣向を凝らしています。

 企業統治が主たるテーマですから仕方ない面もありますが、登場する論者の中に
企業性悪説を前提に論じている方が少なくないことが気になります。

 権力は腐敗する→権力を分散せよ→業務の決定と執行と監視の三権を分立せよ

 という自由主義の発想で株式会社制度が出来ていますから、企業性悪説自体は正
しいと私も思っていますが、M&A業務あるいは司法書士業務を通じて多くの会社
をみてきた私にとっては、性悪の段階まで進めた大企業は、ほんの一部であって、
多くが収益の向上に必死となっている中小企業(上場会社を含む)ばかりです。

 権力を握った官僚はいけないが、一般の公務員がいけないわけではないというの
と同様に、権力者となった大企業は性悪だから企業統治をしっかりせよとはいえま
すが、一般の企業は、そこまで行っていません。権力者になる努力中ですから、こ
こで規制されてしまいますと、企業のやる気も失せてしまいます。

 企業統治をしっかりせよと主張する学者さんや弁護士さんも、一度、自分で会社
を起こし自宅を担保に借入れでもしてみれば、きっと企業統治どころか、経営の維
持に必死になることでしょう。

 「衣食足りて礼節を知る」といいますが、いま日本企業は衣食のことで頭がいっ
ぱいですから、常識の範囲内のモラルを維持している限り、礼節を説くのは、好況
の時にしてほしいものです。

 ところで、土日を前にして、もし、皆様の中で、「政治家性悪説」に凝り固まっ
ている方がおられましたら、8日付けの「国会探検」でもいかがですか。巨悪政治
家とされる田中、金丸、小沢3名の事件がまとめて書いてあります(ここには書い
てありませんが、佐藤栄作氏の造船疑獄も同じ構造です)。いまやネット社会では
常識的な知識ですが、一般社会の常識とは大きく乖離した内容です。

 http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2012/02/post_289.html#more


2012.02.09(木)【中間試案への論評その7】(金子登志雄)

 論評その7は、次の提案についてです。

--------------------------------------------------------------------------
(2) 発行可能株式総数に関する規律
 @ 株式会社が株式の併合をしようとするときに株主総会の決議によって定めな
  ければならない事項(会社法第180条第2項)に、効力発生日における発行
  可能株式総数を追加するものとする。
 A @の発行可能株式総数は、株式の併合が効力を生じた時における発行済株式
  の総数の4倍を超えることができないものとする。ただし、株式会社が公開会
  社でない場合は,この限りでないものとする。
 B 発行可能株式総数についての定款の定めは、効力発生日において、@の株主
  総会の決議に従って変更されるものとする。
--------------------------------------------------------------------------

 現行会社法は、「株式併合は株式併合、発行可能株式総数は発行可能株式総数」
というデジタル思考ですから、株式併合しても、発行可能株式総数に影響しません。

 旧商法時代は、株式併合のみを決議したときは、自動的に同一比率で発行可能株
式総数も減少するというアナログ思考でした。

 上記の中間試案は、発行済株式の総数1000株、発行可能株式総数3000株
の公開会社A社が2株を1株に併合し、発行済株式の総数を500株にしたときは、
発行可能株式総数も、その4倍の2000株以下に定めよという内容です。発行可
能株式総数は株式併合と同一比率の1500株にまで自動的に減少するというもの
ではないため、旧商法そのものとは相違しますが、それに近い内容で、旧に復帰す
る改正案といえましょう。

 A社が種類株式発行会社で、普通株式600株、甲種株式400株を発行し、そ
れぞれ発行可能種類株式総数が1500株、1500株のとき、普通株式の3株を
1株に併合したとき、発行済株式の総数は600株(普通株式200株、甲種株式
400株)ですから、その4倍は2400株です。

 発行可能株式総数を2400株以下にしないといけないわけですが、発行可能種
類株式総数はそのままでよいでしょうから、種類株式発行会社では、株式併合で発
行可能株式総数と発行可能種類株式総数の合計数が不一致の会社が多くなることで
しょう。

 法律上は何の問題もありませんが、世間一般からは奇異な感じを持たれてしまい
そうです。

 同時に、発行可能種類株式総数も変更すればよいわけですが、これについては、
「定款一部変更の件」という議題にしないとまずそうです(発行可能株式総数の減
少は「株式併合の件」の中で決議すれば、定款変更とみなされます)。


2012.02.08(水)【合併理解度テストその2】(金子登志雄)

 お待たせしました。下記の6頁の最もおかしな部分です。

  http://www.moj.go.jp/content/000057730.pdf

 2条2項に「甲が発行する株式数の合計に1株未満の端数株式が発生した場合に
は、これを切り上げることとし」とありますが、2条1項と矛盾しませんか。

 具体例で考えましょう。乙の発行済株式の総数が40株で、内訳はA11株、B
13株、C15株、乙の自己株1株だとして、乙の1株に甲の0.5株を割り当て
る合併だといたしましょう。

 乙の自己株式には割り当てられませんから、割当て対象は乙の39株です。これ
で計算しますと、合併対価は「39株×0.5=19.5」になりますが、会社法
234条の端数処理により、0.5株は切り捨てられ、結局のところ、合併対価は
19株です。

 具体的には、A5.5株、B6.5株、C7.5株になるところ、端数の合計が
1.5株となり、この合計の端数を切り捨て、A5株、B6株、C7株とし、切り
捨て後の端数合計の1株を売却処分し(234条2項)、その代金をABCに配分
します。

 このように合併対価は甲株式19株(5+6+7+1)が正しいのに、上記の契
約書では、19.5株を切り上げて20株だというのです。

 合併対価が20株だとすると、「乙の1株に甲の0.5株を割り当てる合併」で
はなく、「乙の39株に甲の20株を割り当てる合併」になります。最初からこう
いう合併であるなら、契約書2条1項の書き方と矛盾が生じます。

 いずれにしろ、法務省の内部で練り上げた契約書ではなく、合併に不慣れな方の
作文を公表してしまったのでしょう。

 もう慣れっこになってしまいましたが、小泉改革あたりから、官庁も手抜きが増
えました。自分の身は自分で守りましょう。


2012.02.07(火)【合併理解度テストその1】(金子登志雄)

 法務省のHPに合併契約書の見本があるというので、みてみました。下記の6頁
でしたが、この頁を一読して、おかしいところをみつけてください。貴方の合併あ
るいは会社法に対する理解能力がわかります。

  http://www.moj.go.jp/content/000057730.pdf

 何かみつかりましたか。 

 まず、合併契約書2条3項に「本合併に際して発行する甲の新株式に対する利益
又は剰余金の配当は、効力発生日から起算する」とあります。

 この「利益又は剰余金の配当」という表現は、利益が剰余金でないような書き方
で不適切です。会社法では、「利益の処分としての配当」という考え方を捨て、配
当は会社財産の払戻しと構成しています。したがって、その他利益剰余金を原資と
する配当とその他資本剰余金を原資とする配当は、ともに剰余金の配当です。

 また、この条項の記載では、配当の起算日を効力発生日としており、日割配当を
肯定するもので不適切です。会社法454条3項でも、株数に応じて割り当てよと
あるだけで、いつから株主になったかを基準としてはいません。会社法は日割配当
を禁じているということです。

 次に、3条ですが、合併で受け入れる合併効力発生日時点の株主資本等変動額は、
予想数値で、かつ概算でしか分からないはずなのに、「増加するその他資本剰余金
の額 金○○万円」と具体的数値で書いています。株主資本等変動額と合併契約書
3条の合計額との差は、どこに計上されるのでしょうか。その他利益剰余金などに
はなりません。会社計算規則35条2項本文に「利益剰余金の額は変動しない」と
あるとおりです。

 会社法749条1項2号イに「資本金及び準備金の額に関する事項」とあるとお
り、いくらになるか不明な「その他資本剰余金」については額を記載する必要がな
いのです。

 おそらく、この見本を作成した方は、合併契約時点の消滅会社のその他資本剰余
金の額をここに写して、その後の変動は、のちほど調整すればよいとでも思ったの
でしょうが、この合併契約の内容は、明らかに会社計算規則35条1項の合併です
から、消滅会社の利益勘定も含んだ株主資本等変動額から増加資本金と増加準備金
を控除したものがその他資本剰余金になります。

 今日のところは以上ですが、実をいうと、もっとおかしな部分があります。それ
は明日に回しますので、それまで皆さんも明日の内容を想像してください。


2012.02.06(月)【著書の「推薦の辞」】(金子登志雄)

 「会社法を司法書士の手に!」を合言葉に、全国の多数の司法書士を会員とする
「商業登記倶楽部」(神ア満治郎先生・主宰)のHPをみていましたら、「主宰者
からのお知らせ」欄で、会員を対象に、先生が『ずばり解説!会社の計算』につき、
推薦の辞を書いてくださっていることに気づきました。ありがたいことです(会員
向けのため一般の方にはみえません)。

 (商業登記倶楽部)
 http://www5a.biglobe.ne.jp/~legal/public/STClub2.htm
  
 そこにもありましたが、会社法以降、登記申請の添付書面として「資本金の額の
計上に関する証明書」や「一定の分配可能額又は欠損の額が存在することを証する
書面」が加わったため、司法書士は嫌でも会社の計算を勉強せざるをえなくなって
しまいました。

 具体的には、吸収合併等で資本金の額を増加させる場合に、その額が株主資本等
変動額の枠内であること等を証明する必要がありますし、分配可能額や欠損の額ま
で計算することができないと商売にならなくなったのです。

 本欄読者で非司法書士の方はきっと「そんなことは会計の専門家である公認会計
士や税理士さんに計算してもらえばよいじゃないか」と思いませんでしたか。

 ところが、「株主資本等変動額」「分配可能額」「欠損の額」といっても、ある
意味で会社法上の専門用語ともいえますから、意味も通じない会計事務所さんが多
いのです。

 それどころか、平成13年の商法改正(いわゆる金庫株改正)から登場した「そ
の他資本剰余金」についても、何のことか意味も通じない街の会計事務所・司法書
士事務所・法律事務所が圧倒的多数でしょう。

 そんなことを知らずとも十分に暮らせる方はうらやましい限りですが、そのうち、
「そんなことも知らないのですか」と顧客の経理部や総務部にいわれる時代も遠か
らず到来することでしょう。会社法施行後6年が経過する本年5月1日までには、
ぜひマスターしていただきたいものです。

 ただし、司法書士の皆さん、私より詳しくなることだけはやめてくださいね。相
撲でいう「恩返し」を歓迎したいのですが、私はまだ引退したくはありません。


2012.02.03(金)【普通株式は種類株式か】(金子登志雄)

 先日、ある会社法関係の法律のプロフェッショナルと種類株式発行会社の定款に
ついて議論になりましたが、彼は、いまでも「普通株式は種類株式ではない」と思
いこんでいました。会社法施行後5年になろうというのに、まだ、こういう方がい
るのですねぇ。

 私作成の定款に「普通株主の種類株主総会」という表現があることに、どうも納
得しかるようでしたので、手持ちのパソコンで下記を開いて示しましたところ、
やっと納得していただきました。

  http://ir.chip1stop.com/pdf/C1S_Soukaishousyuu_20111026.pdf

 そもそも、【普通】株式という用語自体が【普通でない】株式を前提としており、
1種類しかないのであれば、単に「株式」といえば済むことです。

 著書にも書きましたが、工業高校や商業高校という専門課程の高校があるから、
普通高校があるので、「普通」も「普通という種類」に過ぎません。工業立国の国
であれば、ひょっとして工業高校を普通高校と名づけ、非工業・非商業の高校は、
文科高校とでも名づけられるかもしれないのです。

 普通株式も株式の種類ですから、A種種類株式などと名称を変更することも可能
です。

 種類株式のセミナーや会社の計算のセミナーでは、こういうABCから説明をは
じめるのですが、突然、想定外の話を聞くようで、驚かれる方も少なくありません。
今月も1つセミナー講師を引き受けていますが、そろそろレジュメを作らねば……・ 


2012.02.02(木)【新年会】(島根・根来川弘充)

 歳相応なのか、今年の1月から地元の青年団体の会長になることになりました
(30数名の小規模な会です)。今まで、長という役職は、小学校の学級委員長を
1回くらいしかしたことがない私も、会の代表として、他の団体の新年会に出席す
ることになりました。

 そこである団体の新年会で、来賓の方の挨拶で聞いたのですが、辰年というのは、
景気が良くなる年なのだそうです。2000年の時は、IT関連で上向きに、その
前は、バブル景気がはじまり、その前は、オイルショック後から上向きにと、昨年
は、大震災もありましたので、今年は、是非、復興景気で日本に活気がでるよう期
待したいということでした。

 言われてみて、なるほどとは思いましたが、新聞をみると国内は消費税増税、国
外はユーロ危機。年明けからあまり明るい材料がありません。ただ、何か分からな
いものに期待はしたいと思います。

 ところで、他の団体の新年会に出席させていただいて、席次や次第は、会ごとに
違うということがわかりました。自分の団体も含めて、数団体出席しましたが、そ
のすべてが大なり小なり、違っていました。おそらくはどれが正しいというわけで
もないのだと思いますが、長というものを委ねられると、細かい事が気になります。

 今年一年は、昨年以上に気をつかう年になりそうです。


2012.02.01(水)【ずばり解説!正誤表】(金子登志雄)

 東京司法書士協同組合のHPに、『ずばり解説!会社の計算』に関する校正漏れ
一覧(正誤表)を掲載してもらいました。

  http://tsknet.jp/doc/topics/zubari_keisan3.pdf

 こういうものは、顧客本位の出版社のHPに掲載されていることが多いのですが、
これをみて、「なぜ、こんな子供でも分かることを校正段階で発見できなかったの
か」と思いませんか。

 「及び」が「及ぴ」になっていたり、「 」とすべきところが[ ]になっていた
り、情けない限りですが、本では容易に発見できることも、校正ゲラの1枚、1枚
では、意外に見つからないものなんです。

 そのため、一般論ですが、市販本の初版には多くの誤植等が付き物であり、著者
の多くが、「ああ恥ずかしい、早くあの本がこの世から消えないかなぁ(あるいは、
早く増刷になり、間違いを直せたらなぁ)」などと思うものです。ひどいのになる
と、表紙に誤植があったりします(昔の拙著にもありましたが、ほとんどの方が気
づかなかったため、内緒です。富田センセの本にもあったとか)。

 市販本に比して、東京司法書士協同組合の出版物は、誤植が非常に少ないといえ
ます。それは、校正の回数(初校、2校、3校などといいます)を市販本より多く
しているからです。

 法律の制定などは、校正を何度繰り返すのでしょうか。ほとんど間違いがないの
は脅威です。

 念のため、商業登記法91条92条は、株式会社による株式交換や株式移転で新
株予約権を引継ぐための規定ですが、商業登記法126条2項は、これを合同会社
に準用しています。合同会社も株式交換の完全親会社になれますが、株式会社では
ないため新株予約権を引き継げるわけがありません。この誤植にお気づきでしたか。


2012.01.31(火)【自己株式の無償処分の可否】(金子登志雄)

 某MLで「自社株の寄附は可能か」という点が議論されていましたが、自己株式
の【無償】処分は、新株の無償発行と同様に、会社法が想定していません。

 会社法199条以下には払込期日等が定められていますし、新株予約権に関する
会社法238条1項2号のように無償を前提とする規定もありませんし、株式の無
償割当てという制度も別に定められているからです(同185条参照)。

 新株のゼロ円発行も自己株式の無償処分も不可能であるということは、いわゆる
有利発行の最下限は総額で1円ということになりますが、なぜ、無償が不可かとい
うと、そもそも募集株式の発行等は資金調達を目的とするものですから、無償では
意味がないということです。

 資本勘定(資本金・資本準備金・その他資本剰余金)にマイナスがないのと同様
に、株式価値にはマイナスもゼロ円もないという前提もあるでしょう。どうしよう
もない債務超過会社の株式であっても、株主有限責任の関係で何の義務もない限り、
無価値ということはありません。

 それに、自己株式は会社にとって財産ではありません。純資産の部の控除項目と
して計上されているのがその証拠であり、いわば純資産を払戻した見返り品であり、
新株発行の代用品でもあります。自己株式を外部に放出することは議決権を無償で
交付することと同じですから、この意味でも無償は不可能というべきです。

 さて、以上のとおり、いつもは「自己株式の無償処分は無理だ」と答えていたの
に、今度の『ずばり解説!会社の計算』111頁では、「株式の無償割当ては自己
株式の【無償処分】や自己株式の消却と同様に、その他資本剰余金の減額になりま
す」と無意識に書いてしまいました。株式の無償割当てと自己株式の処分を対比し
たいという気持ちが先走ってしまったようです。

 拙著の熱心なファンである司法書士さんから「先生は、この前、自己株式の無償
処分はできないといっていたのに、今度の本の111頁にはできるような書き方に
なっていますよ」と指摘されてしまいました。

 なお、この部分を含め、『ずばり解説!会社の計算』の校正漏れ一覧を今日明日
にも、東京司法書士協同組合のHPに開示いたしましょう。


2012.01.30(月)【種類株主総会の設置】(金子登志雄)

 種類株式発行会社の設立にあたり、上場会社の真似をして、定款で次のように
定めることにしました。

------------------------------------------------------------------------
(機関構成)
第4条 当会社には、株主総会及び取締役ほか、次の機関を置く。
    1.取締役会
    2.監査役。ただし、監査役の権限は会計に関するものに限定する。
------------------------------------------------------------------------

 しかし、この会社は種類株式発行会社ですから、一瞬、「当会社には、株主総
会、【種類株主総会】及び取締役のほか、次の機関を置く」という表現にしなく
てよいのかという不安が走りました。

 調べたところ、種類株式発行会社である上場会社も、上記第4条のような定款
の定め方になっており、種類株主総会に触れていません(例えば、雪印)。

 会社法を再確認したところ、第2編第4章「機関」第1節の見出しが「株主総
会及び種類株主総会」なのに、次の第2節は「株主総会以外の機関の設置」とあ
り、「株主総会及び種類株主総会以外の機関の設置」となっていません。

 一見、種類株主総会も株主総会の一種と考えて第2節のように定めたのかのよ
うですが、そうであれば第1節の見出しと矛盾しますから、おそらく種類株主総
会は種類株式発行会社にした後に登場する第2次的必須機関(条件付必要機関)
なので、第2節の見出しに記載しなかったのでしょう。

 同じことが、委員会設置会社の執行役にもいえます。もっとも、こちらは執行
役は委員会設置会社に含まれることが理由だともいえます。

 結局、「株主総会及び取締役のほか、次の機関を置く」という意味は、全ての
の株式会社を前提とした基本的な定めであって、任意に種類株式発行会社にした
場合や委員会設置会社にした場合の必須機関まで記載する必要はなく、上記のよ
うな定款の定めで問題ないとの結論にいたしました。


2012.01.27(金)【2種類の取締役】(金子登志雄)

 中間試案の論評は一休みして………、
 ある税理士さんが「会社法によれば、非取締役会設置会社の取締役が2人以上あ
るときの【業務】の決定は、取締役の過半数で決定することになる」と表現したの
で、私が「それは【業務の決定】ではなく、【業務執行の決定】というべきでしょ
う」と申し上げましたところ、何と、「条文では【業務執行】ではなく【業務】に
なっている」と反論されてしまいました。

 会社法の条文を確認しましたところ、確かに会社法348条2項には、「取締役
が2人以上ある場合には、株式会社の【業務】は、定款に別段の定めがある場合を
除き、取締役の過半数をもって【決定】する」とありました。

 ところが、取締役会設置会社に関する会社法362条では「【業務執行】の決定
は取締役会」とあるのです。

 整理いたしますと、次のようになっています。
--------------------------------------------------------------------------
【取締役会設置会社】
  業務執行の決定………取締役会
            ★【業務】の決定も含むのでしょう。   
  業務の執行……………代表取締役等の選定された業務執行取締役
  
【非取締役会設置会社】
  業務の決定……………取締役の過半数の決定
  業務の執行……………取締役(例外は定款の別段の定め)
            ★【執行】の決定もこちらでしょうか。
--------------------------------------------------------------------------

 こうしてみると、本来、取締役は取締役というだけで【業務執行】の決定も執行
もできるが、具体的に何をするかという【業務】の決定は、多数決で決定するのが
原則だということでしょうか。

 つまり「何を」するかは取締役の過半数の決定だが、決められた業務を「どう執
行するか」は取締役各自の権限であるのが原則だということでしょう。

 これが取締役会を設置すると、頭脳部分は取締役会になり、実行する手足部分が
業務執行取締役になるようです。

 旧商法・有限会社法時代は、有限会社では取締役と業務執行は分化していないが、
株式会社では分化していると説かれましたが、株式会社と有限会社が一体化した会
社法のもとでは、上記のように、取締役と業務執行は分化していないが、取締役会
を設置すると、取締役の業務執行権限が制限されると1元的に説明することになり
ます。

 しかし、やはり、われわれには、会社法施行以前のように、取締役会設置会社の
取締役と非設置会社(有限会社型)の取締役とは別の種類と2元構成で考えたほう
が分かりやすいですね。今更ながら、株式会社と有限会社を1つの法典に統一した
のは無謀だったのではないかと思ってしまいました。

 有限会社型株式会社を基本とする会社法に、企業統治だ、親子会社法制だ、など
という巨大企業の規律を加えようとする中間試案も、無謀だと思いませんか。


2012.01.26(木)【中間試案への論評その6】(金子登志雄)

 論評その6は、次の提案についてです。

--------------------------------------------------------------------------
2 株式の併合
(1) 端数となる株式の買取請求
  @ 株式会社が株式の併合(単元株式数に併合の割合(会社法第180条第2項
  第1号)を乗じて得た数が整数となるものを除く。)をすることにより株式の
  数に一株に満たない端数が生ずるときは、反対株主は、当該株式会社に対し、
  自己の有する株式のうち端数となるものを公正な価格で買い取ることを請求す
  ることができるものとする。
 (注2)買取請求をしなかった株主の有する株式のうち端数となるものの処理は、
   会社法第235条に定める手続によるものとする。
--------------------------------------------------------------------------

 株式併合とは3株を1株にするなど、株数を減少させる会社の行為です。これを
すると、1株主、2株主、5株主………など、3で割り切れない部分の端数が生じ
ますが、この端数は会社がまとめて売却などをして、その代金を端株の生じた株主
に分配するのが現行法の方法です。

 これでは安く売ることを強制することになるので、公正な価格での買取りも認め
ようという提案です。

 この差額がどの程度になるのか私には分かりませんが、端数部分の値段ですから、
それほど大きな金額にはならないのではないかと私は思っています。

 私の想像どおりであれば、買取請求を認めて、株式併合を複雑な手続にする必要
があるのかと思っています。

 どうも、中間試案はやたらと物事を複雑にするばかりだという印象があります。
素人に縁遠い会社法になれば、私の存在価値が増して商売繁盛になるかもしれませ
んが、愛する会社法が論理の一貫性を失い複雑怪奇になることには抵抗があります。


2012.01.25(水)【中間試案への論評その5】(金子登志雄)

 論評その5は、次の提案についてです。

--------------------------------------------------------------------------
1.支配株主の異動を伴う第三者割当てによる募集株式の発行等
(1) 株主総会の決議の要否
  公開会社が、ある引受人(当該公開会社の親会社等を除く。)に募集株式を割
 り当てることにより、当該引受人が総株主の議決権の過半数を有することとなる
 ような第三者割当てによる募集株式の発行等を行う場合に、株主総会の決議を要
 するものとするかどうかについては、次のいずれかの案によるものとする。
【A案】原則として株主総会の普通決議を要するものとする。ただし、取締役会が
  当該募集株式の発行等による資金調達の必要性、緊急性等を勘案して特に必要
  と認めるときは、株主総会の決議を省略することができる旨を定款で定めるこ
  とができるものとし、そのように定めた場合には、総株主の議決権の100分
  の3以上の議決権を有する株主が一定期間内に異議を述べない限り、当該定款
  の定めに基づく株主総会の決議の省略が認められるものとする。
【B案】総株主の議決権の4分の1を超える数の議決権を有する株主が一定期間内
  に当該募集株式の発行等に反対する旨を通知した場合には、株主総会の普通決
  議を要するものとする。
【C案】現行法の規律を見直さないものとする。
--------------------------------------------------------------------------

 増資の結果、第三者の傘下にはいることもあるので、株主の意思を確認すべきだ
という提案に反対する理由はないのですが、なぜ、いまさら、このような規定を設
けるのか不思議です。

 昭和25年改正の旧商法の時代から、ずっと公開会社の増資は取締役会の権限と
されていました(授権資本制の採用)。ここで例外を設け、更に定款でその例外を
定められるなどとしたら、例外規定の継ぎはぎだらけで、会社法がますます迷路状
態になります。

 授権資本制の原則を活かして、このような増資は取締役会の3分の2や4分の3
の賛成を要するとか、発行可能株式総数の発行済株式の総数に対する4倍制限を2
倍制限程度にして、株主割当てを除く大幅な増資は株主総会の開催を必須にするな
どの方策も検討したのでしょうか。

 提案の背景は理解できますが、もう少し検討の余地があるように思います。


2012.01.24(火)【ずばり解説!ずばり返答!】(金子登志雄)

 東京司法書士協同組合から『ずばり解説!会社の計算〜基礎から応用まで〜』が
予定どおり出版され、昨夕はこれに関わった組合役員の方々と打ち上げでした。

 事前予約注文数をお尋ねしたところ、思いのほか多く、本の中身も不明な段階で、
これだけ多数の方が予約をいれてくださったのかと、たいへんうれしく思いました。
本欄読者の皆様もきっと多数加わっているものと思い、御礼申し上げます。

 予約注文者はほとんどが司法書士のようですが(当然ですね)、市販されている
私の著書の読者は会計事務所が多いので、ぜひ、会計事務所にもご紹介をお願いし
ます。会計事務所にも新しい会社の計算をマスターしていただかないと、司法書士
との協働作業も円滑に進みませんので………。

 午後6時から打ち上げをはじめたためか、途中で私の顧客3箇所から携帯に電話
がありましたが、組合の方から「お客さんが携帯に電話してくるのですか」と驚か
れてしまいました。

 そうなんです、私は自他共に認める「携帯司法書士」です。ただし、事務所も持
てない貧乏司法書士という本来の意味(?)ではなく、人を待たせるのも人に待た
されるのも嫌いですから、不在や行き違いのない携帯電話を仕事の中心に置いてい
るということです。

 企業法務に従事して、もう20年以上ですので、ほとんどの質問は近くに六法や
マニュアル本がなくとも即答できますので、私にもお客様にも携帯電話が便利なん
です。

 まさに、「ずばり返答!会社法の質問〜携帯電話の活用〜」といったところです
が、携帯PCといい、電子申請といい、ものぐさで出不精の私には、実によい時代
になりました。おかげで、すっかりメタボになってしまいましたが………。


2012.01.23(月)【梅酒】(仙台・立花宏)

 15年以上前に閉じられ、それから開けられることのなかった蓋を開けると、中
に入っているその液体は、周囲にやわらかな甘い梅の香りを漂わせた。

 昨年末に、自宅の物置を片付けていたところ、昔、仕込んだ梅酒の瓶が目に入り
ました。成人になって、お酒を好んで飲むようになってから、一時期、果実酒造り
に凝ったことがありました。もう16,7年も前のことです。

 凝ったといっても自己流で、あまりおいしくは出来なかった記憶があります。普
通の梅酒じゃつまらないので、焼酎は芋焼酎、砂糖は和三盆と変なところにこだわ
って作ったのですが、素人が変にこだわるとあまりいいことはないようで、分量の
バランスが良くなかったのでしょうか。作ったのはいいものの、ほとんど飲まなか
ったような気がします。

 今回、蓋を開けたのは、そのとき作ったうちの1本で、飲めるのだろうか、腐っ
てはいないだろうかとおそるおそる蓋を開けたのですが、どうやら、大丈夫そうで
す。

 年末に、物置で目に入ったときは、おいしかったという記憶がなかったので飲も
うという気がおきなかったのですが、正月明け、とある新年会から帰宅して、なに
か一杯飲みたいなあ、と思ったとき、物置の梅酒のことが思い出されました。

 そこで、梅酒の瓶の蓋を開けたのですが、グラスに注ぎ、口に含むと、さわやか
な梅の香りが広がりました。そして、透き通った梅酒の甘さが快感でした。

 自分の味覚が変わったのでしょうか。でもそれだけでもないでしょう。きっと、
15年以上の月日が、少しずつ少しずつ、梅酒を変化させてきたのだと思います。
また、あの震災を乗り越えた梅酒だと思うと、感慨深くもありました。

 そして、思いました。この15年で、自分はどのように変化してきたのだろうか、
と。自分では変わっていないつもりでも、きっと、少しずつ変わってきたはずです。

 この梅酒のように、良い方向に変わってこれたのだったらいいな、と思うのと同
時に、これからの15年で、どのように変わっていけるだろうか、と心配になりま
した。

 司法書士としてはもちろん、人間としても、良い方向に変わっていけるよう、大
切な時間を積み重ねていきたいな、と思いました。


2012.01.20(金)【法務雑誌は中間試案特集】(金子登志雄)

 旬刊商事法務の新年合併号に引き続き、明日あたりに発売になるビジネスロ
ー・ジャーナル誌もビジネス法務(中央経済社刊)も、中間試案特集のようで
す。書店でお手にとってご参照ください。
 
 ビジネスロー・ジャーナル誌は、弁護士、大学教授、企業人、司法書士(私)
に対するインタビュー記事が中心でした。

 ビジネス法務はどうかと思い、中央経済社の親しい知り合いに電話し、確認
しましたところ、いくつかの大手法律事務所の弁護士さんを中心とする座談会
が中心のようです。

 もちろん、司法書士を座談会に登場させなかったビジネス法務には、冗談め
かして、クレームを申し上げておきました。

 中間試案の内容が国際的大企業を前提にした企業統治や親子会社法制につい
てですから、コメンテーターとして、大手法律事務所の弁護士さんが中心とな
るのは仕方ないとしても、おそらく、弁護士全員と司法書士全員に会社法のテ
ストを実行すれば、平均点は司法書士のほうが上でしょうから(会社法の事件
が少ないため街の弁護士さんは会社法に無関心であるのに対し、司法書士は商
業登記を通じて必須科目だからです)、今後は司法書士も、ぜひ座談会に登場
させてほしいものです。

 もっとも、大企業を顧客にし会社法に詳しい弁護士さんは、若くして司法試
験に合格し米国に留学した超エリートの方が多く、やたらと英語表現(スクイ
ーズ・アウトなど)を乱発する傾向がありますから、中小企業を顧客にしドメ
スティック(国内)専門の司法書士とは、会話が成り立たないかもしれません
ね。私も、会社法論議では負けなくとも、英語力で負けそうです。

 なお、参考までに、ビジネスロー・ジャーナルをざっと読んだ限りは、コメ
ンテーターの方々の多数意見は「総論賛成、各論反対」でした。つまり、「改
正の趣旨はよく理解できるが、この内容では……」という意見ばかりでした。


2012.01.19(木)【中間試案への論評その4】(金子登志雄)

 昨日届いた「旬刊商事法務」の新年合併号で中間試案を座談会で取り上げてい
ました。例の弥永教授や有名な中村直人弁護士らが出席し、難しい会話を繰り返
していました。

 しかし、ここでも議論の前提として想定している会社が1部上場会社など巨大
企業のように思われました。

 何度も繰り返しますが、わずかの数の会社のために、会社法のあちこちを増改
築する必要があるのでしょうか。かの中央経済社ですら、上場会社でありながら
資本金5億円以下で、従業員数100名以下の中小企業に過ぎません。

 さて、論評その4は、中間試案の「監査役の監査機能」に関する提案です。
--------------------------------------------------------------------------
■監査役の監査機能
1 会計監査人の選解任等に関する議案等及び報酬等の決定
【A案】 監査役(監査役会設置会社にあっては、監査役会)及び監査委員会は、
     会計監査人の選解任等に関する議案等及び報酬等についての決定権を有
    するものとする。
【B案】 監査役(監査役会設置会社にあっては、監査役会)及び監査委員会は、
    会計監査人の選解任等に関する議案等についての決定権及びその報酬等
    についての同意権を有するものとする。
【C案】 現行法の規律を見直さないものとする。
2 監査の実効性を確保するための仕組み
  株式会社の業務の適正を確保するために必要な体制について、監査を支える
  体制や監査役による使用人からの情報収集に関する体制に係る規定の充実・
  具体化を図るとともに(以下、略)
--------------------------------------------------------------------------

 上記をみて、多くの方が「業務執行を決定する取締役が会計監査人候補を選び、
その報酬を決定しているのでは企業統治にならないから、監査役にその権限を移
譲することはよいことだ」と思ったことでしょう。

 しかし、これを認めると、「業務執行の決定は取締役会、監査役は業務監査が
任務」という伝統的な会社の統治構造が崩れるという反対意見があります。私も
監査役が株主総会の議案まで決定することに、現行会社法の建前が認めているの
かという疑問を持っています。

 そもそも監査役の人選ですら取締役会で決定し株主総会で選任するのです。そ
れを横において、会計監査人については監査役に決定させようとしても根本的な
解決にはなりません。監査役に人選能力があるかも疑問です。

 企業統治の強化のために会計監査人の権限を強化すれば会社の費用負担が増し
ますし、ほんと困ったものです。


2012.01.18(水)【中間試案への論評その3】(金子登志雄)

 論評その3は、中間試案の「社外取締役及び社外監査役に関する規律」の提案を
取り上げます。

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■社外取締役及び社外監査役に関する規律
(1) 社外取締役等の要件における親会社の関係者等の取扱い
  社外取締役の要件に、株式会社の親会社の取締役等でないことを追加しようと
  する提案
(2) 社外取締役等の要件に係る対象期間の限定
  社外取締役等の要件である過去に取締役等でなかったことの期間制限を設けよ
  うという提案
(3) 取締役及び監査役の責任の一部免除
 (1)のような見直しをすることとする場合には,次のとおりの見直しをする。
  @会社法第427条第1項に定める契約(責任限定契約)を締結することがで
   きる取締役及び監査役は,次のとおりとするものとする。
   ア 取締役のうち,株式会社の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その
    他の使用人でないもの
   イ 全ての監査役
--------------------------------------------------------------------------

 現行の社外取締役・社外監査役の定義では、親会社の取締役も社外性を有するだ
けでなく、1度でも取締役や従業員になると、社外性を永久に失うため、これでは
範囲が広すぎる・厳しすぎるという難点がありますので、この見直しは私も必要だ
と思っています。

 司法書士として気になるのは、上記(3)の非常勤取締役も社外監査役でない監
査役、つまり、「非業務執行」役員(非常勤取締役と監査役)であれば誰でも責任
限定契約を締結できるようにする部分です。

 このこと自体には賛成ですが、現行会社法の建て付けは、責任限定契約が定款に
定めてあれば、社外取締役や社外監査役の登記が必要だというものです。上記のよ
うな改正があれば、社外役員の登記につき責任限定契約を前提とする必要がなくな
るはずです。

 にもかかわらず、この点に関して、中間試案は一言も触れていません。このまま
改正されたら、登記に関する会社法911条との整合性が問題となるのではないで
しょうか。


2012.01.17(火)【中間試案への論評その2】(金子登志雄)

 論評その2は、中間試案の「監査・監督委員会設置会社」という新たな機関構成
を設けようという提案についてです。

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■監査・監督委員会設置会社制度
 取締役会の監督機能の充実という観点から、自ら業務執行をしない社外取締役を
複数置くことで業務執行と監督の分離を図りつつ、そのような社外取締役が、監査
を担うとともに、経営者の選定・解職等の決定への関与を通じて監督機能を果たす
ものとするための制度として、次のような機関設計を新たに認めるものとする。
(1) 監査・監督委員会の設置
 B 監査・監督委員会設置会社には、【監査役】並びに指名委員会,監査委員会
  及び報酬委員会を置かないものとする。
 C 監査・監督委員会設置会社には,会計監査人を置かなければならないものと
  する。
--------------------------------------------------------------------------

 要するに、監査役をなくして監査は社外取締役に委ねるという新たな機関設計を
設けようとするものです。委員会設置会社の簡易版とでもいうべき設計でしょうか。

 採用は任意ですから、反対する必要もないのですが、「これ以上、会社法を複雑
にしないでくれ。会社法は専門家のお遊びの道具じゃないよ」というのが私の意見
です。パソコンと同じで機能ばかり増やしても使いこなせるものではありません。

 わが国には、株式会社が100万社以上ありますが、そのうち委員会設置会社は
わずか100社足らずです(1万分の1足らず)。この監査・監督委員会設置会社
を採用する会社は、もっと少ないであろうというのが私の予測です。新し物好きの
会社がへたに採用しようものなら、「御社は悪い役員が多いから、企業統治に不安
があるのですね。たいへんですね」と皮肉をいわれかねません。

 いずれにしろ、企業統治は制度の改善でうまく行くものではありませんし、その
必要があるのなら、上場会社等を対象に特別法で定めるべきで、100万社以上を
対象とする会社法で定めるべきではないと考えています。国民の会社法が専門家の
会社法になってしまいます。


2012.01.16(月)【中間試案への論評その1】(金子登志雄)

 せっかくですから、少しずつ「会社法制の見直しに関する中間試案」の内容をこ
こでご紹介しましょう。

  ◇企業法務部の皆様、本欄を社内報告書用の参考にしてかまいません◇

 中間試案の最初は次の内容ですが、皆様はどれに賛成しますか。
--------------------------------------------------------------------------
■社外取締役の選任の義務付け
【A案】監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)
   において、1人以上の社外取締役の選任を義務付けるものとする。
【B案】金融商品取引法第24条第1項の規定により有価証券報告書を提出しなけ
   ればならない株式会社において、1人以上の社外取締役の選任を義務付ける
   ものとする。
【C案】現行法の規律を見直さないものとする。
--------------------------------------------------------------------------

 最大の問題点は、会社の立場からは、「これでは余計な経費がかかるじゃないか、
うちは過去一度も不祥事を出していないのに、余計なとばっちりはやめてくれ」と
いうことでしょう。株主の立場からも会社の儲けが減ることは歓迎しないでしょう。
上場会社の株主総会でも「監査役4人は多過ぎる」というクレームを出す株主が少
なくありません。

 顧客企業サイドに立つことを重視している司法書士の私としては、当然に【C案】
に賛成です。

 ところで、【A案】又は【B案】賛成の方で、「社外取締役を選任すれば、それ
が登記され、この会社は企業統治に熱心なことがわかってよいことだ」と思った方
はいらっしゃいませんか。

 これはとんでもない誤解であり、会社法911条3項をよくみてください。特別
取締役制度採用会社(こんな会社が現実に存在しているのかも私は知りません)か、
定款に社外取締役の責任軽減を定めている会社でなければ、社外取締役である旨の
登記はされません。

 私の顧客の上場会社でも、社外取締役が存在しながら登記簿に表示されていない
会社がありますが、理由は上記です。

 ですから、社外取締役を登記したければ、責任軽減を定款に定めることも必要で
あり、【A案】【B案】の会社を前提とすると、役員登記と責任軽減登記の2つで
登録免許税が6万円かかります。年あたりの役員報酬を加えると、社外取締役1人
につき、少なくとも年間300万円以上の経費負担でしょうか。この1人が欠ける
と臨時株主総会を開催して後任を選任しなければなりませんから、補欠社外取締役
の選任も必要でしょう。この不況期には、実に痛い出費です。株主が100人なら、
1人3万円の負担です。

 こういうことを分かって会社法制部会は提案しているのでしょうか。ちなみに部
会には司法書士の代表は加わっていません。司法書士を会社法制【社外】部会委員
(?)に選任すると余計な経費がかかるからかもしれませんね。

 もっとも、企業社会の感覚を十分に分かっていない司法書士が多いので、人選を
誤ると、【A案】又は【B案】のほうが司法書士の仕事が増えてよい(表向きは、
企業統治の強化は正義だ)などと主張しかねませんけれど。

 参考:本文とは無関係ですが、貴重映像がネットに登場しました。どこの誰だか
  知りませんが、マニフェストを命がけで守れと、街頭で消費税アップの首相に
  異を唱えています。

   http://www.youtube.com/watch?v=y-oG4PEPeGo


2012.01.13(金)【中間試案へのコメント】(金子登志雄)

 正月早々、先週の5日(木)にビジネスロー・ジャーナル誌から、「会社法制の
見直しに関する中間試案」について、コメントがほしいということで、インタビュ
ーを受けました。もちろん、私に対してだけでなく、学者や弁護士にも意見を求め
ているようですから、いわば私は司法書士の代表として声をかけられたのでしょう。

(ビジネスロー・ジャーナル誌)
       http://www.businesslaw.jp/

 事前に予告があったので、にわか勉強しておきました。

(中間試案の内容)
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300080089&Mode=0


 さて、当然ながら教科書や解説書はありません。つまり、権威ある誰かさんの意
見を参考に、いかにも自分の意見のように言うことはできません。

 白紙状態で中間試案を読み込み、内容を理解し、この内容で誰が得をし、誰が損
をし、どういう影響があるかなどを推理してコメントする必要があります。

 我田引水ですが、私の最も得意とする分野です。長年の読書嫌いの成果か、推理
力だけは鍛えられました。

 会社法制定時も、条文を読んだだけで、推理力でミニ解説を書いてしまいました。
それが下記「『会社法』法令集」の青字コメントです(あまり知られていませんが、
ここの「重要条文ミニ解説」は当ESG作です。「本書の利用にあたって」の部分
をご確認ください)。

(「会社法」法令集)
  http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4502048801.html
  
 今度の中間試案に対するコメントも、試案を繰り返し読み、意味不明の部分は補
足説明を読み、コメントさせていただきましたが、少々、辛口のコメントになって
しまいました。一言でいえば、誰も困っていないのだから、微修正以外の会社法制
の見直しは不要である、というのが私の意見でした。

 他のコメンテーターは、どんな意見を出すのか、いまから興味津津です。21日
あたりの発売のようですから、ぜひ参照してください。恥ずかしながら、写真入り
登場です(眉毛まで白くなったせいか、老けた顔で写っています)。


2012.01.12(木)【福袋】(大阪・田中利和)

 新年あけましておめでとうございます。

 今年もテレビのニュースでもとりあげられていましたが,いろんな福袋があるよ
うですね。限定3名,お見合いができる福袋などもあったようです。

 さて、正月には、国道沿いにある大型の釣り具店に行って参りました。釣り具店
でも福袋が売られています。新春の大安売りです。ただし,私の目当ては,ダウン
ジャケットでした。

 ダウンジャケットは,デザインも重要ですが,どちらかといえば性能重視です。
シンプルでいて,釣りにも使え,街の中でもおしゃれに着れる,それが私の理想の
ダウンです。

 当日は,午前10時開店とほぼ同時に店に突入しました。私以外にも多くの釣り
バカたちが店に入ってきました。

 ダウンジャケットは,店の3階に売り場がありますので,私は,一気に3階まで
駆け上がり,他の釣りバカたちを置き去りにしました!

 売り場に着いて,すぐに,価格も手頃なダウンジャケットを見つけました。メイ
ドインジャパン! シンプルなデザイン! ダウンとフェザーの割合も,9対1!

 さわった感触も,薄手のペラペラではなく,相当,ダウンが詰まっているように
思えます。どこのメーカーのものか定かではありませんが,試着してみると,相当
暖かく,色は,やや光沢のある黒で,ジッパーの部分に赤色のストライプがあるだ
けです。これなら,シンプルで,釣りにも使えそうです♪

 しかし,シンプルなのは良いのですが,ゴミが入ったゴミ袋を,まとっているよ
うにも見えます(苦笑)。これでは,街の中でおしゃれに着るどころか,ゴミの日
に,これを着て外で寝ようものなら,ゴミと間違われてゴミ収集車に放り込まれか
ねません。

 散々悩んだあげく,今年の運がダウンしても困りますから、そのゴミ袋ダウンは
諦めて,福がアップするように福袋を買って帰りました。

 今年も皆様に福が来ますように。
 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


2012.01.11(水)【法第25条を鋭く分析する!】(富田太郎)

 皆様、本年もよろしくお願い致します。

 昨年末は、名古屋、大阪、福岡、仙台・・・etcと仕事で全国行脚をしており
ました。もちろん、WP(ワーキングプア)の私なので、すべて日帰りという日程
で、各地の風情を満喫するなどは無縁でした。

 ところで、今回「東北新幹線」に生まれて初めて乗りましたが、このJR東日本
(注)、こんなにも恩知らずの会社とは思いもよりませんでした。

 実は! タバコを吸えなかったのです(怒、怒)!

 ・JR東日本の新幹線は全面禁煙
 ・駅には喫煙ルームなるものがありましたが、非常に狭く、人がごった返してお
  り、とてもタバコを吸える状態ではありませんでした(通勤ラッシュの混雑し
  た電車の中でタバコを吸う雰囲気でした)。

 (注)なお、「たばこ特別税」は、旧国鉄債務に充当されている。

 調べてみると、JR東日本は、2007年から新幹線・特急列車の全面禁煙化を実施
しており、これは2003年に施行された「健康増進法」第25条を根拠にしているよう
でした。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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 健康増進法(平成14年法律第103号) 
 第五章 第2節 受動喫煙の防止
 第25条 学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、
    官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、こ
    れらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境におい
    て、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止するために必要
    な措置を講ずるように努めなければならない。
--------------------------------------------------------------------------

25条を読むと、あくまでも「受動喫煙を防止する〜努めなければならない」とあり、
「喫煙の全面排除の義務」とは書かれてはいません。

 つまり、元々の法の趣旨は「分煙の配慮義務」の訓示規定に過ぎないのに、いつ
のまにか「全面禁煙の義務化」であるとする解釈の歪曲化が横行し、合法であるはず
の喫煙行為は、あたかも犯罪行為であるかのように扱われています。

 一方、私は車を運転しませんが、車の排気ガスは、酸化窒素や浮遊粒子状物質によ
る大気汚染等、タバコの比ではなく深刻な問題なのに、ドライバーは喫煙者に比べか
なり寛大な措置が取られています。

 これぞ現代の魔女狩りです!

 金子先生!
 今年のESGは、会社法ではなく、この法第25条問題についての徹底的な勉強会を
しましょう!

  ・・・・・

 参加者(喫煙者)は二人しかいないので、無理かな・・・・。

 ところで、年初め、事務所の大掃除をしたところ、パソコン、窓、いたるところに、
タバコのヤニがついていました。

 あぁ〜いつも、換気扇の下で吸っているのに・・・・・(汗)。
 受動喫煙かぁ・・・・なるほどなぁ〜。

 ・・・・・・・・・・・・・・

 そうですよね。
 どんな正当な論理・美辞麗句を振りかざしても、やはり嫌煙家にとって、タバコは
嫌ですよね・・・・(反省)。

 まわりを気にしながらよりも、一人、事務所で気兼ねなく、「のんびり〜と吸う♪」
タバコが一番美味しいですね(つくづく)。

 今年も、タバコを吸いながら執筆に仕事に頑張っていきたいと思います♪


2012.01.10(火)【年末大掃除】(島根・根来川弘充)

 新年おめでとうございます。

 さて、昨年の話ですが、私の事務所では、29日を大掃除の日としました。

 私の中では、「大掃除」と普段の「掃除」で、分けている点が一つあります。
それは、「大掃除」の際は、廃棄か保存か迷ったときには、思いきって「廃棄す
る」ということです。

 仕事を始めた当時は、なかなか捨てきれなかったものが、10年目になると、
結構思い切り捨てられるようになりました。

 しかし、それでもやはり捨てきれないものがあります。それは、やはり専門書
などの書籍です。

 あまり、目を通さないうちに、法律が変わって役に立たなくなってしまう書籍
があったりするのですが、やはり、簡単には捨てれません。ということで、結局
は毎年保存する物が増えているというのが実情です。

 一昨年は、新たに物置を購入したのですが、すでに昨年末に捨てきれなかった
物で、半分近くが埋まってしまいました。このまま20年も続ければ、一軒家が
必要になりそうです。

 電子化された資料が増えているはずなんですけど、こういうときに、あまり実
感がありません。

 きっと、本年末も大量に捨てられない物が増えていることでしょうが、本年も
気持ち新たにがんばりたいと思いますので、よろしくお願い申しあげます。


2012.01.06(金)【忠臣蔵と企業統治】(金子登志雄)

 年末あるいは正月になると、テレビ映画に必ず登場するほど、日本人は忠臣蔵が
大好きですね。今年もありました。

 私も作り物の映画としては喜んでみていますが、子供の頃と違って大人になった
今は、場所もわきまえず、背中から無抵抗のお年寄りに刃物で切りつける殺人未遂
事件を犯した短気なお殿様をもったご家来衆は実にお気の毒なことだという考え方
のほうが強いです。

 家来も家来で、真夜中に凶器を準備し(凶器準備集合罪)、徒党を組んで他人の
家に押し入り(住所侵入罪)、目指す相手だけでなく無垢の多数に対してその寝込
みを襲って殺人罪を犯すなどもってのほかと思っていますが(赤穂の皆さん、ごめ
んなさい)、当時の道徳観では、そうでもしないと臆病な不忠臣と蔑まれ肩身が狭
かったのでしょう。吉良邸で巻き沿いで殺された多数の人々のことまでは、その後
の劇作等では完全に無視されているようです。

 さて、会社法改正の中間試案では、上場会社等に社外取締役を義務付けようとい
う動きがあります。不祥事を事前に防止するため、業務執行を監視させようという
企業統治の見直しの1つです。

 しかし、社外取締役候補を決めるのは取締役会(経営陣)ですから、監督される
側が監督する人を選ぶ限り、企業統治(法令遵守)に効果的かどうか疑問ですし、
それ以前に組織やその長が行き過ぎた行為を行っても、それを隠し続け、外に漏ら
さないのが組織に対する忠義という文化がある限り、問題の解決は遠いのではない
でしょうか。内部告発者に対する世間の目も極めて冷たいようです。

 法令遵守のエキスパートの集まりである日本の検察組織ですら、小沢・村木事件
では、証拠のフロッピーを偽造する、上司に対する報告書を捏造する、無関係な女
性秘書を10時間も拘束して保育園にも行かせないなど、組織に忠義(?)を示す
検事さんがいました。そうでもしないと組織の中で出世できない文化が日本社会の
組織文化になっていないでしょうか。

 所属組織よりも担当職務に対する忠誠心が優先し、宗教色の強い西欧の道徳観は
「神の意思に反しないか」のようですが、日本では「組織を裏切らないか」です。
こういう国で企業統治を推進するには、社外取締役は外国人や宗教家に限るしかな
いのではないかと、つい悲観的に思ってしまいます。

 本年は、間違った組織の指示を拒否し、臭いものには蓋をせずに根元から断つこ
とが真の組織愛だという道徳観(正しい忠義=企業統治)に切り替え、所属企業に
対してよりも企業統治への忠臣が少しでも増えてほしいものです。


2012.01.05(木)【謹賀新年】(金子登志雄)

 新年おめでとうございます。本日より、徒然日誌を再開いたします。
 
 さて、年末及びお正月休みは、いかがお過ごしでしたでしょうか。私は、例年ど
おり年末は群馬に帰省し、正月は横浜の自宅でのんびりと本年のことなどを考えて
いました。

 本年が政治的にも経済的にも激動の年になることは間違いないでしょう。
 
 政治的には、世界各国で指導者の交代時期になります。3月にはロシア、4月は
フランス、11月は米国、12月に中国だといわれています。日本でも首相が交代
するでしょう。4月には、検察・司法神話の崩壊を招いた小沢裁判の判決があり、
その結果次第では、今後の日本の民主主義の行く末に大きな影響があるでしょう。

 経済的には、ギリシャからはじまったヨーロッパ危機です。世界経済を牽引して
いる中国も一時の勢いを欠いてきました。日本国内でも震災復興が遅々として進ん
でいません。ここに冷や水をかける消費税アップが可決すれば、消費マインドは冷
え込み、ますます不況が進行することでしょう。

 しかし、そうはいいながら、街に出れば、皆、いい服を着て、居酒屋は混雑して
います(12月28日は事務所近辺の居酒屋のほとんどが満杯でした)。日本経済
の体力は、まだ余力があるのでしょうか。

 また、激動の時代こそ、既成秩序が崩れ、実力ある方にとっては、成功への絶好
のチャンスです。実力者揃いの当ESGメンバーにとっては、好機です。

 企業も生き残りをかけたグループ再編を促進するでしょうから、組織再編専門の
私にとっても、実力を示せる好機の年だと思っていますが、その前提として、営業
力に欠ける私や当ESGメンバーに、そういう仕事が舞い込むかどうかですね。

 ESG諸君、おそらく本年も「食わねど高楊枝」あるいは「働けど働けど……」
になりそうですが、志だけは高くもって生きましょう。

 本年も、やせ我慢メタボと自称ワーキングプアで構成される当ESGをよろしく
お願い申しあげます。

(2011年度)

2011.12.28(水)【仕事納め】(金子登志雄)

 今日で法務局も店仕舞いであり、われわれ司法書士も意に反して(?)仕事納め
です〈不動産や相続の仕事が中心の司法書士は無理かもしれませんが………)。

 詳細には検討していませんが、本年を振り返ってみますと、大震災の影響かどう
かは不明ですが、設備投資の縮小で、司法書士は、皆、仕事の件数(量)が減少し
たのではないでしょうか。

 私も例年より手持無沙汰な時間が多かったように思います。ただ、幸いなことに、
大口の仕事が何件かありましたので、何とか無事に年を越せそうです。被災地の方
を思うと、これだけで十分に幸せですね。

 本徒然も、自分の都合では一度も休みませんでした。どんなに飲んで帰ったとき
も、旅行中であっても、決して休みませんでした。無理したわけではありません。
単に、1度休むと、気が緩んでサボり出しかねないので、休まないようにしただけ
です。

 ずっと続けていることとしては、お中元やお歳暮を過去1度も送ったことがなく、
いただいてもお返しもせず、失礼させていただいていることがあります。どうぞ、
金子は、そういうことを大の苦手とする人間だと思って、お許しください。

 全く季節感のない人間です。盆もクリスマスも正月も一切関係なく生きています。
明日も会社の関係で出勤しますし、明後日以降も事務所に行かないだけで、携帯電
話やパソコンは常時臨戦体制にしておきますので、どうぞご遠慮なく、ご連絡くだ
さい。元旦でも一向にかまいません。

 本年はお世話になりました。来年は、本年以上に厳しい年になりそうですが、当
ESGをよろしくお願い申し上げます。


2011.12.27(火)【収束宣言】(仙台・立花宏)

 先日、不覚にもインフルエンザに罹ってしまいました。

 毎年、インフルエンザの予防接種も受けていましたし、最後にインフルエンザに
罹ったのも中学生くらいだったと思います。また、健康にも気をつけているつもり
でしたし、もう、罹ることもないだろうと勝手に思い込んでいましたので、自分と
しては“想定外”の出来事でした。

 医師からは最低5日間、熱が下がってからも2日間は周囲に感染する危険がある
とのことで、その間は外出禁止です。

 自宅から出ないようにはしていましたが、当然のことながら、引継のため、所長
や事務所のメンバーから、私が抱えていた仕事の内容や状況の確認の電話が入って
きます。もし、自分ひとりで独立して仕事をしていたのだとしたら、こうはいかず、
お客様にもっともっとご迷惑をおかけしていただろうなあ、と思いました。
 そして、いつも以上に所長や事務所のメンバーに感謝の気持ちがわいてきました。
(この気持ちは忘れないようにしないといけませんね!)

 ですが、休みも3日目になると、事務所のメンバーから「体調はどうですか?」
「熱は下がりましたか?」との確認の電話が入り始めました。もしかしたら、いつ
から出勤できるのだ、という催促かもしれません。皆もたくさん仕事を抱えている
上に私の抱えていた仕事も割り振られたのですから、結構大変な状況のはずです。

 3日目の夕方にもなると、薬のおかげもあって、最高40℃近くあった熱も、平
熱まで下がっていました。のどをひどくやられたので、声はまだガラガラですが、
4日目には出勤しようと思えばできるような体調まで戻っていました。

 ”しかし、だからといって事務所に行ってもよいものだろうか。“

 私は、これで、熱も下がったとして、インフルエンザが治ったと収束宣言をして
よいものか迷いました。
 やはり、自分の体調だけでなく、インフルエンザを他人に感染させてはいけない
という社会的な責任もあります。安易な収束宣言は、周囲への危険を顧みない行為
ですし、また、周囲の人達を不安な気持ちにさせてしまうことになりかねません。

 結局、事務所のメンバーには申し訳ないと思いましたが、今週一週間は休む!と
宣言しました。

 ところで、先日、政府は、福島第一原発の冷温停止を発表し、事故の収束を宣言
しました。

 事故の収束は誰もが皆、待ち望んでいたことです。まして、現地の厳しい状況下
で働いている方々の大変な苦労を思うと、安易なことは言えません。

 しかし、原子力のことや、現地の状況等についてまったくの素人である私には、
判断しかねますが、事故発生からこれまでの発表を見ていると、今回の収束宣言を
信じてよいものか、やっぱりまだだったという発表があったりしないのか、個人的
には、まだまだ不安な気持ちです。

 この収束宣言が、本当に安心できるものであることを心より祈っております。


2011.12.26(月)【中間試案と江頭4版】(金子登志雄)

 北の将軍様は、予想どおり、死亡日が怪しくなってきましたね。わが国を含め、
どこの国でも、大本営発表については、まず、その内容の真偽につき、疑ってかか
ることが重要なようです。

 さて、3連休でしたが、いかがお過ごしでしたでしょうか。私は、のんびりパソ
コンで昔のドラマ(海外の海賊版?)を楽しんでいましたが、仕事がら、「会社法
制の見直しに関する中間試案」の勉強をはじめました。

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300080089&Mode=0

 会計限定の監査役であることが登記事項になるようですが、既存の会社に、どう
登記するのかという経過措置が気になるところです。経過措置次第では、せっかく
任期を10年にし、これで当分の間、登記をいじらなくてよいのかという想定が狂
ってしまいかねないからです。

 中間試案の結果を経て会社法が一部改正されますと、会社法の教科書も改訂版に
なります。ということは、教科書筆頭の江頭会社法はこの12月に第4版になった
ばかりで、私も購入したのに、来年中には第5版になるということでしょう。

 http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641136090

 有斐閣もうまい商売をしますね。第4版と第5版の両方を買わせようという魂胆
でしょうか。

 一般の方は第5版まで待って購入すればよいのでしょうが、われわれモノ書き、
あるいはセミナー講師は、執筆にあたり、「江頭憲治郎著『株式会社法〔第●版〕』
〇〇頁」などと引用する関係で、常に直近の版を手元に置かざるをえないのです。
これも必要経費として割り切るしかなさそうです。


2011.12.22(木)【弥永教授がこんなところに………】(金子登志雄)

 北の総書記の死亡につき、下記をみてください。

 http://www.youtube.com/watch?v=pSWN6Qj98Iw

 まるで、玉音放送を聞く終戦時の日本国民のようですが、人間って弱いものです
ね。ここまで洗脳されてしまうようです。この国では、インターネットも普及して
いませんから、海外の情報も入らないので、仕方ない面もありますが、それにして
も、ここまで………と思ってしまいます。

 この録画をみて、北の国民は自分の頭で考えないのかと思った方も多いことでし
ょうが、日本国民とて、マスコミ報道に影響(洗脳)されていないとはいえないで
しょう。

 私も、若い頃は、鈴木宗男や小沢一郎は金権まみれの悪い奴だと洗脳されていま
したが、いまは、世の中の仕組みも少しわかってきましたし、ネットの情報と大手
マスコミの情報を比較できますので、そう簡単には洗脳されなくなりました。

 そんなことを思っていた時、会社法や会計学の世界で知らぬ者のいない弥永真生
筑波大学教授(著書の『リーガルマインド会社法』は会社法の教科書になっていま
す)が小沢裁判で小沢側の証人に立ったようですね。本欄で小沢問題を時々取り上
げていましたが、会社法とは全く無縁の問題と思っておりましたら、こんなところ
に接点があったのかと驚きました。

 若い弥永教授(50歳)は、60代の江頭教授などの存在で、会社法では権威と
まではいわれていませんが、会計の世界では、権威のようで、それがゆえに、大手
マスコミの産経ニュースで大きく取り上げられたのでしょうか。 

 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111220/trl11122022180007-n1.htm

 検察審査会の議決の根拠になった捜査報告書が虚偽だったことにつき、とうとう
郷原信郎・元検事(56歳)も、一部の組織的な動きに堪忍袋の緒が切れたようで
すし、今年は、信じていたことが信じられなくなる想定外のことがよく起きる年の
ようです。

  http://www.comp-c.co.jp/pdf/111219.pdf

 無関心が一番平和でいられることは重々承知していても、北の国民のようにはな
りたくないものです。


2011.12.21(水)【総書記の死亡発表】(金子登志雄)

 マスコミ報道は、北朝鮮の金正日総書記の死去一色ですね。10月には、リビア
のカダフィ大佐が死亡しましたし、今年は歴史の大きな変わり目のようです。

 東西冷戦時代が終わり、同じアジアの社会主義国である中国やベトナムが市場経
済を取り入れ急速に発達しているというのに、頑固者の総書記の国は相変わらずの
軍事優先の計画経済で国家破綻状態です。しかも、総書記の死亡で重石を失ったた
め、今後、あの国がどこに向かって走り出すのかと不安が募ります。

 ところで、17日の深夜に死亡したというのに19日正午の発表では遅すぎると
思いませんか。28日の葬儀に外国の弔問団は受け入れないことも、不思議です。
ひょっとして、ほんとは、もっと前に亡くなっていたのをずっと隠し通していたが、
後継者の確定に意見がまとまったので、やっと発表したのではないかという一部の
推理に、私もやや傾いていますが、実際のところは、どうなのでしょうか。いずれ
にしろ、今後の推移を見守るしかありません。 

 さて、年末が近づきましたので、登記申請をお急ぎください。今日21日申請の
場合には年内に完了する(謄本が取得できる状態になる)と思いますが(商業登記
の場合です)、22日申請になりますと、法務局によっては、来年になる可能性が
生じます。法務局は28日までです。


2011.12.20(火)【剰余金処分の件】(金子登志雄)

 『ずばり解説!会社の計算』から、1つ問題を出しましょう。

Q:定時株主総会で剰余金の配当を決議するとき、「第○号議案 剰余金処分の件」
 とすることが多いのですが、なぜ、「剰余金配当の件」としないのですか。

--------------------------------------------------------------------------
A:剰余金の配当のみが議案であれば、「剰余金配当の件」でかまいませんが、同
時に別途積立金を取り崩したり、逆に繰越利益剰余金の一部の積立てを決議する
ような場合は、より広義の「剰余金処分の件」にしなければなりません。そのた
め、剰余金の配当のみが議案の場合も、「剰余金処分の件」とすることが多いの
です。

【剰余金処分議案の例】

 第2号議案 剰余金処分の件

  議長は、当期の期末配当及び剰余金の処分に関して、以下のとおりとしたい旨
 を述べ、議場に諮ったところ、満場一致でこれを承認可決した。

 1.期末配当に関する事項
  (1)配当財産の種類 
      金銭
  (2)株主に対する配当財産の割当に関する事項及びその総額
     当社普通株式1株につき金200円 総額200万円
  (3)剰余金の配当が効力を生じる日 
     平成〇年6月30日
 2.剰余金の処分に関する事項
  (1)増加する剰余金の項目及びその額
     別途積立金 100万円
  (2)減少する剰余金の項目及びその額
     繰越利益剰余金 100万円 
--------------------------------------------------------------------------


2011.12.19(月)【計算書類とは何か】(金子登志雄)

 上記「お知らせ」にご案内のとおり、1月下旬発売の拙著『ずばり解説!会社の
計算〜基礎から応用まで〜』が発行元の東京司法書士協同組合のHPのTOPIC
Sに掲載されています。

 目次をみればお分かりのとおり、私の講義レジュメと同様に「計算書類とは何か」
からはじまります。

 さて、計算書類には4つありますが、いくつ答えられますか。

 1.0個
   この段階の方が多数ですので、悲観する必要はありません。たぶん、計算書
  類の意味が通じないのでしょう。定時株主総会で承認する決算書類とか、財務
  諸表といえば、1つか、2つ、出てきませんか。

 2.1〜2個
   企業社会に属している方なら、2個は答えてほしいところです。

 3.3個 
   税理士や経理部員並です。

 4.4個
   勉強家です。

 もったいぶらずにお答えしますと、@貸借対照表、A損益計算書、B株主資本等
変動計算書、C個別注記表の4つですが、BとCは、会社法施行以降の新用語です
からともかく、@とAは常識的な計算書類だといえましょう。

 発売まで、あと1ヵ月。もう少しお待ちください。

 ★お客様各位★
  本日は、電波の悪いところに行っております。電話が通じない可能性がありま
 すので、できましたら、明日以降にご連絡くださいますようお願いします。


2011.12.16(金)【「望」年会】(金子登志雄)

 忘年会のピークですね。私も何度か経験しました。

 しかし、今年は東日本大震災や原発の惨禍でいまだに生活もままならぬ方が多い
ため、忘年会などしていてよいのかという気持ちがどこかに残ってしまいます。

 そんなことを会社の喫煙室で、同じ愛煙家に話しましたら、「来年はよい年にな
りますようにという希望を込めた【望】年会と思えばよいのではないでしょうか」
という返事がきました。さすがは愛煙家です(?)、いつも、あちこちで肩身の狭
い思いをさせられているためか、自分の慰め方を知っています。

 先週の金曜日の9日は、さまざまな打ち合わせを兼ねて、商業登記倶楽部主宰者
の神ア先生、司法書士会の有名人・鈴木龍介先生、受験界のカリスマ講師・山本浩
司先生などと【望】年会でした。

 神ア先生と鈴木さんは、「今度は何をしたい(何を出版したいなど)」と、いつ
も希望に溢れており、お元気そのものでした。私のように「もうネタ切れです。書
くものはありません。面倒くさいことは避けて通りたい」という後ろ向きの老人病
とは無縁のようでした。

 面倒くさがり屋だが、頼まれると頑張ってしまう私の性格を神ア先生も鈴木さん
もよくご存知のようで、「今度、金子さん、一緒にこれをやりましょう」と誘って
くださいますので、私も、つい「いいですねぇ。こういうふうにするといいかもし
れませんね」と応じてしまいます。企画・構成などという面倒なことをお二人が引
き受けてくださり、私は、職人の仕事をするだけなので、「それならば」というわ
けです。

 お二人に引っ張られて、来年も「(希)望年」になるよう頑張りましょう。

 なお、ESG諸君、私は面倒くさがりですし、富田氏などは土日もないワーキン
グプアですから、これじゃ忘年会は無理だとあきらめていましたが、地方のメンバ
ーが上京した折には、歓迎を兼ねて「望年会」をしましょう。来年になるかもしれ
ませんが。

 ★お客様各位★
  19日の月曜日は、電波の悪いところに行っております。電話が通じない可能
 性がありますので、20日以降にご連絡くださいますようお願いします。


2011.12.15(木)【健康診断】(仙台・立花宏)

 先日、毎年受けている健康診断を受診してきました。
 
 健康診断の受診項目のひとつに、胃の内視鏡検査があります。いわゆる、胃カメ
ラです。私はこの胃カメラを大の苦手にしていて、これがあるために、毎年の健康
診断が近づいてくると、憂鬱になります。

 とはいえ、何年か前の健康診断で精密検査が必要との診断を受け、胃の内視鏡検
査を受けて以来、毎年、この検査を受けています。精密検査の結果、異常はないと
の診断を受けたのですが、胃に粘膜下腫瘍というこぶのようなものがあり、経過観
察が必要との診断を受けたからです。無実とはいえないかもしれないが、無罪だと
いえばよいのか、それとも執行猶予といえばよいのか、とにかく、すっきりしない
状態です。

 さて、今年の健康診断も順調に進み、いよいよ最後の胃の内視鏡検査になったと
きのことです。私は医師の指示に従い、ベッドに横たわりました。まさに俎板の上
の鯉の状態です。

 「はい、カメラを、コクンって感じで飲んでくださいね。」

 という医師のアドバイスを受けますが、毎年のごとく、私ののどは、私以上に胃
カメラを苦手にしているようです。やはり今年もすんなりとはいきませんでしたが、
医師の巧みなカメラさばきにより、何度目かのトライでなんとかのどを通りました。
するするとカメラが食道を通り、胃の方へと進んでいくのがわかります。ここまで
くればひと安心です。

“このカメラは、少し前に話題になった、あの会社のものだろうか” などと考え
る余裕も出てきました。

 それと同時に、先日、設立した会社のことが思い出されました。

 依頼者が唯一の出資者で、依頼者のみが取締役の会社です。私は定款に定める取
締役の任期は法律上最長である、10年以内に終了する事業年度のうち最終のもの
に関する定時株主総会の終結の時までにしてもよいのではないかと思い、依頼者の
意向を確認しました。

 すると、依頼者は言いました。

 「私は長年、技術畑のサラリーマンをしてきて、会社の経営のこともわかりませ
んし、法律のことも素人です。会社の健康診断のつもりで、定期的に司法書士の方
にも、いろいろ相談にのってほしいですし、もう少し短くできませんか? そうい
う機会でもないと、ド素人の私は、知らないうちに法律違反をしてしまいかねませ
ん。ご迷惑かもしれませんが、設立手続きが終わったあとも、定期的にお付き合い
ください。」

 結局、その会社の取締役の任期は、2年以内に終了する事業年度のうち最終のも
のに関する定時株主総会の終結の時までと設定することになったのですが、私は正
直、驚きました。

 取締役の任期が来れば、たとえ取締役の方に変更がなくとも、登記をしなければ
ならず、費用がかかるため、任期はできるだけ長くしたいという依頼者がほとんど
です。もっとも、最初は短く設定しておいて、任期がくる前に任期を伸長するよう
に定款変更すれば、在任中の取締役の任期も変更されるため、登記をする必要はあ
りません。しかし、実際にそうする依頼者はほとんどいません。

 役員改選の手続きのタイミングでいろいろな相談をいただくことがあるのは確か
ですし、また、会社の方が持参された議事録や他の資料を拝見する中で、アドバイ
スできる点を発見することもあります。

 私は、これまで、依頼者と同じような会社の設立のご依頼をいただいた場合、依
頼者の意向もあり、任期をなるべく長く設定することが多かったのですが、
“もしかしたら、その会社の健康診断(の一部だとは思いますが)を受ける機会を
少なくしてしまっていたのかも知れない。そう思うのは思い上がりだろうか。“

 そんなことを考えていると、胃の方から胃カメラがのどの方へと戻ってきて、の
どをスルリと通って、検査は終了しました。

 検査結果は、特段の変化がないため、今年も経過観察となりました。

 あまり楽しいものではありませんが、健康診断は自分の健康状態の確認のためで
す。来年もすすんで受けなければいけないですね。反省!


2011.12.14(水)【企業内士業】(金子登志雄)

 昨日発行の日刊ゲンダイの記事に、弁護士の卵の3割が弁護士事務所への就職に
あぶれており、企業内弁護士を望む人が増えているとありました。その記事で知っ
たのですが、企業内弁護士の任意団体で「日本組織内弁護士協会」というのがある
のですね。2001年(平成13年)の設立だそうです。

     http://jila.jimdo.com/

 同協会の直近の調べによると、企業内弁護士数は588人、三菱商事の14人が
筆頭だそうです。

 この数字が大きいものか、小さいものかは人によって見方が異なるでしょうが、
少なくとも、企業内税理士、企業内会計士よりは圧倒的に少ない数字であることは
間違いありません。私自身も企業内税理士・会計士さんとは何度か名刺交換したこ
とがあります。

 企業内司法書士も数人面識があります。しかし、想像ですが、全国で100人も
いないことでしょう。その代わり、企業内司法書士【有資格者】は1000人を超
えるのではないでしょうか。試験に合格し資格を取得しても、独立業より会社員を
選択する若い人が多いですし、開業中の司法書士も廃業してから企業に勤めるだろ
うからです。

 これは、司法書士法で、「司法書士は事務所を設けなければならない」とあるた
めか、企業内司法書士に司法書士会が否定的であることも関係していると思います
(最近は運用がだいぶ緩和されているようですが、実情は知りません)。

 私が平成8年に東京司法書士会に登録する際も、私の兼任業務をみて、「勤めな
がら司法書士を登録することはできません」と拒否されそうになりました。私が怪
訝な顔をしたところ、すぐに気づいてくれ、「あ、失礼、貴方の場合は、従業員で
はなく会社の役員ですね。これなら問題ありません」と訂正してくれましたが、税
理士などと相違し、厳しいなと思ったものでした。

 私は企業内司法書士に肯定的です。圧力団体としての司法書士会の力を強めるに
は人数が多いほどよいですし、人数が増えれば自動的に司法書士会費が下がるだろ
うと期待しているからです。不純な動機ですが、企業内弁護士が法廷に立たないよ
うに、企業内司法書士も勤め先の登記申請に関与していない実情から、開業司法書
士にとって脅威の存在とは思えないからです。


2011.12.13(火)【TPP問題】(金子登志雄)

 昨日の続きですが、TPPに関するゲストスピーカーの1人は民主党の首藤信彦
議員(神奈川)でした。

 氏によると、民主党議員の8割がTPP参加反対派(4割)と慎重派(4割)で、
推進派は2割だそうです。氏は、「菅VS小沢」代表選のとき菅側についた人です
から、この問題は、「小沢VS反小沢」の問題を超えた日本の進路の問題であるこ
とがよく分かります。現状では、大手マスコミは推進派のようですが、地方自治体
や地方紙のほとんどが反対だそうです。

 氏は、TPPの勉強のため、米韓FTAを調べているようで、アメリカのFTA
履行法には、「アメリカの法律に触れるすべてのFTA規定はどのような状況にあ
ってもすべてのアメリカ人において無効である」と規定されているとのことでした。

 そこでの話ですが、日本では国際条約は憲法と並ぶくらい重要なものですが(日
本国憲法の国際協調主義)、アメリカでは州法が国の憲法や条約よりも上位にある
とのことでした。確かに、アメリカは合「州」国であり、日本の江戸時代のように、
各藩が独立国家のように行政に携わっている集合国家ですから、州法が頂点にある
という話も頷けます。

 またラチェット条項とか様々な不平等規定があり、例えば、TPPでも、アメリ
カにない車検を日本でするのはおかしいとか、遺伝子組換食品という表示はいけな
いとか、米国産牛肉に狂牛病が発生しても輸入を中断できないとか、日本の技術が
優れていたためにアメリカ製品が売れない場合にはアメリカ側のみ関税を課せられ
るとか………。

 こういう話はTPP推進者(為政者)としては不都合のため、ほとんど報道もさ
れず、「自由貿易はいいことだ、米が安くなることはいいことだ、平成の開国だ」
という論ばかりなのはなぜかという点で、原発、TPPに続く議論のテーマの最後
が日米関係になったわけです。

 結論から言えば、アメリカは自国の制度や文化を他国にも求める国だというだけ
でなく、盟主のアメリカ様を後ろ盾にして自身の権力を維持したいという日本人が
多いということのようです。

 東西冷戦時代ならともかく、これからは、それぞれ独自の文化を持つアジアの時
代だというのに困ったものですが、最大の問題点は、戦後60年間以上の平和が続
いた島国のため、日本国民自身の将来に対する危機感が薄いことでしょうか。


2011.12.12(月)【IWJの饗宴】(金子登志雄)

 忘年会時期ですが、10日土曜日は、IWJの饗宴に参加してきました。

 というと、どこかのプロレス団体のお祭りみたいですが、フリージャーナリスト
岩上安身さんを中心とする情報媒体の設立1周年記念パーティです。

  http://symposion.iwj-beta.com/

 上記のとおり、「原発、TPP、日米関係」などの時事問題に関心のある人間か
らみれば、NHKの紅白かと思えるほど知る人ぞ知る著名スターが続々と登場しま
すので、私もミーハーぶりを発揮し、第2部のパーティまで参加してまいりました。

 パーティは400人程度の参加者でしたでしょうか。主宰者の想定を超える参加
数だったようで、立食パーティなのに食い物にありつける余裕は、大人しい私には
ありませんでした。

 混雑でゲスト参加者との直接の会話は無理でしたが、間近で著名人をみることが
できました。その中で最も有名人は社民党党首の福島みずほ氏でしょう。想像以上
に小柄な方でしたが、原発問題を熱く語っていました。

 私の目当ての第1は、「真の法律家」の1人である理系頭の郷原信郎氏(元検事
でコンプライアンスの権威。陸山会問題や九州電力のやらせメール問題で活躍中)
を間近でみることでしたが、演説はなく、サックスの演奏での登場でした。

 目当ての第2は、「真のジャーナリスト」の1人である上杉隆氏でした。怖いも
の知らずで、不当な取調べをした検察官を実名で報道したりするため、痴漢等の冤
罪で、いつ権力から抹殺されるかと日々警戒し、電車に乗らないジャーナリストと
しても有名な方です。岩上氏とどちらが先に逮捕されるかという掛け合い漫才風の
挨拶に笑いと拍手が起こっていました。

 都合で出席できずビデオ画面での挨拶に登場したトップバッターは鈴木宗男氏で
したが、登場した途端、たいへんな拍手が一斉に起こりました。世間一般の常識世
界からみれば、犯罪者に拍手が起きるなど、異様な空間に思えることでしょうが、
既存メディアの報道に懐疑的な参加者からは、鈴木氏も政治犯の一人としてみられ
ているようでした。

 今回の饗宴に関心のあるのは年金生活者で時間とカネに余裕のある60歳代と思
っていましたが、参加者には30代、40代の若い方が多く、それも4割程度は女
性だったのが私には意外でした。おそらく原発問題で、子供の健康を守りたい女性
達の参加が多かったのでしょう。ゲストの矢ケア教授も、内部被曝こそ問題で、広
島・長崎の原爆症認定集団訴訟でも肯定されているのに、御用学者等はそれを認め
ていないと発言していました。


2011.12.09(金)【山あり谷あり】(金子登志雄)

 立花さんの投稿をみて、私も妹が欲しかったなと思いました。私は男3人兄弟の
真ん中です。おにぎりを落としたら、「半分寄こせ」と弟のを奪う関係だったかな。
これじゃ、感動を与えられませんね。

 さて、年末のNHKの紅白は、もう何十年もみていませんが、今回の出場者の発
表をネットでみて、びっくりしました。

 http://www.oricon.co.jp/music/special/2011/kohaku/index2.html

 第1に、芦田愛菜ちゃん(7歳)の出場です。

 こんなところにまで出させてはいけませんよね。働き過ぎですから大晦日くらい
は一家団欒で、のんびりさせてあげればよいのに………。

 愛菜ちゃんの推定年収は1説によると4億円とか。私の何十倍になるか計算する
気にもなれません。しかし、愛菜ちゃんも、振り返ってみれば、7歳が人生のピー
クだったということにならないように、今後の生き方が難しいですね。周囲で十分
に気をつけてあげてほしいものです。

 第2に、北島三郎さんの48回出場です。20代後半から連続出場ですから、偉
大というしかありません。企業で48年間も、ずっと頂点であり続けたところがあ
るのでしょうか。

 わが人生を振り返ってみれば、人並みに山あり谷ありでしたが、私の山は低く、
谷も浅いのに対し、↓の方の山と谷は、高く深いですね。

 http://www.youtube.com/watch?v=RvExVRpWQB4

 私に元気をくれる同世代の星ですから、また頑張ってほしいものです。


2011.12.08(木)【相談業務のあとで・・・】(仙台・立花宏)

 先日、ある団体が主催する登記相談会に、相談員として参加してまいりました。

 登記の相談会といっても、登記手続の相談だけというわけでもなく、その周辺の
相談を受けることも多くあります。

 その中で、遺言に関する相談がありました。

 内容は、現在、自分が住んでいる土地と建物が母親名義になっており、母親に、
その土地と建物を自分に相続させる内容の遺言を書いてもらいたいが、遺言書の作
り方を教えてほしい、というものでした。

 なんでも、兄弟姉妹が4名いるが、兄弟姉妹は大学卒業後、家からでて自由気ま
まに暮らしており、自分はずっと、父と母の面倒をみてきたが、数年前、父がなく
なり、母も高齢になってきた。そこで、万が一の場合に、その土地と建物を自分が
相続できるようにしておきたい、ということのようです。自分は大学卒業後、地元
に残り、ずっと父と母の面倒をみてきたし、家を守ってきた。だから、自分が相続
するのは当然だと思う、とのことでした。

 ただ、お話をお伺いしていると、どうやら、遺言のことはまだ、自分の思いつき
の段階のようで、遺言をしてもらうという当の母親にも、その遺言のことはまった
く話していない状態のようでした。

 私は、遺言のことや遺留分のことを説明した上で、当然のことながら、母親にそ
の意思がないと、遺言はできないことをお伝えしました。

 相談者の気持ちもわかるような気がしますが、そのことを相談されたら、母親は
どのような気持ちになるのだろうか。

 相談が終わり、そんなことを考えながら、相談会場の前の公園に出て、缶コーヒ
ーを飲みながら一休みしていると、目の前のベンチに、母親が作ってくれたのであ
ろう、おにぎりを頬張ろうとしている兄妹が座っていました。

 おそらく、お兄ちゃんは小学校の低学年、妹は幼稚園くらいでしょうか。

 ほほえましい光景だったので二人の様子を観察していました。

 すると、なにかの拍子に、お兄ちゃんが、これから頬張ろうというおにぎりを地
面に落としてしまいました。

 困った様子でおにぎりを見つめるお兄ちゃん、そして、さらに困った様子でお兄
ちゃんを見つめる妹の姿が目に入りました。

 私は、どうするのだろう、と二人を見ていました。

 「半分、あげる。」

 たどたどしい手つきでお兄ちゃんのために、おにぎりを半分に割ろうとしている
妹の姿がありました。

 「ぼく、食べたくない。」

 お兄ちゃんのプライドなのでしょうか。お兄ちゃんが小さな意地をはっています。

 「でも・・・。」

 妹の方は、どうしてよいのかわからず半べそ状態です。

 その時、私と同じように、二人の様子を見ていたおばあさんが笑って言いました。
「お兄ちゃん、妹さんが困ってるよ。食べてあげなよ。」
すると、お兄ちゃんはびっくりしたように妹を見ました。

 「半分、もらってもいいの?」
 「うん!」

妹は嬉しそうに答えました。

 しばらくして、その二人のお母さんらしき人が、やってきました。
「あれ、おにぎり落としちゃったんだ。でも、ちゃんと二人で分けて食べてたんだ。
お利口さんだね。」と、お兄ちゃんが落としたおにぎりを拾いながら、やさしく言
いました。

 母親は、仲好くおにぎりを食べている二人を見て、とても嬉しそうでした。

 親というものは、いつまでも子供達が仲好しでいてほしいと願っている。そして、
兄弟姉妹だって、お互いに幸せを願っているはずです。

 “さっきの遺言の相談の人も、きっと大丈夫だよ。”

なんの根拠もありませんが、目の前の親子を見ながら、私は自分自身に言い聞かせ
ました。


2011.12.07(水)【さすがプロの著作家♪】(富田太郎)

 先日、ある出版社のお手伝いで、合格体験記の選別作業を行いました。

 そこで感じたのは、
 ・自分に酔いしれているの??
 ・もう少し、読む人のこと考えたら???
 ・あくまでも、人に読ませるものだよ??
でした。

 人間、誰しもナルシスト的なところはあると思いますが、そのようなものは、
自分個人の日記などに書くもので、市販本には、もう少し「第三者に読まれるこ
と」を意識してほしいものだ・・・と痛感しました。

 ところで、先日、ある本に「与謝野晶子」の歌が出ていました。

 日露戦争末期の頃の歌の
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 「ああ弟よ、君を泣く。君、死にたまふことなかれ。
  
   (中略)

 親は刃(やいば)をにぎらせて、人を殺せと教えしや」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
は有名で、歴史の教科書には、当時の反戦歌として取り上げられています。

ところが、その後、自分の四男が太平洋戦争に出陣する時には、
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 「水軍の大尉となりて、わが四郎、
 み軍(いくさ)に征く猛く戦へ」

(注)1.大意→海軍の大尉となって出征するわが子よ。猛々しく戦え。
   2.与謝野晶子の4男・c(いく)は、東京帝国大学工学部から海軍に
    入った(学徒出陣ではない)当時のエリートである。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

などと、結構勇ましい歌を書いています。

 一部では、「彼女は厳しい国家権力の弾圧を受け、転向したのだ」と書かれてい
ますが、そもそも、この歌を書いたのは、太平洋戦争開戦直後の頃です(短歌雑誌
「 冬柏 」昭和17年1月号に掲載)。

 思うに、彼女はプロの著作家!
反戦思想家でも、好戦思想家でもなく、
『そのとき、そのときの時流を先に読み取り、いかに世間・読者に受けるか?』
 そのような観点で、書いたのではないでしょうか?
さすがプロですね♪


011.12.06(火)【福岡出張記その2】(金子登志雄)

 4日は博多駅周辺をちょっとばかり徒歩で観光してまいりました。まず行ったの
は、ラーメンスタジアムで有名なキャナルシティ博多です。ホテル、劇場、ショッ
プ、レストランなどがある巨大な商業施設ですが、お店が多過ぎてどこへ行ったら
よいやも分からず、ラーメンスタジアムだけみて退散しました。

 ラーメン店も10くらいありましたが、これも多過ぎて、どのお店がよいのやら
選択することもできず、また行列ができていましたので、これも早々と退散し、近
くの櫛田神社に行きました。ここは博多祇園山笠が奉納されている神社であり、以
前、丸田先生からもご案内されたことのあるところでした。

 続いて駅ビルに戻って、食事をし、丸善があったので、会社法コーナーに行って
みましたが、書名に「会社法」がつくものばかりで、合併等の各論の本はありませ
んでした(別の場所にあったのかどうかは未確認です)。書店の店員も会社法関係
の本のどれがよいのかを選ぶ能力がないので、書名に「会社法」がつくものを置く
しかないのでしょう。

 そこで思いましたが、いまの時代は、お店もラーメン店も書籍も、多品種過ぎて
素人には何がよいのか選択できなくなっているということです。ラーメンはラーメ
ンではないのです。〇〇店の〇〇ラーメンか、△△店の△△ラーメンは、別物だと
いうことです。

 昨日の話につながりますが、株式の種類も多種多様、組織再編も多種多様………
のため、専門家でないと、どれがよいのか選択できない時代になったことが、会社
法に対する勉強意欲を失わせている最大の理由ではないかと考えてしまいました。

 最近、同世代の人と、駅のトイレでさえ、使い方の説明書が張られている時代と
なり、和式トイレしか知らないでいると、流し方(最近はボタン方式が多い)にも
迷ってしまう時代になったねと話したことを思い出してしまいました。

 あれ、話が流れなくなってきてしまいましたが、まだ飛行機の時間に間に合った
ので、近くの承天寺(うどんやそばの発祥地のようです)と東長寺(福岡藩主黒田
家の菩提寺で空海創建のお寺のようです)の高さ16メートルの木造仏像などをみ
て、地下鉄の祇園駅から福岡空港に行き帰ってまいりました。


2011.12.05(月)【福岡出張記】(金子登志雄)

 土日は九州の福岡に行ってまいりました。当ESG会友の丸田幸一先生を中心と
する地元の司法書士有志の皆さんが運営している会社法ゼミナール(「金子ゼミナ
ール」と呼んでくださっているようで、ありがたいことです)での講義のためです。

 丸田幸一先生といっても、全国的には知らない方も多いでしょうが(ご本人も関
門海峡から東には関心がないと冗談をいっていましたが)、九州では、商業登記や
裁判事務などジャンルを問わず、専門家として有名な方です。

http://shi.shigyo.info/maruta/?mon=2010/02&PHPSESSID=5d31381558bc3e45dfe30af166ef1367

 上記のブログでお分かりのとおり、先生の主催する「法科村塾」では、歴史の話
題も挿入しており、その博識ぶりには、いつも驚かされます。私が先般訪問した福
井の歴史上の人物も、私はもう名前を忘れているのに、先生はスラスラと出してい
ました。

 丸田先生とも意見が一致したのですが、司法書士会等で熱心に研修を行い、商業
登記の知識の底上げをはかっていても、仕事として受ける案件が少ないために、町
の司法書士は「役員変更、設立、増資」までで、それを超えた複雑な内容は商業登
記専門の事務所でないと対応できなくなりつつあるという現状認識でした。

 会社法の施行以降、資本減少や組織再編で「会社の計算」の知識も必要になった
こと、種類株式や新株予約権は「会社の経営戦略」としてなされるため、ある程度、
経営への知識が必要になったことも原因でしょう。

 しかし、対応できないのは町の司法書士に限ったことではなく、弁護士も行政書
士も税理士も同じです。社会がIT化され年配者がついていけなくなったのと同じ
ようなもので、会社法手続も法律知識だけでは済まなくなってきたということです。

 時代が変わりつつあるわけですが、いずれ丸田「法科村塾」から高杉晋作や伊藤
博文が出てきて改革してくれることを期待しましょう。


2011.12.02(金)【司法書士と税理士】(金子登志雄)

 100%子会社同士の合併は、現在、無対価合併が主流ですが、それを司法書士
が行ったところ、会社の顧問税理士から「資本金合算方式でないと適格合併になら
ないから、更正登記をせよ」といわれて困ったとの話を某司法書士から聞いたこと
があります。

 会計に強い税理士のA先生にその話をしたところ、そう思っている不勉強な税理
士は、まだ相当程度存在するのではないかとの話でした。

 それを先日お会いした別の税理士B先生にぶつけたところ、「そういうことをい
う税理士は疑問に感じただけ、まだマシですよ。大部分の税理士は、会社がそうし
たのなら、きっと問題ないのだろうと思いこんで手続を進めてしまいますから」と
のことでした。

 怖い話ですが、気持はわかりますね。私も専門外の仕事を受けたら、とにかく無
事に終わることだけを最優先し、この機会にこの件に詳しくなろうなどと真剣に勉
強することはないでしょうから………、要するに、対処療法で済ませてしまいます。

 しかし、B先生とも話したのですが、全てに専門家になるのは不可能ですから、
こういう問題はあの先生、別のこういう問題は別のあの先生とジャンルごとに専門
家の知り合いを作っておき、いざという時に、その支援を得られるネットワークを
持っていないと、いつか事故を起こしてしまうのではないでしょうか。

 なぜ、税理士さんが勉強不足で済むかというと、法務局審査と税務署審査の時期
の差が大きいと思います。

 登記では、内容に不備があると受付されませんが、税務署ではとにかく受け付け
られて、数年後に過去の分までまとめて調査・審査されます。これでは、減資や合
併等の会計に関しては、司法書士のほうが税理士一般よりも詳しくなっているのも、
自然でしょう。

 そこで優秀な司法書士は相談する税理士を選ぶようになります。税理士が会社法
に詳しい司法書士を選ぶように………。ま、お互い様ですね。選ばれる司法書士に
なりましょう。


2011.12.01(木)【後見制度支援信託】(島根・根来川弘充)

 皆様「後見制度支援信託」というものをご存知でしょうか?
昨今、後見人が被後見人の財産を不正に流用する事件が多発しておりますが、度重
なる不正事件への対策として裁判所が積極的に導入を検討しているものです。

 概要は、被後見人の財産を信託させて、動かせないようにし、不正事件を予防し
ようというものです。

 様々な点で問題であると指摘はされていますが、それとは別に、信託という一業
種を国が支援することになることに、私個人として大きな不安を感じております。

 この制度により、大きな財産が集中することになろうと思います。大きな財産は、
市場経済では、大きな資本になります。

 現在、行き場のない資本が原油高騰を招いて経済の混乱を招いております。加え
て、EUをはじめとするヨーロッパ各国の経済危機もあり、将来の見通しはきわめ
て不透明だと思います。

 そこに被後見人の財産が、大きな資本となって影響を与えるとなると、あまり良
い結果を想像することができません。予想する最悪の結果は、金融の崩壊です。

 金融資産の価値がなくなってしまった場合、その損失を国が補填できるのでしょ
うか? どうしても「想定外の事態により・・・」という対応が予想されてしまい
ます。

 もちろん私の不安が行き過ぎているかも知れません。
しかし、「神話」がないということは、今年の大きな震災による一番の教訓として、
とどめておく必要があると思うのです。


2011.11.30(水)【ネクタイ】(金子登志雄)

 昨日の本欄は、富田センセにしては、めずらしくプアーな内容でしたね。バカに
なりきる練習でしょうか(17日本欄参照)

 さて、先日の某会議では、私の面前3メートル先に座っている方の時計が輝いて
おり、いかにも高級そうで、これが「金持ちかどうかは時計と靴をみよ」といわれ
るアレかと思いました。

 もっとも、その方はスタイルもよい弁護士さんでしたから、金持ちというよりも
オシャレで品の良い信頼感溢れる先生にみえました。今度お会いした時には、時計
の値段を聞いてみましょう。「夜店で買った」といわれるかもしれませんが。

 私も講演などをしますから、家内に「もっとオシャレしたら。ワタシが恥ずかし
いじゃないの」などといわれますが、面倒くささが先に立ち、服も時計も靴も庶民
派そのものです。その代わり、雨に打たれようが、泥がつこうが、買い換えればよ
いと思っていますので、気になりません。仕事に集中できます。

 オシャレといえば、大震災以降、節電対策のためネクタイをしないことが一般化
しましたが、いま皆様はどうしていますか。

 サラリーマン社会ではネクタイ着用に完全に戻ったようですが、自由業で、かつ、
ずぼらな私は、つい最近まで、ノーネクタイでした。8か月間、ずっとです。しか
し、最近は、さすがに首筋が寒くなり、ネクタイをするようになりました。

 ノーネクタイのときは、自分で自分の首を締めるなどもってのほかと思っていま
したが、ネクタイをするようになった今は、人に首を絞められるよりは自分で締め
るほうがマシだと自分を肯定するようになりました。

 場当たり的ですね。富田さんの真似をして、「プアーな内容で、失礼いたしまし
た(猛省)」。


2011.11.29(火)【名古屋出張記】(富田太郎)

 私は、福井ではなく名古屋出張記です。このところ、仕事で全国を飛びまわって
おり、先日は名古屋に行ってまいりました。

 私事で恐縮ですが、名古屋は高校時代1年間、新入社員時代(金融機関)の3年間
を過ごした懐かしきところです♪
 思えば、人生の一番多感な時期を過ごした場所です。

―某月某日(金曜日) ――――――――――――――――――――――――――

 朝9時、名古屋駅着。
(お客と)駅前のビルで打ち合わせ&会議・・・所要時間:2時間
終わると同時に、新幹線に飛び乗る。

 帰りの新幹線の中では、ただ、ただ、爆睡! 気がつくと、品川駅。
14時には事務所(東京都新宿区)に戻っていました。
・・・・・・・・・・・・・。

 名古屋の感想・・・・何もなし・・・・・(汗)。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 12月は、大阪、福岡、名古屋、仙台に出張予定です。
日帰りですが・・・・(汗)。

 皆様、その折には、また出張記を書く予定です♪
楽しみに、お待ちください!

 ・・・・・・・・・・・・・・

 誰も、読みたくないですね・・・・。
こんなプアーな旅行記・・・・。

 金子先生のように宿泊付なら、書く材料もみつかるのでしょうし、また、その日
に選挙でもあれば、それを上手につなげて文章を作れるのですが、その日には何も
ありませんでした。

 皆様からは「多感な時期を過ごしたのなら、それを書けばよいのに」といわれて
しまいそうですが、とりあえずは、現在、仕事に追われ、無味乾燥な日々を送って
いますとのご報告です。

 ・・・・・・・・・・・・・・

 これが一番、私らしいですね・・・・(つくづく)。

 プアーな内容で、失礼いたしました(猛省)。


2011.11.28(月)【福井市訪問の余韻】(金子登志雄)

 土日はセミナー講師のため福井市に行ってまいりました。福井県司法書士会での
商業登記の講義です(幹事の皆様、たいへんお世話になりました)。

 福井市は若い頃に車の一人旅行で能登から鳥取に行く際に素通りした程度ですか
ら事実上の初訪問でした。

 飛行機を利用して福井市を訪問するには、石川県の小松空港を利用することにな
ります(この空港自体は、M&Aコンサルタント時代に、M&A案件の調査のため
何度か利用したことがあります)。

 小松空港から福井市まではバスで約1時間でした。宿泊でしたので、講義の翌日
の日曜日には、ちょっとばかり市内観光をいたしましたが、福井市は、さすがに幕
末の松平春獄で知られる城下町でした。

 勇壮な城跡(県庁)をはじめに養浩館庭園、織田信長の重臣・柴田勝家を祭った
神社(そこに織田信長の妹・お市との再婚で柴田の娘となった後の淀君である茶々
・初・徳川2代将軍の妻で大奥を作った江=ごう=の三姉妹神社もありました)な
どをみて、電車で滋賀県米原市経由で帰宅しましたが、帰宅後は福井市訪問の余韻
でNHKの大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」の最終回をみたことはいうまでもあ
りません。

 その番組後のテレビ・ニュースは大阪維新の会が勝利した大阪府知事選、大阪市
長選一色でしたが、戦国時代の近代兵器である鉄砲に類する現代の兵器は、テレビ
などマスコミではないかと思いました。

 現代は、マスコミを上手に利用できる者が天下取りの勝利者になれる時代のよう
ですが、選挙結果をみて、本当の実力者が天下を取れる戦国時代の方が公平だった
のではないかと思ってしまったのも福井市訪問の余韻でしょうか。


2011.11.25(金)【「町」の法律家】(金子登志雄)

 東京会の新人研修は13日間で、そのうち多い順にいうと、不動産登記4日間、
商業登記2日間、債務整理2日間でした。

 メイン業務のはずの商業登記が単独2位の地位を保てなかった理由の1つは、会
社法になって役員の任期が10年までとなり、めっきりと商業登記案件が少なくな
ったためでしょうか。

 債務整理と同じコマ数とは時代の流れを感じます。これから開業する人にとって
は、不動産の仕事はベテラン事務所にがっちり抑えられており、かつ商業登記案件
が少ないとなれば、債務整理でも始めざるを得ないのでしょう。債務整理から徐々
に裁判事務や簡易裁判所事件にかかわる司法書士も増えてきたと聞いています。

 商業登記2日間のうち、1日目が設立と変更登記、2日目が増減資になっており、
私の専門の組織再編までは含まれていませんでした。ますます、組織再編は司法書
士の中でも特殊な人間のする仕事になってきたということでしょうか。

 よく司法書士(行政書士)の宣伝文句として「町の法律家」といいますが、債務
整理や会社の設立等は、まさしく「町の法律家」の仕事だといえましょう。しかし、
この「町の」の意味が「依頼者は個人(住民)」という前提があるように思います。

 司法書士以上に「町の(ヨロズ)法律家」として活躍している税務会計事務所に
とっての「町の」の意味は、個人事業者や中小企業であって、司法書士の顧客層と
は必ずしも重なっていないように思います。

 司法書士が税務会計事務所と同様に、「中小企業」「個人事業」の顧客開拓に精
を出せば、もっと職域を拡大できると思うのですが、残念ながら、新人研修の商業
登記のコマ数でも分かるとおり、司法書士会全体の関心がそちらに向いていないよ
うです。

 貸借対照表などの勉強も必要で面倒だからという理由もあると思いますが、一番
大きい理由は、研修担当幹部の皆さん自身が企業法務にそれほど関心がないのでは
ないでしょうか。

 これ以上言うと、「じゃあ、お前が率先してやれ」となるので、やめておきます
が、新人の皆さん、税務会計事務所は企業法務に詳しい司法書士を求めていますよ。
商業登記のことも忘れずに頑張ってください。


2011.11.24(木)【新人研修講師】(金子登志雄)

 東京司法書士会のHPをみておりましたら、11月30日から新人研修が始まる
ようです。もう、そんな時期なんですね。

 講師は当ESGの初瀬さんなど、そうそうたるメンバーでしたが、新人さんに、
その価値が伝わりますかどうか。

 私は、新人研修の講師は頑として拒否しています。いろいろ理由はあるのですが、
私の講義内容は、実務で苦労した方を対象にしたものであることと、金子の話を聞
きたいという人にしか話したくない(義務で仕方なく参加する人達を相手にしたく
ない)という実にわがままな理由が主たるものです。

 こういうと新人をド素人扱いしている上目目線のように思われてしまいますが、
これは全くありません。新人には会社を定年退職した方など講師以上に人生経験の
豊かな方々もおられますし、私自身、48歳で新人研修を受け、司法書士としては
新人でも企業法務従事歴は講師以上に豊かだという自負がありましたから、一部の
講師の方々の「君達は………」などの発言に対して、反発したものでした。

 学校を出たばかりの新人から、企業法務コンサルタントから司法書士に転身した
方など多種多様な新人の方を相手に話すのは、実にたいへんだと思います。

 昔、学習塾の講師をしたとき、学長が「皆さんは生徒のことをいつか忘れますが、
生徒は一生忘れません。十分、気をつけるように」といわれましたが、私も新人研
修の際の講師の皆さんのことは、よく覚えています。

 講師の皆さん、事実上のボランティアなのに、嫌われたら損ですよ。上目目線だ
けは、やめましょうね。


2011.11.22(火)【公告文案】(金子登志雄)

 会社法2条に各組織再編の定義がなされています。例えば、吸収分割とは「株式
会社又は合同会社【が】その事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割後
他の会社【に承継させること】をいう」とあります。

 株式交換も同様に「AがBに〇〇させる【こと】をいう」という文章形式です。
ところが、吸収合併と新設合併は特別で、吸収合併なら「会社が他の会社とする合
併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併後存続する会社に承
継させる【もの】をいう」となっています。

 お気づきでしたか。

 「………【こと】をいう」と「………【もの】をいう」は、どこが違うのかと考
えてみたことがありますが、単なる文章形式の相違でしょう。

 「合併」については説明不要という前提に立ち、吸収合併の場合は、合併の中で
「消滅会社の権利義務の全部を合併後存続会社に承継させるもの」と定義しただけ
ですから、Aが解散消滅しBに権利義務を吸収させる場合も、「BがAと吸収合併
する」という表現が不可能ではありません。

 ところが、吸収分割は「AがBに〇〇させる【こと】」という文章形式ですから、
吸収分割するのはAだけであって、「BがAと吸収分割する」という表現は不適切
だとされています。

 その関係で、債権者異議申述公告の「左記会社は合併して………」という公告は
よいけれど、「左記会社は吸収分割して………」という吸収分割公告はおかしいの
ではないかとのご批判を承りました。

 しかし、公告文案作成者の一人として説明させていただけば、ここは「左記会社
は吸収分割関係になって………」という意味に過ぎません。ここをこだわると、吸
収分割承継会社が単独で公告する場合を「吸収分割公告」という見出しにすること
自体も間違いになってしまいます(「吸収分割承継公告」というべきでしょう)。

 そもそも「合併公告」という表現自体に対しても「株主に向けた公告」と受け取
られるから「合併異議申述公告」とすべきではないかとの批判も大昔からあります。

 公告文案は、さまざま検討の上での結果であることをご理解くだされば幸いです。

(参考)
 明日は休みですね。大手マスコミには登場しない対談の視聴でもいかがですか。
  http://kochi53.blog.ocn.ne.jp/blog/2011/11/tv_efab.html


2011.11.21(月)【プロ野球には興味はないが】(金子登志雄)

 土日は家族が野球ファンなので、一緒に、プロ野球の日本シリーズ(ソフトバン
ク対中日)をみて過ごしました。私自身は野球には関心がないため、なぜ野村監督
が解説しているのかとか、ソフトバンクの帽子のマークがSBではなく、Snにみ
えるのはなぜかなどと関係ないことばかりを注目してしまいました。

 ソフトバンクの大昔の前身が南海ホークスだったので、野村監督を解説に呼んだ
のかなとも思いましたが、あまりに古い話ですね。長島、王、金田の時代の話です
から………。
 ひょっとして、中日の落合監督と「恐妻家兼名監督」という共通性のせいかなと
も思いましたが、これはきっとうがった見方でしょう。

 帽子のマークは最後まで分からず、ネットで調べましたら、Snではなく、Sh
だそうです。ホークスのhでしょう。SBだとカレー屋さんと間違えられてしまう
せいでしょうか。

 しかし、今回の日本シリーズは、巨人騒動ですっかりかすんでしまいました。こ
ちらの騒動も私には全く関心がありませんが、しいていえば、騒動で名があがった
登場人物の中で渡邉恒雄氏と江川卓氏の動きには、ちょっと興味がありました。

 ナベツネ氏は自民党の大物(派閥の長)である大野伴睦の番記者を務めてから、
メキメキ力をつけ、政界のフィクサーとまでいわれるようになった人物ですが、な
ぜ、フィクサーになれたのかに興味があります。

 勝手な想像ですが、思想・考え方が偏っていないからでしょう。若い頃は共産党
員だったようですし(当時の真面目な若者としてはよくあることでした)、同じく
思想に融通性のある中曽根康弘・元首相と仲がよいことでも分かります。意外なこ
とに、靖国神社参拝問題では、参拝するなという立場のようです。

 エガワ氏は、巨人入団時の「空白の1日」で、すっかり悪役イメージがついてし
まいましたが(強引に自分の意見を押し通すことを当時は「エガワる」といいまし
た)、当時の記者会見で、記者連中が若いエガワ氏に食ってかかるような態度だっ
たのに、「まぁまぁ、落ち着いて」と発言するなど、穏やかに対応していました。
大学を卒業したばかりの若造なのに、何という大物かと驚いたものでした。

 ナベツネ氏もエガワ氏も、その存在感はすごいですね。その分、敵も多いことで
しょうが、マンガの登場人物として描かれることが多いところをみると、愛される
人物でもあるようです。

 あれ、本欄でもソフトバンクの優勝が巨人騒動でかすんでしまいました。ソフト
バンク優勝おめでとうで、締めておきましょう。 


2011.11.18(金)【取締役は誰が選ぶのか】(金子登志雄)

 昨日の投稿の「利益相反」ですが、昔、司法試験の勉強中に、そういう事件性の
ある問題ばかりを勉強していました。

 これこれこういう説と、こういう説があるが、私はこう考えるといった論述の勉
強ばかりでした。私がいまでも「自説の確立」にこだわり、人にも「登記の先例を
探す以前に、貴方はどう考えるのか」と求めるのは、この頃の影響でしょう。それ
が法律(解釈学)の勉強の王道だからです。

 しかし、反面で、司法試験の勉強には、会社の設立手続、相続の手続、根抵当権
手続など事件になりにくい手続問題は試験に出ないためか、弁護士さんがこれらの
手続に弱いのは、よく理解できます。

 私も、実務家養成試験である司法書士の勉強をしてはじめて、会社の設立や相続
というのが「実感」として分かった気がしました。足が地について来た感じでした。

 しかし、これでも、実務家として不十分です。 
 
 ところで、本欄を閲覧している法律家の皆様、株式会社の取締役は、誰が選任す
るものですか。代表取締役の場合は、どうですか。

 「取締役は株主総会が選任し、代表取締役は取締役会が選任します」というのは、
建前です。現実には、社長が「今度は〇〇君を役員にしよう。後任の社長は、△△
君にしよう」と決めるのです。株主総会や取締役会は、それを追認する儀式です。

 これがいけないことだというつもりはありません。こういう社会の実情を十分に
分かったうえで、それにどっぷりとつからずに、適切な法務アドバイスをできるよ
うにしましょう、法律だけでなく社会勉強も怠りなく、ということを若い先生方に
いいたかっただけです。

 あれ、若い先生が本欄に登場すると、すぐに小舅根性がでてしまうようです。そ
ういう嫌味な老人にはなりたくないと、ずっと思ってきたのですが………。


2011.11.17(木)【駆け出し司法書士/利益相反取引を考える】(仙台・立花宏)

 取締役が自己または第三者のために、株式会社と取引をしようとするときは、株
主総会(取締役会設置会社においては取締役会)の承認を受けなければならないと
されています。

 これは、取締役が会社の利益を犠牲にして自己または第三者の利益を図ることを
防止する趣旨であるとされています。

 私は会社関係の登記の手続きをさせていただく割合が多い関係から、会社が所有
する不動産に関する登記手続きのご相談を受けることもあります。

 その場合、利益相反取引に該当し、会社の承認手続きを行っていただいた上で、
登記手続きをさせていただく機会もわりとあるのです。

 しかし、私のような地方で仕事をしている司法書士がお付き合いする会社は、大
株主が代表取締役で、他の株主がいたとしても、その代表取締役の家族のみといっ
た個人経営の会社がほとんどです。そのため、利益相反取引に該当するといっても、
代表取締役の利益イコール会社の利益のような状態なので、会社の承認が得られな
いはずもなく、正直なところ、あまり利益相反取引に関して会社法が規定した趣旨
が実感できずにいました。

 そんなある日、以前、勤務していた会社の元上司から、不動産登記のご依頼をい
ただきました。元上司が父親から土地の贈与を受けるという内容です。

 もともと、元上司は会社の法務関係を担当していたため、こういった不動産関係
業務についても詳しく、なんの前触れもなく私を訪ねてきたにもかかわらず、登記
に必要な一連の書類をすべて揃えてもって来ました。

 そして、その書類をポンと私に手渡すと、「じゃ、これで登記手続きをやっとい
てくれ。」と言って、事務所を後にしようとしました。

 「あ、部長、一度、お父様にもお会いさせていただけますか。本人確認、意思確
認が必要です。」

 「かたいこと言うなよ、立花。親父ももう年だし、足も弱ったのか、最近、あん
まり外出しないんだよ。」

 元上司には、以前、勤務していた会社で大変お世話になり、また、会社を辞めた
今も、ときどき、飲みに連れて行ってもらったりしています。

 司法書士として仕事を受任する以上、本人確認、意思確認を省略するのはもって
のほかです。しかし、お世話になっている元上司から依頼です。まして、誰からも
信頼される、誠実な方なのです。お父様の意思に反して勝手に手続きをするような
人ではありません。

 “どうしようか・・・。” 悩んでいる私がいました。

 司法書士としての私と、元上司の期待に応えたい私との間で、葛藤が続きました。
そんなとき、会社法が利益相反取引について規定していることが思い浮かびました。

 もちろん、会社法が規定している状況と、私のおかれた状況はまったく異なりま
すが、相反する2つの立場で物事を考えなければならないということは、こういう
難しい状況なのか、と思ったのです。

 こんなとき、司法書士としての私が「本人確認、意思確認は省略してよし。」と
承認したら、元上司の期待に応えたい私は、本人確認、意思確認を省略していたか
もしれません。

 会社法の規定は、前述のように取締役が会社の利益を犠牲にして自己または第三
者の利益を図ることを防止することが趣旨とされています。

 しかし、もしかしたらその他に、会社の承認を受けることにより、2つの立場の
間で、思い悩み、苦しい思いをする、そんな状況から取締役を解放してあげる、そ
んな意味もあるのではないか。そんな勝手な想像をしながら私は元上司に答えまし
た。

 「部長、本人確認、意思確認を省略するわけにはいかないんです。」

 私は司法書士です。本人確認、意思確認の省略を承認できるはずがありません。

 「そうか、立花を困らせるわけにはいかんな。じゃあ、今度の日曜日、自宅に来
てくれ。夕食を用意しておくから、どうせなら一緒に飲もう。」

 日曜日、元上司の家に伺い、元上司のお父様の本人確認、意思確認を無事終える
と、元上司のお父様も一緒に食事をして、思わぬ楽しい時間を過ごしたのでした。


2011.11.16(水)【氏名又は名称及び住所】(金子登志雄)

 会社法の条文の中に「氏名又は名称及び住所」という表現が多々登場しますが、
氏名とは個人(自然人)を前提としており、名称は法人を前提としています。

 商業登記法54条3項によると、法人の名称変更には証明書類が要求されている
のに、自然人の氏名の変更には証明書類が要求されていません。なぜでしょうか。

 どこにも明瞭な説明はありませんが、たぶん、法人は人工的な生き物で、名称が
違えば別人格という社会的なコンセンサスがあるためでしょう。鈴木〇子さんが結
婚して佐藤〇子さんになっても、〇子さんは〇子さんですが、松下電器産業とパナ
ソニックは、同一会社というイメージがありません。法人は合併等によって、大変
身することも可能だからです。

 次に、「氏名又は名称及び住所」という表現からもお分かりのとおり、法人につ
いても「住所」と使います。合併等の規定にも「存続会社等の商号及び住所」など
とあります。

 ところが、登記について規定する会社法911条では「本店及び支店の所在場所」
とあり、「本店及び支店の住所」と規定していません。これはなぜでしょうか。

 これについては、私を含め、多くの法律家が疑問に思いながら放置しているよう
ですので、本稿のついでに、疑問の解消を意図してみました。

 ★★司法書士各位は、ここで読むのをやめて、一緒に考えてください★★

 10分間考えた私の結論(推理)は、以下でした。

 会社法4条で「会社の住所は、その本店の所在地にあるものとする」と規定して
います。この所在「地」とは、市町村(東京23区を含む)までですから、住所と
は、「〇丁目〇番〇号」という場所まで含んだ概念です。

 とすれば、「住所=所在場所」とも考えられますが、会社法911条が定めてい
るのは、「会社」の住所のことではなく、「本店」と「支店」の場所です。つまり、
本店と支店は会社の部分であって、会社そのものではありません。「会社の住所は、
その本店の所在地に」ありますから、支店の所在場所のことを住所といってはいけ
ません。同様に、会社の一部に過ぎない本店も住所といってはいけないのでしょう。

 いかがでしょうか。
 金子はヒマだなぁと思われてしまったかもしれませんが、せめて、本欄のネタ探
しで、毎日、大変なんだなと思ってくだされば幸いです。


2011.11.15(火)【任期は選任時からか】(金子登志雄)

 期間の定め方には「いつからいつまで」と「いつまで」という2つの方法があり
ますが、次の場合は、どちらだと思いますか。

1.会社法806条3項:
  消滅株式会社等は、第804条第1項の【株主総会の決議の日から2週間以内
 に】、その株主に対し、新設合併等をする旨並びに他の新設合併消滅会社、新設
 分割会社又は株式移転完全子会社及び設立会社の商号及び住所を通知しなければ
 ならない。

 これは、株主総会の決議の日から2週間以内という期限(締切日)を定めただけ
で、株主総会の決議の日から通知しなければならないという意味は含まれていない
とされています。

2.会社法332条1項:
  取締役の任期は、【選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関
 する定時株主総会の終結の時まで】とする。

 これをつい、任期は【選任時から………定時総会の終結時まで】と読んでしまい
ませんか。教科書にも「任期の起算点は選任時」などと書かれています。

 しかし、11月15日に選任され、11月17日に就任承諾したら、17日から
任期中になるのであって、15日は任期の終期である「定時株主総会の終結の時」
を計算するための起算日に過ぎません。

 選任時を任期の起算日だという表現は間違いではありませんが、選任されても取
締役になるまでは、任期中とはいえないわけですから、選任時は任期の【終期の】
起算日だと表現するのが正確だということに気づきました。

 言い換えれば、上記2つとも「いつからいつまで」型ではなく「いつまで」型で
すね。


2011.11.14(月)【重任概念】(金子登志雄)

 ここ1ヵ月ほど「重任とは何か」などにつき、商業登記倶楽部5人委員会(神ア
代表)や当ESG内部で、議論してまいりました。

 「重任」とは、商業登記特有の概念で「任期満了退任と同時に就任」した際に、
退任の登記と就任の登記の2つをせずに、重任という1つの登記で済ませてしまう
省エネ登記方式のことです。「辞任と同時に就任」した場合は重任とはいいません。

 たったこれだけの差ですが、いろいろ問題が生じます。

1.取締役は定時株主総会の終結と同時に退任するため(会社法332条)、その
 定時株主総会で再任を決議すれば、同時の退任・就任といえますが、代表取締役
 は取締役の退任と同時に任期切れし、その定時株主総会終結後の取締役会で再任
 しても、同時の退任・就任といえないじゃないかという勉強初期に誰でも感じる
 疑問があります。
  これについては、代表取締役の場合の「同時」とは「同日」も含むと割り切る
 しかありません。重任とは省エネ登記方式に過ぎませんし、もともと代表取締役
 自身には独自の任期というのがありませんから、登記の慣例とでも考え、深く考
 えないことです。

2.辞任と同時の就任の場合は、辞任によって、そこで任期を清算し、ゼロから新
 たな任期が始まるというイメージがあるのに、重任の場合は、「任期の延長」と
 いうイメージがあります。
  これが解釈に影響してきますが、その内容については、キンザイ「登記情報」
 の1月号に議論の成果を発表しますので、お待ちください。

(参)7日付本欄の【「すべて」か「全て」か】につき、仲間が理由を見つけてく
  ださいました。
  http://www.clb.go.jp/info/other/houreiniokerukanji.pdf

(参)8日付本欄の【BKD】につき、中野先生の演説場面を見つけました。実に
  面白い演説ですが、街頭演説なので、やや聞き取りにくいのが残念です。
  http://www.youtube.com/watch?v=fHz1dka-0u0&feature=player_embedded


2011.11.11(金)【報酬額の法則】(金子登志雄)

 数人の司法書士も同意してくれましたが、実際の司法書士報酬額には、次の法則
があるようです。

 1.不動産登記専門司法書士の会社登記報酬は安い。
 2.会社登記専門司法書士の不動産登記報酬は安い。

 この理由を考えますと、次になると思います。

 1.専門外の領域については、自信がないから、控えめの請求額になる。
 2.報酬額の相場もよく分からない。
 3.専門外の領域は付録の仕事であり、それで生活しているという意識がない。

 この「自信がない、それで生活していない」という意識は意外に大きいように思
います。

 専門領域で自信のある仕事であれば、「何でも質問してくれ」、「この議事録は
ここが変わっているなぁ。ここをこうすればよかったのに」などという感想を持ち
ながら、依頼者の要求に応えるため、仮に登記申請のみに関与しただけであっても、
議事録チェックなどをコンサルティングしたという意識あるいは誇りがあります。
「安心、安全」の登記申請サービスを提供したという自負があります。

 これに対して、専門外の仕事の場合は、預かった書類を下にマニュアル本をみな
がら申請書を作って登記しただけだという「代行」の意識が強く、いわば書類を代
わりに届けただけで、仕事をしたという意識が持てません。その結果、控えめの請
求額になってしまいます。

 司法書士であれば誰でも、「前の司法書士の先生は、〇〇万円だったのに」とい
われて困惑した経験があると思いますが、前の司法書士にとっては専門外の仕事だ
ったので、安かったのに過ぎず、事故のリスク付きだったわけです。

 専門領域の報酬額には「安全・保証付き」という保証料が含まれていますから、
前の司法書士より高いのは当たり前です。

 というわけで、会社登記専門司法書士の私に不動産登記の仕事を依頼してくださ
れば、ぐっとお安くできるのですが、来ないですねぇ。


2011.11.10(木)【日割り配当】(金子登志雄)

 3月決算会社が11月1日に新株を発行したとすると、この新株主に対する配当
金は11月から3月までの5か月分でしょうか。

 旧商法時代は、それが株主の平等だと考えられていましたが、会社法はこれを禁
じています(454条3項)。

 11月1日に株式譲渡や自己株式の処分で「新株主」になった者が1年分を受け
られるのに、新株の発行で新株主になった者が5か月分では不公平だともいえるか
らです。

 ここまでは企業法務に精通している者にとっては常識(?)ですが(皆さん、大
丈夫ですか)、先日、初めて優先株式を発行した会社から、「優先株式については、
日割計算でよいのですよね」と聞かれ、一瞬、不意打ちを食らったように、答えに
窮してしまいました。

 これは株式の種類が違いますので、「年365日計算」などと定めてあれば初年
度は日割り計算ですね。その定めがなかったら、どうするのでしょうか。たぶん、
種類株式の解釈(会社の合理的意思)で初年度は日割りでよいのでしょう。

 「日割り計算は11月1日からですか、翌日からですか」という質問もありまし
た。民法の翌日起算の例外は午前0時から始まる時と、年齢計算だけでしょうから、
11月2日起算で3月31日までの日数を計算し、365日で除すのでしょう。

 続いて、「来年は閏年ですが、2月29日も含めるのですか」という質問が来ま
した。

 ほんと、勉強になります。

 「顧客は最良の教師である」と、本欄上部にある『マンガ司法書士&開業成功』
の抜粋でK先生がいってますね。

 (まだまだ多くの論点があるのですが、それは別の機会に譲りましょう。)


2011.11.09(水)【利益処分案と株主資本等変動計算書】(金子登志雄)

 会社法立案担当者の解説によると、旧商法時代の利益処分案と損失処理案は、会
社法の株主資本等変動計算書に吸収されたということになっています。

 私も納得し、著書でも、そうに書いてまいりましたが、一昨日ご紹介した公認会
計士・税理士の有田先生から「1期ずれるじゃないか」という強烈な疑問を提示さ
れてしまいました。

 例えば、3月決算会社が平成23年6月の定時株主総会で株主配当を決議すると
き、旧商法の利益処分案・損失処理案は、平成23年3月期の計算書類ですが、会
社法では、この株主配当・損失処理は平成24年3月期の計算書類である株主資本
等変動計算書に記載されるわけです。

 旧商法時代も平成23年3月期の貸借対照表に配当済み・損失処理済みとされた
わけではありませんので、結果は同じですが、期ずれの指摘は鋭いですね。こうい
う指摘のある文献はあるのでしょうか。

 その他、貸借対照表は1時期の「財【産】状態」を表すものだという私の説明に
対して、会計の世界では「財【政】状態」と表現しますとの指摘を受けましたが、
これもプロの世界からの指摘だなと妙に感じ入った次第です。

 こういう知人・友人をもっていると、何かと助かりますので、企業法務に専門的
に従事したい方は優秀な会計士・税理士との交友も必要ですね。


2011.11.08(火)【BKD】(金子登志雄)

 10月31日の本欄(投稿者:田中司法書士)に「CEO(最高経営責任者)は、
比較的、よく耳にするのですが、COO、CFO・・・知りませんでした(汗) 
AKB・・・なら、知ってます(キッパリ!)」とありましたが、CIOやCTO
まであるらしいですね。

  http://nplll.com/archives/2005/12/ceocoocfo.php

 CEOやAKBをご存知の田中センセは、Bで始まるBKDをご存知でしょうか。
1月20日付本欄の【衝撃のTPP解説】に登場するTPP反対の論客・中野剛志
(タケシ)先生(元官僚で経済ナショナリズムの専門家)の命名だそうで、TPP
賛成議員を指すようです(昨日の日刊ゲンダイによる)。

 AKBがアキハバラなら、このBKDはバイコクドということだそうです。演説
中に冗談で発した言葉のようですけど………。

 この中野センセ、私は好きですね。御用学者が多いのに、物事をありのまま素直
に捉えて、「ダメなものはダメだ」と叫ぶ姿に、幕末の志士の姿がみえます。

 最近は、TPPが日本に不利なことは明らかなのに、こんなやさしいことをなぜ
分かってくれないのかとイライラが募っているようで、先般のフジテレビでの出演
でも、怒鳴ってしまったようで、ネットで批判されていました。

 さっそく、その動画をみてみました。

 http://commonpost.boo.jp/?p=18319

 「マスコミはいつもこうだ」とマスコミの世論誘導の姿勢に激したのだろうと私
にはみえました。

 小沢問題・九電問題の郷原信郎(ノブオ)弁護士(元検事、コンプライアンスの
専門家)といい、TPPの中野先生といい、正論を主張し、国を憂える志士が増え
れば、わが国ももっとよい国になれると思うのですが、敵も多いので、政治的暗殺
にお気をつけくださいと祈るしかありません。


2011.11.07(月)【「すべて」か「全て」か】(金子登志雄)

 土日は1月下旬に出る『ずばり解説!会社の計算』のゲラ校正をしておりました
が、1人では勘違いもあるため、いくつか共著書のある公認会計士有田賢臣(まさ
おみ)先生にもお手伝いをお願いしていましたところ、「株主資本等変動計算書は
新会計基準によると、『当期首残高』と当期末残高を比較するもので、『前期末残
高』と当期末残高の比較ではない」と指摘されてしまいました。

 計算規則96条7項にも「前期末残高」とあるため、まさかと思ってEDINE
Tで、当社(アクモス)、ソニー、新日鉄の株主資本等変動計算書を調べましたら、
やはり「前期末残高」と表記されていました。

 不思議なこともあるものだと、再度、有田氏の指摘を考えていましたら、「新会
計基準によると」とあったので、「計算規則の改正があったのだろう」と気づき、
確認しましたら、案の定、本年3月の改正で「前期末残高」が「当期首残高」に変
更されていました。

 その改正で、よく使う合併に関する計算規則35条等では、「すべて」が「全て」
に改正されていました(以前は「規定する」が「定める」に改正されたことがあり
ます)。

 こういう改正について、どう思われますか。
 「前期末→当期首」「すべて→全て」という内容面以外の改正で、市販されてい
る会社の計算本のスベてが、改正を反映していない古い本というイメージがついて
しまうのです。

 母体である会社法の条文では、「全て」ではなく「すべて」ですから(例:取締
役会は、すべての取締役で組織する)、なぜ会社計算規則を改める必要があったの
かと、大いに疑問です。生まれてまだ5歳なのに、もう反抗期なのでしょうか。


2011.11.04(金)【デモシカと学卒司法書士】(金子登志雄)

 今週の本欄は、久々に東京以外の司法書士の連続投稿でしたが、それぞれ内容に
も文章にも個性があり、楽しんでいただけたと思います。

 司法書士業界は地味ですが、タクシーの運転手と同じく、技術一本で生きられる
世界ですから、私を含めて、さまざまな業界からの参入者(吹き溜まり?)がおり、
みなさん個性的です。リーガルスターという司法書士劇団をみると、プロの出身か
と思われるほど演技が上手な方もいらっしゃいましたし、昨年の東京司法書士協同
組合の忘年会の余興には、何とドラーマーまでが登場していました。

 中には、なりたい職業への夢が破れ、あるいは生涯にわたりサラリーマンという
生活設計に予定外の事情が発生し、「仕方ない、司法書士でもなろうか」と勉強し
てなったデモシカ司法書士も少なくないことでしょうが、合格率2%台という難関
な国家試験ですから、「司法書士【でも】なろうか」ではなく、「司法書士になる
【しか】ない(他の道は考えられない)」といった筋金入りのデモシカのほうかも
しれません。

 共通点はみなさん地味で真面目で、政治家になろうなどという目立ちたがり屋や
野心家が少ないことでしょうか。逆に言えば、目立ちたがり屋などは、司法書士を
目指さないのかもしれません。

 デモシカであっても司法書士になったことを後悔している方はないと思いますが、
学校を卒業後何の仕事経験もなく司法書士になった若い人の中には、超零細な3坪
事務所に将来の夢を持てず、知らない世界である綺麗なオフイスで同僚が多数のサ
ラリーマン生活に対する羨望もあるようです。

 そんなときは脱サラのデモシカ先生に聞いてみることですね。明日の生活の不安
はあっても、嫌な上司がいないだけで十分に幸せだと説かれ、「こっちの水は甘い
ぞ、あっちの水は苦いぞ」といわれることでしょう。しかし、これじゃ人生勉強や
社会見聞にはなりませんね。


2011.11.02(水)【被災地の司法書士のつぶやき】(仙台・立花宏)

 先日、ある不動産取引の決済の立会をしてきました。

 不動産の購入者は、3月11日の東日本大震災で、住んでいらっしゃった自宅に
被害を受け、大規模半壊の判定を受けました。全壊ではないものの、とても住める
状態ではなく、これまで、親戚の家に身を寄せていらっしゃったそうです。

 こういったケースの場合、一定の要件がそろえば、今年4月27日に施行された
「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律(以下、
「震災特例法」という。)が適用となり、あらたな建物の取得(その建物の敷地の
取得も含みますが、面積等の要件があります。)とその建物等を取得する資金の融
資を受ける際の抵当権設定に係る登録免許税の免税措置が受けられます。

 今回のケースの場合も、震災特例法が適用にならないかを検討し、法務局に照会
もしましたが、適用を受けることはできませんでした。

 というのも、震災特例法は、被災して滅失した建物の代替の建物を取得する際に
適用になるため、震災特例法の適用を受けるためには、震災により、被災建物が全
壊したか、または、損壊したためにその建物を取り壊していること(取壊しが完了
していることが必要)が要件となっています。

 しかし、今回の購入者の方は、大規模半壊の判定は受けていますが、被災した自
宅を、まだ取り壊していなかったのです。

 自宅が大きく被災したことと、震災時の津波の浸水地域でもあったため、新しい
生活のための中古の建物とその敷地を購入した、という事情だったのです。

 立会の際、購入者の方に登記費用の説明をしていると、仲介の不動産会社の方が、
「なぜ、震災特例法がつかえないのですか。」と、私を責めるかのように質問して
きました。

 事前に見積書を提示の上、震災特例法は適用にならないことは説明済なのです。
おそらく、不動産会社の方は、こちらが見積書を提示する前に、震災特例法が適用
になると購入者の方に説明していたのだろうと想像しながら、私は心の中で苦笑し
て、購入者の方に理由を説明しました。

 しかし、説明していると、不動産会社の方の言いたいこともわかるような気がし
てきました。購入者の方の被災した自宅は、取り壊す予定なのです。解体業者の方
に依頼はしているものの、解体業者の方も震災対応のため、なかなか都合がつかず、
解体できない状態なのです。

 被災地である私の地元では、被災して住居をなくされたりした方が自宅等を建築
するための建築工事の需要が高まっており、その工事をする技術者が不足していま
す。日本全国から技術者が集まってきているようですが、それでも足りない状況の
ようです。今、建築工事の請負契約をしても、工事を着工するのは来年中旬以降、
という建築会社もあるようです。

 私の自宅も、幸運なことに大きな被害はありませんでしたが、屋根瓦がこわれ、
屋根が損傷を受けました。その修理が完了したのはつい先日です。一部、崩れ落ち
たブロック塀はまだ、修理の目途がたっていません。4月上旬に建築会社に依頼し
てもこの状態です。

 また、屋根の修理についてはこれでも早かったほうです。周辺では、まだ応急措
置で屋根に青いシートがかかったままの家屋が多数あります。

 解体工事だって、きっと、同じ状況のはずです。

 はたして、このような状況でも、被災した建物の取壊しが完了していないと、震
災特例法は適用できないものでしょうか。

 私の説明後、その不動産の購入者の方は言いました。
 「司法書士さん、仕方ないよ。決まりだもの。私は幸運な方さ。知り合いには、
仮設(住宅)に入っていて、まだ、行き先の決まらない人も結構いるんだから。」

 決済の立会は無事、終わりましたが、私はなんともいえない無力感を感じながら、
事務所への帰路についたのでした。


2011.11.01(火)【サイバー攻撃と登記】(島根・根来川弘充)

 最近、大手企業及び官公所のコンピューターが、サイバー攻撃を受けていたとテ
レビ等で報じられました。大手企業にいたっては、軍事機密が漏えいした可能性も
否定できないのだそうです。

 また、こちら(島根)の地方紙では、金融関係でインターネットバンキングを利
用する際、情報が不正に取得され、被害がでているという記事も目にしました。

 このようなニュースを見ますと、インターネットが絶対安全であるという時代は、
まず来ないであろうと考えた方がよさそうです。なぜなら、防ぐ技術の進歩が、同
時に侵入する技術の進歩につながるという悪循環が必ず存在すると考えるからです。

 今、私達司法書士が業務としている不動産及び商業の登記は、データ化されてお
り、インターネットによる電子申請をすることが原則となっております。万が一、
いや、億が一にも不正に侵入されることがありましたら、不動産の権利が奪われた
り、会社が不正に乗っ取られたりされかねません。

 そのような事態になったときを考えますと、「想定外」だったと、解決に何もつ
ながらない発言をする時の指導者や責任者たちの姿が、安易に想像できるだけに、
不安が大きくなるばかりです。

 大震災による原発事故によって、「安全神話」が崩れました。「想定外」のこと
が起こった場合にどうするのか。

 これを考えることが、今後ますます重要な社会になるだろうと思います。


2011.10.31(月)【COO・・・・・・】(大阪・田中利和)

 すっかり,朝晩が冷え込む季節になってきましたね。

 先日,本欄にも書いた,「●●●●を紹介するポータルサイトの運営」を事業目
的とする設立登記が無事に完了しましたので,ほっと胸をなでおろしていました。

 実は,依頼者曰く,TPPに備えるために設立した会社でした。備えるといって
も,実際のところ,どうなるかはわかりませんが,事業が順調にいくことを願って
います。

 さて,設立登記が完了し,その余韻にひたっていた時,「議事録を作成したので
確認してください」という依頼がありました。

 早速確認したところ,

「・・・下記のとおり選任したので・・・・
        
       記 
 取締役副社長 甲野太郎 COO」

ん・・・・ ”COO” これはロゴ? なにかのマーク? 

 確認したところ,「これはマークではありません。シーオーオーです」とのこと。

 ”Chief Operating Officer”の頭文字をとって ”COO”というそうです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%80%E9%AB%98%E5%9F%B7%E8%A1%8C%E8%B2%AC%E4%BB%BB%E8%80%85

 ”CEO”(「シーイーオー」最高経営責任者)は,比較的,よく耳にするので
すが,COO,CFO・・・知りませんでした(汗)
 AKB・・・なら、知ってます(キッパリ!)

 最近は頭文字をとったものが多いので困ります。というか,単なる私の勉強不足
ですね。

 ところで,”ESG” 皆様,大丈夫ですよね(^_^;)


2011.10.28(金)【2階は書斎】(金子登志雄)

 田中さん、立花さん、私の笛に応えてくださりありがとうございました。

 田中さん、
 ポータルサイトに限らず、コンピュータや通信関係では、やたら意味不明のカタ
カナ用語を使うので、事業目的の登記においても認められるのかと迷いますね。先
般は、事業目的にM&Aという単語があり、このままで登記されるか若干の不安が
ありましたが、何の問題もなく登記が完了しました。以前は、「企業買収」さえ否
定されていましたから、会社法以後、相当、緩和されたことが分かります。

 立花さんwrote:
 「私たち司法書士も同じではないかと思いました。二階で研究したことを一階の
仕事に反映し、一階の仕事で生じた疑問やアイデアを、二階で研究する、そんな生
活をしてはじめて、一人前の仕事ができるのだと思います。
 おそらく、金子先生や富田先生も、(後略)」

 はい、私や富田センセにとっては、1階が司法書士業務で2階が書斎(モノ書き
部屋)です。執筆活動で気づいたことを1階の実務で実行し、実務で疑問に思った
ことを2階で研究します。

 実務書や受験本を書くということは、ふだん勉強していない部分まで勉強しなけ
ればなりませんし、分かっていることも更に分かりやすい表現は何かと工夫を重ね
なければなりません。執筆量の多い富田センセや鈴木センセは、土日も休まず2階
に閉じこもっているようですよ。

 執筆など止めて本業に専念せよという方もいらっしゃいますが、立花さんのおっ
しゃるとおり、2階での研究があるために、他と差別化した仕事ができるのだと思
っています。たまに講演の機会に話しますが、私の上場会社の顧客の約半分は1階
建の司法書士が中途半端な知識でミスし、会社が困り果て、まわりまわって私のと
ころに駆け込んできた先です。中途半端な理解は何も知らないより、大きなミスを
するものです。

 中途半端な理解かどうかは、そのことに関する論文を書いていれば自分で気づき
ます。そこで自問自答がはじまり、解決すれば、1段とレベルアップできます。若
い立花先生も、ぜひ2階にいる時間を増やし、それを外部に発信してください。そ
れをみた私のような 小舅(こじゅうと)連中が「それは違うよ」と矢を発します
から、ますます立花先生の勉強が深化します。

 田中さんも立花さんも本欄への投稿もぜひ増やして下さい。たかが20行程度の
内容でも、1時間以上を費やしていることでしょう。何度も書き直すことが重要で
す。その時間の積み重ねが血となり肉となることは間違いありません。

 ※全国の若手司法書士で2階を充実させたい方の投稿を歓迎します。
  反論ややっかみの矢が飛んでくるかもしれませんが、命は保証します。


2011.10.27(木)【二階建ての家】(仙台・立花宏)

 「仕事っていうのは、二階建ての家みたいなもんだと思う。一階部分は、飯を食
うためだ。必要な金を稼ぎ、生活していくために働く。だけど、それだけじゃあ窮
屈だ。だから仕事には夢がなきゃならないと思う。それが二階部分だ。夢だけおっ
かけても飯は食っていけないし、飯だけ食えても夢がなきゃつまらない。」

 先日、書店に立ち寄った際、ふと目にとまり、今年の直木賞受賞作「下町ロケッ
ト」(著者:池井戸潤)を購入しました。読み始めると、とても面白く、一気に最
後まで読み切りました。

 主人公佃航平は、かつてロケットエンジン開発研究者として宇宙への夢を追って
いましたが、ロケット打ち上げ失敗の責任を問われ、研究者の道を断念します。

 そして佃は父親の経営するエンジン製作会社である町工場を継ぎますが、ロケッ
トへの夢を捨てきれずに、会社の中に、ロケットエンジンに通用する部品の開発研
究をする部門を設け、その研究で培った技術を、一般のエンジン製作に活かすこと
により、会社の業績を伸ばします。

 そのような中、佃の会社が取得していたロケットエンジンの部品に関する特許が、
大企業が計画するロケット計画に不可欠なものであることが判明し、その大企業か
ら、佃の会社が所有している特許を売却するように求められます。

 経営者としては、特許を売却すれば特許は手放しますが、大きな利益を得ること
ができ、会社の経営は安定します。しかし、特許を売却するのではなく、自分の会
社でその特許を使用した部品を製作し、その大企業に納品すれば、ロケット打ち上
げの成否という大きなリスクは伴いますが、自分たちの作った部品で、ロケットが
宇宙への飛び立つという大きな夢を見ることができます。

 経営をとるか、夢をとるか。佃の気持ちは揺れます。

 冒頭の言葉は、そんな状況の中、特許を売却して経営の安定をとるべき、との態
度をとる従業員に対し、佃が述べた言葉です。

 読み終わった後、ずっと、この言葉が頭から離れませんでした。

 もし、自分の趣味として研究を続けるのであれば、二階建の家の二階ではなく、
現実の世界を離れて、極端にいえば、別荘で行った方が集中してできるし、楽しい
のだろうと思います。

 なぜ、二階で行うのか。

 二階で行えば、二階での研究を一階での仕事に反映させるも容易ですし、一階の
仕事で生じた疑問やアイデアを、二階の研究に活かすこともできます。

 近い場所で行ってこそ、両者を密接に関係させるからこそ、夢も追えるし、生活
もできるのだ、ということなのだと思います。

 私たち司法書士も同じではないかと思いました。二階で研究したことを一階の仕
事に反映し、一階の仕事で生じた疑問やアイデアを、二階で研究する、そんな生活
をしてはじめて、一人前の仕事ができるのだと思います。

 おそらく、金子先生や富田先生も、そのように、公私の区別なく研究や仕事を行
っているからこそ、第一人者として活躍されているのだろうと想像します。

 いつか私も、金子先生や富田先生のようになれるよう、がんばりたいと思います。

 でも、そのまえに・・・。生活のための1階をしっかりさせたいと思います。


2011.10.26(水)【オチのないポータルサイト】(大阪・田中利和)

 先日,株式会社▲▲▲を商号とし,「●●●●を紹介するポータルサイトの運営」
を事業とする会社を設立したいとの依頼がありました。早速,同一商号を調査し,
準備を進めているところです。

 ところが,この「ポータルサイト」の意味がわかりません。依頼者に聞いても,
ピンときません。調べたところ,なんとかその意味が理解できました。

 ポータルとは、港(port)から派生した用語だそうです。門や入口を表し,特に
豪華な堂々とした門に使われた言葉で,Webにアクセスするために,様々なコン
テンツを有する,巨大なサイトをポータルサイトというようになったそうです。

 なお、Web全般を対象とした総合的なポータルサイトの他に、特定のジャンル
に特化し、そのジャンル内における各種情報を総合的に案内するタイプのWebサ
イトを、ポータルサイトと形容する場合があるそうです。

http://www.weblio.jp/content/%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%88

 さらに調べていましたところ,●●●●が商標登録されています。しかし,この
事業は,設立した会社が,その会社の広告媒体として商標を使用するわけでもなく,
商標自体を広告(紹介)しているので問題はなさそうですし,商標の権利を有して
いる者の了承も得られるようです。

 ところで,閲覧者の皆さん,本徒然の難しさはここからなのです。決して笑いを
狙っているわけではありませんが,ここからオチにつなげるまでが非常に難しいの
です!!

 私がこのようなことを言える立場ではありませんが,金子代表の徒然は,すばら
しいオチにつながっています。

 何の話でしたっけ? ポータルサイトですね。

 ん? そうか,この徒然が私を宣伝するポータルサイトとも言えますね!!
今後は,笛を吹かれたら(18日付本欄参照)、オチがなくても踊ってゆきたいと
思います(^_^;)


2011.10.25(火)【ヨモヤマ話】(金子登志雄)

 渡部さん、商業登記の神様といわれるコウザキ先生をカンザキ先生と読んでは、
イカンザキですよ。渡部さんに「ワタベさん」と呼びかけるようなものです。

 私の勝手な推測では、もともとは「カミザキ」だったのが(カミザキさんも存在
します)、いつしか訛って、「カムザキ→カンザキ」になった地域と、「カウザキ
→コウザキ」になった地域があるのではないでしょうか。あるいは、上崎さんとの
混同を防止したのかもしれません。戸籍には、ルビがふってありませんから、コウ
ザキ先生も、今日からわが家は「カミサキと称する」と宣言すれば、孫や曾孫の世
代では、「ウチはカミサキです」となるはずです。

 コウザキ先生は法務局ご出身ですから、「そもそも、“コウザキ・ミツジロウ”
さんの著書によれば………」と、法務局と戦っても名誉にこそなれ、被害はないで
しょうが、時々、「そもそも、“カネコ・トシオ”さんの著書によれば………」と
法務局で論争する方もいるらしく、これでは私は法務局から嫌われてしまいます。

 ところで、私は、「コウザキ先生と似ている」とよくいわれます。どうも、商業
登記や会社法が本当に好きなんだなというオーラを出しているらしいのです。

 昔、大阪で講演したとき、紹介者の司法書士土井万二さんから「酒の席でも商業
登記の話しかしない先生(と評判です)」と紹介され、苦笑してしまったこともあ
りますが、司法書士相手では、確かにそれはいえますね。

 しかし、酒の席でコウザキ先生や私の近くに座る司法書士が商業登記の話題を振
ってくるので、そう思われてしまうところもあります。今度は、ぜひプロレスの話
題でも振ってください。誰かさんに聞かされた耳学問は学習効果はありませんが、
政治プロレスの話なら興味があります。

 あの北海道出身のエネルギッシュな実力レスラーも権力闘争の犠牲で今や刑務所
内ですし、岩手出身の超実力レスラーもマスコミの扇動による魔女狩りリンチでリ
ングに上がることさえできない状態のため、政治プロレス・ファンとしてつまらな
い思いをしているところです。

 大男の米国人レスラーと対等に渡り合える国益重視の実力日本人レスラーを同じ
日本人の観客が足を引っ張っているのですから、実に愚かなことです。広島出身の
実力レスラー(カメイ)も、もっとリングにあげて働かせてほしいものですが、オ
バマ・レスラーが国内不人気を何事も言いなりになる日本への圧力で挽回しようと
しているので、TPPも寄り切られてしまうのでしょうか。


2011.10.24(月)【神ア満治郎先生】(島根・渡部浩義)

 もう二十数年も前の昭和の時代のことです。
 大学在学中の私は司法書士受験を志し、九州地方の司法書士事務所でアルバイ
ト補助者(本当はそんなことしてよかったのか?)として日々近傍の登記所を回
っていました。

 受験勉強も熱を帯びてきて知識も新鮮だったというより若気の至り、「剣術覚
えたての新撰組」のようなもので、提出した申請書類に貼られた補正付箋をめぐ
り調査係官や登記官によく論戦をしかけていました。

 どこの登記所であったかは今となっては記憶さだかではありませんが、間違い
なく商業登記申請での補正をめぐり受験生補助者としては引き下がれないことが
あり、「そもそも、“カンザキ・マンジロウ”さんの著書『図説 商業登記法』
によれば、そんな書類は添付する必要がないはずです! 」と調査係の職員さん
相手に熱弁をふるい、相当熱い論戦になりました。

 その私たちのやり取りの一部始終を横の机で聞いていた登記官氏が口を開き、

登:「わかったよ、おにーさん。アンタがそこまでいうなら添付なしでよかっ
  チャろーたい。」の言葉の後、「おい、そのまま登記記載に回せ。」と調査
  係氏に対する指示。

私:(その一言を聞き、内心『今日もやったーっ!』と喜び勇んでおりました。)

登:「でもね、“コウザキ・ミツジロウ”を“カンザキ・マンジロウ”と読んで
  いるようでは、残念ながら今年もまだ試験には受からんチャねー。」と笑顔
  で続けられ、

登:「そこのとこはコウザキさんの出身地管轄法務局としては是非とも補正して
  欲しいチャねー。」

私:「・・・・・。(えっ、そうなの、、、【わき腹に冷たい汗】。)」

 その後も神ア先生前掲の著書『図説商業登記法』は、「あのボリュームで、こ
の価格」ということもあって、版を重ねられるたびに購入して夜な夜な読み込ん
だ記憶があります。そして私たちの受験時代には誰もが読んでいた先生のペンネ
ームによるもうひとつの商業登記の名著も。今日、私が司法書士を名乗れている
のも神ア先生のおかげによる部分が大きいことは間違いありません。

 私が神ア先生にはじめてお目にかかったのは、島根に帰郷して開業した後の平
成の世になってからのことです。「こんなに精力的な方なのか・・・・!」とい
うのが強く印象に残っています。

 『サ行』の発音に独特の発音をもつ島根・出雲地方出身の私は、同じく『サ行』
に独特の発音がある学生時代をすごした北部九州地方に、とても親しみを覚えま
した。そしてご出身の神ア先生にもその独特の『サ行』発音があることに、失礼
ながら勝手に親近感を感じます。

 初めてお目にかかってから15年以上も経つと思いますが、今日もその精力的
な講義、執筆活動には圧倒され続けています。どうも最近、私は仕事がうまくい
かなくなり疲れてくると、頃合いよく神ア先生や金子代表にお目にかかる機会に
恵まれ、元気をもらって地元に帰るという傾向があるようです。


2011.10.21(金)【自己株式を処分しても分配可能額は不変】(金子登志雄)

 来年1月下旬出版の新著から1つご紹介しましょう。
臨時決算を経ない限り、自己株式を処分しても分配可能額は不変という原則です。

 ★分配可能額(100)=剰余金(200)−自己株式簿価(100)

において、自己株式80を【100】で処分すると、剰余金が20増えて(自己
株式処分差益)、自己株式が80減少しますから、

 ★分配可能額=220−20=200

です。自己株式80を【50】で処分すると、剰余金が30減少し、自己株式が
80減少しますから、

 ★分配可能額=170−20=150

です。いずれも分配可能額が処分価額(自己株式対価額といいます)の100又
は50だけ増えてしまいます。

 ということは、自己株式を処分すれば分配可能額を増やせることになりますの
で(純資産額が増えます)、こりゃまずいということで、自己株式処分があった
場合の分配可能額は、

 ★分配可能額=剰余金−自己株式簿価−自己株式対価額

になります(臨時決算を経た場合は、その必要がありません)。

 会社法461条2項の臨時決算部分を除くと条文が次のようになっています。
1号から3号と4号を控除してください。
-----------------------------------------------------------------------
 1 剰余金の額
 2 ………
 3 自己株式の帳簿価額
 4 最終事業年度の末日後に自己株式を処分した場合における当該自己株式
  の対価の額
-----------------------------------------------------------------------


2011.10.20(木)【地域格差】(金子登志雄)

 渡部さん、投稿ありがとうございました。

 確かに、地方の郡部地区には会社の数が少なく、商業登記の事件数も限られます
ね。バブルの頃は、地方からも東証マザーズなりの上場会社が登場したりして、地
元の司法書士があたふたしたこともあるようですが、最近は、そういう話も聞かな
くなりました。

 では、会社数の多い都市部の司法書士は、大量に商業登記案件を受託しているか
というと、そうとは限りません。多くの事件が老舗の事務所や営業力のある事務所
に流れてしまい、全く商業登記案件のない事務所も多数あると聞いています。

 東京のど真ん中に事務所を構える当事務所など、さぞ大量に扱っているだろうと
勘違いされている部分もありますが、もし、そのとおりでしたら、当事務所も大事
務所になっていることでしょう。いつも頼んでいる司法書士事務所がヘマでもしな
い限り、他の優秀な事務所に切り替えるなどという行動は、義理固い日本の企業は
しないものです。

 ところで、格差といえば、いま世界中で貧富の格差に対する抗議デモが起こって
います。日本でも、行きすぎた市場原理主義(新自由主義、小泉改革が典型例)で、
中間層がいなくなり、かつ地方が疲弊してしまったようです。

 これをもって構造改革が不十分だったとの見解もありますが、日本的な従業員を
大事にする終身雇用制や、地方を重視する政策が、ことごとくグローバルスタンダ
ードに合わないと米国から突き上げられ、大手マスコミもその尻馬に乗り、経済政
策で失敗した面も少なくないでしょう。製造業の派遣が認められて、正社員と派遣
社員という身分格差も生じました。TPPで、また失敗しそうですね。

 こういう面からみると、商業登記庁の統廃合も地域格差を増大させる一因なので
しょうが、都会にはオンライン申請に長けた司法書士が多いので、この際、東京法
務局を島根県に移転せよと渡部さんが頑張るなら、応援しますよ。


2011.10.19(水)【商業登記スペシャリスト養成塾】(島根・渡部浩義)

 一週遅れての報告です。
 過日の連休は、都内で行われた神ア満治郎先生主宰“商業登記倶楽部”の『商業
登記スペシャリスト養成塾関東教室』で“生徒”を務めてまいりました。
(2011.10.11付 金子代表投稿文参照)

 盛況でした。日本全国各地からの熱心な同職の参加者に交じり、久しぶりに神ア
先生はじめ当ESGの金子代表、会友である鈴木龍介先生らの講義を拝聴しました。

 司法書士の世界に身をおいた者であれば、上記いずれの先生の著作を見たことが
ない、話を聞いたことがないという人は稀でしょう。これらの先生方の精力的な生
講義を連続して伺えるのですから贅沢な時間を過ごしたことになります。

 私は勝手に、「神ア節」、「金子節」、「鈴木節」と呼ばせてもらっていますが、
どの先生も講義の運びのうまさはもちろんのこと、聞く者を惹きつけるそのしゃべ
り方(話術)にはそれぞれ独特のものがあります。こうした講義を年に何度もこな
される場数の多さや扱われた案件数の豊富な経験に裏打ちされている部分も大きい
とは思うのですが、練習されてどうのこうのではない、生来の持ち合わされた素質
によられる部分も大きいと思います。

 せっかくの名講義の連続であったにもかかわらず、商業登記所がはるか遠くに去
ってしまった田舎町から出掛けた昭和の合格者(私のことです)には、講義内容に
ピンとこないことが多くなりました。

 『商業登記所80庁化は司法書士にとってのチャンス』と唱えられる神ア先生あ
たりからは叱責をいただくのかもしれませんが、人数少なく高齢化の進んだ田舎で
は間違いなく商業登記案件はなくなりました。商業登記に関する相談案件すらここ
のところ私にはありません。
 
 私自身の地元での人気の低さ、営業活動のまずさもあるのかもしれませんが、田
舎の周囲環境をみれば如何ともしがたく、もはや最低でも市制を敷くような人のい
る場所でなければ商業登記案件は無いかのような錯覚すら覚えます。また、今回い
ま一人の講師であった草薙智和先生※のような若くて優秀な方の話を伺うと、間違
いなく東京という場所の“威力”と自分が過去の者になりつつあることを感じざる
を得ません。

 3日間毎日、講義が終わると宿泊先までの帰路、賑やかな夕方の東京の街をなん
となく地下鉄2駅分ほども歩きながら、『私自身の商業登記とのこれからの関わり
合い方もこの研修で見定めたい。』そんな思いも頭の中をよぎり始めました。

 まったくもって「スペシャリスト養成塾」や平素の「ESG法務研究会」の看板
に申しわけのない末席の“生徒”となりました。

  ※草薙智和先生のブログ http://shoshi-kusanagi.cocolog-nifty.com/blog/


2011.10.18(火)【笛吹けども踊らず】(金子登志雄)

 富田さんは人気者ですね。昨日の閲覧数もいつもよりぐっとアップでした。

 それでいて「この『徒然』が大の苦手です。読み手の感想・望んでいるものが分
からず、正直、書く内容・路線が絞れないのです」などとは………。

 「相手がワルツを踊ればワルツを踊り、ジルバを踊ればジルバを踊る。相手の動
きがみえなければ1人で優雅に舞う」を実践しなければ………。

 本欄も、ブログや掲示板形式にすれば、閲覧者から直接さまざまなご意見をいた
だけるのでしょうが、それに丁重に反応していると時間がとられ本業にも影響しそ
うなので、それは今後もしないつもりです。

 もともと本欄は、勉強熱心な若い司法書士を応援しようと、彼らの広報欄のつも
りではじめたのですが、皆さん、忙しいのか、あるいは書くのが苦手なのか(これ
は想像以上に多いようです)、投稿が少ないので、それならばと私1人でも続けよ
うと、日々思い付いたことを書いているだけです。

 こういうのは「笛吹けども踊らず」というのでしょうが、私は、他人の意見を知
るよりも自分の意見を打ち立てることのほうが重要だと思い、読むこと(受信)よ
りも自問自答しながら書くこと(発信)のほうを重視してきましたが、多くの方は
前者こそ勉強だと思っているようです。書いて発表し、恥を書くことのほうが余程
よい勉強になると思うのですが………。

 さて、この2か月間、試行錯誤して書いた来年1月下旬発売の新著(東京司法書
士協同組合刊)の題名は、『ずばり解説!会社の計算〜基礎から応用まで〜』とな
るようです。『ずばり解説!』シリーズ第2弾目ということでしょう。

 皆さんの苦手な会社の計算に、ずばり切り込みました。易しいことを難しく表現
しているだけであることを具体例で説明しました。これを読んで会社の計算に詳し
い司法書士が増えると私は困りますが、分かりやすい本にしないと、私の評価が落
ちる………ジレンマを乗り越え、いつもどおり後者を最優先して相当踏み込んだ内
容にしましたので、司法書士各位は、「ずばり購入!」でお願いします。

 ※本欄に書いてみたいという意欲のある方は、メンバーに声をかけてください。
 

2011.10.17(月)【「へんなことに博識で〜 」失礼ですね(怒)!】(富田太郎)

 14日の徒然に、
「もちろん、へんなことに博識で、プロレス大好きT先生も驚いていました。」

へんなことに博学?? 金子先生! 失礼ですね(怒)! 困ります!


 ところで、本徒然も平成19年4月から始まり、もう4年半がたちました。土日、休日を除
き、毎日欠かすことなく継続しており、これはある面では凄いことではないでしょうか? ひ
とえに、文章好きの金子先生、島根のWさんのご尽力によるものだと思います。

 私などは、この「徒然」が大の苦手です。読み手の感想・望んでいるものが分からず、正直、
書く内容・路線が絞れないのです。

 ところで、ちょっと余談ですが、私の文章遍歴を・・・。

 初めて、公?の文章を書いたのは、勤めていた金融機関の社内報でした。新入社員だった私
は、社内報に、『プロレスの美学』というエッセイ(個人的にもらったプロレスラー「デスト
ロイヤー」からの手紙、プロレスラーの流血写真まで載せ♪ 村松友視ばり名文!)を書き、
「次号に続く!」としました。

 しかし、発刊と同時に、役員に呼びつけられ、「新人のくせに、わが社内報に、(下劣な)
プロレスのことを書くとは!(怒、怒)」と、その場で連載打ち切り・・・・(涙)。
(まぁ・・高尚な?『文藝春秋』に広告を出す会社だったからなぁ・・・・。そんなセンスだ
から、倒産したのかな??)

 いずれにせよ、そこで学んだのは、「読み手を意識した文章」を書かなければならないとい
うことでした。

 そして、本格的に書き始めたのは10年前。「法律受験雑誌」の連載でした。6年ほど連載し
ましたが、この雑誌、毎号、読者投票による「人気順位」が発表され、読者の嗜好にあわせる
ため、路線修正の連続で、まさに死に物狂いの執筆でした。

 ここでも学んだのは、「読み手を意識した文章」でした。

 ところが、ESGの徒然は、読者からの反響が分からず、修正のしようがないのです。そん
な折、先週、本徒然を愛読している友人からメールがありました。

 (私の文章に対する賛美・賞賛かな♪♪)

「最近の富田さんの徒然は、なにやら知識をひけらかすような引用が多すぎる。ようは、バカ
になりきれていない。『おれはバカなことを書いているけど、本当は知識あるのだよ』という
のが、ハナにつく」・・・・そうです・・・・(汗)。

 そうかなぁ・・・・? 心外だなぁ・・・・???

 あっ!!

へんなことに博識で〜」・・・・・

・・・・・・・・・

 なるほど!!

 確かに・・・誰も知らない本とかの引用が、このところ多すぎましたね。以後、注意します
・・・(猛省)。

 しかし、反省はしますが、「へんなことに博識で〜〜」は、ないですよね!(怒)。


2011.10.14(金)【自身の登記がないのに印鑑証明がとれる】(金子登志雄)

 表題は信じられない方が圧倒的多数でしょうが、あり得るのです。最近、経験し
ました。

 ある行政書士さん経由で、個人事業者Aさんから支配人Bの登記をしたいとの相
談を受けました。A個人は商号の登記をしていないそうです。

 会社の登記では、支配人は会社の登記簿にしますが、個人商人の支配人の登記は
独立の登記であって、個人商人の登記とは別です。したがって、何となく個人商人
の登記をしていなくても、支配人の登記はできるのだろうなと想像いたしました。

 ところが、支配人の印鑑届に対し、商業登記規則で「商人が支配人の印鑑に相違
ないことを保証した書面及び当該書面の印鑑につき登記所の作成した証明書で作成
後3月以内のもの」を添付書面として要求しているのです。

 上記のAさんに「登記所の作成した証明書」を要求するには、Aさん自身の商号
の登記が必要ですから、やはり、実務上は、支配人Bの登記に、本人Aの登記が必
要なのかと考えてしまいました。

 なら、印鑑届をしなければよいのか、その場合、支配人の解任の登記は誰がする
のかと考えて、ハタと気づきました。支配人の登記は支配人がするとの間違った思
い込みをしていたわけで、支配人の登記申請は使用者Aが申請するのでした。

 商業登記規則をよくみると、印鑑提出者の部分に「商号使用者、………、又は支
配人を選任した商人(会社である場合を除く。)」とあるではないですか。

 支配人の登記には「支配人を選任した商人」の印鑑届が必要で、その印鑑で支配
人の登記を申請すればよく、事前に個人商人の登記をしておく必要はないというこ
とです。支配人自身が印鑑を届けたいときにのみ、使用者の個人商号登記が必要と
いうだけでした。

 であれば、「自身の登記をしていないのに、印鑑証明がとれる」となります。き
っと、司法書士の数%も知らないでしょう。もちろん、へんなことに博識で、プロ
レス大好きT先生も驚いていました。

 なお、支配人の登記には、商号が不要です。記載欄もありません。では、どうや
って、ネットの「登記情報提供サービス」で謄本を取るのでしょうか。試しに支配
人の名前で検索してもダメでした。

 登記所に聞いたら、支配人の名前でよいそうです。私の場合は、たまたま支配人
の氏が「橋」(仮名)だったので、外字が理由で不成功だったようです。タカハ
シでは取れましたから。

(土日ヒマな人に)

 法律も生活も社会の1部です。貴方も、リトマス試験を受けてみませんか。

 http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2011/10/post_278.html#more


2011.10.13(木)【有償無償抱き合わせ増資】(金子登志雄)

 某著名大企業のストック・オプション(新株予約権)の開示に「剰余金の額を減
少して資本金または準備金を増加する議案が当社株主総会において承認されること
を条件として株式分割が行われる場合………」という文章が挿入されており、びっ
くりしてしまいました。

 なぜ、こんなことをすると思いますか。

 きっと、額面株式時代の発想でしょう。

 昔はほとんどの会社が、「額面×株数=資本金」でした。
 「額面5万円×2000株=資本金1億円」の会社が剰余金を100万円資本金
に組み入れると、「額面5万円×2000株<資本金1億100万円」になってし
まい、格好悪い(?)ということで、2000株を株式分割して2020株にする
ことなどが昔はあったのです。

 表題の有償無償抱き合わせ増資というのは、額面5万円で100株増資するとき、
1万円分は剰余金や準備金の資本組入れで補うから、1株4万円だけ払ってくれれ
ばよいなどという増資方法でした。

 その著名大企業の場合は準備金を増加する議案についても定めているため、額面
株式時代の発想だとは断定できませんが、剰余金を資本金や準備金に組み入れて、
同時に株数を増やそう(株式分割)などと考える会社があるのでしょうか。

 額面株式がなくなってから、この10月1日で、ちょうど10年です。世の中は
変われど、人の意識は容易には変わらない1つの例でしょうか。


2011.10.12(水)【代書屋冥利に尽きる】(金子登志雄)

 10月1日合併等の登記が終わる時期となり、依頼者から、あるいは相談にのっ
ていた司法書士等から続々と御礼のメールや電話をいただき、ただいま会社法・組
織再編専門司法書士「冥利に尽きる」という実感を味わっているところです。

 これは司法書士等の専門職がみな感じる感覚でしょう。感じたことがないとした
ら、貴方の仕事は単なるメッセンジャー(使者)並であり、専門家の裁量で、確実
・早期に仕事を完了させていないことになります。

 これに関して、代書屋という表現が司法書士の蔑称として使われることがありま
すが、私は代書屋という表現が嫌いではありません。弁護士の「代言人」に対して、
「文章で勝負する職業」というイメージがあるからです。

 登記申請書はパターンが決まっていますから、そう頭を使いませんが(連件申請
を除く)、議事録案や合併契約書案、定款変更案などで、どういう表現を用いるか、
どう簡潔にまとめるか、どういう順序・配列にするか、この会社ではどこまで詳細
な内容が必要かなどなど、結構、頭を使います。決して、書式を写しているわけで
はありません。

 大企業では、よく「この合併契約は、この定款案は複数の法律事務所のチェック
を受けていますから………」というのですが、われわれの目からは、つけ込み所が
満載のものが少なくありません。

 われわれは、数多くの合併契約や定款をみていますので、「目利き能力」が肥え
ていますし、それ以前に、弁護士さんの仕事は紛争回避(無効原因はないか、裁判
にならないか)であり、われわれの仕事は、それと同時に公証人役場や登記所とい
う関所をいかに通過するかであって、着眼点が違います。

 手形がなくても芸人などは芸を披露すれば関所を通れたとか。われわれは手形を
持っていますが、それと同時に芸を披露すると、関所の審査も簡単に済み、通過時
間を短縮できるものです。皆さん、芸を磨きましょう。


2011.10.11(火)【会社法446条1号】(金子登志雄)

 連休は都内で行われた神ア満治郎先生主催の商業登記倶楽部の関東教室の講義で
講師を務めてまいりました。

 相変わらずの盛況で、北海道や沖縄からも参加があり、久々に会友の鈴木龍介さ
んや島根の渡部浩義さんとも会ってまいりました。

 鈴木さんの講義はいつもながら流暢なのに、私の話は思いつくままあっちこちに
飛び、レジュメも誤植が多く、恥ずかしい思いでしたが、渡部さんによると、これ
が金子節なんだそうです。

 一番受けたのは、次の会社法446条(剰余金の額)1号の解説でした。
--------------------------------------------------------------------------
 最終事業年度の末日におけるイ及びロに掲げる額の合計額からハからホまでに掲
げる額の合計額を減じて得た額
  イ 資産の額
  ロ 自己株式の帳簿価額の合計額
  ハ 負債の額
  ニ 資本金及び準備金の額の合計額
  ホ ハ及びニに掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額
の合計額 
--------------------------------------------------------------------------

 これ、結論をいうと、イ・ロ・ハ・ニは何でもよいのです。ホに関する法務省令
(計算規則149条)の中に、「(イとロ)から(ハとニとA)を減じた額」とあ
るのです。

 つまり、イ・ロ・ハ・ニの全部が相殺されて、最終的にA(その他資本剰余金と
その他利益剰余金)だけが残り、会社法446条が上記のようにイ・ロ・ハ・ニを
規定した意味がないのです。まるで、社長がした約束(会社法の規定)をなかった
ことにしますと、単なる経理担当社員(会社法の下位法である法務省令)に反故に
されたようなものです。

 「馬鹿にするな! と暴動でも起こしたくなりませんか」と説明したら、受けて
くれました。


2011.10.07(金)【1号合併差損と2号差損】(金子登志雄)

 流れに任せて、今週は会社法795条2項1号と2号の特集にしましょう。

 旬刊商事法務1769号25頁によると、1号は次の@、2号は次のAに書き直
せます(この書き直し経路は、東京司法書士協同組合から来年1月中旬に出る拙著
で説明しています)。

 0>純資産増加額+合併対価(株式・新株予約権は除く)………@(1号)
 0>純資産増加額+社債対価………A(2号)

 @で合併対価があれば、純資産増加額がマイナスでも合併差損にならないことが
あるとしているのに、Aのほうで社債以外の合併対価を加算していませんから、合
併差損になります。な〜んだ、@の存在意味がないじゃないかと即座に思った方は、
相当に頭脳明晰な方でしょう。私には無理でした。

 その頭脳明晰な貴方にお尋ねします。@の存在理由を述べてください。これは、
推理能力です(こちらのほうは、私は即座に気づきました)。
 
 お気づきになられたでしょうか。

 合併対価がマイナスのときです。@で合併対価がマイナスであったら、Aで合併
差損にならなくても、@のほうで合併差損になるということです。

 では、合併対価がマイナスとは、どういうことかと、次に進みますが、社債など
負債項目の話ではなく、ここは「簿価債務超過事業」を合併対価にした場合です。

 めったにどころか、全くに近いほど、生じない事態でしょうけど、@の存在理由
はあるということです。
 
 会社の計算の権威である郡谷本などには何の説明もなく、通常の場合は、Aだけ
検討すればよいと書いてあるのは、以上の意味でしょう。

 会社の計算は、なぜか説明不足の本ばかりですから、推理力テストとでも思って
読むしかありません。知恵の輪か、クイズとでも思わないと、楽しめませんが、合
併差損では、もう2週間も楽しませて(?)もらいました。それでも、まだ、完全
には解けていませんので、しばし休憩し、延長戦に入ります。


2011.10.06(木)【株式、社債、新株予約権】(金子登志雄)

 昨日の続きですが、本欄読者から「会社法コンメンタール(商事法務)の解説に
よると、金銭等から株式、新株予約権、社債を除く理由は、分配可能額が減少しな
いから、との解説がありました」とのご連絡をいただきました。

 ご連絡ありがとうございました。しかし、せっかくのご好意ですが、私には意味
が分かりません。株式を対価にし、債務超過会社を吸収合併すると、その他利益剰
余金が減少するのですが、これは分配可能額の減少とはいわないのでしょうか。

 合併対価から株式、新株予約権、社債を除く理由は、既存財産が減少しないから
であって(そのため、この3つには新設型再編の対価能力があります)、「承継」
資産・負債に含まれないからです。

 しかし、社債は「負債の増加」に繋がります。社債対価による「のれん」の計上
を通じて承継財産にも影響します。

 おそらく会社法795条2項の合併差損の規定が「承継」負債・資産となってい
るため、承継していない社債を除外したのでしょうが、「既存財産の減少」と「負
債の増加」に差を設ける合理的な理由があるのかというのが、私の疑問です。
 
 なお、株式であっても、有利発行なら、会社が損をするので、株式だって同じだ
と考えた方はいらっしゃいませんか。これは間違いです。有利発行で困るのは既存
の株主であって、会社自身ではないのです。国債を発行すると国の痛みが増えるか
ら、増税という株式を発行し、国民に痛みを回してしまえという、どこかの増税論
者の考え方は、ここに根拠があります。

 ちなみに、コンメンタール(逐条解説)というのはドイツ語だそうですね。どう
りで、私には理解できないはずでした(英語では、コメンタリーだそうです)。


2011.10.05(水)【2号合併差損と数学能力】(金子登志雄)

 突然ですが、0>X+Y において、Yがプラスだとしたら、Xはマイナスでし
ょうか、プラスでしょうか。

 数学が苦手な方でも前者だとすぐに分かりますよね(試しにYに適当な数字3を
入れてみると、0>X+3 から、△3>Xが導けます)。

 さて、会社法795条2項2号の合併差損は、

  「合併対価(株式等を除く)>承継純資産額」

のときであり、株式等に含まれる社債を除外するのはおかしいと書きましたが(3
日付け本欄)、この規定は、最終的に、

  「0>純資産増加額+社債対価」

と書き直すことができます(旬刊商事法務1769号25頁。その証明は煩雑なの
で省略します)。私流に言うと、「0>株主資本等変動額+社債対価」と同じ意味
です(対価の一部を株式にした場合を前提にしています。そうでないと、のれんが
登場し、原則として純資産額に変動はありません)。

 やはり、おかしいですよね。株主資本等変動額がマイナスになれば、その他利益
剰余金が減少するのであって(計算規則35条2項)、そこに社債を足してプラス
になったら、「合併で純資産額は減少するけど、合併差損ではない」ということに
なってしまいます(社債を加算して株主資本等変動額自体をプラスにするわけでは
ありません)。

 社債によって生じた差損を救済するのなら分かりますが(どんな場合かは不明で
す)、現実には、社債がなければ差損なのに、社債を加算したために、総会の承認
決議を回避できるという逆効果になっているのではないでしょうか。

 念のため、会社法の母体になった現代化要綱試案には、「合併対価の存続会社の
簿価が承継する純資産額を上回る場合」とあるだけで、合併対価から社債を除外し
ていません。

 マイナーな部分ですが、私が何かとんでもない勘違いをしているのか、ぜひとも
専門家のご意見を伺いたいと思っているところです。


2011.10.04(火)【10月1日合併】(金子登志雄)

 昨日は10月1日合併・再編の登記申請日でした。ありがたいことに、3か所の
法務局で、数件の組織再編の登記を申請してまいりました。

 実は今年4月1日付の組織再編登記の受託がゼロでした。3月31日合併などの
仕事はあったため、実質はゼロとはいえないのですが、組織再編登記の書き入れ時
である4月1日に「組織再編の金子」が申請件数ゼロとは、実に情けなく、いよい
よ斜陽の始まりかと覚悟していたのですが、後半になりましたら、私が大好きな込
み入った複雑な再編の仕事がいくつか入ってきて、当事務所も活気づきました。

 吸収合併と種類株式による増減資・減準備金に、大幅な役員変更と本店移転、そ
れに株式交換や吸収分割、社外役員問題などが絡んでくると、楽しくなってしまい
ます。いずれも過去に何度か経験した内容で、私には目新しいものではありません
が、たまにしかお目にかかれないので、「ようこそ、いらっしゃいました。首を長
くして、貴方様をお待ち申しあげておりました」という心境です。
 
 複雑な再編の登記の仕方は、登記の順序をミスしたらアウトです。AB、BCが
合併するのに、ABを先に申請し、Bを解散させてしまえば、BC合併ができなく
なります。実体法的にみれば、AはBの権利義務承継者だから、AB合併を先行さ
せて、後にAC合併にしてもよいではないかと思いますが、登記では、おそらく認
めないでしょう。閉鎖したBの登記簿に「Cを合併」とは記載できないからです。
もとよりAの登記簿に「Cを合併」と記載するのも不自然です。

 とはいえ、登記申請は受験と同じで、合格発表があるまでは、落ち着きません。
こればかりは「慣れ」はないのかもしれません。今日から数日間は、法務局から電
話が来ないことを祈るばかりです。あれは事由の如何を問わず、ドキっとし、どこ
をミスしたのかと不安に襲われ、健康によくありません。過去の経験から、単なる
問い合わせでしかないことが多く、これが理由で、調査官がひっかかりそうな部分
につき、事前に説明書を添付するようになったという次第です。


2011.10.03(月)【2号合併差損】(金子登志雄)

 合併差損について規定する会社法795条2項について、真剣にその意味を探索
した方はほとんどいないと思います。私も同じでしたが、本を書くため、挑戦して
みましたが、同2号の「交付する金銭等(吸収合併存続株式会社………の株式等を
除く)の帳簿価額が承継資産額から承継債務額を控除して得た額を超える場合」の
意味につき、ここ1週間ほど悶々と考え続けてしまいました。よき参考資料がなか
ったためです。

 交付する「金銭等」とは合併「対価」のことですから、「合併対価>承継純資産
額」なら会社に入ってくるものより出て行くもののほうが大きいから、合併で純資
産額が減少することは誰でも分かります。

 不明点は、なぜ合併対価から「株式等を除く」のかでした。特に、社債を除く理
由が分かりませんでした。

 株式等とは「株式、社債及び新株予約権」のことですが(107条2項2号ホ)、
株式や新株予約権は貸借対照表の資産・負債ではないため、除外する理由は分かり
ますが、社債は負債項目です。

 吸収合併で受け入れる純資産額が100なのに、新規社債120を対価として交
付すれば、20の純資産額が減少するはずなのに(実際はのれんが登場するため相
当複雑です)、なぜ除外するのでしょうか。

 いろいろ考えた結果、社債は新たに会社で発生させるもので、既存の財産ではな
いため、「承継」純資産とはいえないことが根拠だとしか考えられませんでした。
会社法795条に「承継」資産・債務とあり、合併で変動(増減)する資産・負債
と表現していないのは、そのためのようです。

 資産に計上されている自己社債を対価にした場合も、既存資産の減少ですが、同
時に外部からの負債に変化するため、新規社債と同様に考えるようです。

 しかし、現金を対価にし、未払い現金を直ちに準消費貸借で負債に変更した場合
と大差がないと思いますので、社債を特別扱いする理由は、いまだ納得しかねてい
ます。


2011.09.30(金)【同一住所・同一商号】(金子登志雄)

 ご承知のとおり、現在では、類似商号は禁止されておらず、同一住所・同一商号
だけが禁じられています(商業登記法27条)。株式会社ABCとABC株式会社
は、マエ株とアト株という大きな相違がありますので、同一商号ではありません。
株式会社AbCとも同一とはいえないでしょう。

 これに関して、先般、面白い経験をいたしました。株式会社渡辺商店を株式会社
渡邊と変更したので(注:仮名です)、早速、登記を申請したのですが、誤って株
式会社渡「邉」で申請してしまいました(第1申請)。

 過ちに気づき、電子申請で行った第1申請の登録免許税が納付前であったことを
幸いに、また、急ぎの事情があったので、すぐに、株式会社渡邊で再申請しました
(第2申請)。

 この場合に、第1申請を却下してほしいと思ったのですが、未納付が確定するに
は時間がかかりますし、第1申請と第2申請が同一商号ということで、第2申請を
却下されても困りますので、法務局に相談しましたら、第1申請を誤字による補正
を理由に取り下げればよいといわれ、そうしました。

 @第1申請→A第2申請→B第1申請の取下げの順序です。

 しかし、Bの段階で辻褄があったとしてもAの申請段階では第1申請と同一商号
だから、厳密にいえば、却下事由になるのかもしれないと考えてみました。

 いや、渡「邉」と渡「邊」では同一商号とはいえないからセーフかな、いやBの
時点で同一商号問題の瑕疵が治癒されたと考えるのだろうかなどとも考えましたが、
登記所の運用を知ろうと元登記官で商業登記界の大御所の神ア先生に電話質問しま
したら、「取下げによって第1申請はなかったことにされるから(遡及効)、瑕疵
の治癒と考えるまでもない」とのことでした。

 登記は無事に終わりましたが、登記所が株式会社渡「邉」と株式会社渡「邊」を
同一商号と判定するかどうかについては、いまだ不明です。斎藤と齋藤はどうでし
ょうか。富田と冨田もありますね。


2011.09.29(木)【計算規則39条2項ただし書】(金子登志雄)

 株式交換で債権者保護手続が不要である新株式のみを対価にした場合は、計算規
則39条2項ただし書によって、払込資本のうち、資本金・資本準備金にしか計上
できず、その他資本剰余金に計上することができません。

 私の本でそう信じていた税理士で友人のT先生、改めて計算規則39条2項ただ
し書をみたら、あれ、「その他資本剰余金」が生じるじゃないかと思ったようです。

 次の規定です。【 】は私の挿入です。
--------------------------------------------------------------------------
 株式交換完全親会社の資本金及び資本準備金の増加額は、株主資本等変動額に対
価自己株式の帳簿価額【0円】を加えて得た額に株式発行割合【100%】を乗じ
て得た額【すなわち、株主資本等変動額】から株主資本等変動額までの範囲内で、
株式交換完全親会社が株式交換契約の定めに従いそれぞれ定めた額とし、当該額の
合計額【株主資本等変動額と0円との合計額】を株主資本等変動額から減じて得た
額をその他資本剰余金の変動額とする。
--------------------------------------------------------------------------

 T先生に、次のように返しました。
--------------------------------------------------------------------------
 株主資本等変動額から株主資本等変動額までの範囲内で定めた額とは、100か
ら100までの範囲内だから、100しか定められないという意味です。
 当該額の合計額である株主資本等変動額を株主資本等変動額から減じて得た額は
ゼロですから、「その他資本剰余金の変動額は、0円」とするという意味で、計上
できないという意味です。
--------------------------------------------------------------------------

 【 】部分がないと、T先生と同様に思ってしまう方も多いことでしょう。
 我ながら、こういう難解なデジタル表現をよく解読したものだと今更ながら思い
ますが、慣れてくると、知恵の輪を解くように面白いものです。こういうデジタル
表現だと減資も負の増資と表現しかねませんね。


2011.09.28(水)【相手がワルツを踊れば、ワルツを踊り〜】(富田太郎)

 先日、直木賞作家である村松友視の『私はプロレスの味方です』を30年ぶりに
再読しました。その本によれば、『プロレスの美学』とは、

「相手がワルツを踊れば、ワルツを踊り、ジルバを踊ればジルバを踊る」
(By ニック・ボックウィンクルの言葉)

の言葉に代表されるように、

「たとえ対戦相手が3くらいの実力しかなくても、(相手のスタイルに合わせ&よ
さも引き出し)8くらいの実力があるように見せてあげ、その上で10の力で勝つ」

ということのようです。

 そのような芸当ができるには、相当の実力が必要ですが、なにやら我々の仕事・
人生にも使える話だと思いました。

 ところで、常日頃、「政治家は自己顕示欲の塊で、少しは『プロレスの美学』を
勉強すればよいのに」と思っていました。

 前首相の菅直人が2010マニフェストで書いた『菅直人HISTORY』(市
民運動から総理へ)を読むと、自己賞賛・自己の業績美化一色で、自己顕示欲が相
当強い人間だと思ったことがあります(だから、党内がまとまらなかった)。

 さて、皆さん♪ ここで問題です。下記は野党時代のある民主党議員の発言です
が、誰だか?お分かりになりますか?

<2003年有事関連法案の審議問題>

 有事法制の問題で与党とやり合っている時に、横やりが入ったことがある。
せっかく『ストロングスタイル』の試合で熱くなっているのに、『魔界倶楽部』
が乱入してきた。

※大意⇒有事関連法案を当時の与党自民党と真剣勝負の議論をしているときに、密
室政治に持ち込まれた。

<2008年民主党代表者選挙(無投票選挙)>

 今回の民主党代表選挙も 、『雪の札幌』 を思い出しました。藤波辰爾の待つリ
ングに向かう長州力が藤原嘉明のテロに遭い、試合ができなかった。
 私もぜひとも小沢代表と正々堂々と戦いたかった。リングに上がる前に、引きず
り下ろされてしまいました。今でも無念です。
「(俺は)かませ犬じゃない。」 なんてね。

(以上出典:東京スポーツ2008年9月4日号)

 『ストロングスタイル』『魔界倶楽部』『藤原嘉明のテロ』『かませ犬じゃない』
・・・・・この方は相当のプロレス通です。

 実は、これ『野田佳彦』(現首相)の発言なのです。
そうなんです!野田首相、知る人ぞ知る『プロレス通』として有名な方です。

 『プロレスの美学&虚実皮膜の世界』を知っている野田首相。
もしかしたら、相当の人物かも知れません! 期待大です♪

PS
 この話をESGの仲間全員にメールしたところ
 賛同者続出!話題騒然!と思いきや
 次の日、誰からもメールが返ってきませんでした・・・(汗)。
 我がESG、『会社法のお勉強』ばかりでなく、野田首相を見習い、もう少し
『プロレスのお勉強』もしたほうがよいのではないでしょうか(きっぱり)!


2011.09.27(火)【研修旅行紀】(島根・根来川弘充)

 大きな台風がつづいております。被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げ
ます。

 先週、全国青年司法書士協議会の全国研修会で、浜松に行ってきました。少し大
まわりなのですが、島根から東京に一旦飛行機で出て、そこから新幹線で浜松に向
かいました。

 浜松までは、ひかりですと約1時間半でつきます。
 
 思うに、鉄道が出来たのが、明治時代といいますから、現在まで、わずか1世紀
ちょっとの間に、これだけのインフラが整備できた日本という国は、本当にすごい
国だと思います。

 あと半世紀後には、リニアモーターカーで、東京大阪間が1時間でいけるのだそ
うです。なんとか死ぬまでに一度は乗ってみたいと思います。

 行きの飛行機と帰りの新幹線では、富士山をみることができました。飛行機から
見る富士山は、小さい姿なのですが、あたり一面が雲に覆われていて、とても雄大
に見えました。

 また、新幹線から見る富士山も、いうまでもなくとても雄大でした。

 日本人の力、そして、日本の自然、改めて、どちらも本当に偉大だと思います。

 今年は、本当にいろいろな災害があります。これからもいろいろな災害があろう
と思いますが、きっとこの国は、立ち直ることができるだろうと、強く思いました。

 研修の内容は・・・、それはまた、機会があればということで(汗)。


2011.09.26(月)【台風15号とTwitterによる情報?】(富田太郎)

 皆様、9月21日の台風15号は、大丈夫だったでしょうか?
『東日本大震災』での教訓は、生かされましたでしょうか?

 企業などは早めに従業員を帰宅させたようですが、時すでに遅く・・・夕刻から
各鉄道機関が運転を見合わせた影響で、私の事務所のある新宿では、『帰宅難民』
の方々で溢れかえっていました。

 小田急沿線に自宅のある私も、運転再開と同時に、新宿駅に行ったものの、大混
雑しており殺気立っていました・・・(汗)。

・改札口の開放と同時に人々がなだれ込み、女性の悲鳴の声
・男同士のケンカも勃発

 一時は大混乱でした。
 結局、小田急はすぐに改札規制を行い(賢明な処置です)、その長蛇の列をみて、
私は帰宅を一時あきらめ、事務所に戻り仕事をしていました。

 ところで、昔は、交通機関等の情報・ニュースは、ラジオ・TVしかありません
でしたが、今は『Twitter 』などで生の情報が入手できるので、本当に便利な時代
になりました。事務所にいながら、『Twitter 』の投稿をみれば、小田急新宿駅の
生の情報が分かる♪

★夜11時過ぎ、女性らしき方の『Twitter 』

 『新宿駅をあきらめ、南新宿駅(注)まで歩いて行ったら、駅はガラガラ♪ 
来た電車もガラガラ♪ 私って勝ち組♪』

 の投稿を読み、半信半疑? で『南新宿駅』まで歩いて行ったら、本当に閑散と
しており、電車もガラガラ♪ 座って帰れました♪ なんだったの?? あの新宿
駅の混雑??

 なにやら、新宿駅で並んで待っている方々に申し訳ない気持ちで一杯でした・・。


(注)南新宿駅・・・新宿駅から徒歩6分ほどの隣駅。東京都統計年鑑によれば、
   東京都内では最も利用者数の少ない鉄道駅。

<後日談>
 今、『Twitter 』で話題になっているのは、台風当日の電車のアナウンスです
(真偽のほどは確かではありませんが・・・)。


★「皆さん申し訳ございません。私、運転士はこの仕事を選んだプライドがござい
 ます!皆さまを無事送り届けるまで頑張りますので、どうぞよろしくお願い致し
 ます。」(さすがプロ♪ 乗客感激!)

★「ただいま列車は多摩川の上空を通過しております・・」(台風かよ・・・?)


2011.09.22(木)【抱(き)合(わ)せ株式】(金子登志雄)

 甲が乙を吸収合併するとき、甲が乙の株式を持っている場合があります。これを
一般に「抱合せ株式」と呼びますが(会社法用語ではありません)、なぜ、こうい
う表現をするのかと、ネットで検索しましたら、こんな解説が目にとまりました。

--------------------------------------------------------------------------
 抱合せ株式とは、合併会社が保有する被合併会社の株式をいう。
 合併にあたり抱合せ株式に合併新株を割り当てることについて会社法上明文の禁
止規定がない。抱合せ株式に合併新株を割り当てた場合、その合併新株は自己株式
になる。なお、法人税法では、………
   http://www.exbuzzwords.com/static/keyword_3667.html
--------------------------------------------------------------------------

 この「合併にあたり抱合せ株式に合併新株を割り当てることについて会社法上明
文の禁止規定がない。抱合せ株式に合併新株を割り当てた場合、その合併新株は自
己株式になる」は、完全な間違いです。

 合併対価の割当てに関する事項について規定する会社法749条1項3号に「吸
収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び【吸収合併存続株式会社を
除く】)」と明白に規定されています。

 「会社法上」を「商法上」に直すと正しい内容になりますが、会社法が施行され
て、もう4年以上も経過しました。旧商法のことを全く知らない新人司法書士も増
えているのに、こういう文章をこの時点で目にするとは思いませんでした。

 なお、合併対価を割り当てられない合併消滅会社の自己株式と抱き合わせ株式の
ことを会社計算規則で「先行取得分株式等」といいます。抱合せ株式を吸収合併前
に先に一部を取得していたとみるのは理解できますが、消滅会社の自己株式がなぜ
「先行取得分」なのでしょうか。合併を見越して先に自己株式にしていたわけでは
ないでしょうに………。


2011.09.21(水)【急ぎ案件】(金子登志雄)

 会社の設立や合併登記案件は急ぎ案件が多いものです。慣れた法務局は気を利か
せて設立や合併案件を早期に終了させてくれますが、出張所や地方の法務局では、
こちらからお願いしないと、いつものペースにされてしまいます。逆に、面倒なも
のは後回しにされかねません。

 しかし、同職の方の申請と比較すると、私の申請は相対的に早期に終わるようで
す。同職からは「金子さんの知名度効果ですよ」といわれていますが、そうではな
く、審査で登記官が引っ掛かりそうな部分につき、先例のコピー等をつけて申請し
ますし、登記事項は、こことここですよと鉛筆で知らせるなど、サービス精神旺盛
な申請を心がけているからと信じています。

 その先例の添付や私のメモ連絡等で、「この代理人は十分に、この案件を研究し、
分かっているな」と安心してくれ、審査が円滑に進むのだと思っています。

 われわれは十分に調べて登記申請に臨みますし、意味の不明な点があれば顧客に
質問することもできます。ところが、法務局は、いきなり書面を出されて申請され
るわけで、ゼロから審査しなければなりません。議事録等に意味不明な部分があっ
ても、見知らぬ申請人や代理人に容易に質問できる立場にありません。そこに、こ
こは、こういう意味ですよ、ここはお迷いでしょうが、こういう先例がありますよ
と資料がついていれば、法務局の審査が円滑に進むのは当然のことです。

 登記を早く終わらせたいなら、自分が調査官になったつもりで、どこが分かりに
くいか、引っ掛かりやすいかを吟味して提出すると、いつもよりは1日くらい早く
終わるかもしれません。


2011.09.20(火)【敬老の日】(金子登志雄)

 連休はいかがお過ごしでしたでしょうか。

 私は、脇目も振らず、頼まれ仕事の次の著作(会社の計算の本)のことをやって
いました。出版するのはよいが、1冊の本になるだけの分量を書けるか不安だった
ため、ここ1ヵ月ほど、ずっと試し書きを続けていたのです。

 新聞もテレビもメールもほとんどもみずに、ただひたすら書いていたため、やっ
と明るい兆しが見えてきました。200頁超えの目処がついてきました。

 ところで、昨日は敬老の日だったのですね。しかし、昔と違って、今は老人も若
い、若い。加藤茶さんなど68歳で再婚です。実にうらやましい。

 何かのテレビでみましたが、京塚昌子さんが「肝っ玉かあさん」で母親役をやっ
たのは40代初期だそうです。当時(1970年代)は、40代でおばさん扱いだ
ったのです。

    http://www.youtube.com/watch?v=LrjkBBtoIao

 ところが、黒木瞳さんの登場で、40代は、魅力ある世代に変わり、おばさんで
はなくなりました。

    http://www.youtube.com/watch?v=gKTc11doIyY

 いまや、アラフォーなどといって、人も羨む世代になりました。

 私の世代は、アラカンというのだそうですが(アラウンド還暦世代ということで
しょうか)、アラカンといわれ、鞍馬天狗のアラカン(嵐寛寿郎)しかでてこない
私は、精神的には敬老世代なのでしょうか。


2011.09.16(金)【支店廃止と登記所統廃合】(金子登志雄)

 先般、本支店一括申請で支店廃止の登記をしたことを書きましたが、でき上がり
の支店廃止登記の謄本をみて、びっくりしてしまいました。

 東京を本社とするA社には、北海道に札幌支店と室蘭支店がありました(本欄用
に場所を変えています)。札幌法務局に札幌支店の登記記録があり、室蘭の法務局
には室蘭支店の登記記録があるはずです。

 東京法務局に申請した支店所在地での登記内容につき、

 「登記記録に関する事項」
  平成23年9月1日札幌市・・・号の支店廃止

としました。

 この「登記記録に関する事項」に記載するということは、登記記録を閉鎖すると
いう意味になります。

 したがって、私の想定は札幌法務局の登記記録は閉鎖されるというものでしたが、
でき上がりの謄本は閉鎖されておらず、札幌支店に抹消線が引かれ、ないはずの室
蘭支店が記載されているではないですか。

 そうです、室蘭の登記所の商業登記部門が札幌法務局に統合され、札幌法務局の
登記記録に2つの支店が記録されていたのです。これでは、登記記録を廃止しては
いけません。

 札幌法務局の方が気を利かせて、私の申請内容を登記記録中の一部分の抹消と判
断してくれたものですが、登記所の統廃合は登記申請においても要注意ですね。神
奈川県ですら、商業登記庁は、いまや2つしかありません。


2011.09.15(木)【新株予約権の帳簿価額】(金子登志雄)

 新株予約権を行使し株式を手にしたときの株式の払込金額は、会社計算規則17
条により「新株予約権の帳簿価額+行使価額」です。

 問題は、この「新株予約権の帳簿価額」というものが、われわれには理解できな
いことです。

 当初から新株予約権自体が有償で発行されたのなら、例えば、1個100円とし
て発行されたのなら、100個発行した場合に1万円だと分かりますが、ストック
オプション目的で無償で発行されたときも、帳簿価額が生じるのです。

 例えば、「割当日から2年経過後から行使できる」という内容の場合には、これ
を「2年間真面目に働いたら、この権利をあげるよ」というインセンティブ報酬と
みて、その報酬を計算し2年間で按分し、当期分として決算期に1万円なりと計上
したものがこの帳簿価額です。

 比喩で言えば、給料のほかに2年分の報酬として100円分の新株予約権を支払
ったが、会社から100円が出たわけではないので、決算期ごとに当期に対応する
分をあたかも株式払込金の一部前受け分として純資産の部に計上しておくというこ
とでしょうか。

 このインセンティブ報酬の計算が高等数学のようで、司法書士には手に負えない
のです。専門の公認会計士さんに聞いても、○×■△………と答えるだけで、ご本
人もよく分かっていないようです(だから、聞くのは失礼になります)。

 ということで、ある方がおっしゃったように、新株予約権は誰にも分からないブ
ラックボックスですね。


2011.09.14(水)【自己新株予約権の消却】(金子登志雄)

 昨日、ご案内のように、自己株式の消却はその他資本剰余金の減少ですが(計算
規則24条)、自己新株予約権の消却や消滅は、どうなると思いますか。

 たとえば、自社発行の新株予約権(帳簿価額100円)を120円で購入すると、
純資産の部の控除項目として、△120と計上されます(新株予約権と相殺しない
計上方法の場合)。これを消却したときに、120円はどうなるかという問題です。

 会社計算規則には、自己新株予約権をゼロにせよといったようなことしか書いて
ありません。新株予約権は株主資本に属さないので、その他資本剰余金の減少とい
うこともあり得ません。

 会社法立案担当者だった中央経済社刊・郡谷氏の『会社法の計算詳解』(第2版)
247頁によると、

   新株予約権     100 / 自己新株予約権 120
   自己新株予約権消滅損 20 /

とありますから、損益計算書上の損益になります。

 しかし、こんなことを本に書いても、司法書士読者は「登記に関係ないですね」
という反応でしょう。私も、読者目線でない本は書きたくありません。司法書士読
者が喜ぶ「会社の計算」の原稿、今日も、ネタ探しに苦労中です。
 

2011.09.13(火)【自己株式の消却差益?】(金子登志雄)

 どこの誰だか知らない方に、「自己株式を消却したとき、簿価で消却するのか、
消却時点の時価で消却するのか。後者の場合に、差益が生じたら、その他資本剰余
金に計上することでよいのか。分かるなら早急に返事をくれ」というメールをいた
だきました。

 「この無礼者め!」と返事しようと思いましたが、実は、うつらうつら状態の夢
の中の出来事でした。

 頼まれている「会社の計算」の原稿のことをずっと考えているため、半夢の中に
も「会社の計算」が登場してしまいます(皆さん、原稿を書くということはこうい
う状態なんです。一時も頭から離れません)。

 真面目な質問だとしたら、ちょっと面白い問題ですね。

 この質問が愚かだなと思うのは、簿価100の自己株式を時価120で消却した
ら、その他資本剰余金は100を超えて120も減少するのです。差損が生じると
いうべきなのに、質問者は、自己株式の処分と混乱して、差益と思いこんでいるよ
うです。

 うん、時価が80のとき消却したら、20の差益が生じるじゃないかという質問
でしょうか(実際に書き始めると、こういう問題に気づいてきます。書くことで、
さまざまな発見ができ、実に勉強になります)。

 しかし、もともと100で取得したときに、資本の払戻し扱いされ、倉庫に置か
れている状態の株式ですから、消却に差損益の問題が馴染むのでしょうか。

 質問の答えですが、条文がありまして、会社計算規則24条3項に「株式会社が
自己株式の消却をする場合には、自己株式の消却後のその他資本剰余金の額は、当
該自己株式の消却の直前の当該額から当該消却する自己株式の帳簿価額を減じて得
た額とする」と規定されています。簿価基準であって、時価基準ではありません。


2011.09.12(月)【吸収合併の性格】(金子登志雄)

 吸収合併の性格については、平成9年の合併法制の改正までは、甲法人と乙法人
が合体して1つになるものだという「人格合一説」が通説でした。この極端な説に
よると、甲の資本金と乙の資本金も統合・合算するのであり、合併後の資本金を合
算額より少なくするには、同時に資本減少の手続をしなければならない、合併公告
も「合併並びに資本減少公告」とするのだと解かれていました。この極端な説を商
事法務という雑誌に発表したのが法務省のお役人だったために、残念ながら、登記
実務もこれに従っていました。

 その9年改正で、合併会社の資本金は、合併で受け入れた純資産額の範囲内で自
由に決めてよい(額面株式を発行しなければ増加資本金0円でもよい)とされ、吸
収合併とは、現実の事業を包括的に承継するものであって、資本金など計算上の数
値を承継するものではないという現物出資説が勝利を治めました。現物出資説だっ
た私も、やっと日蔭から日のあたる場所に出てこられました。翌年から、講演その
他で「正しい合併」について普及活動に従事したことはいうまでもありません。

 この人格合一説は、形のない「法人組織の統合」に着眼し、「甲と乙が法人統合
するから乙が解散する」と考えるのに対し、現物出資説は、現実に存在する「事業」
の取得に着眼して、「乙が解散して裸になった現実の事業が甲に吸収される」と考
えるものですが、吸収合併では定款も会社形態も承継されないことは明らかですか
ら、後者が正しいというべきでしょう。

 以上は、いずれも合併対価が株式に限られていた時代の話ですが、合併対価が柔
軟化された会社法の下では、合併対価は金銭でもよいわけですから、合併存続会社
甲の立場からは「事業の取得」、合併消滅会社乙の立場からは「事業の譲渡」とい
う現物出資の思考が基本であることはいうまでもありません。

 ちなみに、会社計算規則12条に「会社は、吸収分割、株式交換、新設分割、株
式移転又は【事業の譲渡の対価として株式又は持分を取得】する場合において」と
あります。事業譲渡(昔の営業譲渡)で株式を取得することなどあり得るのかと思
いませんか。この株式が取得会社の発行する株式の場合は、まさに事業の現物「出
資」のケースです(合併が加わっていないのは、会社が消滅するためです)。


2011.09.09(金)【本支店同時一括申請】(金子登志雄)

 今日は、司法書士以外の方には、たいくつな話です。
 
 さて、商号を変更したら、本店だけでなく全支店の所在地〈以下、全て管轄登記
所が相違するという前提です)でも登記が必要です。

   本店………………商号変更登記
   ABC支店………商号変更登記

 一部の支店を廃止したら、本店だけでなく該当する支店所在地でも登記が必要で
す。
   本店………………A支店廃止登記
   A支店……………A支店廃止登記(登記記録を閉鎖)


 これらを電子申請で登記申請する際には、「本支店同時一括申請」(本店経由で
支店での登記も一括して申請できる新しい仕組み)でできることは、商業登記専門
司法書士なら、みな知っている事実です。

 では、商号と目的を変更した場合には、本店の登記内容を商号及び目的の変更に
しますが、全支店の登記内容は商号変更のみにし、一括申請が可能でしょうか。支
店では目的の登記が必要ないため、本店と支店で登記内容がぴったり重ならないが、
一括申請に支障がないかという疑問です。

   本店………………商号変更、目的変更登記
   ABC支店………商号変更登記

 A支店の廃止(商業変更より先の日に廃止)とD支店の設置が加わった場合は、
どうでしょうか。

   本店………………商号変更、目的変更、A支店廃止、D支店設置登記
   A支店……………A支店廃止登記
   BC支店…………商号変更登記
   D支店……………D支店設置登記

 登記所に電話確認しましたら、OKだそうです。本店での登記と、個々の支店で
の登記事項に一部の重なりがあればよいのでしょう。

 若干の不安はありましたが、申請しましたら、翌日、登記所から電話がありまし
た。「あれ、OKと言ったじゃないか」と身構えて電話に出ましたら、「申請人の
社長の住所が違っているが、住所を移転したのか」という問い合わせに過ぎません
でした。「12号」を「20号」と誤記していたようです。


2011.09.08(木)【イメージチェンジ】(金子登志雄)

 野田新内閣の支持率が平均すると6割を超えているようですね。野田さんは不人
気の菅内閣の財務相でしたから、その責任の一旦もあるはずですが、それらを一切
忘れ、急に支持の方向に舵を切るわが国民のオメデタイ思考経路は、いったいどう
なっているのでしょうか。

 支持するにしろ、不支持にするにせよ、まだ野田内閣は何もしていません。支持
率調査をするマスコミもマスコミですが、支持するかどうかの材料があまりに不足
しています。

 支持率アップの原因は、何といってもイメージチェンジに成功したことでしょう。
徹底して党内最大勢力の小沢・鳩山グループを敵視し党内対立を煽った菅・仙谷路
線を捨て(表面上?)、挙党体制を築き、党内融和路線を敷いたことが好感をもっ
て迎えられたようです。

 口だけ達者で格好よい「金魚」路線よりも、泥臭い「どじょう」路線を表明した
のも庶民には好感されたようです。

 要するに、野田さんは不人気の菅さんの反対の行動をほんのちょっと採用しただ
けですから、これで支持率大幅アップでは、国民も舐められてしまうことでしょう。
逆にいえば、日本人の国民性を読んだ野田さんはお見事でした。

 私は支持に関しては保留中です。党内融和路線には一安心しましたが、そのうち
鎧の下に隠していた増税路線を打ち出すのではないかと危惧しています。不況の時
に増税では景気が悪化するばかりです。先般の煙草値上げでも、税収が20%も落
ちたとか。予想どおりです。
 
 また、何も知らない素人ばかりを大臣にした点に強い疑問を持っています。どう
せ素人を大臣にするなら、私を厚生労働大臣にしてほしかったですね。就任早々、
煙草の大幅値下げをぶち上げて、愛煙家のオジサン・お姉さん達の支持率をもっと
アップしてあげられたのに………。


2011.09.07(水)【二十歳の遺言】(岡山:山本直樹)

 以前、NHKで「青年の主張」という番組がありました(正式には下記サイト参
照ください)。二十歳の青年にテーマに沿った主張をしてもらうものでした。

http://ja.wikipedia.org/wiki/NHK%E9%9D%92%E6%98%A5%E3%83%A1%E3%83%83%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%82%B8

 先日、二十歳の青年に「主張」ではなく「遺言」を書いてもらいました。

 青年は、事業承継の関係から祖父から「父が経営する会社の株式」の贈与を受け
ることになりました。当初は、祖父に青年に対して株式を相続させる旨の(青年は
祖父と養子縁組済)公正証書遺言を作成してもらう予定でしたが、株価の問題(贈
与税の問題)もクリアーできそうなので、生前に贈与を受けることになりました。

 私は「株式の譲渡」に関する書類を作成しながら、何か足りないなぁ、何かもれ
てるなぁという違和感を抱えていたのですが、遺言作成用に提出していただいた戸
籍を見てその正体がわかりました。

 青年のご両親は、離婚をしていました。株を譲りうけた青年(現在未婚)が死亡
した場合、相続権は実親及び養親にあります。しかし離婚をした実親間では事実上、
遺産分割の協議が難しいと思われます。

 通常、二十歳は遺言を書く(考える)年齢ではないのですが(注:民法961条
により15歳になれば遺言能力は認められています)。しかし、会社の株式という
重要な財産を譲り受けるためには、会社にとって必要なリスク管理をしなければな
りません。青年には、相続の手続の話をして、納得して遺言を書いてもらいました。
もちろん結婚して子供ができたら、遺言を作成し直す約束をして………。


2011.09.06(火)【原本還付】(金子登志雄)

 登記申請の添付書面(合併契約書や議事録、就任承諾書など)は、原本そのもの
を提出することになっていますが、原本の謄抄本(写し、コピー)に「原本(の内
容)に相違ない。申請代理人/司法書士〇〇〇〇・印」とし、原本とともに提出す
れば、原本を返してもらえます。これを原本還付といいます。

 商業登記に関して言えば、東京法務局や横浜法務局では、申請窓口で原本との照
合をしてくれ、即座に原本を返してくれますが、多くの法務局では、登記が完了す
るまで預ける慣習になっているようです。

 これにつき、20年近く前のことでしたが、東京地方裁判所で、ある非訟事件の
書類の届出を代行したとき(使者、一種の配達人役です)、裁判所書記官らしき方
から、「写しの提出で結構だから、原本は持ち帰っていいですよ」といわれました。

 私が、「すいません、私、弁護士ではないので代理権がありませんから、原本証
明できないのです」と応じたところ、「あなたねぇ、この書類とこの書類が同じ内
容であるという事実の証明に資格も何も関係ないでしょ(馬鹿なことをいうな)」
といわれてしまいました。

 ちょうど、書類の写しだけでなく、三文判も持っていたので、即座に「原本に相
違ない。金子登志雄・印」として原本を持ち帰ったことはいうまでもありません。

 この記憶がありますから、たかが事実証明のことに窓口還付を認めず、原本と写
しとの照合を登記の調査官の担当にするのは大げさすぎると私は思っています。
 
 窓口還付が認められないと、申請と原本の取得のために、2度も法務局を訪問し
なければなりません。司法書士の1時間当たりの単価は、うん万円ですから、実に
もったいない話です。全国の法務局で窓口還付がなされるよう、頑張りましょう。


2011.09.05(月)【熊本講演】(金子登志雄)

 金・土と熊本に行ってまいりました。熊本県司法書士会での会社法の講義のため
です(松本会長、今井研修部長はじめ、皆様、たいいへんお世話になりました)。

 台風のため、飛行機が欠航しないかという強い不安がありましたが、ラッキーな
ことに台風の間隙を突くことができ、羽田も熊本も曇り状態で助かりました。

 講義テーマは「計算の基礎と会社分割」という人気のないものでしたから、出席
者が少ないかもしれないと予想していましたが、例年になく良い出席率だったとの
ことで、私もほっとしました。

 参加者の皆さん、
 @株主資本、株主資本等変動計算書、株主資本等変動額の意味については、もう
  大丈夫でしょうか。
 A分配可能額、欠損の額、損失の区別は、いかがですか。
 B損失の処理も任意積立金の取崩しも剰余金の処分ということは大丈夫ですか。
 (以上、本欄を閲覧の方はいかがですか)。

 ABは今後の課題としても、@の「株主資本」は会社の計算を理解する上で、最
重要のキーワードですから、これだけは、今回で、ぜひマスターしてください。

 過去、九州は何度か訪問していますが、熊本ははじめてでした(これで全県を訪
問したことになります)。道路が広く、路面電車も走っており、開放感のある実に
良い町でした。市内には、加藤清正の熊本城、細川藩の水前寺成趣(じょうじゅ)
園もありますし、熊本県庁の敷地はまるで緑の公園でした。100メートル競走の
練習ができるほどの贅沢さでした。

 緑の多い町は落ち着きますね。都心にも皇居や日比谷公園があるので、救いにな
っています。


2011.09.02(金)【株主資本等の定義】(金子登志雄)
 
 会社計算規則2条3項30号では、株主資本等の定義として「株式会社及び持分
会社の資本金、資本剰余金及び利益剰余金をいう」とあります。

 株主資本には自己株式を含むはずなのに、なぜ、自己株式を加えていないのでし
ょうか。

 この理由につき、閃きました。やっと分かったような気がしました。

 8月25日の本欄で、要旨、次のような趣旨を書きました。
--------------------------------------------------------------------------
 会社法施行規則の定義規定に、計算書類等とは、「各事業年度に係る計算書類及
び事業報告(監査報告又は会計監査報告を含む。)」とありましたので(2条3項
12号)、私は、附属明細書は含まないものと思いこんでいました。

 会社法442条(計算書類等の備置き及び閲覧等)では、附属明細書を含みます
が、条文に「この条において「計算書類等」という」とありますので、「この条」
だけの例外かと思っていました。

 ところが、これは会社法施行規則内でのみ通じる定義であって一般化はできない
ようです。
--------------------------------------------------------------------------

 株主資本等も同様であり、会社計算規則の条文に出てくる「株主資本等」の定義
に過ぎず、そこでは自己株式を加える必要がありませんでした。

 株主資本等とは、「株主資本+等」であり、「株主資本と社員資本のこと」と思
い込んでいた私の誤りのようです。

 会社計算規則2条3項に、「【この省令において】、次の各号に掲げる用語の意
義は、当該各号に定めるところによる」とありますから、会社計算規則に文句をつ
けても仕方ありませんが、計算書類等と同様に誤解を誘導する定義ですね。きっと、
会社法立案者と法務省令の立案者が別人なのでしょう。


2011.09.01(木)【模擬体験をしよう】(金子登志雄)

 27日(土)は、商業登記倶楽部の夏季セミナーで「会社の計算」について講師
を務めてまいりました。

(商業登記倶楽部)
    http://www5a.biglobe.ne.jp/~legal/public/Introduce.htm

 北海道や沖縄からも飛行機で参加する方、参加者の中には80歳を超える方も数
人おられ、その熱心さに、いつも驚嘆してしまいます。

 私の講義内容は、毎度お馴染みの内容で、参加者の方から、もう聞きあきたとい
う非難があるかと恐れていましたが、全く逆で「金子先生の講義は、実に分かりや
すく、その日には『分かった』と満足するのですが、そのままにして何日かすると
忘れてしまいます」という声をよく聞きました。

 ありがたいことです。こういう方ばかりだと、来年も再来年も同じ講義内容にで
きます………というのは冗談ですが、上記の心境はよく分かります。ちょうど、パ
ソコンの操作の講義を受けて、「何だ、簡単じゃないか」と分かっても、自分で実
際にパソコンを何度か操作してみないと、知識が身に付かないのと同じだからです。

 そこで、ぜひお勧めしたいのは、お時間のあるときに、官報の資本金の額の減少
公告や合併公告で同時公告(横に貸借対照表が掲載されている公告)を眺めながら、
いろいろ推理して遊んでみてください。

(資本金の額の減少公告)
http://kanpou.npb.go.jp/20110826/20110826g00187/20110826g001870053f.html

 例えば、上記3段目の欠損てん補目的らしい資本金の額の減少公告は、資本金が
1000万円なのに資本金の額の減少額は2000万円です。きっと4000万円
の増資をし(2000万円の増資と思った方は推理力が足りません。登録免許税が
無駄です)、資本準備金への計上額2000万円は、次の定時株主総会で欠損添付
するのだろうかと推理してください。

(合併公告)
http://kanpou.npb.go.jp/20110826/20110826g00187/20110826g001870059f.html

 上記の合併公告でも、存続会社と消滅会社の住所が同じ、あるいは社長が同一人
物である点から、これは共通支配下関係の簿価合併だな、兄弟会社だとしたら、親
子会社だろうかなどと考えて、その手続を予想し、模擬体験していると、自然に知
識が身に付いてくるものです。へたな教科書を繰り返し読むよりも、ずっと実戦的
知識として身に付きますよ。


2011.08.31(水)【演説と文章のスタイル】(金子登志雄)

 29日のお昼にパソコンのスイッチを入れたら、ちょうど動画のユーストリーム
とやらで民主党代表選の中継をしていたので、みてみました。海江田さんの演説が
終わって、野田さんの演説でした。

 両親の生い立ちやら、貧乏だったやらの苦労話で、聴衆を飽きさせない話術はさ
すがだなと思いましたが、政策の話題が全く出ませんでした。大震災も消費税も演
説に登場せず、「これじゃ、プロの評価は厳しいだろう」と想像していましたら、
あにはからんや、第1回目の投票で前原さんより多い102票を獲得とは………。

 もし、これが論文(文章)だったら、どうでしょうか。著者が「私は、どこどこ
で生まれ、両親はこういう人で、子供の頃はこんな貧乏生活だった………」と延々
と書かれると、読者は「お前個人のことはどうでもいいから、早く本題に入れ」と、
いらいらしてしまうものです。

 こういう文章、多いですよね。まえがきが長く、いかにも、原稿を依頼されたこ
とが名誉でうれしくて仕方ないという雰囲気を醸(かも)し出している全く読み手
を意識していない独りよがりの文章です。

 少なくとも文章では、即本題に入るべきですが、演説の場合は、本題に関係なく、
体験を語る部分も、聴衆が頭を使わずに聞ける内容として、広く受け入れられてい
る現状があります。

 今週も私は某県で会社法の講義をしますが、試しに時間の8割を私の生い立ちや
苦労話にしてみようかな。少なくとも「難しくて分からなかった」という反応はな
いことでしょう。その代わり、袋叩きに合って、無事に帰れなくなる危険はありま
すね。

(ご参考)
 野田首相の評価は今のところ財務省(勝栄二郎事務次官)のカイライ内閣といわ
れてしまっているようですが、この勝次官こと、あの勝海舟のひ孫さんです。いつ
の日か、財務省を無血開城してくれることを期待しましょう。
    http://d.hatena.ne.jp/reds-suppo/20100731/1280550098


2011.08.30(火)【品性と知性と感性が同時に低レベルにある人?】(富田太郎)

 皆様、お盆休みはいかがお過ごしでしたでしょうか?
私は、1日だけ休み、読書三昧の日?を送らせていただきました。

 面白かった本は『プロレス少女伝説 文春文庫(故)井田真木子』でした。
いろんなプロレスラーの生き様にスポットを当てたスポーツノンフィクションなの
ですが、その中で印象に残った言葉の使い方がありました。

 あるレスラーが、私的にも確執のある対戦相手に対して、
『試合中、(対戦相手のレスラーの)心を折ろうと思った。』
というフレーズでした。

 『心を折る』………もちろん、国語辞典にはでてこない新語で、もともとは『妥
協する。方向へ曲げる。気弱になる』(注)という意味で使っていた時代もあった
ようですが、ここでは『相手から気力を徹底的に奪い、立ち直ることの難しい心の
状態にする』という意味で使っているようです。 

 本来の使い方とは違うのでしょうが、うまい表現ではないでしょうか!
やはり、レスラーのような感性で生きている人間は、『生きた言葉を使う』と感心
した次第です。

(注)昭和初期の川端康成の小説『抒情歌』には『父は母の死に心折れて、私達の
  結婚をゆるしてくれましたの』とあり、『気弱になり妥協する』という意味で
  使っています。

 なお、前記『プロレス少女伝説』は、大宅壮一賞を受賞したそうですが、調べて
みると、選考委員の一人である『立花 隆』氏のみ、猛反対したそうです。

 立花 隆氏 曰く
『プロレスというのは、品性と知性と感性が同時に低レベルにある人だけが、熱中
できる低劣なゲーム。そんな題材を扱った本作品は受賞にふさわしくない』

・・・・・・・・・・・・・・・

 プロレスファンである私は、知性もなく、低レベルで低劣ですか………(涙)。

 もともと、小説家を目指していた『(プロレスを理解できない)立花 隆』氏が、
ルポ・評論の道に行ったのもわかるような気もしますね(つくづく)。

 いえ、知性もなく、低レベルでもいいのですが………(涙)。


2011.08.29(月)【2011年発 米騒動???】(島根・根来川弘充)

 震災の影響で、古米の相場が高騰し、米の先物取引の相場が72年ぶりに復活し
たそうです。

 経済を勉強していたことが少しばかりあるのですが、農作物の価格というのは、
取れればとれるほど安くなるものなのですが、需要と供給の差が広がるほど、一気
に跳ね上がってしまうという性質があるそうです。

 私の実家は幸い少ないながら田んぼをもっており、米は一応はあるのですが、食
べ物は、生活に直結するだけに、今後、騒動が起きるまでの混乱が起きないことを
切に願っております。

 ところで、昨今、農業を始めたいと会社から相談を受けることがあります。もっ
とも、会社によって、効率性が上がって収益がでるから・・・というよりも、経営
を多角化して、いろいろなことを挑戦してみよう、というベンチャー的な理由であ
る方が多いです。

 皆さん周りの目では、「農業では儲からないよ」と言われているそうですが、私
は、農業に明るい希望を持っております。なぜなら、世界規模では食糧難という現
実があるからです。

 いまでこそ、他国から安い農作物が入って価格競争になると、国産は弱い面があ
りますが、他国の生活水準があがれば、すべての価格があがるのですから、相対的
な差もなくなっていきます。

 特に、振興著しい中国は、十数億という莫大な人口を抱えています。中国国民の
生活水準が上がれば、とても他国に輸出をするどころでなくなると思うのです。そ
うすれば、輸入が減るのですから、国産の価値が高まります。

 今後、農業に目に付けている会社が、順調に発展をしていくことが、健全な日本
を示す、一つのバロメーターになるのではないでしょうか。社長の方々には、是非
頑張ってほしいと、これも切に願っております。


2011.08.26(金)【はじめての合同会社設立】(金子登志雄)

 都会では合同会社のニーズが少ないのでしょうか。私も私の仲間も経験していな
い人のほうが多いようです。

 地方都市での設立で都内ではありませんでしたが、今回、はじめて経験しました。

 最大の不安は定款でした。
 株式会社ではないため、公証人の認証は不要ですが、書面で定款を作成しますと
印紙4万円が必要のため、電子定款の作成にしたのですが、このまま法務局に提出
しても、ご本人の押印がないため、法務局から有効な定款でないと判断されるので
はないかという不安でした(株式会社も同じですが、公証人がチェック済みです)。

 そのため、本人の押印がある電子定款の代理作成の委任状を設立登記申請に添付
すべきではないのかと疑問を持ちましたが、これは、登記先例で、添付しなくても
よいとされていました。これは少々びっくりでした。

 第2に、定款で、「社員1名=業務執行社員=代表社員」と定めたのですが、本
人作成の定款であれば、自身で押印しているため、「業務執行社員=代表者社員」
の就任承諾書が不要なことは分かりますが、提出されるのは代理人である私作成の
電子定款です。就任承諾書が必要ではないかと考えましたところ、仲間から、その
とおりである旨の「登記研究」(雑誌)の回答を示されました。

 続いて、出資金の払込みは、代表社員が社員である自分から出資されたという自
作自演の証明書でよいのか、株式会社のように口座振込みが必要かにつき不安があ
りましたが、これも前者でよいことが分かりました。

 法務解釈の点では、このように、次々と疑問が解消したのですが、電子定款は、
ワードをPDFにして、私が代理署名(電子署名)し、CDに保管すればよいこと
までは分かっていましたが、その保管方法が大のパソコン音痴である私には分から
ず、困ってしまいました。

 USBにPDFの文章を保管するのと同じだと想定していましたが、そうではな
いのですね。説明する能力がありませんが、IT専門会社である当社の総務部長に
保管方法を教わり、保管いたしました(これがあるから、私は会社から離れて自立
できないのです)。

 テレビ番組で、小さい子に「はじめてのお使い」をさせるものがありますが、私
の「はじめてのお使い」も、親切なおじさん達のおかげで、無事に帰宅することで
きました。

(法務省の作成例に注意)
 合名・合資会社の設立登記の作成例に「公告をする方法」が抜けていることに気
づきました。法務省に「補正」通知を出す方法を知りませんので、ここに書いてお
きます。
 http://www.moj.go.jp/MINJI/MINJI50/0101.txt
 http://www.moj.go.jp/MINJI/MINJI50/0102.txt


2011.08.25(木)【計算書類「等」とは】(金子登志雄)

 会社法で計算書類とは、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別
注記表の4つをいいますが、計算書類「等」の「等」とは何を指すのでしょうか。

 会社法施行規則の定義規定に、計算書類等とは、「各事業年度に係る計算書類及
び事業報告(法第436条第1項又は第2項の規定の適用がある場合にあっては、
監査報告又は会計監査報告を含む。)」とありましたので(2条3項12号)、私
は、附属明細書は含まないものと思いこんでいました。

 会社法442条(計算書類等の備置き及び閲覧等)では、附属明細書を含みます
が、条文に「この条において「計算書類等」という」とありますので、「この条」
だけの例外かと思っていました。

 ところが、最近、一般社団の法律129条に「計算書類等(各事業年度に係る計
算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第124条第1項又は第2項の規
定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。)」とあるこ
とを知りました。

 会社法と違うわけがないので、改めて、計算書類「等」の意味につき、調べてみ
ましたところ、次のようなことが分かりました。
--------------------------------------------------------------------------
1.書類作成や監査対象の場面、株主や社員の閲覧書類の場面
  →→計算書類、事業報告、【附属明細書】、監査報告(会計監査報告)

2.株主や社員への提供場面(定時総会に提出)
  →→1から附属明細書を除外。

3.組織再編の事前備置書類で相手会社の計算書類等
  →→2と同じく附属明細書を除外。

4.裁判所の提供命令の対象
  →→計算書類及び附属明細のことで事業報告や監査報告は含まない。
--------------------------------------------------------------------------

 こうしてみると、会社法施行規則の定義は3の場合を意識した定義で、一般化は
できないようです(合併等では自社の場合は1で、他社の書類が3になります)。

 何のことはない、計算書類「等」とは計算書類「など」あるいは「ほか」という
ことで、場面ごとに書類の範囲が異なるようです。会社法施行規則の定義は、誤解
を誘導する定義ですね。


2011.08.24(水)【業務執行と決定と社外取締役】(金子登志雄)

 先週17日付本欄の【責任限定契約と取締役会】を読んだお客様から、業務執行
と業務執行の決定の相違につき、質問をいただきました。

 非常に難しい質問で、専門家のわれわれ自身が明確に区別しているとはいえませ
んが、会社法の規定は、次のようになっています。

 1.業務執行には、業務執行の「決定」と「実行」の2つが想定されている。
 2.非取締役会設置会社にあっては、業務執行の決定も実行も原則として取締役
  の権限とされているが、取締役が複数のときは、業務執行の決定は協議事項に
  なっている(会社法348条)。同様の配慮から、取締役会設置会社にあって
  は、業務執行の決定は取締役会で、実行は代表取締役(及び業務執行取締役)
  の役割とされている(会社法362条、363条)。

 これだけ読むと、取締役会設置会社においては、全ての決定(判断、頭脳部分)
は取締役会の権限で、代表取締役は、それを忠実に実行するロボット・手足だから、
責任限定契約も取締役会の決定で契約を締結すべきだということになりそうです。

 しかし、代表取締役はロボットでも手足でもありません。お店の売り子が、この
人に商品を売ってよいかなどの様々な決定を日常的に行っているのと同じく、代表
取締役は日々の業務執行を大量に決済しています。

 この全部を業務執行の「決定」だとして、取締役会に付議していたら業務が円滑
に進行しません。そこで、【重要な】業務執行の決定は取締役会に付議しなければ
ならないが、それ以外の日常業務の決定や非重要な決定は、代表取締役に委ねられ
ていると解釈すべきことになります。その重要かどうかの基準は、取締役会規則に
定めておくのが通常ですが、その定めを作っていない会社にあっても、暗黙の了解
事項と考えてよいでしょう。

 責任限定契約の締結権限は会社法自体が取締役会マターとしていないと説明した
のが先般の内容でしたが、現実の会社の運営では、社長(代表取締役)がOKであ
れば、その部下である専務や常務や平の業務執行取締役で構成されている取締役会
での決定は、追認という儀式に近いところがあります。

 これではいけないということで、コンプライアンス(法令遵守)の見地から、昔
は業務執行の適法性を監督する監査役の地位を強化することで対応してきたのです
が(例えば任期を3年から4年に)、現在では、それも限界に達し、社外取締役制
度が設けられ、それで対応するようになっています。いうまでもなく、社外取締役
とは、「非業務執行取締役」で「社長の支配下にいた経験のない者」です(当社で
非常勤取締役の私は後者の点で当社の社外取締役になれません)。

 責任限定契約が取締役会決議事項かどうかを判断するにおいても、社外取締役を
含めた判断に委ねるほどの重要な事項かどうかという視点でも捉えられるでしょう。


2011.08.23(火)【報酬請求と持病】(金子登志雄)

 昨日の続きですが、報酬請求は、ほんとにむずかしいものです。

 とくに私の場合は、会社法務手続の経験が長いため、お客様に「そんなの簡単で
すよ」と、つい漏らしてしまうため、あとで、「あの男は簡単なことに、こんなに
請求してきた」と思われたくない気持ちが働き、高額の請求ができません。

 思い起こせば、はじめて自分で自分が役員となる会社の設立手続をした際は(昭
和58年頃で、まだ資格は持っていませんでしたが、当時から法律は詳しかったほ
うです)、日本法令のマニュアルをみながら、多くの疑問が生じ、友人の司法書士
に電話で相談しながら、数日かかって、やっと設立したものでした。

 今なら、会社の設立手続も全ての内容が決まっているという前提であれば、書類
作成だけなら1時間でできてしまいます。お客様に「何日かかるか」と聞かれれば、
午前中に公証人役場、午後に法務局で、「1日でOK」と答えてしまいます。

 もっと、もったいぶってもよいと思うのですが、報酬のことよりも職人かたぎが
前面にでてしまい、「私にお任せください」と胸を張りたくなってしまうのでしょ
うか。カネよりもプライドにこだわってしまうようです。

 前にも書いた記憶がありますが、昔、ある本で読んだことがあります。

 ある家庭で高級電気機器が動かなくなり、専門業者を呼んで直してもらったとこ
ろ、たったの5分でねじの1つが抜けていることを発見し、修理し、例えば5万円
を請求したそうです。

 依頼者は「たったの5分で5万円とはひどい」と怒ったところ、専門業者は落ち
着いて「お言葉ですが、この機器の故障箇所を5分で発見できるまでに、私は過去
これこれしかじかの勉強をし、経験を積んでまいりました。それがなければ、修理
に何日かかったか分かりません」。

 こんな余計な言い訳をするくらいなら、電気機器を預かって事務所に持ち帰り、
5分で修理し、わざと1週間後に「1週間もかかってしまいましたが、やっと直り
ました」とでもいって届ければ、お客様も「1週間で5万円、何と良心的金額」と
思ってくださるのでしょうが、そういうハッタリができていれば、当事務所も大事
務所になっていたことでしょう。会社法オタクで、先祖から受け継いだ職人かたぎ
(父方の祖父は江戸の桶屋職人)という遺伝子に組み込まれた病気のようですから、
死ぬまで直らないとあきらめています。


2011.08.22(月)【コンサルティング系事務所】(金子登志雄)

 19日の金曜日は、商業登記界の大御所である神ア満治郎先生のお誘いで、鈴木
龍介、山本浩司という、これまた業界の有名人と一緒に暑気払いでした。

 共通の話題はいつも、商業登記を通じて会社法専門家としての司法書士の地位の
向上であり、登記「作業」請負人に終わらず、会社法務コンサルタントを目指そう
ということです。

 当の私は、昭和62年に創業したM&Aコンサルタント会社時代からの延長で、
最初からコンサルティング中心であり、10年前までは珍しい司法書士の一人でし
たが、最近は、鈴木事務所や富田事務所はじめ、社外監査役に就任したり、上場会
社の法務やグループ再編の企画にまで進出している事務所も、都内では、そう珍し
い存在ではなくなりました。

 それでも、コンサルティング系「司法書士」事務所は、仕事を完成させないと報
酬にありつけないという成功報酬・請負業的要素が強く、公認会計士さんの監査業
務や弁護士さんの扱う紛争事件のように仕事の成功・不成功を問わず、働いた時間
分の報酬を請求できる委任契約的要素は少ないようです。

 成功報酬ですから成功までは必死に頑張りますが、コンサルティング系事務所だ
ったから無事に成功したのか、他の作業系司法書士でも容易に成功できたことかは
外部からは全くみえないため、「報酬額」については、十分に評価されないことも
コンサルティング系事務所の共通の悩みです。

 責任をもって安全かつ確実に仕事を終わらせたことと、たまたま無事に終わった
こととは、自ずから評価が大きく異なってよいはずですが、商業登記の司法書士報
酬はいつも数万円程度という思い込みに囚われている会社の担当者に遭遇すると、
コンサルティング系事務所の報酬は高く感じるようです。それを言われると、神聖
で真摯な努力を汚(けが)されたようで実に腹立たしい思いに駆られてしまいます。
思わず、報酬はいらないと怒鳴ったこともありました。

 逆に、弁護士さんや公認会計士さんを使い慣れている会社からは、司法書士に対
しても同じ専門職として遇してくれ、請求書を出すと、弁護士等の高額な報酬額が
頭にあるせいか、「こんなにも安くしていただき、申し訳ない」といわれることが
少なくありません。こういう会社の担当者に遭遇すると、1を依頼されても2や3
の仕事をして、その気持ちにお応えしたいと張り切ってしまいます。

 いずれにしろ、「貴事務所に頼んで、ほんとによかった」といわれることが私ど
もの次の「やる気」につながりますので、プライドの高いコンサルティング系事務
所は上手におだてて使うに限ります。


2011.08.19(金)【成仏できない事業年度】(金子登志雄)

 3月決算のA社の定時総会が6月29日に終わり、7月31日に解散しました。

   3月末                          7月末
――――|――――――――――――――――――――――――――――|―――
                      ↑定時総会

 さて、A社の最終事業年度は「平成22年4月1日から平成23年3月31日」
と、「平成23年4月1日から平成23年7月31日」のいずれでしょうか。

 8月1日からは「清算事務年度」というので、つい、後者が最終事業年度と思っ
てしまいますが、会社法によると、前者です。

 会社法2条24号によると、最終事業年度とは、「各事業年度に係る第435条
第2項に規定する計算書類につき第438条第2項の承認(…中略…)を受けた場
合における当該各事業年度のうち最も遅いものをいう」とあります。

 すなわち、最終事業年度といえるためには、その事業年度の計算書類(貸借対照
表や損益計算書等)が定時株主総会で承認を得ていなければなりませんが、「平成
23年4月1日から平成23年7月31日」については定時株主総会が必要とされ
ていません。解散時点の貸借対照表の作成は必要で、かつ、株主総会の承認も必要
ですが(会社法492条)、これは定時株主総会ではありません。

 最終事業年度の「最終」には計算書類の「確定」という意味が含まれているわけ
です。

 このA社が8月に合併契約を締結したとすると(解散会社でも合併消滅会社にな
れます)、事前開示書面たる計算書類も、最終事業年度のものではなく、492条
のものになります。合併公告に掲載する「計算書類に関する事項」も、「清算株式
会社です」と記載すればよく、貸借対照表の要旨を掲載する必要がありません。

 こうしてみると、「平成23年4月1日から平成23年7月31日」は、事業年
度を全うできず、「第何期」ともいえない挫折した中途半端な事業年度ということ
になりますね。成仏できるのでしょうか。


2011.08.18(木)【無対価株式交換と債権者保護】(金子登志雄)

 会社法799条1項3号によると、「株式交換完全子会社の株主に対して交付す
る金銭等(注:対価のこと)が株式交換完全親株式会社の株式………のみである場
合以外の場合」には、株式交換であっても親会社になる側で債権者保護手続が必要
だとされています。

 例えば、A社がB社を株式交換で完全子会社化する場合に、B社の株主にA社が
現金を交付する場合です。現金1000万円がA社から出ても、その代わりにB社
株式が1000万円分入ってくるのですから、A社の純資産額に変更がなく、債権
者を害することはないじゃないかとも思いますが、会社法は、B社株式を過大評価
することもあり得るとして、債権者保護手続を必要としたものです。

 対価の全部がA社株式であれば、A社の既存財産は減少しませんので、債権者保
護手続は不要です。

 さて、条文には、債権者保護手続が必要な場合を「対価が株式のみである場合以
外の場合」としましたので、無対価も含むでしょうか。

 含むという考え方は、次の発想です。

 株式対価
 非株式対価………無対価を含む。

 しかし、私は次のように考え、含まないという説です。
   
 対価あり
   株式(自己株式を含む)対価
   非株式対価
 無対価

 条文も「株式対価以外の全部」という意味ではなく「交付する対価が株式以外
の場合」と読むのであり、何らかを交付した場合と読めます。立法趣旨も、株式
以外の対価の場合は、過大評価をしてしまう場合があるからというもので、無対
価を前提としていません。

 なお、無対価の会計処理の原則は非株式対価扱いです。ややこしいですね。


2011.08.17(水)【責任限定契約と取締役会】(金子登志雄)

 取締役会が置かれた会社の「重要な業務執行」は取締役会の決議で決定し、代表
取締役の一存で決めてはいけないことになっていますが(会社法362条4項)、
何が重要な業務執行かについてははっきりしません。

 あるML(メーリングリスト)で、社外取締役等との責任限定契約の締結には、
取締役会の決議が必要かという議論になりました。

 真面目な方は、「契約=大事なもの」と発想するのか、あるいは責任を限定する
ことは会社に不利益になることだと発想するのか、取締役会決議必要説でした。

 しかし、会社法の条文をみますと、426条は「定款での定め+取締役会決議」
ですが、427条は「定款での定め+責任限定契約の締結」であり、取締役1人の
会社でも可能だとされています。

 また、「重要な業務執行」を例示している362条4項の7号には426条が記
載されていますが、427条は記載されていません。

 したがって、私は不要説でしたが、何か強力な支援材料がないかと探しましたら、
ありました。会社法立案者の葉玉匡美氏のブログ(会社法であそぼ)に、次のよう
にありました。
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Q21
 会社法第427条第1項の責任限定契約を締結できる旨の定款変更を行った後に
責任限定契約を締結する場合に、責任限定契約の締結について取締役会決議が必要
でしょうか? 会社法第362条第4項の「その他の重要な業務執行」に当たるの
でしょうか?
 投稿 ロニー | 2008年8月 5日 (火) 09時36分
A21
 私は、当たらないと思います。
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2011.08.16(火)【仕事はカレーライスのごとく】(金子登志雄)

 今日まで、お盆休みの方も多いことでしょうが、残念ながら、私ども司法書士は、
法務局が休みでない限り、ゆっくり休むこともできません。当グループのお仲間も、
みな事務所に出ていたようです。

 とはいいながら、私は昨日は事務所に出ていません。携帯電話と携帯PCで仕事
をすることが多く、私のいるところが事務所ですから、約束した来客や重要な郵便
物でもない限りは、事務所に行く必要もないからです(会社法務専門事務所だから
出来ることですね)。そのため、土曜日から昨日までは、生まれ育った上州(群馬
県)の田舎で、たいくつな時間を過ごしていました。

 数年前であれば、田舎であろうと、改正商法や会社法の著作を嬉々として睡眠時
間を減らしてまでやっているところですが、もう、ほぼ書き尽くしてしまいました。
「趣味=仕事」の私は、休みのほうがたいくつで疲れます。

 37歳の時でした。銀行時代の先輩に誘われて、一緒に投資顧問業を始めたので
すが、この仕事、人手が要りません。出勤しても私のすることがなく、居心地の悪
いことといったらありませんでした。それ以来というわけではありませんが、振り
返ってみると、「忙しい、忙しい」と不平たらたらの時間が誰かさんのように頭髪
で悩むヒマもなく、一番充実して幸せな時間だったように思います。

 今は、どんなに忙しくとも、嫌な上司もいない個人事業ですから、不平は全くな
く、健康と明日の仕事があるかどうかだけが心配の種ですから、もっともっと忙し
くなりたい心境です。

 T先生からは「金子先生は仕事が特別に早いから、いつもヒマだと感じているだ
けですよ。普通の司法書士が数日かかる仕事を1日で完成してしまうのだから」と
よくいわれますが、当然です。仕事を好きになれば、貴方も1日で片付けられます。
大多数の日本人(又は子供)のように、大好きなカレーライスであれば、2皿3皿
でも、簡単に食えてしまうのと同じことです。T先生がウーロンハイなら1日何杯
でも飲めるのと同じです。


2011.08.15(月)【8.15に思う】(金子登志雄)

 66回目の終戦記念日ですね。新しい日本が始まった年でもあります。あの敗戦
から日本は驚異的な復興を果たしました。

 日本人の底力だけが理由ではありません。東西冷戦時代にあって、米国が日本を
反共の防波堤にしようと支援したからであり、朝鮮戦争の特需もあったから、目覚
ましい復興を果たせたわけです。私の高校時代は、ベトナム戦争でした。ベトナム
が共産主義に落ちると、インドシナ半島全部が共産主義になるというドミノ理論が
猛威を振るっていました。

 しかし、東西冷戦が終わると、経済戦争の時代となり、日本は米国の強力な敵と
なってしまいました。いわゆる貿易摩擦問題です。日本はずるい国だといわれ、日
本の終身雇用制などの日本的美徳まで悪とされ、結局は経済の弱った米国に奉仕す
る役割を求められました。

 日本自身も米国の傘の下にいることの居心地のよさに安住し、常にお兄さんの後
に着いて行く自主性のない国になってしまいました。戦後政治も一貫して、米国に
守ってもらい、経済の成長を国是としてきました。カネは出すが命は出さないのが
日本の方針になってしまいました。

 通常であれば、日本も自前の防衛力を持って普通の国になれと米国が求めてきて
もよさそうなものですが、日本の平和憲法は米国にも都合がよく、何かあれば、ほ
ら中国や北朝鮮が日本を攻めてくるぞと脅かし、米軍基地の存在感を宣伝し、居座
ることができるのです。

 時代の趨勢をみて、日本の自立を進めようとした最初の偉大な首相が田中角栄氏
でしたが、米国の頭越しに中国と国交回復したりしたため、「ジャップめ!」と、
米国に嫌われ、世界中のどこの国も問題にされなかったロッキード事件で、潰され
てしまいました。その先兵が似非クリーン主義のマスコミであったのは現在と同様
です。

 その後をみても米国一辺倒の中曽根政権、小泉政権は長期政権を維持できました
が、普天間問題等で自立を目指した鳩山政権は袋叩きにあい、あっさりと潰されて
しまいました。それをみて長期政権を目論んだ管さんが自立派の小鳩勢力を排除し
TPPを言い出したのも、米国やマスコミを味方にしたかったからにすぎません。
 
 今年の3月11日、日本は第2の敗戦(国難)を迎えてしまいました。しかし、
もう戦争特需などはありません。米国も欧州も自国の経済危機で頭がいっぱいであ
り、円高に苦しむ日本を支援する気も力もありません。

 3・11敗戦は、8・15と相違し、すべてを失ったわけではなく、かつ、いま
だに原発放射能汚染は現在進行形で進んでいますから、内科的惨禍であり、自覚症
状が薄く、ここからの立ち直りは、相当厳しいように感じますが、少なくとも、お
めでたいワイドショー政治(ポピュリズム)から脱却し、自分の頭で世の現実を見
極めて、パートナーの米国とも上手に交渉し(米国も一枚岩ではありません。そこ
が米国の魅力です)、日本の復興を目指したいものです。


2011.08.12(金)【定款の作成日とは】(金子登志雄)

 先月、今月と、いくつかの株式会社の設立登記に関与しました。関西、中部、東
北地方での設立もあり、現地の知り合いの司法書士の協力を得て、公証人役場で、
電子定款の認証をいたしました。
 
 その際の電子定款の認証のとき、われわれは定款の最後を次のように締めます。

--------------------------------------------------------------------------
 以上、〇〇株式会社の設立のため、発起人の定款作成代理人である司法書士金子
登志雄は、電磁的記録である本定款を作成し、電子署名する。
 【平成23年8月1日】
     発起人 東京都・・・・ 〇〇〇〇
     上記発起人の定款作成代理人
          東京都千代田区神田小川町三丁目26番地
                   司法書士 金子登志雄 【電子署名】
--------------------------------------------------------------------------

 さて、この電子署名をしたのが8月12日だったとき、定款の作成日は8月1日
でよいのかが仲間内で話題になりました。署名した12日が作成日だとすると、8
月10日に出資金を口座に振り込んでしまった場合に、定款作成後の出資とならず、
登記申請に支障が生じてしまいます。

 会社法26条によれば、「発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名………
しなければならない」とされていますが、上記の問題意識を踏まえて考えた結果、
後日からみて署名がなければ有効な定款とはいえないが、作成日と署名日は当然に
異なってよいのではないかと思うようになりました。

 説明の便宜上、他の書類等を検討すると、次のとおりです。

(1)取締役会議事録
 取締役会議事録では、8月1日に取締役会で決議し、8月12日に議事録を作成
し、出席取締役全員が署名したとしても、議事録の作成日は決議日である8月1日
にします。

(2)新設分割計画
 新設分割計画や株式移転計画は、閲覧用に書面化することはあっても、内容の決
定自体を「作成」と表現しています(会社法762条ほか)。8月1日に代表取締
役が新設分割計画を決定したら、あとは取締役会や株主総会で承認するだけです。
この場合の「作成」は、計画を作ることをいい、作成日は内容の決定日です。

(3)株主総会議事録
 株主総会議事録では、8月1日に決議し、8月12日に議事録作成担当取締役が
議事録を作成した場合に、作成日を8月12日とすることが少なくありませんが、
それとは別に決議日を8月1日と明記します。

 こうしてみますと、本来の作成日は内容を発起人が決定した日であり、書面を作
成した日でも、その書面に署名した日でもなさそうです。

 考えてみれば、8月1日に登記申請し、8月12日に登記簿に記入された場合に
も、登記の日は8月1日です。

 定款の場合も、代理人が電磁的記録にしたのが8月12日というだけで、定款の
作成日は発起人が定款内容を確定させた8月1日が正しいというべきでしょう。

 別の言い方をしますと、作成には「内容の確定」と「書面化(電磁的記録化)」
と「書面への押印」の3段階があり、株主総会議事録の例でもお分かりのとおり、
後者の書面化や押印は本人でなくてもよいから、それを基準に作成日とするのは適
当ではないということです。

 したがって、上記の電子定款の文章は、株主総会議事録と同様に、「以上、〇〇
株式会社の設立のため、【発起人が8月1日に定款を作成】し、電磁的記録化の代
理人である司法書士は、本日(8月12日)、電磁的記録化したので、電子署名す
る」という意味でしょう。


2011.08.11(木)【0円出資の可否】(金子登志雄)

 ここ数日の暑さは、異常ですね。異常な汗かきであるTさんなどは、さぞ苦労し
ていることでしょう。

 私は、首筋に汗をかくタイプで、首がかゆくなり、夜中によく目を覚まします。
あせもクリームを塗って、かゆみを止め、扇風機を回して、再度、眠りにつきます
が、何とかエアコンだけは我慢しています。いつまで我慢しきれますか………。

 さて、商業登記倶楽部の実務相談室に、債権の回収が困難で価値のない金銭債権
の現物出資となる「時価0円出資」(資本金は増えないが新株は発行される)は認
められるかという質問がありました(デット・エクイティ・スワップの事例)。

 皆様はいかがお考えですか。私は無理という意見です。

 おそらく質問者は、親会社が子会社に「債務超過」事業を出資することは認めら
れているから、マイナスはよくて、ゼロはいけないというのは理解できないという
心境でしょう。

 しかし、この「親会社が子会社に債務超過事業を出資」は「簿価」であり、「事
業価値」としてはプラスを前提としていると私は考えています。

 そもそも募集株式の発行は資金調達を目的とするものであり、新株を発行し財産
を増やすためのものです。「簿価」でのマイナスやゼロは許されても(時価では財
産が増加)、「時価(又は価値)」でのマイナスやゼロを許容したら、制度趣旨に
合いません。

 もし、ほんとうに時価でも価値がないとお思いなら、ぜひ当グループに無償で譲
ってほしいものです。みんなで毎日、電話して、5%くらいは回収しようと思って
いますので………。


2011.08.10(水)【期間計算と「〜日まで」】(金子登志雄)

 セクシーにハゲた渡部さんとお会いできるのは、いつの日でしょうか。私の悩み
は髪ではなくイビキですから、私もセクシーにイビキをかくように努力しましょう。

 さて、新株予約権の行使期間が平成23年7月31日にまでになっていたが、こ
の日は日曜日であるから、民法142条に従い、満了日は翌日まで延びるのかとい
う質問がありました。第142条には「期間の末日が………休日に当たるときは、
………期間は、その翌日に満了する」とあるからです。

 皆さんはどう思われますか。

 これについては月刊「登記情報」578号(2010年1月号)に書いたことが
あり、私の意見は、「〜から1か月以内」、「〜から10日間」などという場合は
民法142条の適用があるが、「〜から平成〇年〇月〇日まで」と満了日を期日に
した場合は、民法142条の適用はないというものです。

 増資の払込期日は日曜日でもよいとされていますから、払込期間を「〜平成23
年7月31日まで」とした場合も、期間を伸長する必要はないでしょう。

 新株予約権の行使期間も十分に「期限日」を知って新株予約権者になったわけで
すから同じ解釈が可能だと思います(ただし、債権者異議申述期間の場合は、会社
が勝手に定めた期限であるため、民法142条の適用があると解されています)。

 ところで、7月31日が満了日だとすると、登記実務では「8月1日行使期間の
満了」と登記します。期間満了の効果が発生したのは、8月1日の午前0時だから
です。「満了日」と「満了の効力発生日」の違いです。

 しかし、「7月31日行使期間の満了」と登記するのが正しいのではないかと、
いまも思い続けています。8月1日以降にならなければ登記できないことは認めま
すが、平成22年の満了日は12月31日であって、平成23年1月1日と解釈す
るには違和感があるからです。


2011.08.09(火)【合格後の副作用−ハゲ−】(島根・渡部浩義)

 再び、暑くなってきました。暑いときに暑苦しさ炸裂の長篇です。

 親族の結婚式での集合写真が送られてきました。人相が悪いことは生来として、
私も御髪についてはいよいよ覚悟を決めなければならないようです。

 齢七十を超える父は白髪ながらもまだフサフサ、祖父も濃くはありませんでし
たが、ハゲではありませんでした。司法書士試験に受かるというのも、もともと
人生の予定にはありませんでしたが、自分がハゲるというのも全く人生の予定に
はありませんでした。『禿(ハゲ)』なんて他人ゴトのはずでした。

 最近、くだらない夫婦ゲンカの私の“売り言葉”に、家内が「だいたい、私は
お義父さんの頭髪を見て、『この人は絶対にハゲない』と思って結婚したのに、
わが親父ハゲ(注―家内の実父は薄い)で、わが亭主までハゲるなんて聞いてな
い!、詐欺だ!」と胸に突き刺さる“買い言葉”を文字どおり間“髪”いれずに
のたまい、『やっぱり、そんなこと思っていたんだ』と、相当に凹(へこ)みま
した。

 考えてみれば、司法書士試験に受かってから何かにつけ私の人生の方向が大き
く変わっていったというべきでしょうか。ハゲに関しては、その予兆は試験に受
かり有資格補助者として勤務していた頃に確かにありました。仕事が面白くも忙
しい、そして田舎出身の若輩者が扱うには高額で複雑、緊張する案件が続いてい
たバブル絶頂の二十数年前のあの頃・・・・。

 久しぶりの休日に床屋へ行くと、「あれー、この髪は白髪になる髪なのに、ハ
ゲの抜け方してますよ。最近何か悩み事でもあります? えらい、よーけ抜けま
すな。」と、突然そこの主人に言われました。

 『そんな馬鹿な・・・。』

 そのときは、さして気にもしなかったのですが、その後、たまに浴びる(基本
的に忙しく、あまり風呂に入らない生活をしていた。薄汚かったー。)シャワー
の折に、やけに肩や背中を髪の毛が伝い流れていくのを感じつつ、排水溝にたま
る髪の毛がさすがに無視できなくなりました。

 ある日、スーパーに買い物に行った折、薬局の前で賑やかに並んでいる育毛剤
の特売POPが目に入りました。

 『将来の守り代わりに一本試してみようか・・・。』
 ただ、二十代半ばの青年(私のことです。)にとって人目のなか育毛剤を買う
というのはかなり勇気のいる行為でした。また、ほかの薬品とは違って、育毛剤
はどれもが五千円以上とかなり高額なのです。懐具合のまだ怪しい若者(私のこ
と)にとっては、未来の髪の毛も大切ですが、明日の食費も大事なのです。

 結局、「新発売! 新成分配合でこの価格!! 育毛の科学を信じたい!!!」とい
うフレーズに誘われ、比較的手ごろ価格だった忘れもしないL社の『●●●デカ
ン』という育毛剤を買い、もやし・ネギなどとともに買い物袋に入れて、スキッ
プしながら帰路につきました。

 帰るなり、早速シャワーを浴び、いつになく念入りにシャンプーの後、買って
きたばかりの『●●●デカン』を頭皮にふりかけ、「これで将来の髪の毛も保証
されてたかな・・。」などとハミングなどして頭皮をマッサージしていると、流
れていた夕方のテレビのニュースが、「L社は薬事法に反してデータを捏造し、
『●●●デカン』を回収する・・・・云々」と、今まさにその商品の不祥事を伝
えているではないですか。

 「・・・・・・・!」 
 あまりに出来すぎではないのか。あの時、ケチらずに高い『カロヤン』にして
おけばよかった。
 「もう、育毛剤なんて買わん!」
 
 ちなみにそれから二十数年後の現在における先の夫婦ゲンカの折に家内の“買
い言葉”に対して応酬した私の再びの“売り言葉”は、「ハゲてやる。よりセク
シーにハゲてやる! ラテン系の世界では口ひげも相まって大モテだ。」と言う
のが精一杯でした。

 個人的には、結婚できたし、世継ぎも設けました。これ以上何を望むというの
でしょう。でも、この業界に生きる若い皆さんへ。どんなに忙しくても風呂には
入り、頭皮は清潔に保ちましょう。ないよりはあったほうが良いことは間違いあ
りません。たぶん。

 御髪も立派な、金子代表、T氏がうらやましい・・・・。


2011.08.08(月)【特別利害関係】(金子登志雄)

 7月22日付の本欄で、定款で定める株式譲渡の承認機関が代表取締役のとき、
代表取締役自身が譲渡する場合あるいは取得する場合は、利益相反問題は生じず、
承認不要ではないかと書きました。

 これにつき、利益相反の問題ではなく、代表取締役は、そのことに特別の利害
関係を有する者として、やはり承認できないのではないかとのご意見(異論)を
いただきました。
 このご意見には決定的な誤謬があるのですが、お気づきでしょうか。

 こういう問題は受験生のほうが強いかもしれませんが、会社法の条文をみても、
「【決議について】特別の利害関係を有する」(取締役、委員、者)とあり、特
別利害関係は会議体の決議の公正を担保する制度であって(369条2項など)、
株主総会、取締役会、委員会の決議の問題であって、株式譲渡の承認機関が会議
体でない場合には適用されません。

 「取締役の過半数の一致をもって承認」と定めても、これは会議体ではありま
せんから、適用されません。協議して決定する必要はなく、過半数の賛成があれ
ばよいという意味です(「互選」も協議は必須ではありません)。

 一歩譲って、会議体の決議だけでなく、業務執行機関の決定自体の中立性・公
正性を担保するものだと拡張解釈しても、「決定してはいけない」という事前予
防の効果を持たせるのは行き過ぎです。株式会社は営利法人であり、自己の利益
を追求して決定することは当然の行為だからです。

 それで不都合があれば定款を変更すればよいことで、特別利害関係の解釈でこ
の問題を解決すべきではないでしょう。


2011.08.05(金)【刑事裁判実務入門】(金子登志雄)

 土日を前にして、たまには、刑事裁判実務の勉強でもしませんか。講師は弁護士
でも大学教授でもなく、鈴木宗男氏の「階段」(ステップ)として逮捕され、懲役
2年6月(執行猶予4年)の刑を受けた佐藤優氏です。聞き手は、小沢一郎氏への
「階段」として逮捕され、先般の論告求刑で禁錮2年の求刑を受けた石川知裕氏に
お願いしましょう。

http://www.ustream.tv/recorded/16268248#utm_campaign=synclickback&source=deniedbyhost&medium=16268248  

 お2人には申し訳ないが、実に面白い。特に佐藤講師の話術は優れており、獄中
での生活の手引きだけでなく、自殺した松岡利勝元農水大臣との秘話をはじめとし
て疑惑を受けた方が追い詰められて行く様子や心理についても説明していました。
とにかく、その環境(マスコミにあることないことを書かれ、何を言っても誰にも
信じてもらえない自身の存在価値さえわからなくなる状況か)から、1日も早く脱
したくなるようです。

 小泉八雲の短編「はかりごと」の話(憎悪の目先を変えさせること)から、「菅
首相=ナルシスト論」もあり、1時間の授業ですが、全く飽きさせませんでした。

 石川氏への禁錮2年の求刑は、検事が最初から執行猶予でよいと思っており、禁
錮3年6月の求刑を受けた大久保秘書に対する検察の意図は実刑ということです。
(刑法25条により、「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」が
執行猶予の条件です)。

 また、佐藤講師によると、裁判費用(弁護士報酬等)は2500万円程度もかか
るため(最高裁まで行く場合)、それが原因で、戦わずして冤罪を受け入れてしま
う方が少なくないようです。執行猶予であれば早く終わらせた方がよいとの打算で
す。これは、よく理解できます。普通の社会人は執行猶予を選択するでしょうから。

 過去の経歴が重視される政治家である石川氏は最後まで頑張ると決意したため、
『悪党』の本を出版し、裁判費用の足しにしようと思ったとのことでした。

 石川氏が逮捕されるとは誰も思っていなかった時期に、佐藤氏は逮捕間違いなし
と予言した人です。西松建設事件が生じる前に、民主党は政権をとれるが小沢一郎
代表は既得権力の妨害で総理になれないと予言したオランダ人の日本研究科ウオル
フレン氏といい、その社会の仕組みの本質を見抜く洞察力はどこから来るのでしょ
うか。学校の勉強では決して学べない能力ですが、ここまで優秀な頭脳を持ってし
まうと、権力側からは目障りでしょうね。地動説のガリレオのように………。


2011.08.04(木)【遅滞なく】(金子登志雄)

 立花さん、投稿ありがとうございました。

 立花司法書士から、「会社法499条で解散公告は解散後『遅滞なく』とあるが、
解散後どの程度の期間を空けてよいのか」と質問されたことがあります。

 会社法には、「遅滞なく」のほかに、「直ちに」(203条5項など)「速やか
に」(940条3項3号)という表現があります。

 いずれも国語の意味としては「すぐに」ですが、「直ちに」は、「何はさておい
ても、すぐに」で、「速やかに」は「準備ができ次第、早急に」、「遅滞なく」は
「準備ができ次第、なるべく早く」といったニュアンスでしょうか。「遅滞なく」
のほうが「速やかに」よりも若干遅めに感じます。

 解散公告は「遅滞なく」ですから(決算公告もそうですね)、解散直後に「直ち
に」公告する必要はなく、解散後のドタバタの整理がついてから、あるいは、弁済
余力があるのなら、必要な債務を弁済して債権者数を少なくしてから、公告をして
もよいと私は考えています。

 そのような理解でもしておかないと、商業登記規則第38条「登記官が申請書を
受け取つたときは、【遅滞なく】、申請に関するすべての事項を調査しなければな
らない」に違反した登記所ばかりになってしまいます(もっとも、調査は「遅滞な
く」しているが、それ以後の「交合」や「記入」で遅滞が生じているのが現状のよ
うですけど)。

 ところで、靴を知らない島があったとき、靴が売れると感じるか、売れないと感
じるかは、人それぞれですが、同様に、若いうちは、「遅滞なく公告しなければな
らない」を「遅滞なくしなければならない」と規制の方向から解釈する傾向がある
のに対し、私のようなベテランになりますと、「ねばならない」のは公告のことで、
これは「公告しなければならないが、直ぐにである必要はない」と規制緩和の方向
で解釈してしまいます。これは退化でしょうか。


2011.08.03(水)【木を見て森を見ず・・・】(仙台・立花宏)

 皆さま、はじめまして。仙台の飯川洋一司法書士事務所に勤務しております司法
書士の立花宏と申します。

 地元の司法書士会主催の研修会で金子先生に講師をお願いした際、研修会の担当
をさせていただきましたのがご縁で金子先生と面識を得ることが出来た幸運な登録
4年目の新米司法書士です。

 その金子先生から徒然日誌に原稿を載せてみないかというお誘いをいただき、ほ
んの少しもためらわなかった怖いもの知らずの図々しい新米司法書士でもあります。
どうぞよろしくお願いいたします。

 さて、早速ですが、新米司法書士ということで、勤務している事務所に入所した
ばかりの頃の失敗エピソードをご披露させていただきます。

 とある会社から解散登記の依頼を受けて、無事、登記が完了し、依頼者に完了後
の謄本等の書類といっしょに請求書をお届けした時のことです。

 会社の登記を担当したのはこれが初めてだったので、とてもドキドキして会社を
訪問した記憶があります。

 依頼者から、無事、手続が完了したことに感謝の言葉をいただいたので、調子に
のった私は、「費用はなるべく早く、お振込みください!!」とお願いしました。

 すると、その会社の担当者は困惑したように、笑いながら言いました。
「すみません、すぐに支払えるものなら支払いたいのですが・・・。お支払いまで
はちょっと時間がかかるかもしれません。」

 いまほど図々しくない純真だった本当の新米時代だったので、その理由を聞くこ
ともできず、「登記が無事完了して、喜んでくれていたのになぁ・・・。」と不思
議に思いながら事務所に戻りました。

 その顛末を事務所の所長に報告したところ、目を丸くして、「本当に司法書士試
験に合格したの?」という顔で、あきれられました。

 ご存知の方も多いと思いますが、会社が解散すると、会社法第500条により解
散公告期間中は、裁判所の許可を得なければ債務を弁済することができません。そ
の会社も、債務の弁済を制限されている期間の真っただ中だったのです。

 司法書士に成り立てで、登記手続のことばかりに頭がいってしまい、その周辺の
法務について全く考えなかったお恥ずかしい失敗談です。

 以後、登記というのは全体の流れの一部分で、常に全体像を意識しながら仕事を
しなければならない、と肝に銘じた出来事でした。


2011.08.02(火)【待ちどおしい】(島根・渡部浩義)

 法務省所管試験は年に1回のみ開催で、しかも結果発表までの時間が長い。合格
レベルにおられる今年の司法書士受験生の皆さんは、受験後の何ともいえない日々
をこのところ送っておられるのではないでしょうか。
 今回も冗長で他愛もないワタナベのバカ話です。

 かつて私は司法書士試験の受験者でもありましたが、その後、土地家屋調査士試
験の受験者である時期もありました。両方の試験を受験してみての感想は、同じ法
務省の試験で、同じ「登記」という事象を扱う資格のそれであっても、まったくそ
の指向や思考方法が異なる試験であるというものでした。

 さらに続ければ、調査士試験は日曜日1日限りの試験であっても“ひやかし”で
受験する人が司法書士試験に比べれば極端に少なく、技術系の人々が会場にひしめ
く独特の雰囲気がありました。(合格率などという数字のトリックにだまされては
いけません。個人的には調査士試験のほうが難しいと思いました。)

 もともと文系で、司法書士試験から転じた私にとっては、とにかく暑い中での数
学的思考、計算能力の強化が課題でした。現在は、関数電卓の持ち込みも認められ
ていますが、当時はなんと“そろばん”と“計算尺”しか持ち込みが認められてい
なかったのです。すでにパソコンが広まりつつあった世であったのに。
 
 今年の司法書士試験では、記述式問題の論述事項が多く、解答時間が足りなかっ
たことがこのコーナーでもとりあげられていましたが、最後まで解けない、解答時
間が足りないというのはかつての調査士試験では常識でした。というか調査士試験
は、受験時間内には基本的に全部解答できないように問題を作ってあるということ
を、合格後に元試験委員の方から伺いました。

 当時合格レベルにあった人たちの常識は、@択一問題は必ず一読一発で解答を出
す、再読、見返している時間はない、そんな時間があれば、記述式問題にあてる。
A記述式問題中、建物問題は必ず満点をとる。B土地の記述式問題はできるところ
まで解答用紙が回収されるまで解き続ける、というものでした。およそ土地問題が
最後まで解けた者はなかったと思います(中には怪物もおられましたが)。何とか
図面を引き終え、汗まみれで面積計算をしていると、必ずタイム・アップ、ゲーム
オーバーになるのです。

 合格のレベルにあった者は大体こんな様子だったとも思います。ではどうやって
最終的に合否判定がついていたのでしょう。その元試験委員氏によれば、択一足切
り後の記述式解答採点の際に、その受験者が残した試験問題を見ていたというので
す。

 当時は現在と違って試験問題の持ち帰りはできず会場で回収をされていました。
受験番号、氏名を記して机の上に残していかなければなりませんでした。これが採
点の際に合否を分ける有力な資料だったというのです。対象受験者が問題文中の図
形に書き込んだ補助線や、余白に書いている演算プロセス、数字等を見て、基本的
にわかっていたのか、センスがあるのか否かを判定されていたらしいのです。

 そういえば、どこかの大手企業の面接試験において、面接試験官は、面接室で面
接している人事担当者ではなく、試験待合室前の廊下を掃除していた“掃除のオバ
ちゃん”こそが真の試験官だった、という真偽のほどは相当あやしい笑い話もふと
思い出しました。

 最後まで頑張ったか、自分なりに“隙”はなかったか。20数年前の受験生の常
識が、果たして現在の試験にも通用するのかわかりませんが、時間が足りなかった
のは多分誰もが同じはずです。往々にして、「出来た!」と思っていたときほど結
果が悪く、「しまった!!」と思っていると比較的結果がよいというのは、現在でも
変わらぬ試験においての“法則”でしょう。

 発表が待ちどおしい・・・。みなさんの吉報を期待しています。


2011.08.01(月)【商号変更と改印】(金子登志雄)

 8月になりました。1日は商号変更の登記が多いのですが、A社がB社に商号を
変更し、印鑑をA印からB印に変更するとき、司法書士の皆さんは、次の3つのう
ち、どんな手段を使っていますか。

 @ 先に従来のA印で商号変更登記を完了させる(「B社=A印」の状態に)。
  続いて、B印に改印する(「B社=B印」となる)。
 A 先にA社名で改印する(「A社=B印」の状態)。続いて、商号変更登記を
  完了させる(「B社=B印」となる)。
 B 先にB社名で「B社=B印」を届け出る。続いて、B印で、A社をB社に商
  号変更登記を申請する。

 @とAは、届出印を押して登記しているわけで、何の問題もありませんが、実務
上はBの方法が圧倒的多数でしょう。私も、合併と同時に商号を変更し、改印する
など、数え切れないほど経験しましたが、ふと、なぜ、この方法が許容されるのか
という疑問に襲われてしまいました。

 登記の面からみれば、まだ商号変更の登記が終わっていませんから、A社です。
そう考えると、A社の登記申請にA社の届出印を押さずに、無印のまま強引に商号
変更登記を完了させ、あとで辻褄を合わせただけではないかという疑問です。

 いや、申請人をB社にして「AからBに商号変更した」という登記を申請するの
だから、改印と考えずに申請人B社の印鑑を新規に届けたと考えればよいのだ(た
ぶん、この思考でしょう)、いや、A社の改印だが、商号変更登記申請と【同時】
にB印を届けたと考えればよいのだなどと、例によって、ああでもない、こうでも
ないと試行錯誤してしまいましたが、改印という前提に立った場合にも、やっと私
なりの結論がでました。

 「A社の印鑑としてB印を届けた」とか「B社の印鑑としてB印を届けた」とい
う発想自体をせずに、「法人番号〇〇〇〇番の会社の印鑑としてB印を届けた」と
考えればよいわけです。すなわち、「登記申請対象の【その会社】の印鑑を改印し
た」というだけで、「AことB、BことA」であり、「A社=B社」です。Aさん
が名前を変えてBさんになっても、同じ人であることに変わりがありません。

 A社とB社を別人と思ったから、おかしな迷いが生じたわけで、A社名で届け出
しようが(上記A)、B社名で届け出しようが(上記B)、いずれも可能であり、
どうせなら変更後のB社名で届け出るほうが事務上も便利だということでしょう。

 皆さんは、ふと、こんな疑問に取りつかれることはないでしょうか。解決がつく
までは便秘になったような憂鬱な気分ですが、解決すると、すっきりさわやかです。


2011.07.29(金)【文系表現と理系表現】(金子登志雄)

 会社法や計算規則をみるたびに、実に論理的表現だなと思うと同時に、因数分解
(デジタル化)し過ぎじゃないかと思わないでもありません。立案者に東大工学部
出身で理系頭の郡谷大輔氏〈現弁護士)がいたことの影響が大きいのでしょうか。

 剰余金の資本組入れは「剰余金の減少」と「資本金の増加」となり、減資は「資
本金の減少」と「資本剰余金の増加」になりました。損失の処理も「その他利益剰
余金の増加」と「その他資本剰余金の減少」の2つに分解され、転換株式の転換も
「A株式の取得請求」と「B株式の交付」に分解されました。

 しかし、この思考に慣れると結構面白く、増資や組織再編の計算でも、ちょうど
バランスシートの貸借を合わせるように論理を積み重ねて行く作業が必要となり、
ミスの防止になります。論理が一貫していないと、バランスが合いませんし、法務
局ではねられます。そこに感情が入り組む余地はありません。

 ところが、株主総会招集通知などで株主に増資や組織再編を行う理由を説明する
ときは、説得するシナリオを作って、「なぜ、いまこれが必要か(賛成していただ
かないと困る)」と株主の心情に訴えるような表現をします。さすがに文学的な表
現まではしませんが、株主の賛成を誘導するような文章にもなりがちです。

 法務局や裁判所では、法律のプロ同士の会話になりますから、いくら「……と思
われる」「……と推認される」などといっても、何の証拠や根拠も明示しなければ、
それこそ馬鹿にされてしまいます。まさに「出直してこい」です。ただし、法廷で
それをすることは、プロには通じなくても、素人の聴衆やマスコミには、「なるほ
ど、そうか」と思わせる宣伝効果はあります。

 情けないことに小沢秘書裁判は、どうもこの類に成り下がり、検察の面子にかけ
た世論に訴えるプロパガンダの場所になっているようです。東大理学部出身の理系
頭の元検事郷原信郎氏(コンプライアンスの日本の権威)が、この文系表現の論告
を痛烈に皮肉っていました。

    http://www.twitlonger.com/show/btqm95

 われわれも、理系頭の人間に馬鹿にされないよう、論理的な文章を心がけないと
いけませんね。 

(注)郷原ツイッターの中に出てくる「切り違え(尋問)」とは、AにはBが白状
したよとウソをつき、BにはAが白状したよとウソをつく取調べのことで、違法証
拠収集の典型的手段のことです。取調べを担当した前田検事〈村木厚子事件でCD
を偽造し逮捕)の行っていた方法です。


2011.07.28(木)【氏名の更正登記】(金子登志雄)

 商業登記法132条2項によると、「更正の申請書には、錯誤又は遺漏があるこ
とを証する書面を添付しなければならない。ただし、氏、名又は住所の更正につい
ては、この限りでない」とされています。

 先月も東京法務局で監査役の「【管】直人」さんを「【菅】直人」と更正登記し
ましたが(もちろん本欄用の仮名であり、どこかの国の首相とは一切関係ありませ
ん)、本条ただし書に基づき証明書類を添付しませんでした。

 取締役会設置会社の取締役や監査役の就任登記においては、氏名について何の証
明書類も不要であるため(非設置会社では印鑑証明書が必要)、この手の更正は少
なくありません。「橋下」さんを「橋本」で、「安部」さんを「阿部」さんで登記
してしまう類です。私の名も、よく「登志【男】」と誤記されてしまいます。

 この手の事例につき、商業登記倶楽部の会員情報で、何を勘違いしたのか、ある
法務局で証明書類を要求する登記官があったとのことですが、それは論外として、
商業登記倶楽部主宰者の神ア先生が「甲野一郎」を「乙野二郎」に更正する場合は、
相違が大きいので、証明書類を要求されても仕方ないだろうとおっしゃっていたの
が気になりました。

 これは「氏」と「名」の両方であれば証明書類が必要だという意味ではありませ
ん。「氏、名又は住所」という「A又はB」というときは「A or B」だけでなく、
「A and B」を含むからです。

 「甲野一郎」と「乙野二郎」では、更正前と更正後で同一人と推測できないとい
う意味であって、島根の「渡部浩義」さんを「渡辺弘義」と誤記した場合とは相違
します。住所でも、「横浜市中央区……」を「横浜市中区……」と証明書類なくし
て更正できても、「東京都中央区……」と更正する場合は証明書類が必要のことが
多いでしょう。

 なお、この「氏、名又は住所」とは個人限定で、法人は含みません。法人の場合
は「名称、商号」ですし、「主たる事務所、本店」だからです。しかし、組織再編
に関する会社法の規定(749条など)は、会社でありながら「住所」とあり、登
記に関する911条では「本店の所在場所」としています。会社法749条などの
表現は、更正しなくてよいのでしょうか。


2011.07.27(水)【山中で考え改め………】(島根・渡部浩義)

 暑かったのですが急に思い立って、休日に中学生の息子を従え、先祖からの山林
の手入れに出かけました。

 拙い我流の方法ながらも、親子で下草を払い、間伐や枝打ちをしました。作業の
合間に谷川のほとりに腰をおろし、それまでの作業の成果をみれば手放しで気持ち
がよいものです。最近はまともに口も利かなくなり、出かけるときは不機嫌そうな
顔をしていた息子ですが、一体何を思ったでしょう。

 「これからは、これをお前の持ち物として使うように。」
 今から30数年も前に、頻繁に一緒に造林山行きをしていた私の祖父から、手鋸
(のこ)と鉈(なた)を渡されました。私がまだ小学校の高学年の頃の話ですが、
大人から一人役の手間数として認められたような気がして、素直にうれしかったこ
とを思い出しました。

 当時は所有山林の手入れに来る人々で、山の中も結構にぎやかだったように思い
ますが、このだびは誰にも会うことはありませんでした。人も入らなくなり、山の
中は荒れました(もっとも、自然本来の山の姿に戻りつつあるというべきでしょう
か。)。人づてに聞く、隣と境界を争って薪を切り、木を植えていたとう時代がう
そのようです。

 休憩中の眼中に入ってくる、ありがたくも樹木が茂り、木漏れ日の谷川に水が流
れる景色を眺めていると、最近読んだ書物にあった記述が思い出されました。
 
 それによれば、ペリーが来航した当時の関東地方は薪を切りつくしてハゲ山の連
なる国だったとか、また別の書物よれば、人口60億超の世界が水を奪い合う日が
そう遠くない未来に到来する(あるいは既に到来している?)という記述です。

 そのほかにも山の中の様子を見れば、「世の中(環境)は本当に大丈夫か?」と
思われる変化をたくさん見つけることができます。

 少し昔のことは忘れて、今現在「潤沢にある」、「得意である」と思っている事
柄が案外“脆い”ということは、このたびの震災以後、国民の誰もが感じたことだ
と思います。

 平素の私の業務を省みても、1uあたり数十円という人間の勝手な「評価額」に
慣らされ、また、「効率」という言葉に代表されるような現在の経済的価値観・尺
度にのみとらわれて「評価や経済的効用の低い山林の相続や売買の登記などに、そ
んなに費用をもらえるものか」とずっと思っていました。が、山林を所有し管理す
ることにも大きな社会的意義もあるのではないかと、最近考えを改めつつあります。

 せめて私が日常業務であたる書籍や使用する用紙のパルプ分にはなるくらいの石
高(こくだか)の木材は育てたいものだと思いながら、休憩後の作業に戻りました。 
最近は、お金を払って汗を流す世の中のようですが、時々は額に汗して我が家の将
来のしかけも作っておきたいと思います。


2011.07.26(火)【監査役の性格的適任姓】(金子登志雄)

 地デジの関係で、先日からテレビがみられません。これで、とうぶんの間、テレ
ビ情報が得られなくなりました。まぁ、平素、テレビや大手新聞は日本を悪くして
いる元凶だと批判していますから、どうでもいいことですが………。

 さて、法律問題ではなく、性格面での監査役の適格性としては、協調性に欠けて
いることも含まれるかもしれません。皆が右だと言っているときに、「待て、右は
危険だ。いまは左だ」と言えなければ、監査役は務まりません。

 私自身は、飲み食いの付き合いもよく、協調性はあるほうだと思っていますが、
集団行動は大の苦手です。組織に合わないから司法書士という自由業を営んでいる
とも言えるのであり、案外、このひねた性格は監査役に合っているかもしれないと
も思っています。

 そんなことを思っているとき、これを読みました。

 http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2011/07/post_268.html#more

 覚えている方も多いでしょうが、当時は薬害エイズ事件の安部医師は極悪人扱い
でした。いまでは、冤罪扱いされています。

 あの頃は、マスコミの煽りを受けて、日本中が「安部を吊るせ」と集団ヒステリ
ーになっており、安部医師の味方は1人もマスコミに登場しませんでした。マスコ
ミを無批判に信じていた私自身も、安部医師へのリンチに加担していたようなもの
でした(やはり、テレビは悪の権化です!)。

 いまは大手マスコミとは違う情報がネットで流されますから、小沢問題もホリエ
モン問題も、原発問題も、多様な情報や意見の中から選択できますが、テレビや大
手新聞しか読まない真面目な方は、一方的な偏った情報しか入手できないわけで、
無意識に集団ヒステリーになっていないでしょうか。

 真面目であることは、時にして犯罪です。当社の監査役に就任するにあたり、ま
すますひねた性格の長所を発揮して監査しようとの思いを強くいたしました。

 ところで、ネットのない時代には、このような社会的関心ごとの事件に関与した
検事は、退官後、皆、大手企業に高額な顧問料で迎えられていましたが、先般の日
刊ゲンダイによると、小沢事件を主導した検察幹部の大鶴氏は、大手法律事務所へ
の就職にも苦労しているとか。冤罪捏造事件の首謀者を迎えた法律事務所と思われ
たくないようです。

 「善」だと思われていたことが、たったの数年で「悪」に変わる時代にあって、
道を誤らないことは至難の技ですが、ひねた目が再認識される時代になったともい
えそうです。大いに、ひねましょう。


2011.07.25(月)【監査役と司法書士】(金子登志雄)

 6月定時株主総会後の登記実務も終盤時期です。ほとんどの会社で登記が終わっ
ていると思いますが、会社の方でも司法書士に任せきりにせずチェックを怠らない
ようお願いします。前年の申請書に上書きしたために、平成23年を22年で申請
し、そのまま登記されてしまったり、荻原さんが萩原さんになっていたりのケアレ
スミスは、意外に多く、司法書士も法務局も見過ごしてしまうものです。

 さて、私が当社の取締役から監査役に代わることにつき、「金子も歳だから、前
線から外されて、監査役に変わったのだろう」と思った方も少なくないでしょう。

 業務執行の適法性の「お目付け役」で、監査役の権限は想像以上に強大ですから、
ある程度の年齢が必要であることは否定できません。

 監査役の権限のうち、他の監査役の選任に対する同意権は、黄金株と同じく拒否
権と解されていますし(会社法343条)、地位の安定のため、任期も徐々に伸長
され、平成5年の改正で、2年から3年に、平成14年だったかの改正で、3年か
ら4年になっています。

 上場会社では、最近は、コンプライアンスの観点から、専門知識を持った弁護士
や公認会計士が「社外監査役」になる傾向が少なくないようですが、残念ながら、
司法書士はまだまだ少ないようです。弁護士・会計士は全国で3万人以上だが、司
法書士は2万人程度という「数」の事情もあるでしょうが、まだまだ世間からの認
知度が低いのでしょう。

 上場会社でありながら、法定公告を忘れて株式分割や会社分割ができなかった会
社をみると、もっともっと司法書士の監査役への参入を認めるべきだと私は思って
いますが、肝心の司法書士サイドでも、会社の実情に強い方が少なく受入れ体制が
整っているといえるかは疑問です(それでも、会社法手続については、平均的弁護
士さんより平均的司法書士のほうが圧倒的に詳しいといえます)。

 いや、重責の監査役になるくらいなら、気楽な抵当権抹消や役員変更登記の仕事
を増やしたほうが利口だと思っている司法書士が多いのかもしれませんね。それは
それで、極めて賢明な選択と私も思いますが、チャレンジしない人生は面白くない
ともいえます。

 監査役になり取締役会に出席することで、企業がどのような仕組みで動いている
のか、企業法務はどの程度の位置づけにあるかなどがよくわかり、司法書士業務に
も深みが増しますので、積極的にチャレンジしましょう。


2011.07.22(金)【代表取締役の譲渡承認】(金子登志雄)

 最近、「株主1名で取締役も1名」という個人会社の設立の仕事を何件かいた
しました。

 譲渡制限規定は、「当会社の株式を譲渡により取得するには、【株主総会】の
承認を受けなければならない」がよいか、「当会社の株式を譲渡により取得する
には、【代表取締役】の承認を受けなければならない」がよいかと確認しますと、
多くのケースが後者を選択します。

 さて、後者の場合に、代表取締役自身が譲渡人や譲受人になるときは、その承
認はどうなると思いますか。

 ほとんどの法曹が、これは利益相反だから、代表取締役自身は承認することが
できず、本則に戻って、株主総会の承認になるとの見解のようです。

 私は、その見解には当初から批判的であり、こういう場合は承認があったと考
えればよいという考え方です。定款に定めた趣旨からも、そういえると考えてい
ます。

 そもそも、利益相反というのは、自己が利益を得て会社自身が損をする可能性
のある行為をすることですが、株式譲渡の承認は総会屋など会社の好まない者が
株主となることを防止するための「既存株主」保護の制度であって、「会社」自
身の利益を守るものではありません。ここで、なぜ利益相反という問題が生じる
のか私には理解できません。

 おそらく、反対説は「会社の利益=既存株主の利益」と考えるのでしょうが、
やはり、会社と株主は人格も利益も別の存在というべきでしょう。

 とはいえ、このような反対意見がありますので、依頼があれば、私は「当会社
の株式を譲渡により取得するには、代表取締役の承認を受けなければならない。
ただし、代表取締役が譲渡又は取得する場合は、承認(を)したものとみなす」
と定めるようにしています。

 もっと簡単に「当会社の株式を【代表取締役以外が譲渡又は取得するには】、
代表取締役の承認を受けなければならない」としてもかまわないのですが、譲渡
制限株式の定義からして、「承認を要しない」よりも「承認(を)したものとみ
なす」という表現が適当です。


2011.07.21(木)【一人事務所(または職人肌事務所)VS 大手事務所】(富田太郎)

 先日、某上場会社の法務部の方が、面白いことを話されていました。

 「有名&大弁護士事務所・司法書士事務所等の場合、事務所が有名でも、担当の
センセによって、実力差があります。だめな担当(センセ)に当たると一苦労です
〜。その点、富田センセの事務所は一人なので(きっぱり!)、担当が代わること
もないので安心できます。」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ほめ言葉か否かは、微妙ですが、『職人肌のセンセ♪』と言っていただけたのだ
と解釈しています。

 まぁ〜、一人事務所は、『仕事・知識・技術』に専念していればよいので、私に
は最適かもしれません。

 もっとも、この手のタイプの事務所は、まずは大きくなることはなく、また、人
を雇うと悲劇となるケースも稀にあります。

 私が、最初に勤務した司法書士事務所のボスは、かなり『勉強家&自信家の方』
でしたが、絶えず、事務所スタッフと知識を競うので、事務所は殺伐としていまし
た。

 ところで、話はかわって、先日、ある本(『究極の人間洞察力』小林吉弥・講談
社文庫)を読んでいたら、田中角栄の次の言葉が出てきました。

 「赤坂、新橋でも、料亭の女将で店を大きくするのは、どんな奴か分かるか?
『仲居さん』『女中さん』あがりだ。ダメなのは『芸者さん』あがりだよ。」
(原文ママ)

 この言葉、同時代の政治関連の本(『自民党戦国史』伊藤昌哉・ちくま文庫)に
も出てくることから、田中の言葉というより、当時の派閥の経営者(首領)の間で
は、かなりポピュラーなものであったと思われます。

 つまり大意は、

 「芸者あがりの経営者は、なまじ『顔に自信』があるため、いつまでも店の若い
娘と競おうとする。だから、店(経営)は、絶えずガタガタしている。
 その点、仲居さんあがりは、経営だけに専念するため、店も順調に発展していく」
ということだそうです(BY『自民党戦国史』による解釈)。

 この言葉、司法書士事務所経営にも通じる、非常に含蓄のある言葉だと思いませ
んか?

 ・・・・・・・・・・・・・・

 もっとも、Kセンセのように、会社法研究には興味あるけれど、事務所を大きく
することに興味のない方にとっては、何の意味のない言葉ですが・・・・。


2011.07.20(水)【デジタル残酷物語 其の壱】(島根・渡部浩義)

 「国の方針により、2011年7月24日正午をもって渡部家からテレビがなく
なります。これで勉強に身が入る環境がやってきます!」
 そう子供に父(私)は伝えていたのに、世のジジ・ババはまったく孫にろくなこ
とをしません。地デジ対応型液晶テレビが続けて3台も我が家にやって来ました。

 『アナログ放送終了まであと●日』という、最近画面左下にでる字幕が邪魔だと
思いながらも相変わらずアナログブラウン管電視台を私が視聴していると、廊下を
挟んだ隣の祖母の部屋から聞こえてくるデジタル波電視台の音声が明らかにワンテ
ンポ遅れて聞こえてくることに気づきました。

 後日、その筋に詳しい顧客P氏に、その疑問をぶつけると、「地デジは遅れるで
ー!」の一言。私はどうも明瞭に説明が出来ないのですが、どうもデジタル放送電
波(12セグ)を画像・音声処理するにあたっては受信機(テレビ)の処理エンジ
ンの能力の差がでるらしいのです(詳しい読者の皆さんは、このわかったようなよ
くわからない私の説明を笑ってください。)。さらに、CATVなどで受信してい
る世帯などにあっては、CA局での受信機器のスペック(処理能力)によって、さ
らに音声画像が遅れることもあるらしいのです。

 私:「では、デジタル放送で流れている時報は遅れた誤った時報なのか?」と
   続ければ、
 P:「最近、7時とか12時のニュースの始まりに『プッ、プッ、プッ、プー』
   という発信音付秒針付時計映像の時報がテレビで流れてるかー?」との一言。

 そういわれてよくよく気をつけて見ると、あのお馴染みの時報映像は最近ありま
せん。朝夕とも7時のニュースは、いきなりアナウンサーの第一声またはテーマ音
楽とともに始まるのです。

 私:「じゃあ、私たちがデジタル放送で見せられている画面左上の時刻表示は、
   正確には、遅れた誤った表示なんですか?」
 P:「たぶんね。でも、誰もが携帯電話や電波時計を持つこのご時勢で、テレビ
   の時刻表示が数秒遅れて誰が困る?完全地デジ化完了後には、あるいは送信
   元で予め遅れを計算して早め時刻表示を送波するかもしれんが、そんなこと
   は総務省コールセンターにでも聞いてくれ・・・・。」
 私:「・・・・・」

 どうやら『デジタル』ならなんでも『アナログ』に優位ということでもないよう
です。私など、『デジタル』と聞いただけで、控えひれ伏してしまうような傾向が
ありますが、その考え方もどうやら誤った物事の捉え方のようです。

 ところでデジタル波になると、特に都市部で難視聴世帯が増えるとか。放送内容
の質のことといった小難しいことはさておき、テレビも満足に視聴できない新たな
地域の発生という『残酷物語』も発生しそうです。

 それにしてもアナログ放送は本当のところどうなるのか、来る7月24日正午が
少し楽しみです。山あいのシホーショシは今からコーフンしながらその時を待って
います。ヒマだからでしょうか。


2011.07.19(火)【冥利に尽きる】(金子登志雄)

 連休中は、なでしこジャパンのW杯優勝という明るい話題がありました。清楚な
なでしこどころか、ひまわりのように燦々と輝いていましたね。お見事でした。

 さて、13日から、「今度は監査役ですか」というメールを数人のお客様からい
ただきました。

 日本経済新聞で、上場会社の人事異動の情報をみている方が思っていた以上に多
いようです。そこに、当社(アクモス)の人事異動の情報が小さく新聞に載っただ
けですが、あの人も、この人も、私が9月下旬の定時総会で取締役を任期満了し、
監査役に変わることを知っていました。

http://www.c-direct.ne.jp/public/japanese/uj/pdf/10106888/20110712199102.pdf

 この異動は会社が成長し、人材も増え、「業務執行」の面で、私を必要とする場
面が少なくなったという意味ですから、創業役員冥利に尽きます。

 思い起こせば、平成8年に株式公開したとはいえ、赤字の零細企業で将来性だけ
で公開させてもらったため(そういう制度がありました)、役職員も総勢10人程
度でしたから、総務も広報も株主対応も総会運営も私1人で行っていました。業績
が思うように伸びず、株式掲示板で「死ね」などとも書かれ、毎日のように株主か
らの電話に対応しておりました。

 それが社長(公認会計士)の才覚で、株式交換等を駆使して異業種に進出し、今
は総勢200人以上で黒字体質になっています。総務も広報も株主対応も総会運営
も別の担当者がおり、私の役割は唯一、法務チェックだけになっていましたので、
取締役である必要はなくなりました。これで、今以上に、好きな司法書士業務に邁
進できますし、他社の支援にも動きやすくなりました。

 ところで、私と同時期に補欠監査役になる西山氏は、私と似た経歴で、20年近
く前に大手都市銀行の副支店長の地位を捨て、M&A業界に飛び込み、M&Aや株
式公開を支援する業務を長く続けてきた方です。つい最近まで、上場会社の役員だ
ったのに、今は前々から親しいモノコキューテックスというベンチャー企業の管理
本部長に転身しています。

 同社は、つい先日も日経産業で取り上げられたばかりの優秀な省エネ技術をもつ
会社で、看板等の照明の節電を得意分野とする将来が期待できる会社ですので、ご
紹介いたします。ぜひ、ご支援ください。

   http://www.monoco.co.jp/img/data/news_110713.pdf
  (会社HP)
   http://www.monoco.co.jp/index.html
 
 登記だけでなく、一緒に成長しようと思えるお客様が増えてくると、企業法務専
門司法書士冥利に尽きるというものです。


2011.07.15(金)【レトルトカレーの教え】(金子登志雄)

 13、14と仕事で宮崎県に行ってまいりました。9日の青森行きといい、久々
に「私は、全国区の司法書士」という気分を味あわせていただきました。

 宮崎は、蒸し暑くなく過ごしやすいところですね。南国に「避暑」に行ったよう
な不思議な気がしました。

 さて、小沢一郎秘書だった石川知裕議員が『悪党・小沢一郎に使えて』を出版し
ましたので、世界に通じる傑出した政治家で悲劇の男小沢一郎に興味が尽きない私
としては、早速、購入して読んでみました。もちろん、「悪党」とは、既成権力か
らみた表現で、ここでは褒め言葉として使われています。

 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4022508914.html
 
 石川氏は小沢一郎に20年間も仕えていたので、最も「人間・小沢一郎」を知る
人物ですが、この本によると、「元側近」「元番記者」の語る小沢評は都市伝説の
類で、ほとんど間違いのようです。

 小沢の心臓病の持病の程度や、中国批判者であること、なぜ外国人秘書を多く抱
えているのか、飲み食いの行き付けの店は居酒屋「庄や」である理由など、ここま
でばらしていいのかと思うほど様々なことを石川氏が語っていました。

 人間小沢につき、こんな話もありました。
--------------------------------------------------------------------------
小沢がいきなり怒り出した。
「おまえ、まだ、これ、大丈夫じゃないか」
小沢はゴミ箱から未開封のレトルトカレーを取り出した。
「でも、先生、それは賞味期限切れていますよ」
「何を言ってんだ。まだ食えるだろう」
(中略)
「おまえはこれからいろんな人と出会う。人と付き合っていると、悪口を言う人も
いれば、いいことを言う人もいる。だが、人がどう評価しようと最後は自分で判断
しなければならない」
(中略)
「あのレトルトカレーだってそうだろう。賞味期限は人が決めた基準だ。温めてみ
て食べて大丈夫だったらそれでいいじゃないか」
--------------------------------------------------------------------------

 面白いことを言うオジサンですが、還暦世代以上は、だいたい、こんなものです。
賞味期限など昔はなかったため、自分の鼻と舌で判断していました。そもそも、賞
味期限というのは、消費期限とは意味が違い、もう食えないという意味は含まれて
いません。

 今、「小沢はもう終わった」という評価を小沢を恐れる守旧派のマスコミが意図
的に流していますが、さて、小沢一郎氏自身の賞味期限は、どんなものでしょうか
(裁判自体は、秘書の供述調書を裁判所が検察の意図的誘導として却下したため、
無罪が確実な情勢になっています)。


2011.07.14(木)【会社法319条,株主の提案?】(大阪・田中利和)

 受験生の皆様,お疲れ様でした。
司法書士の試験の話題が出ましたので,私も続きたいと思います!

 7月2日,私は,以前に勤めていた事務所の所長に,「今年の受験生の慰労会は,
7月8日(金)にしましょう」と提案したところ(その事務所には受験生が2人い
ます),7月4日に「どこもいっぱいで予約がとれません」と返事がありました。

 さらに,「7月6日,7月7日,7月12日,13日あたりの都合はどうか?」
という連絡があり,私は「いずれも動けそうにありません」と返事をしました。

 その後,待てど暮らせど連絡がありません。心配をよそに,翌日,メールが届き
ました。

 「きっと,店を探しておられたんだ♪ どこの店に決まったのかな?」と思いつ
つメールを開封すると,
 「今回は他のメンバーの都合もあり,7月7日に決定しました。せっかく連絡を
くれたのに申し訳ない」とのメールが・・・・。

 「えええええええええ,慰労会を提案したのは私なのに,その提案者の都合に合
わせてくれないなんて(涙)」  

 しかも,私は大阪,他のメンバーは京都,店も京都のはず・・・。仕事を終えて,
京都へ駆けつける予定だったのに・・・。

 ところで,会社法319条には,「取締役又は株主が株主総会の目的である事項
について提案した場合において,当該提案につき株主の書面又は電磁的記録により
同意の意思表示をしたときは,当該提案を可決する旨の株主総会の決議があったも
のとみなす。」と規定しています。

 私もESG法務研究会のメンバーの”はしくれ”,今回の件を,上記規定にあて
はめてみました!

 私の提案(7月8日の開催) → 他のメンバーの一部不同意 → 他のメンバ
ーからの新たな提案(7月7日又はその他の日に開催)→ 私は,当初から不同意
のはず! 

 そうだとすると,7月7日に開催する”決議”があったものとみなされませんよ
ね!

 といっても,,”後の祭り”・・・。会社法の理屈はとおらず,予定どおり開催
されていました。

 7月17日(日)は,京都・祇園祭りの山鉾巡行です。
 そうだ! 気を取り直して,”前の祭り”に行ってこよう♪

 http://www.union-net.or.jp/cu-cap/atonomaturi.htm

 受験生の皆さん,クールダウンも必要です。今はゆっくり休んでください。


2011.07.13(水)【司法書士試験】(島根・根来川弘充)

 7月3日(日)に、司法書士試験が開催されました。島根は、松江一か所が受験
会場なのですが、100人前後の受験者がいたそうです。

 今年の試験は、書式の問題が大変難しかったらしく、また、時間のかかるものだ
ったと聞いております。

 一年に一回しかなく、また筆記でほぼすべてが決まり、合格率が2.数パーセン
トと言われる難関な試験。
 いつ出口があるのかわからない試験に挑みつづけることは、受験される皆様には、
精神的、肉体的、経済的に、大変な負担があると思います。私も数度経験したから
こそ、もう二度としたくないと思います。

 振り返ってみますと、私が合格した年は、合格者の正解率は、60パーセント代
だったと言われる試験でした。私は、おそらくそのギリギリでしたので、正解率が
低かったからこそ、運よく合格できたのと思います。(しかし、実力なく合格した
ものですから、その後が日々勉強で大変なのですが………)。

 最近、司馬遼太郎作『坂の上の雲』を読み終えました。日露戦争の日本海海戦の
際、旗艦出雲の参謀をつとめた者が、この海戦の勝因を「6割は運、4割も運。た
だし、残りの4割は、人間の力で開いた運」と言っています。

 考えてみれば、勝敗がつくものは、「運」でしか決まらないものかもしれません。
合否が必ずつく試験も、きっと同じなのだと思います。

 今回、もし、不合格だった方は、「運」が悪かったと割り切って、次の「運」を
切り開くべく、勉強を頑張ってほしいと思います。


2011.07.12(火)【2つの国・青森】(金子登志雄)

 土曜日は青森県司法書士会のお招きで会社法の講義に行ってまいりました(西
澤会長ほか皆様、お世話になりました)。

 会場は青森市ではなく弘前市でした。青森県は、地域が広いので、県庁所在地
で県司法書士会の研修をするとは限らないようです。また、宿泊する会員が多い
様子でした。

 地域が広いという意味では、青森県の西部地区は旧・津軽藩で、八戸(はちの
へ)などの東部地区は旧・南部藩の領地だったそうです。

 帰宅後ネットで調べましたら、津軽藩(正しくは弘前藩)のほうが南部藩(中
心は盛岡藩)よりも「機を見るに敏」だったようで、豊臣秀吉対北条氏では秀吉
側につき、関ヶ原では徳川側、戊辰戦争では新政府側で、広域の南部藩より地位
が高くなったようです。情報収集力と判断力に長けていたのでしょうか。

 その居城・弘前城を歩いて観光し、続いて特急で青森駅に行き、駅前の新鮮市
場で海鮮丼を食し、8月のねぶた祭りのねぶた作りの準備と青函連絡船の跡地を
観光し、飛行機で帰ってきました。

 あのねぶた、製作費が2000万円もかかるものがあるとのことでした。祭り
が終われば廃棄処分です。実にもったいない話ですが、だからこそ、みる価値が
あるというものです。
 
 8月2日−7日がねぶた祭りです。このあたりに青森で仕事があればよいので
すが………。
  http://www.nebuta.or.jp/
 

2011.07.11(月)【私的『平成23年度 司法書士試験』の感想】(富田太郎)

 先日、『地獄の黙示録・特別完全版』(フランシス・F・コッポラ)のDVD
を見ました。

 この映画、公開時(1979年)は、2時間ほどの映画でした。

 元々は4時間ぐらいの長さだったのですが、あまりに長すぎ『商業ベースにの
らない』ということで2時間に短縮したそうです。そのため、『内容的には、哲
学的な部分が、分かりにくく、意味不明の場面』が多々ありました。

 ところで、『特別完全版』は53分の未公開シーンが追加されていたため、監督
の真意が、よく分かるものでした。

 ただし、『よく分かったけど・・・・・長かった。』

 初公開時、観客のことを考え、2時間に短縮したのは、正解だと思いました。

 でも、作り手の気持ちは、よく分かります。
私も入門書なのに、P1000に及ぶ本を作ってしまったり・・(汗)。

 完璧で、内容のあるものを作ろうとすると、長くなってしまうのです・・・。
芸術肌のコッポラも、作っているうちに、完璧を求め、観客のことを忘れたのか
も・・・。

 えっ??『お前が芸術肌? コッポラと一緒にするな!何様だぁ!』 
・・・・・失礼しました!(反省)。

 ところで、7月3日は司法書士試験でした。

 今回の商業登記書式、実に良い問題でした。
問題文を読んだだけでは、全体像が把握できず、後半の別紙を、じっくり読み込
むうち、徐々にキーポイントが分かる仕掛けでした。

 『解いていて、ワクワク♪ まさに、長編推理小説!稀に見る良問でした。』

 が、受験生の評判は『量が多すぎる。時間がなかった。分かっていたけど解け
なかった。』と、私の感想とは裏腹に、『不評』でした。

 なるほど、私は時間をかけて解いたのですが、受験生にしてみれば、『限られ
た時間で、あの膨大な内容を解く』のは、かなり無理がありますね。

 ・・・・・・・・・・

 もしかして、今年の商業登記書式の出題者は、『コッポラ』のように、『観客
(受験生)のこと&時間配分』を忘れ、完璧な問題を作るのに没頭し・・・・芸
術肌の方だったのでしょうか?

 本当に、『客観的なものを作る』ことは、難しいものだと思いました(つくづ
く)。


2011.07.08(金)【定款条項と想像力】(金子登志雄)

 いくつかの会社の定款を同時にみる機会がありました。中には、株主数名の未公
開中小企業でありながら、定款に次のように定めていました。

--------------------------------------------------------------------------
第*条
 A 会社法第309条第2項に規定する株主総会の決議は、【議決権を行使する
  ことができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し】、出席した
  当該株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行う。
--------------------------------------------------------------------------

 これに付き、貴方の感想は、次のどのタイプですか。

A:「珍しい内容だが、定足数の原則は議決権の過半数なのに定款で3分の1まで
  緩和できるのだから、会社法を知り尽くしたよくできた定款内容だ」。
B:「よくみかける内容で何が問題なのかよくわからない」。
C:「こんな定めは実態を知らない愚かな内容だ」。

 「珍しい内容か、よくみかける内容か」の論では、Bの勝ちです。上場会社のほ
ぼ100%がこの内容でしょう。

 なぜか。個人株主や外国人株主が増えて、定足数を満たさず、定款変更議案が流
れてしまうこともあったので、商法を改正し、平成15年4月から定足数の緩和を
認めたものです(拙著『これが新商法だ!これが新登記だ!』157頁)。

 従って、定足数の充足に苦労していない中小企業では定める必要がないどころか、
定めてはいけません。株主甲の持株比率60%、乙丙各20%のとき、甲が海外出
張中に乙丙だけで定款変更も増資もされてしまったら、乗っ取りが完成です。こう
いう想像力もないA説は、法務コンサルタントして失格であり、私はC説です。

 では、続いて、次の定款内容に問題がありますか。
--------------------------------------------------------------------------
第*条 補欠取締役の選任決議は、当該決議後【10回目に開催する定時株主総会
   の開始の時まで】効力を有する。
--------------------------------------------------------------------------

 これも愚かです。

 補欠役員とは欠員が生じた場合のベンチに座っているピンチヒッター役員のこと
ですが、なぜ補欠役員を予選しておくかというと、上場会社のように株主が何千人、
何万人といる会社では容易に総会が開催できないからです。すぐに総会を開催でき
る株主数名の中小企業では補欠役員制度は不要です。

 また、「当該決議後【10年以内に終了する事業年度うち最終のものに関する定
時株主総会の開始の時まで】とする」と定めたつもりでしょうが、上記の定め方で
は、年2回決算の会社や、事業年度を変更し、1年に2回定時総会を開催した場合
に、予定とは異なった結果になります。

 この「〇回目に開催する………」は、上場会社の定款にもありますが、分かって
いるのでしょうか。法律の運用も着き詰めれば、知識ではなく、使う人のセンスや
想像力のように思います。

 もっとも、センスや想像力があっても仕事が豊富に来るかどうかは、別の能力が
必要ですから、世の中、うまくできていますね。


2011.07.07(木)【任期計算】(金子登志雄)

 取締役の任期につき、次の問にお答えください。

--------------------------------------------------------------------------
(問)12月決算だった甲社(定款に任期の定めはない)は、平成23年2月の定時
 総会で決算期を4月に変更した。続いて、この平成23年4月期の定時総会は平成
 23年6月12日に開催された。
  @平成22年2月20日重任の取締役Aの任期はいつまでか。
  A平成22年5月1日就任の取締役Bの任期はいつまでか。ただし、Bは平成
   22年2月20日の合併承認総会兼定時総会で選任され合併の効力発生日の
   5月1日に就任した者である。
--------------------------------------------------------------------------

 これ、3日に行われた司法書士試験記述式問題のほんの一部を取り出したもので
すが、つい、「取締役の任期は2年だから昨年就任したばかりの取締役の任期満了
時期は来年であり、今年ではない」という思い込みにとらわれてしまいます。

 しかし、よく考えると、平成22年2月20日の2年後は平成24年2月20日、
その直近の最終の決算期は平成23年4月、その定時総会は平成23年6月12日
です。@のAは、この6月定時総会で任期満了です。
 任期計算は「選任時」基準であって「就任時」ではありませんから、AのBも同
じく平成23年6月12日開催の定時総会の終結と同時に任期満了です。

 落ち着いて考えれば、どうという問題ではありませんが、緊張している試験会場
で、これに気づかないと、パニックになってしまうことでしょう。

 さて、私の顧客で、9月決算を3月決算に変更し、この6月に定時総会を迎えた
会社がありました。その議事録によると、平成22年4月1日就任の取締役Cが再
選されているのです。

 会社に問い合せましたら、「12月開催の定時総会と今回の定時総会で2回目の
定時総会だから、任期満了になる」と思っていたようです。「選任後2年以内に終
了する………」を「選任後2回目の」と勘違いしていたわけです。

 しかし、さらに話を聞けば、就任は平成22年4月1日でも、選任は3月でした。
ということで、結果オーライで、会社の議事録は正しかったのです。

 4月1日とか、1日付就任の役員の選任時期には、警戒信号を発令させるよう気
をつけないといけませんね。


2011.07.06(水)【会計監査人の重任登記】(富田太郎)

 6月の定時株主総会が終わり、このところ、毎日のように登記申請をしていま
すが、いつも焦ってしまうのが大会社(主に上場会社)で毎年必要な会計監査人
の重任登記です。

 重任登記の際に添付する(会計監査人)の資格証明書である登記事項証明書は、
「その監査法人が実在していること」が分ればよく、膨大な役員区まで記載され
たものまでは不要とされています。

 が・・・毎年、この時期、なぜか『有限責任あずさ監査法人』は、登記中で、
いつも重任登記に添付する登記事項証明書が取得できず、イライラしてしまいま
す。

 そこで、今年こそは!と、例年の反省に立ち、7月1日の朝、「有限責任あず
さ監査法人」の一部事項証明書を取得しました♪

 聞くところによれば、同日午後、同法人は、なにやら登記申請をしたようで、
その後は、昨日まで登記事項証明書を取得できなくなったそうです。

 ぎりぎり、セーフでした♪ 

 しかし、この「有限責任監査法人」の登記事項証明書の添付、何とかならない
かなぁ〜。実在を証するために添付するのなら、法務局が調べればすぐ分かるこ
となのに・・・・。

【おまけ:素朴な疑問】
 インターネットの登記情報で検索すると『あずさ』と入れても該当なし?
なぜか????『有限責任あずさ』と入力すると、でてきます。
『あずさ』を除く
『有限責任』『監査法人』の部分は、株式会社にあたる法人格?のようなものだ
と思っていましたが・・・・。
 これも、毎年、同じ失敗を繰り返し、焦ってしまいます・・・(涙)。


2011.07.05(火)【会計監査人【設定】会社】(金子登志雄)

 昨日は閲覧件数が急上昇したと思ったら、カリスマ講師の山本先生のブログから
でした。
    http://plaza.rakuten.co.jp/yamamotokoji/

 受験生の皆様、ようこそ。

 3日の商業登記記述試験は分量が多過ぎて、たいへんでしたね。専門家の私でも
時間内に終わらせるのは無理です。「それが試験だ」といわれれば、それまですが。

 内容面については、面白い内容が多かったので、おいおい本欄でも取り上げるつ
もりですので、たまには閲覧してください。

 さて、昨日の続きですが、負債が200億円以上になると大会社になりますから、
会計監査人の設置が義務づけられます(会社法328条)。

 そこで、
「会計監査人設置会社に関する事項」
「原因年月日」平成23年6月●●日設置

 と登記申請しましたら。法務局から電話がありました――「【設置】で申請され
ていますが、登記記録例によると【設定】になっていますので、修正してよろしい
ですか」。

 もちろん、私にとっても顧客にとっても、どうでもいいことですから、「ご指摘
いただきありがとうございます」との御礼とともに、即座に承諾しましたが、これ
「いやだ」と答えたら、【設置】で登記してくれるのでしょうか。

 おそらく、【定款に】会計監査人の【定めを置いた】という意味で「設定」にな
るのでしょうが、「設置」でも間違いだとは思えません。もし、「設定」が正しい
というのなら、「セッテイ」や「せってい」も間違いでしょうか。

 調べてみました。
「設置」……支店、外国会社の営業所、株主名簿管理人
「設定」……〇〇設置会社、株式の譲渡制限に関する規定

 株主名簿管理人も会計監査人との比較でいえば「就任」としたいところですが、
株主総会で選任するわけでも、役員でもないことが影響しているのでしょう。

 株式の譲渡制限に関する規定も、本来であれば、他の種類株式と同様に「変更」
とすべきところ、ずっと「設定」にしてきたという理由でしょう。

 これらは理屈ではなく、運用又は慣例の問題ですが、以前に会計監査人を設置し
たときは、私も「設定」で登記していました。今年は、慣れてしまい、登記記録例
をみずに、「設置」と思いこんでしまったのでしょうが、こういう経験をすると、
2度と間違わなくて済みますね。

 紛らわしいので、私の頭の中に、しっかりと、〇〇【設置】会社ではなく、〇〇
【設定】会社とインプットしておきました。


2011.07.04(月)【負債200億円大会社】(金子登志雄)

 フランス大統領選の有力候補でIMFの前専務理事ストロスカーン氏(62歳)
がホテルで女性客室係(32歳)に性的暴行をしたとして逮捕されていましたが、
やはり冤罪の疑いが濃厚になりました。女性の証言のウソが目立ってきたからです。

 これ、私、最初から冤罪だと思っていました。理由は簡単です。同世代だから分
かりますが、62歳ともなると、そんな元気がないからです(ああ、情けない!)。
ましてや、地位も名誉もある方が面識のないホテルの客室係などに引っ掛かるわけ
がありません。地位も名誉もない私ですら、電車の中では、痴漢の冤罪にならない
ように気をつけているくらいですから。

 小沢潰しの日本の陸山会裁判といい、政治的謀略による「オンナまたはカネ」の
冤罪は、各国共通なんでしょうね。真実を見抜く目を持ちたいものです。

 さて、資本金が5億円未満でも、負債が200億円以上であれば「大会社」とさ
れていますが、これを「とんでもない赤字会社」と捉えるのは、冤罪そのものです。

 先般も登記に関与しましたが、ほとんどが不動産関係の会社であり、不動産業界
では、100億や200億の取引も少なくなく、当然、借入れも大きくなり、借入
れが大きいということは、それだけ事業活動が活発だということです。

 司法書士になる前(平成年度の初期)、私はM&Aコンサルタント会社の法務担
当役員でしたが、当時、M&Aの取引(ディール)で数十億円動けば、日本国内の
M&Aとしては、相当規模の大きい案件でした。

 そのとき著名不動産会社の担当者が「ほう、われわれの業界では100億といっ
ても、誰もびっくりしません」といっていましたが、不動産取引では、100億円
の土地に90億円の担保が付いていても、100億円で取引し、負債は引き継がれ
ないのに対し、企業売買では、負債を引き継ぐという相違もあるでしょう。

 バルブ期には、不動産の地上げで急成長したバブル紳士の社長が、「この間、銀
行の人に会ったら、カネを借りてほしいというので、名刺代わりに100億円を借
りてあげた」などと私に話してくれたこともありました(その方はいまは消えてい
ます。自己破産?)。

 いずれにしろ、負債が200億円以上となり大会社になったら、お祝いと会計監
査人をつけなければなりません。譲渡制限会社であれば監査役会までは不要です。
いったん会計監査人設置会社になったのですから、翌年に負債が減少し、大会社で
なくなるような恥ずかしいことをしないよう(?)、しっかり応援しましょう。


2011.07.01(金)【組織再編と社外性の喪失】(金子登志雄)

 1日です。全国で合併等の組織再編が大量になされていることでしょう。え、組
織再編専門家のお前はどうかですって………。ノーコメントです(傷口に塩を塗る
ような質問には答えられません)。

 さて、社外取締役とは、株式会社の取締役であって、当該株式会社又はその子会
社の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人でなく、かつ、過去
に当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他
の使用人となったことがないものをいいます(会社法2条15号)。

 まだ登記の経験はないのですが、この社外取締役が社外性を喪失したとき、例え
ば、業務執行に従事することになったり、子会社の使用人になったときは、「平成
〇年〇月〇日業務執行」とか、「平成〇年〇月〇日子会社の使用人就任」などとし
て、社外取締役の登記を抹消申請することになっています。

 では、A社がB社と合併し、B社の子会社であるC社がA社の子会社になったと
き、Aの社外取締役が10年前にC社でアルバイトしていたことが判明したとき、
何と表現するのでしょうか。

 合併の効力発生日をもって「平成〇年〇月〇日子会社の使用人就任」でしょうか。
でも、就任したのは10年前です(雇用関係なのに「就任」はおかしいじゃないか
という問題は横に置きます)。したがって、「平成〇年〇月〇日合併により過去に
子会社の使用人就任」でどうかと法務局と相談することになるでしょう。

 同一企業グループ外との組織再編が増えてきましたので、いつかこういう登記が
問題になるであろうと予測していますが(社外監査役が定員に満たなくなり、困る
企業も出てくるかもしれません)、ご本人としては、合併の結果として過去の犯罪
がばれてしまったよう不思議な気分に陥ることでしょう。

 このように社外性の要件は大昔の過去まで問うので、厳しすぎるように思います。
せいぜい、過去10年間程度にとどめるべきでしょうし、使用人についてもアルバ
イト程度は除外すべきでしょう。

 私、40年以上前の学生時代に日本通運で、宛名書き程度のアルバイトをいたし
ました。現行の会社法を前提とする限り、もう、私は、日本通運の社外取締役にも
社外監査役にも永久になれません。どおりで、日本通運から声がかからないはずで
す。あのアルバイトは大失敗だったのかと悔まれてなりません????。


2011.06.30(木)【プロは1日にしてならず】(金子登志雄)

 6月最後の日になりましたが、鳩山さんとの合意文書を反故にして、菅さんは居
座ったままですね。お得意のウソで危機を乗り越え菅さんはますます元気で、鳩山
さんの負けというのが、マスコミ上での定説ですが、自分の頭で考える皆さんは、
どう思いますか。

 メディアは政治音痴で、菅さんはますます追い詰められているとみるのは、ジャ
ーナリストの田中良昭さんです。大勢の意見に迎合しないで、自分の頭で考える田
中さんの見方は、「独立した自由人の思考」という意味で、参考になります。

 http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2011/06/post_266.html#more

 さて、元男性の自由人・カルーセル麻紀さんの入院に関するネットニュースの下
に、彼女のオフィシャルブログのタイトル名が掲載されておりました。

 「女は1日にしてならず」
  http://ameblo.jp/carrousel-maki/

 「ローマは1日にしてならず」をもじったものとはいえ、小さい頃からの偏見と
闘い、やっと、りっぱな女になった人だからこそ使える言葉だなと妙に感心してし
まいました。

 これに関連して、先日のお客様は、元銀行員の方でした。当然、司法書士につい
ても詳しく、用件は、現在お勤めの会社で企画中の組織再編の相談でした。

 「はじめてのことで、何からはじめてよいか分からない」

 こういう質問を受けたときの私の返事はいつも同じです――「ハンコを押すだけ
です。契約書も公告も私が全部の案文を作りますから」。

 私としては、「ご心配なく」と安心させるための発言でしたが、元銀行員さんの
反応は、「へー、司法書士さんというのは登記だけするのかと思っていた」。

 いわれてみれば、そのとおりであり、昔はそれが普通でした。今は、そういう古
きよき時代ではなく、相次ぐ商法改正・会社法の制定で、実体法の比重が高くなっ
ていますし、当ESGメンバーのお仲間のように合併契約書(案)どころか、株主
総会の招集通知(案)まで作り、会社の非常勤役員まで兼ねてしまう今風の司法書
士もぼちぼち登場してきています(この点は、当ESGが先鞭をつけたと自負して
います)。

 登記申請だけでなく、登記の前段階から関与していますと、お客様から登記と無
関係なことも、さまざま質問されますので、それに即答できなければ、頼りない司
法書士で終わってしまいます。「ちょっと、お待ちください」といって別室で本を
調べ、答えるようではダメです。

 そのためには、多くの経験を積むだけでは不十分であり、次に起こるであろう問
題点を先読みし、解決策を想定できるだけの推理力も必要ですから、日々鍛錬し、
腕を磨かねばなりません。

 その方法としては、司法書士という第三者的地位に安住せず、自分が当事者にな
ったつもりで、「この場合はどうしよう、あの場合はどうしよう」と自分の問題と
して、1日24時間、それに集中することだと私は思っています。

 まだまだ私も修行中ですが、女だけでなく「プロも1日にしてならず」ですね。


2011.06.29(水)【定時株主総会集中日】(金子登志雄)

 今日は3月決算上場会社の定時株主総会の集中日ですね。東証傘下の上場会社の
うち41.2%が本日の開催のようです。

 なぜ、集中日は6月最後の30日ではなく、1日前の29日であるのか、お分か
りですか。有価証券報告書の提出期限が6月30日だからです。

 さて、定時総会の報告事項ですが、ほとんどの会社が次の方式です。
--------------------------------------------------------------------------
報告事項
1.第☆期(平成22年4月1日から平成23年3月31日まで)の事業報告及び連結計
  算書類並びに会計監査人及び監査役会の連結計算書類監査結果の報告の件
2.第☆期(平成22年4月1日から平成23年3月31日まで)計算書類報告の件
--------------------------------------------------------------------------

 連結計算書類を作成していない会社では、次のようになります。
--------------------------------------------------------------------------
報告事項
 第☆期(平成22年4月1日から平成23年3月31日まで)事業報告及び計算書類報
 告の件
--------------------------------------------------------------------------

 上場会社は会計監査人設置会社ですから、上記のとおり計算書類が報告事項にな
っているのであり(会社法439条)、会計監査人設置会社でない中小企業では、
計算書類につき株主総会で承認しなければなりません。時々、上場会社の真似をし
て、計算書類を承認議案にしていない会社がありますが、気をつけましょう。

 ついでですが、計算書類は4つあります。貸借対照表、損益計算書と何と何でし
ょうか。答えは計算規則59条1項にあります。

  http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H18/H18F12001000013.html


2011.06.28(火)【簡易合併の要件(最終回)】(金子登志雄)

 猿の駆除中に猿だと思い猟銃で撃ち人を殺してしまった気の毒な事件が和歌山で
ありました。刑法の勉強で出てくる(異なる構成要件間の)「客体の錯誤」であり、
故意の殺人罪に問うことはできず、(業務上)過失致死罪になります。

 さて、簡易合併の登記申請の添付書面でないのに、添付書面と思い込む「解釈の
錯誤」につき、昨日まで4回にわたって説明してまいりましたが(ネタ切れしてま
したので助かりました)、5回目となる最終回の今回は、法令の構造や証明責任の
点から検討してみましょう。

 簡易合併に関する法令の構造は次でした。
--------------------------------------------------------------------------
 会社法796条
 3項:合併で受け入れる純資産額が5分の1以下のときは、株主総会の決議を要
    しない。ただし、負債超過の受入れの場合は、この限りではない。
 4項:株主の一定数が反対したときは、株主総会決議を必要とする。
--------------------------------------------------------------------------
 
 証明責任の原則からすれば、規定の「本文」は原告が証明する本証事由であって、
「ただし書」部分は被告側が証明する反証事由だとされています。言い換えれば、
申請会社は、本文の簡易合併が可能である旨の「積極的要件」である純資産額要件
を証明すれば足り、特別事由でも生じない限り、株主総会を開催しないことの有効
性が推定され、簡易合併ができない旨の「消極的要件」である負債超過問題の証明
責任はないということです。

 ところが、簡易合併に反対株主が登場すると、特別の事情が生じるので、上記の
4項については証明が必要だということになるでしょうか。まさに商業登記法80
条2項の規定内容そのものです。

 公開会社の募集株式の発行を思い出してください。いわゆる有利発行のときは、
取締役会で増資を決議できませんが、「有利発行でないこと」は登記申請の添付書
面ではありません。

 こう考えても、負債超過かどうかの問題は、合併の事前備置書面の閲覧で分かる
ことですし(「債務の履行の見込み」についても開示事由です)、反対株主の買取
請求という防衛策もありますから、株主に不利な解釈とはいえないでしょう。

 私も、簡易合併の登記申請の際には、「なお、合併差損は生じません」と書くこ
とが多いのですが、「書かないより書いたほうが丁寧」ということと、「書かない
と違法だ」ということとは、厳格に区別しなければなりません。


2011.06.27(月)【簡易合併その4】(金子登志雄)

 23日に根来川さんが、「政治家は危機感が足りない」と書いたのに、最も危機
感の塊でいてほしい原子力安全・保安院の西山審議官に女性問題が発覚………。

 個人的には、あの年齢でも、あの顔でも、若い女性が相手をしてくれるのだと、
世の男性に自信と勇気を与えてくれた西山氏に感謝していますけど、世界に対する
日本の顔になっている現状を踏まえると、もっとTPOをわきまえてよ、といった
ところでしょうか。

 さて、簡易合併に関する下記の@式は、残念ながら、存続会社のA社が債務超過
であれば、A式に直せません。
-------------------------------------------------------------------------
   100株×A社の1株当たり純資産額   1
   ――――――――――――――――― ≦ ―  ・・・・・・@
        A社の純資産額        5

 「A社の純資産額=発行済株式の総数×A社の1株当たり純資産額」より

   合併対価の株数100株   1
   ――――――――――― ≦ ―  ・・・・・・・・・・・・A
   A社の発行済株式の総数   5
-------------------------------------------------------------------------

 その理由は、A社が債務超過だと、次だからです。
1.1株当たりの純資産額の最低額は、0円とされている(会規25条3項)
2.純資産額の最低額は500万円とみなされている(会規196条)

 つまり、存続会社であるA社が債務超過の場合に、分子も分母もマイナスであっ
ては困るため、分子の「A社の1株当たり純資産額」がマイナスの場合は、0円と
し、分母が500万円未満のときは500万円とされています。

 500万円を発行済株式の総数で除しても、0円にはなりませんから、分子と分
母の基準が異なり、@式はA式に書き直せないということになります。

 ここで面白い問題が生じます。
 発行済株式の総数200株のA社が合併新株を400株も発行する大きな合併で
も、A社が債務超過で公開会社であれば、@式の分子はゼロになるため、簡易合併
の要件を備えてしまいます。

 簡易合併とは合併存続会社からみて相対的に小さな合併だから、株主総会の承認
を得ずに済むというのが簡易手続のはずですが、こういうケースもあるのですね。

 簡易合併に反対する株主が大勢出現するでしょうから、制度的な歯止めはなされ
ていますけど、簡易合併の要件の分子である「合併対価の株数×1株当たりの純資
産額」において、「株数0株」(無対価)ばかりに着眼し、「1株純資産額0円」
に誰も着眼しないことについては、私は不思議でなりません。やはり、私が変なの
でしょうか。それとも、どこかに見落としがあるのでしょうか。


2011.06.24(金)【簡易合併の要件その3】(金子登志雄)

 合併存続会社がA社で合併対価がA株式のみのとき(仮に100株とする)、
簡易合併の主たる要件は次でした。

   100株×A社の1株当たり純資産額   1
   ――――――――――――――――― ≦ ―  ・・・・・・@
        A社の純資産額        5

 この式をみて、数学的頭脳をお持ちの方は、

 A社の純資産額=発行済株式の総数×A社の1株当たり純資産額 より、
上記@式は、

   合併対価の株数100株   1
   ――――――――――― ≦ ―  ・・・・・・A
   A社の発行済株式の総数   5
  
と書き直せるのではないかと思ったはずです。

 1株当たり純資産額も分母の純資産額も合併契約時が基準(会社法施行規則25
条、196条)とされていますから、対価が株式のみであれば、原則として、書き
直しが可能だといってよいでしょうし、現に、対価が株式しか認められなかった商
法時代の簡易合併の要件は、この株数基準でした(ただし、比率は20分の1)。

 なぜ、会社法で純資産額基準になったかというと、合併対価が株式に限られなく
なったためです(対価の柔軟化)。また、平成13年の金庫株改正で自己株式の存
在が大ぴらに認められ、自己株式を計算の外に置く商法時代の基準が合わなくなっ
たことも背景理由でしょう。会社法における純資産額は自己株式を控除項目とした
数値ですし、1株当たりの純資産額も自己株式を除いた数値とされているからです
(会社法施行規則25条)。

 さて、会社法で合併対価を商法時代と同様に株式に限定したとしても、A社の事
情次第では、上記@式をA式に書き直すことには問題があります。
 それは月曜日の話としましょう。


2011.06.23(木)【「危機管理」より「危機感」を】(島根・根来川弘充)

 昨今の新聞の一面は、管総理の退陣についてばかりです。批判は、もっぱら管総
理に対するものが多いのですが、退陣した後、どうなるのかが見えず、その後も迷
走が続く気がします。

 内閣不信任決議案が提出された頃、「大連立」構想も同時に騒がれていました。
個人的には、少し期待をするところがありました。

 今回の大災害は、各党ともに予測できたものではありません。ですから、当然そ
れぞれのマニフェストにも書かれているところはなく、非常事態に接し、全政党が
何ができるかを考え、速やかに、かつ、効果的に政策を打ち出すことに何の支障も
ないだろうと思っていました。

 しかし、残念ながら、大連立には、「『期限』や『政策合意』が必要だ」とのこ
とで、結局実現することはなさそうです。

 今回の被害は、死者行方不明者は25000人を超え、また、原発も考えると、
何万人、何十万人にも及んでいます。戦後の日本で、最大の被害と言えるとも思い
ます。

 もし、これが戦争による被害であったとしても、政争は起こったのでしょうか。
私は、おそらくそれは起きなかったのではないかと思います。

 災害なら起きるが、戦争なら政争が起きないとしたら、何の違いでそのような結
果になるのでしょうか。

 戦争であろうが、災害であろうが、被害を受けた多くの方がいる事実に変わりは
ないのですから、国民の生命財産を守ることが政治の使命であるなら、同じ結論が
出てしかるべきだと思います。

 被災地では、今後の生活に目処が立たず、自ら命を絶つ人まで出てきています。
原発事故等、災害に対する内閣の危機管理が間違っていたことで、多くの被害を出
している責任を追及されていますが、政争による政治空白で、さらに被害が拡大す
る責任は誰が誰を追及するのでしょうか。

 未曾有の非常事態でありながら、政争をおこなう政治家には、とても危機感があ
るとは思えてなりません。


2011.06.22(水)【簡易合併の要件その2】(金子登志雄)

 昨日の説明は、分かりにくかったかもしれません。簡単にまとめますと、次のと
おりです。

1.簡易合併の要件としては、@会社法796条3項本文の純資産額5分の1要件、
 A同ただし書の負債超過ではないこと、B同ただし書の対価が譲渡制限株式で存
 続会社が非公開会社でないこと、C同4項(簡易手続に反対の株主が一定数存在
 しないこと)の4つが必要である。

2.しかし、商業登記法80条2号は「会社法第796条第3項本文に規定する場
 合には、当該場合に該当することを証する書面(同条第4項の規定により吸収合
 併に反対する旨を通知した株主がある場合にあつては、同項の規定により株主総
 会の決議による承認を受けなければならない場合に該当しないことを証する書面
 を含む。)」と規定し、1の@とCの証明しか要求していない。

 以上のとおり、明文上、1のBを証する書面は、登記の添付書面でないことは明
らかです。

 したがって、「簡易合併の要件を満たすことを証する書面」という表題は、正確
ではなく、正しくは「簡易合併の要件を【一部】満たすことを証する書面」という
べきでしょうか。

 ところで、負債超過でないことの意味については、昨日も書きましたが、消滅会
社の貸借対照表の話ではなく、合併直後に貸借対照表を作成したら、存続会社の純
資産額が減少していないかという基準です(会社法施行規則195条)。

 その際の証明が必要だとしたら、次のような証明書になるでしょうが、数字が固
まらない間に、この証明を要求すると、数字の正確性を重んじる会社は困るのでは
ないでしょうか。

 (1)合併直後総資産額          金〇〇円
 (2)合併直前総資産額          金〇〇円   
 (3)合併直後総負債額          金〇〇円
 (4)合併直前総負債額          金〇〇円
 (5)(1)−(2)−{(3)−(4)}  金〇〇円≧0円

 さて、皆さん、兄弟会社間の合併で、消滅会社の貸借対照表は次だったとします。
    
  資産 800万円 | 負債         900万円
           | 資本金       1000
           | その他利益剰余金 △1100

 存続会社は合併対価として、現金200万円を交付しました。負債超過の合併に
なるでしょうか。

 兄弟会社の合併だから簿価で受け入れ、しかも100万円の債務超過だから、簡
易合併が無理なことは明らかじゃないかと思いませんか。

 間違いです。次の仕訳です。

    受入れ資産 800万円 | 受入れ負債 900万円
    のれん   300   | 出た現金  200 

 このように、負債超過かどうかは一筋縄では行きません。会計処理によっても大
きく異なるのです。負債超過でないことの証明を登記に求めたら、街の司法書士で
は対応が困難でしょう。法務局も審査ができるかどうか………。

 簡易合併については、まだ続きますが、明日の徒然担当は、根来川さんです。


2011.06.21(火)【簡易合併を証する書面】(金子登志雄)

 司法書士界で最も有名な横綱ブログといえば、京都の内藤先生のブログです。閲
覧数では、東京の新保先生のブログも知る人ぞ知る幕内クラスです。ブログ形式で
はありませんが、本徒然など閲覧数では足元にも及びません。序二段クラスです。

 今日は別の話題にする予定でしたが、上記2大ブログで、登記に必要な「簡易合
併を証する書面」の必要的記載事項につき、意見が異なったようですので、本徒然
も、急遽、予定を変更し、序二段の身分もわきまえず、参戦することにしました。
というのは、新保先生のブログに茶々を入れた責任が私にあるからです。

 まずは、下記をお読みください。

(新保先生のブログ:6月17日) http://blog.goo.ne.jp/chararineko/

(内藤先生のブログ:6月20日) http://blog.goo.ne.jp/tks-naito

 会社法796条3項ただし書に該当しない合併であること(負債超過の合併でな
いこと、抱きわせ株式消滅損の発生しない合併であること)が「簡易合併を証する
書面」の必要的記載事項かどうかで、意見を異にしています。

 新保先生は、当初、負債超過について触れるのは面倒だと書いていましたので、
私が書かなくても問題ないと指摘しました。新保先生も理解してくださりブログを
修正しました。私には、その責任があるわけです。

 論点は、商業登記法80条の「会社法第796条第3項【本文】に規定する場合
には、当該場合に該当することを証する書面」の解釈です。

 会社法796条3項の該当部分を要約すると次のようになっています。
--------------------------------------------------------------------------
【本  文】:
  会社法第795第1項から第3項までの規定は、純資産額要件が5分の1を超
 えない場合には、適用しない。
【ただし書】:
  会社法第795条第2項各号に掲げる場合(負債超過)は、この限りでない。
---------------------------------------------------------------------------

 内藤先生は、「会社法第796条第3項【本文】に規定する場合」を「簡易合併
が可能である場合」と解釈なさるようで、ただし書の負債超過でない旨も証明事項
だとのお考えのようですが、それだったら、商業登記法80条がわざわざ「第3項
【本文】」と規定するとは思えません(略式合併の場合も、会社法第796条第1
項【本文】に規定する場合」と、【本文】である旨を明記しています)。

 商業登記法80条は、文字どおり「株主総会を開催しなければならない場合の会
社法795条1項から3項までの規定は、純資産額要件が5分の1を超えない場合
には、適用しない」という意味であって、あえて言えば、負債超過でも簡易合併は
可能だという内容です。そして、ただし書で、負債超過の場合を否定しているので
あって、ただし書の内容を本文と一体化して読む必要はないと考えます。

 こう解釈することは、旧商法時代の解釈とも整合します。旧商法・旧商業登記法
では、消滅会社が債務超過でなければ簡易合併も可能だとされ、抱きわせ株式消滅
損の発生しない合併であることの証明は不要でした。現行商業登記法もこの延長に
あるというべきです。

 例えば、A社がB社を1000万円で設立し、100%子会社のB社の純資産額
が800万円のとき無対価で吸収合併するときは、旧商法時代には債務超過会社の
合併ではないので、問題なく簡易合併が可能でした。A社が受け入れたのは、プラ
ス800万円の財産だからです。

 会社法では会社法施行規則195条があるために、受入れ財産ではないのにAの
有するB株式(抱き合わせ株式)が合併で消滅することを理由として、最終的にA
の純資産額が200万円減少することを根拠に、簡易合併を不可としました。

 合併とは本来、直ちにAの貸借対照表を変動させる取引とされていますが、この
200万円は損益計算書の特別損失であり、本来であれば決算期に他の損益と通算
した純損益としてA社の貸借対照表に反映するものです。その意味では、旧商法の
取扱いが会計処理としては妥当なのでしょうが、結果は不合理だと考えて、合併に
よる損益を合併手続に反映させるために会社法施行規則195条が設けられたもの
です(と私は推測しています)。

 正真正銘の負債超過で共通支配下関係の兄弟会社間合併であれば、資本金計上証
明書や株主資本等変動額の面から、負債超過かどうかが判明します(無対価の場合
は無理ですが)。

 また、第三者を吸収合併する「支配取得」の案件では、消滅会社が簿価債務超過
でも、のれんを計算して負債超過の合併とは扱いません。

 このような沿革や会計処理の基本からしても、会社法796条3項が「本文」と
「ただし書」を使い分けていることが理解できるのではないでしょうか。
 
 簡易合併でも債権者保護手続はなされますし、負債超過かどうかの証明には合併
登記で近づかないというのが商業登記法の一貫した姿勢だと私は解釈しています。


2011.06.20(月)【種類株式と単元株式その3】(金子登志雄)

 今週は、3月決算会社の定時株主総会が順々に開始される大事な週だというのに、
知らないうちに昨日から左肩を筋違いで痛めてしまいました。40肩・50肩とい
いたいところですが、アラ(ウンド)還(歴)世代ですから、それは過ぎました。

 まぁ、パソコンも右手の中指1本で打つ何事も自己流人間ですから(これで本も
書きました)、仕事には全く支障ありません。

 さて、自己流人間は、時として人の気づかないおかしなことを考えてしまいます。

 種類株式発行会社の単元株式数は、

 単元株式数 | 普通株式 1000株
       | A種株式  100株

などと登記しますが、

 単元株式数 | 普通株式 1000株
       | A種株式 取締役選任議案については、10株
              それ以外は、100株

というのは、認められないのでしょうか。

 単元株式数 | 普通株式 1000株
       | A種株式  100株
         ただし、株式分割又は併合をしたときは、次の算式による。
         新単元株式数=分割・併合前単元株式数×分割・併合の比率

という調整式入りは、いかがでしょうか。

 どの本にも書いてないでしょう。

 上記の議案別の単元株式数については、単元未満株式とはどちらをいうのか不
明になりますし、調整式入りも、「算定方法」を肯定する規定がないため、おそ
らく「ノー」と当局は答えるでしょうが、こういう質疑応答がないのも不思議な
気がします。やはり、私が変なのでしょうか。


2011.06.17(金)【種類株式と単元株式その2】(金子登志雄)

 逮捕され起訴猶予になったロック歌手・内田裕也さんが弁護士料を払えない言い
訳として、「ロックの宿命で経済的に貧困状態」と言ったそうです。71歳でこれ
ですから、幸せな人生ですね(周囲はたいへんだ!)。

 さて、「会社法専門司法書士の宿命で経済的に貧困状態」の私がした昨日の質問
――A種株式を普通株式に転換(取得請求)するときは、転換比率をA種株式1株
につき普通株式10株とする。だから、A種株式の議決権は普通株式の10倍にし
たいが可能ですか――の回答ですが、

 この質問に、「可能だ」と答えるためには、「1単元0.1株」を肯定しなけれ
ばなりません。しかし、これは法の想定外であり、認められません(【普通】株式
が1単元1000株であるところ、【A種】株式につき10倍の議決権である1単
元100株にするような場合は肯定することができます)。

 元来、単元株式制度は、株主管理コストの節減を目的とした制度(たった1株し
か所有しない株主にも株主総会の招集通知を送るのはコスト負担が大変だ)であり、
1単元100株などと定めることによって、議決権の個数を減らそうというもので
す。「1単元=複数の株数」でなければならず、1株の議決権を増やしては本末転
倒です。

 「1単元2.5株」といった小数も認められないでしょう。1株1議決権が原則
であり、整数の複数株式(複数議決権)を1個の議決権にしたのが単元株式数だか
らです。

 ついでに、次の質問です――「普通株式 20万株、A種株式 800株」のと
き、A種株式1単元1000株と定めることは、可能ですか。A種株式の議決権が
なくなりますが………。

 会社法施行規則第34条により単元株式数の上限は、「千及び発行済株式の総数
の200分の1に当たる数」です。分母は発行済株式の総数で、発行済【A種】株
式の総数ではありません。もう結論はお分かりですね。

 来週こそ、「会社法専門の宿命で経済的に貧困状態」の老人司法書士に福の神が
舞い込みますように………。皆様もご一緒に祈ってください。


2011.06.16(木)【種類株式と単元株数】(金子登志雄)

 こんな質問を受けました――A種株式を普通株式に転換(取得請求)するときは、
転換比率をA種株式10株につき普通株式1株とする。だから、A種株式の議決権
は普通株式の10分の1にしたいが可能か。

 私の回答は――議決権については議案ごとにあるかないかを定めることはできて
も(例えば、役員選任議案には議決権がない)、議決権0.1個というような分量
的制限はできません。このような場合は、単元株式制度を採用し、1単元10株と
A種株式に定めることになります。

 ここでハタと迷いました。われわれ実務家は常にゴールを見据えて動きますから、
A種株式1単元10株をどう登記するのかという疑問です。会社法188条に「単
元株式数は、【株式の種類ごとに】定めなければならない」とあるからです。

 この解釈につき、旧商法時代の法務省の回答では、【全種類の株式それぞれに】
との意味合いだと捉えているようで、この見解を前提にすると、「普通株式1単元
1株、A種株式1単元10株」と定めることになります。

 しかし、【株式の種類ごとに】とは、【株式の種類に応じて個別に】という意味
に過ぎないでしょうから(例えば、会社法199条5項の「募集ごとに」)、無関
係な普通株式に触れずともよいとは考えられないでしょうか。仮に【全種類の株式
それぞれに】という意味だとしても、「普通株式には単元株式数を定めない」と定
めることも可能ではないでしょうか。

 旧商法時代に、「1単元1株」と定めることは、端株制度を不採用という意味が
込められていましたが、端株制度が廃止された会社法の下では、その意味もありま
せん。また、仮に1単元1株と無意味な定めをするのに、わざわざ株主総会による
定款変更決議までは不要ではないかという疑問もあります。

 と書いたところで、単元株式に関する別件で仲間内にメールしたら、富田氏から
松井信憲著『商業登記ハンドブック〔第2版〕』40頁に、私の見解で問題ないと
あることを教わりました。法務省見解に変化があったようです。全くの別件での連
絡だったのですが、偶然に「単元株式といえば、こういう議論がある」と彼から教
えてもらったものです。

 勉強嫌いの私は何もみずに、条文だけで、ああでもないこうでもないと考える省
エネ・タイプですが、受験指導本を書く富田氏は、多数の文献に目を通し、権威あ
る根拠のあり場所をよく知っているので、非常に助かります。

 さて、私から皆様に質問です――A種株式を普通株式に転換(取得請求)すると
きは、転換比率をA種株式1株につき普通株式10株とする。だから、A種株式の
議決権は普通株式の10倍にしたいが可能ですか。


2011.06.15(水)【冊子株券】(金子登志雄)

 ただいま、種類株式を定款に定める準備をしておりますが、原案は法律事務所が
作成したものですから、あらゆる場合を想定した長文の内容になっています。

 新株予約権に関して5月17日付け本欄で書きましたが、この種類株式にも他の
株式への転換条項につき、決まり文句の「当社が合併、会社分割又は株式交換を行
う場合及びその他これらの場合に準じて株式数の調整を必要とする場合は、当社は、
取締役会において必要と認める株式数の調整を行うことができる」といった内容も
記載されていました。

 しかし、こういう漠然とした内容では、会社法が許容する「算定方法」(例えば、
会社法108条2項5号ロ)としては耐えられる内容ではありませんから、ほとん
ど無意味な定めです。それでも、横並びの悪慣例の決まり文句ですから、定めてお
かないと不安があるのか、挿入しておくことが多いようです。

 この長文を登記簿に表すと、2頁程度を占めてしまうと思うのですが、登記記録
には分量の制限がないので、まぁ、よしとしましょうか。

 問題は株券です。株券には「株式の種類及び内容」を記載することになっていま
す(会社法216条)。A4用紙並の大きさの株券に小さな文字で書きこまない限
り収まらないでしょう。

 ということで、われわれ司法書士は、登記簿記載を前提に可能な限り簡潔明瞭な
内容にしようと思ってしまいますが、リスク管理が重視される今日では、すべてで
長文になる傾向がありますから、この際、保険証券のように「冊子株券」にするの
も1つの手かなと思い直しました。また、そうせざるをえないでしょう。

 一体、どんな株券を作るのかなと楽しみにしておりましたら、残念なことに、種
類株式を設定するのを機に株券を廃止したいという依頼を受けてしまいました。

 種類株式発行会社の株券を巡る裁判では、そのうち「株券何頁によると………」
という陳述が登場するのかもしれませんね。


2011.06.14(火)【1発屋芸人】(金子登志雄)

 たまたま土曜日にテレビをみておりましたら、一発屋芸人の収入を話題とする番
組をやっており、流行っていた頃は月収が何百万円だったが、ブームの過ぎた今は
20万円以下という方がほとんどでした。

 浮き沈みの大きいたいへんな職業だなという思いとともに、注文があってナンボ
の司法書士であるわれわれも、その他の受注産業も、飲食業も、多かれ少なかれ同
様の部分がありますので、笑ってみていることができませんでした。

 不動産バブルの頃は不動産専門の司法書士は、笑いが止まらず、これが永久に続
くだろうと思っていたことでしょうし、つい最近では、債務整理専門の司法書士が
脱税で捕まるほど儲けていたのに、いまやブームも去り、お先真っ暗であろうと推
測します。

 浮き沈みの高低は、不動産や債務整理ほどではありませんが、私のような会社法
案件・商業登記専門司法書士も、あの一連の商法改正時代や会社法施行直後を思い
出し、「あの頃はよかったなぁ」と過去を懐かしがっている始末です。

 やはり行きつくところは、こつこつと地味な努力で生活の糧を得るということで
すが、当ESGメンバーも全員が途中廃業もせずに、人並みの生活を送れているの
は、不動産であれ、商業登記であれ、顧客に真面目な努力が評価されているためで
しょう。

 司法書士の仕事のよいところは、日々の積み重ねである経験が財産になるという
ことで、こと仕事の面においては、「あの若い頃が懐かしい」と思う必要がないこ
とでしょうか。

 そのためにも、流行りすたりを超える腕(技術)を磨かねばなりませんが、その
腕には表現力や文章力も含まれます。本徒然に積極的に投稿して、それを鍛えよう
とするお仲間が少ないのは、ややもったいない気がしないでもありません。


2011.06.13(月)【政治評論家という職業】(金子登志雄)

 先週の週刊誌は、内閣不信任案に関するドタバタ特集の感がありました。

 記事は、おおむね「政治評論家の〇〇氏によると………」といった具合で、複
数の政治評論家のコメントを中心に構成されていました。いつものパターンです。

 しかし、そんな名前の政治評論家の存在は全く知りませんし、コメント内容が
ひどいものでした。単に菅・鳩山・小沢氏らに対する漠然としたイメージや好き
嫌いで評論しているだけで、ジャーナリストように足で取材したとか、経済評論
家のように何らかの資料に基づいて分析したというものが全くありません。井戸
端会議での声の大きいオバサンの域を全く出ていませんでした。テレビのワイド
ショーと同じです。

 こういう有名でない政治評論家さんは何で生活しているのでしょうか。あの程
度の内容で、報酬がもらえるとは、到底思えませんでした。

 もっとも、マスコミに登場する政治評論家も大差ないですね。元政治記者が多
いようですが、政局に対して、いかにも裏事情を知っているかのように適当なコ
メントをしているだけで、議会制民主主義に精通しているとか、欧米の政治状況
と比較して日本の政治を論じているとかの知的要素が全く感じられません。単に、
傍若無人に政治を断じて視聴者のうっ憤晴らしに協力している、いかがわしいオ
ジサン達に過ぎません。

 傾聴に値する意見を出す評論家やジャーナリストは、時の政権に批判的な意見
をいうことが多いため、テレビ等のマスコミの世界では敬遠して登場させません。
日本のような巧妙な「思想管理社会」にとっては、政治評論も「口によるプロレ
ス」になり下がってしまったのでしょうか。

 あ、まずい、本物のプロレスに失礼じゃないかと、愛好家のあの方に叱られそ
うです。今週も、無難に会社法運用評論家として、会社法でも断じましょうか。


2011.06.10(金)【補欠監査役と後任監査役】(金子登志雄)

 会社法336条3項に、「定款によって、任期の満了前に退任した監査役の補欠
として選任された監査役の任期を退任した監査役の任期の満了する時までとするこ
とを妨げない」とあるため、多くの会社がこれを定款に定めています。

 では、たった1人の監査役Aが任期を2年残して辞任し、交代にBが就任すると
きに、このBの任期はいつまでかというと、そう単純ではありません。

1.補欠監査役として選任
 
 Bが「補欠監査役」として、予選されていれば、この定款の定めによりBの任期
は、あと2年です。

 会社法329条2項に「役員が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役
員の員数を欠くこととなるときに備えて補欠の役員を選任することができる」とあ
るとおり、「補欠監査役」は、法律や定款で定めた員数を欠いた場合の補欠であり、
予選で定めておく監査役の待機者です。Bもこれに該当します。

 予選で定めておくことによって、改めて臨時株主総会を開催し、欠員を補充する
必要がなくなります。逆にいえば、株主総会招集回避型の補欠です。

2.退任監査役の補欠として選任

 「本総会の終結をもって監査役Aが辞任するので、その補欠としてBを監査役に
選任したい」と株主総会で選任した場合は、どうでしょうか。

 予選ではないため会社法329条の「補欠監査役」ではありませんが、補欠とし
て選任されていますので、定款の定めにより、このBの任期も、あと2年です。

 念のため、1の場合の株主総会の議案は「補欠監査役選任の件」ですが、2では
通常どおり「監査役選任の件」となります。監査役の法定(又は定款)員数を欠い
た場合でなくとも可能です(監査役が甲乙のところ、乙が辞任するので丙をという
場合など)。

3.退任監査役の後任として選任

 株主総会で定める際に、「本総会の終結をもって監査役Aが辞任するので、その
後任としてBを監査役に選任したい」と選任した場合は、どうでしょうか。

 専門家の司法書士を含め勘違いしている方が非常に多いのですが、後任として選
任するだけでは補欠として選任したことになりませんので、このBの任期は、通常
の任期となります。


2011.06.09(木)【補欠監査役の選任議案】(金子登志雄)

 3月決算会社の上場会社の定時株主総会が近づき、各社の総会議案が分かるよう
になってきましたが、最近は、監査役を4名以上の体制にする上場会社が多いのか、
補欠監査役の選任議案のニーズが少なくなった印象があります。

 その最大の理由は、毎年、補欠監査役の選任を議案にすることが面倒だからでし
ょう。会社法施行規則96条3項本文に「補欠の会社役員の選任に係る決議が効力
を有する期間は、定款に別段の定めがある場合を除き、【当該決議後最初に開催す
る定時株主総会の開始の時まで】とする」とあるからです。

 しかし、よく読むと、「定款に別段の定めがある場合を除き」とあります。定款
で定めれば、毎年、選任する必要はないのです。

 では、その期間は、何年間有効かと申しますと、公開会社の「監査役の任期は、
選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結
の時までとする」(会社法336条1項)が補欠監査役にも適用されますから、公
開会社にあっては、一般に「補欠監査役の選任に係る決議の効力は、選任後4年以
内に終了する事業年度うち最終のものに関する定時株主総会の開始の時までとする」
と定めます。

 その4年間に補欠監査役の人柄などに問題が生じることもありますから、選任決
議の取消も可能です(会社法施行規則96条2項6号)。

 監査役会設置会社では、半数以上が社外監査役であることを要しますから(会社
法335条3項)、監査役が4名であっても、社外監査役が2名の場合には、補欠
監査役を選任したほうが安全です。ご検討ください。


2011.06.08(水)【人間力】(金子登志雄)

 とうとう経団連も菅首相を見限ったようですね。その某新聞報道の締めの言葉と
して「政治には力強いリーダーシップが必要だ」との米倉経団連会長の言葉を取り
上げていました。

 新聞も無責任ですね。力のあるリーダーの下には、ヒトもカネも集まるのが自然
の成り行きなのに、やれ「あの集めたカネは黒いカネに違いない。カネで子分を集
めるのは邪道だ。クリーン政治を」などと、成功者に対する庶民の嫉妬心を煽って、
力のあるリーダーを次々に潰してきたのは、マスコミ自身ではないでしょうか。

 さて、力のあるリーダーの1人である小沢氏について、雑誌等に小沢は海部総理
のことを「担ぐ御輿は軽くてパーがいい」といったとんでもない奴だなどと批判し
てきた政治評論家・田崎史郎氏が、なぜか、こんな論考を出しました。

--------------------------------------------------------------------------
 政治家には、人に仕えるタイプと、ポストに仕えるタイプがいる。菅の周りにい
る人たちはほとんど、その役職に就いているから菅を支えるというポストに仕える
タイプだ。これに対し、小沢の周りにいる人たちは小沢に惚れ込み、仕えている。

 その求心力をもたらしているのはおそらく小沢の「人間力」だ。菅の人間力はな
いに等しいが、小沢には十分にあると見なければ、この政局における議員の動きを
理解することができないのではないか。

      http://gendai.ismedia.jp/articles/-/7447
--------------------------------------------------------------------------

 確かに、菅執行部に党員資格を停止され閉門蟄居の身でありながら、今回、不信
任案賛成者を70名以上も集めたのですから、カネ以外の力というべきでしょう。

 私も、2年前の西松建設事件以来、小沢氏に興味をもち、本欄のネタ探しを兼ね
て、小沢氏の著作などを読みましたが、常に批判に晒されている政治家にはよくあ
ることですが、マスコミが作った虚像とは大違いで、実に魅力に溢れる人でした。

 腹が立つほど私と正反対なんです。決して人の悪口をいわない、弁解もしない、
弱音も吐かない、人のせいにしない、愛妻家で結婚記念日には家に早く帰る………。

 私が勝てるのは、せいぜい善人「顔」くらいでした。私と同様に、小沢氏の力強
さを感じる人が多いのか、こんな題名の本さえ出ています。

(泣かないあいつが憎らしい)
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?KEYWORD=%8B%83%82%A9%82%C8%82%A2%82%A0%82%A2%82%C2

 また、日本国憲法を実によく勉強しており、西欧の人権感覚をもっていると同時
に、付き合いもよく義理人情に厚い人でした。「頭は西洋人だが、首から下は土着
日本人」と郷里の岩手ではいわれているようですが、この土着日本人的部分が田崎
氏のいう「人間力」なのかもしれません。

 唯一、愚かな質問をする不勉強な記者に対しては冷淡な対応をするので、それが
評判を悪くしている理由の1つになっていますから、ひょっとして、田崎氏も、若
い頃に、冷たくされて小沢嫌いになったのかもしれません。

 ちなみに、「担ぐ御輿は軽くてパーがいい」といったのは、小沢氏の盟友の平野
貞夫氏です。それでも、「それは平野が言った」ともいわないで今日に至ります。
どこかの首相のように、すぐに他人のせいにする人だと、私も少々優越感を感じる
ことができるのですが………。
 

2011.06.07(火)【解散会社の定時株主総会】(金子登志雄)

 菅首相の退陣が決まったら、マスコミは早速、次期首相は枝野か岡田かなどと
言い出しました。普通に考えれば、辞任詐欺の共謀共同正犯の責任を負う方々で
あって、到底あり得ないことだと思うのですが、何を考えているのでしょうか。

 さて、その話は横に置きまして、3月決算会社の定時株主総会の時期が近づき
ましたが、5月に解散した会社の定時株主総会の準備はどうすると思いますか。
例えば、監査役は監査報告を作るべきでしょうか。

 3月末日の決算期を過ぎて解散したのだから、当然に監査報告を作り、定時株
主総会を開くべきだと、つい思ってしまいます。

 しかし、解散すると、会計監査人設置会社の場合には、会計監査人も自動的に
不在になり、監査役は会計監査に困ってしまいます。また、解散すると取締役が
1人もいなくなり清算人と交代します。株主総会の招集を決定する取締役会もな
いこととされ、総会を招集する代表取締役もいなくなります。

 清算人が招集を決定し招集すればよいじゃないかとも思いますが、清算人には
そのような権限がありません。

 清算会社にも定時株主総会というものがありますが、それは清算「事務」年度
(事業を行わないので事「業」年度とはいいません。解散の翌日からスタートし、
1年間ごとです)の決算の承認の問題です。

 いろいろ考えますと、通常の事業年度を前提とした定時株主総会は開催しなく
てよいことになります(税務申告は別問題)。

 会社法509条によると、決算公告に関する会社法440条3項が適用される
とあり、一瞬、びっくりしますが、これは解散前に定時株主総会があった場合の
ことでしょう。

 こうしてみると、解散した途端に別会社になると考えた方がよさそうですね。
 

2011.06.06(月)【百術は一誠に如かず】(金子登志雄)

 菅さんの退陣偽装問題がたったの数日で予想どおりの展開になってきました。

 当初は、一杯食わされた鳩山さんの友愛に対する非難が大きかったようですが、
勝負はあの1日で終わりません。案の定、菅さんは追い込まれてきました。

 「してやったり。これで政権の危機を乗り越えた」と、当初は、ほくそ笑んで
いた菅さん側に対する鳩山さんの怒りは大きく、それが津波のように与野党議員
を巻き込み、いまや菅さんは四面楚歌の状態です。もう、菅さんは解散もできま
せん。最大の武器を鳩山さんに奪われたわけです。

 信じがたいのは、菅さんを取り巻く政権幹部の人心を読めない戦略です。この
ペテン(?)作戦は、菅・岡田・仙谷・枝野さんらが前日夜に練ったようですが、
当初は何を勘違いしたのか、「勝てば官軍」で、「松木だけでなく欠席した小沢
も除名せよ」などと実に威勢がよかったのに、ここ数日のあまりの逆風に、最近
では「夏までには辞任するだろう」と、風よけの発言が目立つようになりました。

 やはり「百術は一誠に如かず」(小沢さんの座右の銘)で、市民運動家(菅さ
ん)や弁護士(仙谷・枝野さん)さん特有の口先勝負の百術が世論からも見破ら
れるようになってしまったのでしょう。口先で小沢攻撃をしていた頃は、それな
りに世論の支持があったのに、口先が保身や他者への責任転嫁に変わり、とうと
う詐欺・ペテンとまで非難されるようになってしまい、さすがの菅応援団(実は
反小沢・鳩山)のマスコミも手を引きはじめたようです。

 「国民生活第1」の旗を降ろし、口先ではノーサイドといいながら、挙党体制
を構築せず、民主党を泥沼の内戦に導いたのは、小沢攻撃・鳩山排除をすれば、
マスコミが応援してくれて、長期政権になると目論んでいた菅さん側ですから、
ここは、いさぎよく辞任してくれないと、民主党どころか、国民が不幸です。国
難のいまは、なおさら早期収束が必要です。

 反小沢・鳩山のイエスマンで周囲を固めた報いとはいえ、最後(PSの論評で
は「最期」が使われていました)は、イエスマンにも見捨てられそうな菅さんを
みていると、憐れを感じます。次期総理には、「信義のある政治」を行える人を
望みたいものです。

(PS)
 この非常時に権力闘争とは何だと怒っている貴方に。
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 この国では「民主主義」をまともに教えていないから、民主政治について国民
の多くはとんでもない勘違いをしている。「政局はけしからん」とか「権力闘争
ばかりしてなんだ」と言うが、民主主義政治とは国民を守るために権力闘争をす
る事を言うのである。国民に主権があると言う事は、自分たちの生活を守ってく
れないと思ったら、権力者を「ころころ変える」権利があるという事である。
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 http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2011/06/post_264.html#more


2011.06.03(金)【三方一両損】(金子登志雄)

 菅内閣不信任案は土壇場で否決され、何とも後味の悪い結末でしたが、いったい、
だれが勝ったのでしょうか(以下、敬称は省略します)。

1.居座ることに成功した菅が勝った――でも、大勢の前で辞任表明させられまし
 た。もう、誰もいうことを聞かなくなります。不信任案が可決寸前で人望がない
 ことも世界中に知れ渡ってしまいました。

2.辞任表明に追い込んだ鳩山が勝った――でも、土壇場で反対に回り、筋を通さ
 ない人というマイナスイメージが残りました。「一定のめどがたったらやめる」
 などという菅の偽言に、またもや、はめられたお人好し、あるいは、またもや、
 小沢を2階に上げて梯子をはずした人というイメージを持たれてしまいました。

3.辞任表明に追い込んだ小沢が勝った――不信任案賛成派を70人以上も集め、
 さすがは小沢という評価が、不信任案を可決できず、一転して、小沢は終わった
 という評価に変わってしまいました。ご本人も悔しい思いでしょう。

4.辞任表明に追い込んだ谷垣自民党が勝った――大差で否決されたので、何のた
 めの議決だったのかと思われてしまいました。谷垣も立場がなく、影が薄くなっ
 てしまいました。

 もし、不信任案が可決したら、最もメリットのあるのが谷垣自民党でしたから、
それを回避したという点では民主党の成功だったのでしょうが、菅も鳩山も小沢も、
上記のとおりダメージを受けました。

 三方一両損で、大人の決着としては、妥当なところかもしれませんが、菅が鳩山
の描いた想定どおり早期にやめれば「妥当な落とし所」といえても、しぶとい菅は、
「一定のめど」は、まだついていないと、今後も長期に居座り続け、小沢・鳩山排
除に向かうのではないかという気もします。

 結局、私も判断がつかず、「一定のめど」がついたら、コメントしましょう。


2011.06.02(木)【内閣不信任案の提出】(金子登志雄)

 昨日の夕方には、自民、公明、たちあがれ日本の3党による菅政権に対する内閣
不信任決議案が衆議院に提出されました。

 根拠は憲法69条です。
--------------------------------------------------------------------------
 第69条 内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決し
たときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。
--------------------------------------------------------------------------

 なぜ、憲法は、内閣総理大臣の「解任」あるいは「解職」という用語を使わなか
ったのでしょうか。

 内閣に対するものであって内閣総理大臣に対するものではないからという理屈も
あるでしょうが、「内閣は、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣で」
組織され(憲法66条)、「内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これ
を指名」し(憲法67条)、「内閣総理大臣は、国務大臣を任命する」ものですから、
実質は同じです。

 おそらく、「国会」が内閣総理大臣を指名するのであって、「衆議院」が指名す
るわけではないこと、また国会がするのは「指名」であって、「任命」は天皇の権
限とされているため(憲法6条)、あえて「クビ」を意味する用語を避けて、「辞
職」を待つ形式にしたのでしょう。

 今日の午後にも採決されるようですが、報道では、とうとう与党のあの人(小沢
氏ではありません)も賛成に回る見込みとか。

 誰が賛成で、誰が反対かは、今後の政局に大きく影響することでしょう。政界再
編の幕開けになるかという、国の将来に大きな影響のある採決ですから、しっかり
と注視していきたいと思っています。


2011.06.01(水)【法令の拗音・促音、ついでに木へん】(金子登志雄)

 昨日の続きですが、商業登記法の条文で、「もって」を検索してみてください。
「よって」でも、「あって」でもかまいません。

 附則には登場しますが、本文には登場しません。「もつて」「よつて」「あつて」
で、「つ」が大きい文字になっています。これに対して、会社法はすべて「もって」
「よって」「あって」です。

 「以テ」なら見慣れていますが、「もつて」までは気づきませんでした。「昭和
63年7月20日内閣法制局総発第125号内閣法制局長官総務室から内閣官房内
閣参事官室あての通知」が原因だと教わりました。

 http://www5d.biglobe.ne.jp/Jusl/Bunsyo/yayuyotu.html

 「もつて」を大書き、「もって」を小書きと表現するのですね。

 この関係で、刑法は「もって」ですが、刑事訴訟法は「もつて」でした。

 ところで、学校では、手へんは下がはねるが、木へんははねないと教育しますが、
先般、函館(古くは箱館)旅行したとき、古い木の看板で「箱」の字の木の下がは
ねていました。私の自宅の近くにある平安時代からの由緒あるお寺さんの木の看板
の「櫻」の字の木へんも下が思い切ってはねていました。共に、相当古い時代から
の看板です。

 もともとは書体の差のようですが、時代が変われば、おかしなルールが増えるも
のですね。木だって根っ子が地上に飛び出すことがよくあるので、下がはねるのは
当然だと私も思います。国家は、はねあがり(者)を嫌うのでしょうかね。


2011.05.31(火)【商号の「ジ【ヤ】パン」】(金子登志雄)

 商号に「ジャパン」をつける会社が少なくないのですが、中には「ジヤパン」と
わざわざ「ヤ」を大きい字で書く会社も少なくありません。かつての類似商号調査
で見落とさないように注意したものです。
 その他、インフ「オ」メーションとか、テ「ィ」やフ「ァ」、フ「ィ」ではなく、
テ「イ」、フ「ア」、フ「イ」を使う会社も少なくありません。

 これにつき、ウィキペディアの「商号」に、登記上の商号につき、こんな説明が
ありました。
--------------------------------------------------------------------------
 以前はカタカナのャュョッァィゥェォも使用が認められなかったため、登記上の
社名をヤユヨツアイウエオに置き換えたケースもある(例:ジャパンタイムズ→登
記上は株式会社ジヤパンタイムズ)。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%95%86%E5%8F%B7#2002.E5.B9.B410.E6.9C.8831.E6.97.A5.E4.BB.A5.E5.89.8D
-------------------------------------------------------------------------

 まさかと思い、商業登記界の大御所で元法務局長の商業登記倶楽部主宰者・神ア
(こうざき)先生にお尋ねしたところ、「初めて聞く見解です」と驚いていました。

 調べましたところ、シェル石油やタカキューは、昭和20年代からの商号のよう
ですから、ウィキペディアの明らかな誤りだと思います。

 その後、なぜ、「ジヤパン」などが多いのかと、いろいろ考えました結果、戦前
の大人相手の文章表現では、「ゃゅょ」(拗音)や「っ」(促音)を用いないこと
が慣例でしたから(「しょーゆ」や「しょうゆ」ではなく、「しようゆ」と書いて
いました)、おそらく、この影響でしょう。

 ちなみに、電子機器のキ「ヤ」ノン、マヨネーズのキ「ユ」ーピーであることを
今回知りました。ただし、キヤノンの理由は、見栄えの面から「ャ」を避けたよう
です。
   http://web.canon.jp/about/mark/index.html
 

2011.05.30(月)【5000万円の誘惑】(金子登志雄)

 陸山会事件の先週の小沢秘書の裁判では、例の5000万円をホテルで石川秘書
に渡したのかという件につき、実行者の川村(元)社長と、渡すことを指示した上
司の水谷(元)会長らの証人尋問がありました。

 新聞等では社長証言のみを取り上げ、相変わらず「小沢は悪い奴だ」と煽ってい
ましたが、ネット上では、会長や運転手の証言まで正確に紹介されていました。

 社長証言
  1.04年10月15日にホテルで石川秘書に5000万入りの紙袋を渡した。
  2.1人で渡し、何の受け取り証ももらっていない。石川はすぐ帰った。

 会長証言
  1.川村が大久保に渡すというので了承したが、あとで大久保ではなく石川秘
   書に渡したことを報道で知り驚いた。
  2.社内ルールで、裏金を渡すときに見届け人を付けないことはあり得ないし、
   指定人である大久保秘書以外の人間が来たときにはその場で確認の電話を入
   れるのが普通である。川村はそれをしていない。
  3.裏金を渡した成果は出ていないので、渡したのかも疑問だ。川村には親し
   い女性がいたので、そちらに渡したのかもしれない。

 (参考)
   http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011052400781

 社長車運転手証言
  1.その日に社長をホテルに送ったという記憶はない(検察官の前では送った
   と無理やり証言させられたが訂正をしてくれなかった)。

 ずいぶんと証言が違うものですね。

 さて、自分には愛人がいた。金がかかる。自分に5000万円の裏金を届ける役
目が回って来た。裏金だから、途中で消えても、会社から横領で告訴されることも
ないだろう。誰もみていない、チャンスだ、ばれる可能性はない………。

 川村社長はこんな誘惑に負けたのか、それとも、忠実に社長の職務(?)を実行
したのか………(あるいは、石川秘書がネコババしたか)。

 貴方が同じ立場になったら、どうしますか。少なくとも、金のかかる愛人は持た
ないほうが迷わずに済みそうですが、そういう女性がいるなら、私も欲しいなぁ。

(ご参考:小沢一問一答)
 こういう国難のとき、菅・仙谷さんに座敷牢に閉じ込められた小沢さんはどんな
心境でいるのでしょうか。インタビュー記事がありました。

   http://jp.wsj.com/Japan/Politics/node_242207


2011.05.27(金)【原子力損害賠償法】(金子登志雄)

 「原子力損害の賠償に関する法律」3条によると、「その損害が異常に巨大な天
災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるときは」、損害賠償の責任はない
と規定されています。

 安全だ、安全だといっていたわけですから、責任が生じるわけがないのに、ある
いは原発のような危険なものに、なぜ無過失責任を規定しなかったのか不思議でな
りませんでしたが、どうも、地震の多いわが国でこれを定めないと損害保険の契約
が成り立たないからのようです。つまり、原発推進のために、こうしたようです。

 今週の週刊朝日でエコロジストの田中優さんがこんな発言をしています。
 「1970年から00年にかけて震度5以上の地震のあった数は、イギリスが0。
フランスとドイツが2回。で、アメリカが、あの広大な面積で322回。日本は、
このちっちゃな面積で3954回です。しかも悪いことに、1900〜2008年
までのデータを見ると、00年あたりに世界中の地震が突然増えているんですよ。
地球は地震の活動期に入ったようです。そういう状態で、地震国日本で原発を無保
険で動かすというのはむちゃな話ですよ。」

 原発をやめたドイツが2回で、原発推進の日本が3954回の地震、ほんとかい
なと思って、ネット検索しましたら、こんなのがありました。

    http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4380.html

 日本は上から4番目の地震大国なのに、ドイツはビリでした。「勝った」と喜ぶ
わけにはいきません。ワースト順位ですから………。

 やはり地震大国の日本で原発の推進は、異常としか思えません。パフォーマンス
であろうと横須賀基地の米軍を守るためであろうと何だろうと浜岡原発を休止させ
たのは、菅さんの英断の1つでしょう。

 いま地球が地震の活動期に入ったことは、日本に居住していれば、誰でも実感で
分かります。そのうち、お金持ちは、日本を脱出し、ドイツにでも居住するように
なるのでしょうか。ドイツで、日本の法律を知っての司法書士業務が可能であれば、
私もそうしたいところですが、こればかりは無理な相談ですね。独身の息子にドイ
ツ女性と結婚し、かの地に逃げ場所を作れと頼むしか、私には手がなさそうです。

(追伸)
 子供を放射能から守れと頑張っていた俳優の山本太郎さんが、案の定、番組から
干されました。これが日本の民主主義の現状です。

  http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110526-00000021-flix-movi


2011.05.26(木)【大きな組織】(島根・根来川弘充)

 今月、9・11テロの首謀者とされるビンラディン容疑者がアメリカ政府によっ
て、殺害されました。大震災により、国際情勢に関するニュースは影にかくれた感
もありますが、大変大きなニュースだったと思います。

 「容疑者を他国で、逮捕することなく殺害する。」
 ビンラディン容疑者が、いくら悪いことをしたと言っても、この手法が、国の判
断として正当化されるのか疑問に思いました。

 さらに、ノーベル平和賞をとったオバマ大統領が、揚々と記者会見を行う姿には、
大きな違和感がありました。

 個人で決断したことであれば、許されないことが、大きな組織であればと許され
るということなのでしょうか。

 今回の地震で、福島原発の事故は、今後とも被害が拡大することが予想される大
変大きな問題です。

 これによって生じる損害は、到底、一企業である東京電力では負えそうもありま
せん。報道では、各電力機関や国まで負担をする仕組みになるようです。

 こちらは、一企業であれば到底負担できないものを大きな組織であれば負担がで
きるということなのでしょうか。しかし、電気代や税金により、結局、個人が負担
をすることにもなるようです。

 組織は、大きくなるほど、「許されることが増え、責任は軽くなる」という本質
を感じました。


2011.05.25(水)【東京電力の会社規模】(金子登志雄)

 昨日の本欄ではありませんが、東日本限定の地震・津波被害だけでなく、全国規
模の原発・計画停電被害まで含めると、確かに「ますますご清栄」の人などおりま
せんね。

 毎日、放射能に汚染され続けている日本人は、放射能被害の人体実験のモルモッ
トのようなものであり、放射能を吸って鉄腕アトムやウランちゃんになれるわけで
はありません。

 にもかかわらず、テレビを見ると、相変わらず御用学者が「人体に影響しない」
とか、「津波がなければ問題なかった。原発は安全だ」などと、われわれの無知を
非難するような高飛車の言動をしており、驚くばかりです。

 「〇〇がなければ安全だ」という仮定の議論が許されるなら、安全でないものは
この世に存在しないでしょう。

 さて、話題の東京電力とはどの程度の規模の会社なのかと思い、ヤフーファイナ
ンスとEDINET(金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関す
る電子開示システム)で調べてみました。

 テリトリーが関東地区中心なのに、従業員(連結)数は5万3000人程度でし
た。これは全国をテリトリーとする新日鉄の連結従業員数5万9000人に近い数
字ですから、相当な数です。もっともパナソニックや日立製作所は36、7万人、
トヨタ自動車の従業員は32万人でしたから、産業構造の変化により、上には上が
あるものです。

 何といっても東電がすごいのは株主の数です。ほぼトヨタ並みの60万人強でし
た(パナソニックや日立でも40万人未満です)。東電の株主は年金生活者が「銀
行預金よりは配当がよい」などという理由で退職金をつぎ込んで所有した傾向が強
いため、今回の事故で株価が4分の1以下に下がってしまいましたから、いまどん
なご心境でしょうか。それこそ想定外だったことでしょうが、こればかりは自己責
任です。

(株価チャート)
   http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/chart/?code=9501.T

 JALといい、東電といい、親方日の丸のマンモス企業は、意外にリスク管理に
弱いものですね。国がバックにいると気が緩むのでしょうか。その代わり、情報隠
し、資金力に任せての情報操作などは得意技のようですから、今後もしっかりと注
視しておきましょう。


2011.05.24(火)【東日本大震災と株主総会招集通知】(富田太郎)

 6月は定時株主総会の季節です。

 いつもは、参考書類については、念入りに作成しますが、招集通知の頭書きの
文言(あいさつ文)は、毎年、同じものを使用しています。

 通常は、次のような文言ではないでしょうか?

 『拝啓 ますますご清栄のこととお慶び申しあげます。
  さて、当社第●回定時株主総会を下記により開催致しますので〜』

 しかし、辞典などを調べてみると、
 この、『拝啓 ますますご清栄のこととお慶び申しあげます。』
とは、『ますますご繁栄されているとのことで、喜ばしいかぎりです』
との意味のようで、

 『東日本大震災で、被害者を受けた方のことを考えると、配慮に欠けている? 
相応しくないでは? 文言を変えるべきでは?』

との質問を総会担当者から受けます。

 そこで、今のところ(大企業等、株主が多い会社)、

【パターン1】
 拝啓 平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
 このたびの東日本大震災の被災者の方々には心よりお見舞い申しあげ、被災地
の1日も早い復興をお祈り申しあげます。
 さて、当社第●回定時株主総会を〜

【パターン2】
 拝啓 平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、当社第●回定時株主総会を〜

のような文言を使う会社が多いようです。

 長年、司法書士業務を行なっていると、「法律的に正しければよい。」と考え
てしまいますが、被災者の方々のことを考えると、もう少し文言に気を使わなけ
ればと反省する次第です。

 たかが、『あいさつ文』、されど、『あいさつ文』ですね・・・。


2011.05.23(月)【イマジネーション能力】(金子登志雄)

 20日付本欄では読者の方の感想文をご紹介いたしましたが、そのご指摘のとお
り、イマジネーション(想像)能力の欠如した頭のよい方が多過ぎます。学校で学
んだ知識は十分にあるのでしょうが、深みがなく、現実への対応力といった意味の
「知恵」あるいは「経験」が決定的に不足しているようです。

 最近設立されたある上場会社の子会社(資本金1000万円)の定款をみました
ら、監査役の権限が会計に限定されておらず、公告方法は電子公告になっていまし
た。小規模閉鎖会社の実情に詳しい司法書士であれば、監査役の権限は会計に限定
し、公告方法は最も公告代の安価な官報にしていたでしょう。必要により、取締役
会や監査役も非設置にしたかもしれません。

 なぜこんな中堅公開会社並みの定款にしたのかと聞いてみましたら、証券会社が
紹介した弁護士に定款を作ってもらったということでした。

 数千万円程度の資本金の新興ベンチャー企業がVC(ベンチャーキャピタル)に
種類株式を発行するとき、VC紹介の弁護士が定款変更案を作成することが少なく
ありません。

 そのとき彼らが何をするかというと、マニュアルに従い、一流上場会社並の標準
的な定款を左に置き、対象会社の定款と比較し、ここが漏れているからこれを追加
せよなどと指導してくるのです。

 種類株式の内容だけで1頁以上のものにしてきますし、今後数年は赤字が続くで
あろう小規模閉鎖会社なのに、中間配当の規定から何から何まで定めてくるのです。

 「人を見て法を説け」という諺もあるのに、まるで立ち食いそば屋の店舗の改装
に、一流フランス料理店の設備を要求するような愚かさです。今後、会社の成長に
合わせて、必要の都度、定款を変更して行けばよいという発想もないのでしょうか。

 一般論ですが、弁護士さんは喧嘩の助っ人が商売ですから、会社組織の実情には
疎いのに、依頼した証券会社やVC自身がそのような想像力の欠けた定款をありが
たく受け取り、顧客に対して「あの事務所は超一流ですよ」などと自慢しているよ
うですから、証券会社やVC自身の見極め能力にも大いに問題があります。

 あ、やばい。証券会社やVCは私の重要な顧客候補です。ヨイショしておかない
と、仕事が減ってしまう………。


2011.05.20(金)【新株予約権は無法地帯その5】(金子登志雄)

 取締役に対する株式報酬型ストックオプション(新株予約権)の話に戻しますが、
これは一般に金銭報酬債権と相殺したものだから、無償付与ではないと説明されて
います。

 江頭本3版420頁から421頁でも、要旨、次のように説明されています。
--------------------------------------------------------------------------
 「取締役の職務執行の対価として新株予約権が付与される場合には、『ストック
・オプション等に関する会計基準』によると、会社は、当該新株予約権の付与日現
在における公正な評価額を、対象勤務期間の費用として計上しなければならない。
この会計処理は、たとえば公正な評価額が100万円の新株予約権を職務執行の対
価として取締役に付与する場合であれば、いったん同人に対し現金で100万円の
報酬を支払い、その現金を払い込ませて当該新株予約権の割当てをしたに等しい」
--------------------------------------------------------------------------

 しかし、この説明では、誤解をまねきます。いったん現金で100万円の報酬を
支払うのなら、これは現金報酬そのものであって、新株予約権の現物給付報酬とは
いえないからです。

 にもかかわらず、このような表現で新株予約権の発行を開示している上場会社は
多数にのぼり、ご丁寧にも支払期日まで定めているのです(会社法238条1項5
号)。ほとんどが「割当日=支払期日」としています。

 そうすると、商業登記法65条により、この支払い(あるいは相殺)を証明しな
いと登記申請できないはずですが(富田センセが過去、さんざん悩んだ部分です)、
現実には、証明が省略されているようです。

 現金での支払いは比喩だとしても、以上の考え方は、100万円分を前払いして
新株予約権を付与したことになりますが、上記の会計基準では、対象勤務期間(例
えば、1年後に任期満了退任だと1年間)の費用として按分するのであり、1年後
に初めて、新株予約権の全額が支払われたと考えます。

 つまり、いま100万円の新株予約権を付与するが、今後1年間の職務(労務)
で払ってねというのが会計基準の根拠であり、半年後に決算となれば、この場合の
新株予約権の帳簿価額は50万円になります。

 この後払い説なら、支払期日は行使期間の初日の前日(会社法246条1項)の
はずですが、どういうわけか、上記のように割当日を支払期日に定める例が非常に
多いし、行使期間も割当日の翌日に設定する例が実に多いのです。

 会計基準(及び会計処理)の後払い説と現実の法務実務(前払い説)は、このよ
うに大きく異なっていますが、その原因は、おそらく、実務は、「過去」の頑張り
に対する「褒賞あるいは慰労金」として付与しているのに対し、会計は、ストック
オプションの理念どおり、「今後」の頑張りのインセンティブ「報酬」として捉え
ているからでしょう。

 その他、まだまだ、おかしいところは多々ありますが、富田センセも褒めてくれ
なくなったので、このへんで打ち止めにしておきましょう。

 昨日、消滅寸前のトキの私に同情したのか、富田センセの代わりに、本欄読者の
企業法務部の方が感想文を寄せてくださいました。
--------------------------------------------------------------------------
 新株予約権の定めも、物事を定めるのに、どれだけイマジネーションを駆使して、
どれだけ具体的に考えているのか・いないのかの良い例だと思いました。
 学歴のある、賢い人たちの作文ですら、こうなのですから、世の中が摩訶不思議
なのは、当然なのでしょう。
-------------------------------------------------------------------------

 全くそのとおりですね。着地点を考えずにマニュアルどおりに動く偉い先生が多
過ぎます。ゴルフでいえば、グリーンやホールの位置、風向きも考えずに、打って
いるようなもので、ラフに飛び込むことは目にみえているのですが、それさえも意
識せず、「私のスイングは美しいでしょう」と自慢してくるのです。

 そういう人が多いと、われわれは実に仕事がやりやすいので、もっともっと美し
いスイングを自慢してもらいたいものです。


2011.05.19(木)【新株予約権は無法地帯その4】(金子登志雄)

 調子に乗って、第4弾です。 

 下記のような定めで、1株を3株に分割してください。
--------------------------------------------------------------------------
 新株予約権1個当たりの目的である株式の数(以下、「付与株式数」という)
は10株とする。なお、当社が株式分割又は株式併合を行う場合、次の算式によ
り付与株式数を調整し、調整の結果生じる1株未満の端数は、これを切り捨てる。

  調整後付与株式数=調整前付与株式数×株式分割・株式併合の比率

 各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、当該各新株予約権を行
使することにより交付を受けることができる株式1株当たりの払込金額(以下、
「行使価額」という)に付与株式数を乗じたものとする。
 1株当たりの行使価額は100円とする。ただし、当社が株式分割又は併合を
行う場合は、次の算式により行使価額を調整し、調整の結果生じる1円未満の端
数は切り上げるものとする。
                      1
 調整後行使価額=調整前行使価額×――――――――――
                  株式分割・併合の比率
--------------------------------------------------------------------------

 当初は、1個10株で1000円(行使価額100円×10株)でした。

 これを1株を3株に分割すると、1個30株はよいとして、
                      1
 調整後行使価額=調整前行使価額100円×――=34円(端数切り上げ)
                      3
より、1個30株1020円(行使価額34円×30株)になります。

 あれれですね。1個1000円のはずが、1個1020円に値上げされてし
まいました。

 上記で当初の定めが「1個1株、行使価額1株当たり1000円」だったと
して、1株を1.2株に分割すると、切り捨ての結果として1個1株のままと
なり、行使価額は1000÷1.2=834円になります。

 今度は、1個1000円のはずが、1個834円になりました。

 1個当たりの払込金額は変わってはいけないのが原則なのに、上記のとおり
です。

 この理由は、新株予約権は本来「個数」を基準に考えなければならないもの
なのに、「株数」を基準に立案しているからです。行使価額ですら、新株予約
権1個の行使価額ではなく、1株単位の行使価額にしています。

 実は、これがわが国の実例の多数派です。株数基準であった新株引受権時代
からの影響ですが、いまだに、改まる気配がありません。


2011.05.18(水)【新株予約権は無法地帯その3】(金子登志雄)

 またもや、富田センセに昨日の内容を「面白い」と褒めていただきましたので、
調子に乗って、第3弾です。

 新株予約権1個につき何株とするかは、上場会社のほとんどが最低取引単位にし
ています。1単元1000株の会社は、新株予約権1個につき1000株とするわ
けですが、単元制度を採用していない新興企業の場合は、1個につき1株とし、次
のように定めるのが普通です。

--------------------------------------------------------------------------
 新株予約権1個当たりの目的である株式の数(以下、「付与株式数」という)は
1株とする。なお、当社が株式分割又は株式併合を行う場合、次の算式により付与
株式数を調整し、調整の結果生じる1株未満の端数は、これを切り捨てる。

   調整後付与株式数=調整前付与株式数×株式分割・株式併合の比率
--------------------------------------------------------------------------

 よーく考えてください。この定めは、おかしくありませんか。司法書士の方は、
以下を読まずに、最低3分間考えてください。

 分かりましたでしょうか。この会社は2株を1株に株式併合すると、1個0.5
株となり、1株未満なので切り捨てられ、1個0株になってしまうのです。新株予
約権は目的の達成が不可能となり、抹消登記の運命に陥るのです。

 従って、現実には株式併合を決議することをしないと思いますが、こういう小学
生並みの算数能力もない内容を堂々と記載している現状が多数あるのです。

 では、株式分割なら意味があるのかというと、意味があると思った司法書士の方
は、再度、3分間、お考えください。

 意味があると思った方は、株式分割を1株を2株や3株にすることだと思ってい
るからでしょう。そうではなく、上場会社の現状の株式分割の多数は、1割無償と
か2割無償といって、1株を1.1株や1.2株にすることです。

 とすると、新株予約権1個1.1株や1.2株となり、端数を切り捨てる結果、
1個1株に戻ってしまいます。これでは調整式を定めた意味もなく、やはり立案者
の算数能力に疑問符がついてしまいます。

 会社法236条1項9号には、「新株予約権者に交付する株式の数に1株に満た
ない端数がある場合において、これを切り捨てるものとするときは、その旨」を定
められるとありますが、これは、新株予約権1個ごとに切り捨てろという意味では
ありません(そのように定めることは可能ですが)。

 会社法の趣旨は、例えば、1個0.5株(これでも有効です)のときに、3個や
5個を行使すると、1.5株や2.5株となるため、この端数の0.5株に対して、
本来であれば、金銭を交付すべきところ(283条)、この端数を切り捨てて、金
銭を交付しないこともできるよという意味です。
 
 というわけで、小学生並みの算数ができる人は、無法地帯では少数派に属し、佐
渡のトキのように絶滅の危機に瀕している現状です。

 どうぞ、この世界のトキである私ほか算数のできる希少価値の司法書士に、大量
のえさ(仕事)を与えて、手厚く保護してください。


2011.05.17(火)【新株予約権は無法地帯その2】(金子登志雄)

 無法地帯の話は昨日だけのつもりでしたが、富田氏から「面白いから、もっとや
れ」と、けしかけられましたので、第2弾です。

 新株予約権1個につき何株という新株予約権の目的たる株式数の調整で、行使す
ると取得できる普通株式に株式分割や株式併合があったら、次の算式で付与株式数
を調整すると定めるのが一般です。

 「調整後付与株式数=調整前付与株式数×株式分割・株式併合の比率」

 例えば、「新株予約権1個につき100株」と定めたのに、後日、1株を2株に
する株式分割があったら、「1個につき200株」、2株を1株にする株式併合が
あったら、「1個につき50株」に調整しないと不合理です。株式分割に準じて、
株式の無償割当てがあった場合も同様でしょう。

 ここまではよいのですが、多くの事例に「当社が合併、会社分割又は株式交換を
行う場合及びその他これらの場合に準じて付与株式数の調整を必要とする場合は、
当社は、取締役会において必要と認める付与株式数の調整を行うことができる」と
記載されているのです。

 この文章から、どんな場合が想定できるでしょうか。

 会社法によれば、会社分割とは「権利義務を承継させる」ことであって分割会社
の行為です。株式交換も「発行済株式の全部を取得させる」ことであって、株式交
換完全子会社の行為です。しかし、それらは、相手のある行為ですから自社で勝手
に新株予約権を調整することはできません。したがって、上記の文章は、合併存続
会社、吸収分割承継会社、株式交換完全親会社の行為に限定されます。

 おそらく、時価よりも安く株式を発行した場合と同様に、合併等で不平等な契約
をし、株式が稀釈化した場合には、新株予約権者を保護するため、目的たる株式数
を調整するというものでしょう。

 しかし、株式の稀釈化を回避できなかったのに、新株予約権だったら、できるの
でしょうか。逆にいえば、当社に有利な合併比率のときは、新株予約権だけ株式数
を減らしてもよいのでしょうか。

 会社法も、株式数の「算定方法」を定められるとは規定していますが、「合併等
をするときは、取締役会が新株予約権の目的たる株式数を調整する」なんて内容が
算定方式といえるでしょうか。

 では、なぜ、こんな無意味で愚かで無用な定めを置くのでしょうか。

 答えは簡単です。会社法以前の古い新株引受権の時代からの決まり文句であり、
「右に倣え」の心理です。著名大企業と同じことを書いておけば安全だ、いや、も
っといえば、他の会社と同じことしないと不安だ、という心理です。

 腹が立つのは、会社のほうは詳しくないため、そういう無意味な文章を挿入しな
いことに何の感想もないのに、外部コンサルタントや弁護士・司法書士・会計士が
意味も分からず、「他社例と同様に、入れておいたほうがよいですよ」とアドバイ
スすることです。ひどいプロになると「漏れてますよ」とまでアドバイスします。

 正しい指摘をする人は、いつも少数派で、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」
という無法地帯なんですね。
 

2011.05.16(月)【会社法の無法地帯】(金子登志雄)

 先週は、株式報酬型ストックオプションの相談を受け、調べるのが楽しくてなり
ませんでした。会社法案件に限定ですが、難しい案件の相談を受けると、うれしく
なります。

 株式報酬型というのは、一般に、取締役報酬を現金で与えたことにし、それと新
株予約権の払込金額とを相殺させるものですが、主として退職金制度を廃止した見
返りに付与するものです。

 その関係で取締役の報酬決議として株主総会に付議する必要が生じますが、最近
は持株会社が多くなり、取締役報酬といっても、子会社の取締役が対象に加わった
りするため、やや混乱中です。

 中には、子会社の取締役を対象とするときは、これを通常型ストックオプション
と名付けている会社もあり、決議に関しても、わざわざ有利発行の決議をするとこ
ろもあり、まちまちでした。

 報酬と相殺する場合に、例えば、1個の公正価値が1万円としたとき、登記内容
の「募集新株予約権の払込金額若しくはその算定方法又は払込を要しないとする旨」
に、どう記載するのかというと、多くが1万円(あるいは、それを導く算定方式)
を登記していましたが、子会社の取締役に付与する場合には「無償」あるいは「払
込みを要しない」と登記する例もありました。

 報酬と相殺することは「払込みを要しない」ことと同義かを調べましたところ、
会社法238条には「金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨」とあ
りますから、確かに「金銭」の「払込みを要しない」に該当しそうです。

 しかし、246条をみますと、会社の承諾があれば、金銭の払込みに代えて現物
給付も可能だとあり、どうも報酬債権との相殺は「金銭の払込みを要する」場合の
1つのようです。したがって、「払込みを要しない」とは、旧商法でいう「無償」
のことでした。

 では、債権者に金利を負けてもらう代わりに新株予約権を交付するような場合は、
これを「無償」といってよいのかという問題もありますし、有償だとしても金利減
免と相殺できるといえるのかという問題が生じそうです。

 ある方が新株予約権は無法地帯で何が何だか分からないとおっしゃっていました
が、そのとおりですね。もっとも、私は、そういう無法地帯であれば、乗り込むの
が大好きです。まだ、野次馬であって、法を適用できる保安官にはなりきれていま
せんが………。


2011.05.13(金)【無対価と準備金】(金子登志雄)

 連休前ですが、「無対価株式交換と会計処理」に関する論考を中央経済の「ビジ
ネス法務」(6月発売号)に掲載するため、書いてみました。本欄4月19日付の
内容をベースにした4頁ものです。

 その事例で、会計士さんの中には、無対価の株式交換といっても新株の発行を省
略しただけだから資本準備金になるという方もいらっしゃいましたが、これは無理
でしょう。株式交換の対価が「新株」とは限りませんし、1株も株式対価を交付せ
ずして、資本金や資本準備金が計上されることを会社法は想定していないからです
(いわゆる資本組入れの場合は別問題)。

 株式交換に関する会社法768条1項2号イでも「当該金銭等(注:対価のこと)
が株式交換完全親株式会社の株式であるときは、………当該株式交換完全親株式会
社の資本金及び準備金の額に関する事項」とあり、対価が株式のときに限り、資本
金と準備金への計上額を株式交換契約書に記載することになっています。

 逆にいえば、資本金や準備金が変化するのは、株式が交付されたときに限るとい
う意味が込められています。

 面白いことに、このように、会社法は「資本金及び準備金の額に関する事項」と
規定しており、「資本金及び資本準備金の額に関する事項」とはしていません。

 これは立法ミスでしょうか。いや、きっと、資本金等の株主資本の内訳まで引き
継ぎ、その結果として利益準備金を引き継ぐ会計処理も吸収合併や吸収分割にあり
ますから(計算規則36条、38条)、それを意識し、あえて「資本準備金」とし
なかったのではないでしょうか。

 この結果、会社法条文に忠実に、合併契約書や株式交換契約書に「増加する資本
金の額/000万円」「増加する資本準備金の額/0円」だけでなく、「増加する
利益準備金の額/0円」と記載する例も少なくありません。

 会社法からすれば、記載するのが本来の形でしょうが、資本金等の株主資本の内
訳まで引き継ぐ会計処理とは無縁な株式交換においては、利益準備金が増減するこ
とはあり得ないのに、やはり記載しなければならないのかという疑問が生じてしま
うところです。


2011.05.12(木)【資本金0円会社の設立】(金子登志雄)

 現金による会社の設立のときに限り、なぜ、資本金の計上に関する証明書が登記
に不要なのかという質問がありました。
 なぜだと思いますか。

 次の3つの理由です。
1.設立だから自己株式の処分ということがあり得ません。
2.現金出資で現物出資ではないため、簿価マイナスの出資もあり得ません。
3.設立費用の控除も計算規則の附則11条で禁じられているからです。

 したがって、現金100万円の出資であれば、このうち半額の50万円以上が資
本金に計上されることになると自動的に計算できるのです。

 話変わって、費用控除が認められないため、組織再編の設立ではない純粋の設立
では資本金0円会社の設立は無理だといわれていますが、これはウソです。純粋の
設立でも現物出資であれば、資本金0円会社が作れます。

 たとえば、「資産30、負債100」の事業を現物出資して子会社を設立する際
には、簿価で計算しますから、子会社の資産と負債も「資産30、負債100」と
なります。差額の純資産額は△70ですが、これを株主資本にどう計上するかとい
うと、「資本金0円、その他利益剰余金△70」にします。すなわち、資本金0円
会社が設立されます。

 新設分割での資本金0円会社の設立は経験済みですが、現物出資では、まだ経験
がありません。たぶん、マイナスを出資して会社が設立できると思っている方がほ
とんどいないからでしょう。

 挑戦したい方はぜひ金子事務所にどうぞ。


2011.05.11(水)【定款と権威】(金子登志雄)

 定款というのは、ご承知のとおり会社の「憲法」であります。

 しかし、これは株主多数の正真正銘の会社の話であって、株主1人や同族の数人
といった圧倒的多数の個人企業と大差のない中小企業では、定款をみせてください
といっても、「え? どこにいったかなぁ」といった程度のものに過ぎません。

 必要があれば、すぐに株主全員が集まって定款を全面変更できるのですから、そ
の感覚も実態にあっており、決して非難すべきことではありません。

 定款の価値あるいは重さに関するこのあたりの知識は、現場に詳しい法務局や司
法書士の世界では、常識といっても過言ではありません。口では建前どおりに話し
ますけど、実態が違うことは重々承知の上です。

 ところが、設立定款を認証する公証人役場では、裁判官や検察官出身の公証人が
多く、学校で学んだとおりに定款を憲法と同視し、株主が1名であろうと、内容は
もとより、内容以外でも相当に厳しい対応をしてきます。

 数年前も東北の某県で私が電子認証した定款を代理人に取りに行かせようと思い
ましたら、代理人宛ての委任状に私の個人の実印を押して印鑑証明書と司法書士の
会員証の写しをつけよとまでいわれました。今般、関西でも同じでした。代理人が
司法書士でも、この厳しい対応です。

 代理といっても契約など法律行為の代理ではなく、単なる書類の受領行為に過ぎ
ません。クロネコ・ヤマトやサガワの配達・回収と同じようなことを依頼しただけ
です。

 いったい誰が公証人手数料の5万円まで払って、他人には全く価値のない認証済
みの定款を盗もうとするのでしょうか。もう少し、手続を緩和してくれてもよさそ
うなものですが、それをすると、きっと公証人の権威が保てないのでしょう。

 司法書士の皆さん、われわれも、もっと権威を高めましょう。今後は、登記が終
わって依頼企業の社員が取りに来るときには、委任状には実印を押して印鑑証明書
と社員証の写しをつけよと厳しく要求しましょう。ただし、2度と仕事が来なくな
っても責任は負えません。


2011.05.10(火)【生モノと干物】(金子登志雄)

 昨日の本欄に続いて、私も「先生」ネタにしましょう。ちなみに、私は、学生時
代からアルバイトで家庭教師や学習塾の講師をすることが多かったので、先生と呼
ばれることに特別な感覚はありません。

 さて、日刊ゲンダイの連休特集号に、辛口評論家で有名な佐高信さんが大震災の
復興構想会議(五百旗頭=イオキベ=議長)を皮肉ったのか、「現場は『生モノ』
で現場を知らない学者は干物だ。震災は『生モノ中の生モノ』なのに干物をトップ
に充ててどうするのか」といった疑問又は感想を語っていました。

 面白い譬(たと)えだなと感心すると同時に、私も同様に思いました。経営学の
学者が実際に会社の経営をできないのと同様に、大震災の後始末や復興については
「人を動かす」能力に長けた知事経験者とか、ゼネコン経営者のほうが圧倒的に有
能だと思うのですが、どうも菅政権は有識者の「先生」を集めた会議がお好きなよ
うです。これでは、現場を知らない社外監査役に会社再建策の立案を頼むようなも
ので、その効果には疑問を持ってしまいますが、もう20個以上も何とか会議を作
ったようですね。

 われわれ実務家が扱う仕事は常に「生モノ」です。生肉など正真正銘の生モノで
あれば、いま問題になっているように、人の生死に係る食中毒までを起こしてしま
います。それほど現場には現場の厳しい掟があり、安全地帯から学者の先生やジャ
ーナリストなどの有識者に、とやかく評論されても意味がありません。

 私の専門の組織再編手続も「生モノ」ですから、株式交換が吸収分割に、吸収分
割が事業譲渡に変化したり、合併でも無対価のはずが株式の発行に切り替わったり
と変化することも多々あり、その都度、即断即決で善後策を講じなければならず、
賞味期限の長い干物のようなわけにはいきません。

 やはり、「生モノ」を扱うには、その道の通に任せるべきでしょう。司法書士で
ある私ですら、不動産登記は不動産専門の司法書士の「先生」にご依頼するくらい
ですから。


2011.05.09(月)【先生と呼ばれるほどの馬鹿でなし???】(富田太郎)

 私のような、サラリーマンから司法書士になった人間にとって、一番、奇異に
感じるのは、お客さんから「先生」と呼ばれるときです。

 お金をもらっているのに、なぜ「センセ」????

 ちなみに、先生の言葉の意味を調べてみると(現代新国語辞典 学研)、 

★言葉の意味★ 
【先生 せんせい】
@自分が師事する学問・芸術・芸能の指導者。師匠。
A教師・医師・代議士などの職業についている人に対する敬称。
Bからかい、親しみの気持ちをこめて人をさす言葉。

だそうです。
 もっとも、つきあいが長くなり、お互い気心が知れてくると、「富田さん」と
呼ばれるようになってきますが♪

 ところで、今は昔。
 サラリーマン時代、多くの司法書士、弁護士等のセンセ稼業の方々と付き合っ
ていました。
 
 思えば、面前では「先生!」と呼んでいましたが、これは、心より尊敬してい
たのではなく、名前をいちいち覚えるのが面倒で、「先生」と呼んでいれば、ま
ずは無難ということからでした(当時の方々、すいません)。

 また、仕事を依頼していた司法書士さんは、年配で、不動産登記は得意だけど、
会社法(当時は商法)が全く駄目な方で(注)、その方の前では、センセと呼ん
でいたものの陰では、部下に「早く、アレに電話して、登記、いつ完了するか聞
いとけ!」などといっていたものです・・・・・(反省)。

 その後、自分もアレ(司法書士)になってしまうのに・・・・。

 あっ!!!

 もしかして、私も陰では「アレ」といわれているかも・・・・(汗)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 因果応報ですね・・・・・(反省)。

(注)多くの司法書士は不動産登記がメインで、会社法などを得意とするのは、
K先生(※この「せんせい」という言葉は、上記★言葉の意味★@の意味で使
っています。誤解なきように!)など、限られた方々なのだということは、司
法書士になってはじめて分かりました。

 よって、当時の司法書士さんが会社法(商法)苦手だったのは、今なら分か
ります。また、弁護士さんも、分野がかなり広いため、得意・不得意分野があ
るということも、実務を経験してはじめて分かりました。


2011.05.06(金)【司法書士バッヂ(五三の桐)】(富田太郎)

 先日、我がESGの内部で、司法書士バッチが話題になっていました。実はこの
司法書士のバッヂ、「五三の桐」をあしらった非常に高貴なものです。


 ところで、「桐紋」には、いわゆる「五三の桐」「五七の桐」などありますが、
「五七の桐」は、元々、天皇家が(嵯峨天皇AD786〜842の時代から)「菊
紋」と併用して使っていました。

 ただし、「五七の桐」は、天皇家から、その時の権力者(足利尊氏・織田信長・
羽柴秀吉、等々)に下賜されることが多く、そのため『政権担当者の紋章』という
認識がついたようです。
 現代では、首相官邸も「五七の桐」のマークを使用しています。

 これに対して、「五三の桐」はどちらかと言うと、桐の紋章に憧れた庶民に多く
使われていたようです。

 そこで疑問なのが、何ゆえ「司法書士」が「五三の桐」のマークを使っているの
か?

 文献等を調べましたが、由来ははっきりしませんでした。ただ、推測ですが、
「法務省」も「五三の桐」をマークにしており、その関連から、法務省管轄の国家
資格である司法書士も使用しているのではないでしょうか………。


【閑話休題(5年前のある客先での出来事)】

 お客「とみたセンセ?? その背広につけているバッヂ? 何ですか?」
 私 「ニヤリ♪ これは司法書士バッヂで、『五三の桐』というもので、
    ▲■〜♪」
 お客  「へ???? それが桐??枠しかないですよ???」

 よく見ると、バッヂの中の『五三の桐』は、どこかにいったのでしょうか?
見事に剥がれ落ち、「枠だけのバッヂ」になっていました………(恥)。

 以来、私のバッヂは、ずっと机の中にあります。

 「桐」のウンチクを、ぐだぐだ〜偉そうに語ってないで、早く修理しろよぉ!
………ですね………(反省)。


 ※補足
 東京司法書士会会則
 「司法書士会員は、業務を行うときは、会員証を携行し、かつ、司法書士徽章を
着用しなければならない。」

 はやく修理しないといけませんね………(汗)。


2011.05.02(月)【復興税】(金子登志雄)

 原子力安全委員会の委員長は「斑目」さんで、東日本大震災の復興策を検討する
政府の復興構想会議の議長は「五百旗頭」さん。

 マダラメ、イオキベと読むようですが、珍しい姓でないと、偉くなれないのでし
ょうか。ありふれた姓の佐藤や鈴木はすぐに逮捕されてしまいますし(佐藤栄佐久、
佐藤優、鈴木宗男………)、小沢姓の方は閉門蟄居、堀江姓の方は、とうとう収監
されることに………、ありふれた姓の私としては、少々ひがみたくもなります。

 もっとも、珍しい姓はすぐに覚えられてしまいますから、行動の自由がなく気の
毒(?)です。田舎の教師の息子であった私も、「先生の家の子供」という世間の
評価から、小中学生の頃はいたずらもできませんでした。

 さて、このイオキベさん、防衛大学の学長で景気や財政の専門家でもないのに、
いきなり復興税を提唱し、かねてより消費税アップを目論む菅政権を喜ばせている
ようですが(以心伝心でしょうけど)、皆様は復興税についてどう思われますか。

 報道によると、善良な国民の過半数が復興のためには仕方ない、賛成だと考えて
いるようですが、本当にそうなのでしょうか。菅政権のお友達の大手マスコミによ
る宣伝や「頑張ろう日本」の風潮に影響されているところはないでしょうか。私に
は、原発災害は国民全体の連帯責任だといわれているようで、いやな気分です。

 国民の過半数が賛成だとしても、それは消費者(私人)としての意識であり、冷
静に景気対策その他国全体のプラスマイナスを意識した上での意見とは思えません。

 橋本内閣で消費税を上げたときも、消費が冷え込み、税収の増大につながらなか
ったようですし、タバコ税についても、同様な結果がでているようです。これは、
当然のことで、企業において商品を値上げしたら、売上が上がるとは限らない理屈
と同じです。司法書士も値上げすれば、顧客が去って行くものです。

 いま景気が冷え込んだら、長期化は避けられません。地震や津波の災害は、外科
手術で早期に回復しても、内科の災害である原発、それによる計画停電は、想像以
上に深刻な事態です。日本は底力があるから、すぐに景気回復するといった希望的
観測は今回は無理です。東西冷戦で朝鮮戦争特需やベトナム戦争特需があり、米国
が西側の弱小国家の日本を支援していた時代とは違うのです。

 財政赤字がいわれて久しいですが、総資産の割には負債の大きさはそれほどでは
ないとも聞きますし、ギリシャと違い債権者は外国ではなく国民です。企業でいえ
ば、株主から借金しているようなものですから、深刻度はレベル7ほどには至って
いないともいわれています。

 それ以上に、消費税アップの負の作用で行政改革や公務員の給与改革がおろそか
になるおそれはないのでしょうか。広い意味の国庫(特別会計)には、積立金の性
格を持つ埋蔵金もあるようです(原発関係で3兆円とか)。なぜ、それらを使わな
いのかという指摘もなされています。

 社会全体の富(景気)を回復させて税収を上げることこそ景気回復の王道であり、
安易に消費税を上げるなと主張している有力な政治家が与野党に多数存在しますか
ら、それほどいうなら、その方々に国家経営を委ねればよいと思うのですが、なぜ
そうしないのか、私には不思議でなりません。


2011.04.28(木)【必見:孫正義の覚悟】(金子登志雄)

 ソフトバンクの孫社長が個人の立場で、大震災の被災者に対して100億円を寄
附したほか、脱原発を表明しはじめたことは、皆様ご存知のとおりですが、今度は
個人資金10億円で自然エネルギー財団設立だそうで、4月22日に自由報道協会
に招かれ、記者会見をしていました(大手メディアは無視か?)。

 さすがは経営者です。単に「原発反対」というだけでなく、ガイガーカウンター
をもって現地に乗り込み、たっぷり放射能を浴びてきていますし、経営者の立場で、
原発は採算に合わない、安い自然エネルギーを導入するには、国家的政策として、
どうあるべきかなどを実に分かりやすく理由付で説明していました。ご本人も、こ
こ1か月ほど真剣に勉強したようです。

 それだけでなく、ITの会社の社長が余計なことに口出しするな、金持ちの道楽
の寄附だ、などという心ないバッシングも毎日のように彼のツイッターに寄せられ
ているだけでなく、ご自身も情報革命の推進を生涯のテーマとしていたのに、ここ
で原発問題にのめり込むことの是非に相当お悩みのようでした。

 フリーの記者からも、国策あるいは既成権力に立ち向かうことで、孫さん自身が
潰されるのではないかという心配や、逆に孫さんへの過剰な期待が寄せられていま
した。

 しかし、知って何もしないのは罪だ、それでも正義を貫かねばならないときがあ
ると彼の不退転の覚悟が記者会見で語られていました。彼の一流会社の社長の立場
(守らなければならないものが多数ある立場)を思うと、悲壮な決意だと思います。

 私も彼が佐藤栄佐久前福島県知事などのようにならないかと不安でなりませんが、
彼は坂本龍馬が大好きな人ですから、きっと自分も志のために生きることを選択し
たのでしょう。

 記者会見は、1時間半以上もありますが、損得抜きの孫さんの覚悟は本物で、実
に感動ものでした。連休の期間に、ぜひ全部をご視聴ください。
 今週号の週刊ポストにも別の面からのインタビューが掲載されています。

  http://www.ustream.tv/recorded/14195781


2011.04.27(水)【震災に思うこと】(島根・根来川弘充)

 東日本大震災の経済的影響は、島根県でも確実に出始めております。資材・材料
が入ってこないので、仕事ができないと、個人経営の業者の方が嘆いておられると
いう話を身近に聞くようになりました。これから、ますます深刻化していくものと
思われます。

 震災当時の報道を目にする度に、実際に自分の身の上に起きた場合、どうしたら
良いのだろう と考えてしまいます。

 真っ先に不安になるのが飲料水と食料です。どこにも品物がない上に、連絡もと
れないのであれば、それらを求めて、スーパー、ディスカウントストア、コンビニ、
地元小売店・・・と、知りうる限りの場所を探さなければならないと思います。そ
う考えますと、「物がいろいろな所にある」ということは、災害が起きた時に大変
大事なことではないかと思います。

 現在、大量生産の時代が見直され、余分な在庫をできるだけ減らそうとすること
が善とされる時代です。しかし、今回のような災害を考えると余分な在庫があるこ
とは、それなりに意味のあることだと思います。

 今日、経済だけでなく、政治においても、事業仕分け等、無駄を削減することが
奨励されています。それ自体は歓迎なのですが、何が「無駄」なのかについては、
もう少し吟味されても良い気がします。


2011.04.26(火)【編集者能力】(金子登志雄)

 鈴木さん、『Q&A東日本大震災と登記実務』の編著、お疲れ様でした。こうい
う編集作業は、司法書士界広しといえども、鈴木さんなど1部の方しかできないこ
とですので、われわれは、つい傍観者になってしまいました。

 さて、鈴木さんとは、著作や講演活動で、よく一緒に行動するのですが(実は、
ほとんどが鈴木芸能プロダクションのお世話で、私がタレント活動しているだけで
す)、面白いもので、全くタイプで違います。

 私は、商業登記や会社法の論点につき「論ずる」ことしか関心がありませんが、
鈴木さんは、ジャンルの幅が広く、不動産登記でもなんでも、それらを分かりやす
く解説することが得意です。講演においても、私は「えーと」とか「あ、そうだ」
を乱発し、あちこち横道に外れて思いつくまましゃべりますが、鈴木さんは自分で
作成したシナリオどおりに語り続けます。

 こういうタイプの相違がありますから、一緒に書いた『法定公告の手引』(商事
法務)でも、総論部分は鈴木、各論は金子の役割になりますし、『商業・法人登記
300問』(テイハン)のように商業登記界の大御所の神ア先生が総論を担当する
ときは、種類株式や組織再編という論点豊富で面白い部分は私が担当し、設立とか
機関というたいくつな部分を鈴木さんが担当してくれています。

 要するに、鈴木さんはマネージャーや経営者タイプであり、私は職人タイプとい
うことです。職人タイプの私は、他人(ヒト)に書いてもらうくらいなら自分で書
いたほうが楽だと思ってしまうタイプですから、編集者にはなれませんし、人を育
てるのも面倒だと思ってしまいます。

 事務所も大きくすることができないタイプですから、開業して10年を超えるの
に、いまだに従業員もおりません。人並みに事務所を大きくしたいと思うこともあ
りますが、大事務所の経営者である鈴木さんのように、人の採用から、人事査定な
どの雑務をするのかと思うと、いまの気楽な生活が一番だと思い直してしまいます。

 還暦過ぎたら、ストレスのないのが一番ですね。還暦前なのに、気楽な1人事務
所で、酒とプロレスをこよなく愛し、土日も出勤し、頑張っている奇特な人もいま
すけど。きっと、原稿の締切りやストレスもこよなく愛しているのでしょう。こち
らのお方にも、お疲れ様です。


2011.04.25(月)【緊急出版『Q&A東日本大震災と登記実務』】(鈴木龍介)

 みなさん こんにちは
 会友の司法書士法人鈴木事務所の鈴木龍介です。
 本当にひさしぶりの登場です。

 このたび、商事法務から『Q&A東日本大震災と登記実務』という書籍を緊急
出版いたしました。

   http://www.shojihomu.co.jp/kinkan/1874.html

 震災から1か月経った今も、解決の糸口さえみつからない原発、繰り返される
余震、進まない被災者救援といった中で、とにかく司法書士として、プロフェッ
ションとして何かしなければいけないという思いで筆をとりました。

 私にしては、珍しく頑張りましたが、金子代表をはじめESG法務研究会の皆
様にも、いつも以上に、いろいろとお手伝いいただきました。感謝です。

 そろそろ書店にも並ぶようですので、手にとっていただけますと嬉しく思いま
す。

 本書の私の思いにつきまして、「はしがき」を要約して紹介させていただきま
す。
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 まさに目を覆うばかりの惨劇が刻々と伝えられる中、いまだに被害が増え続け
ている状況に、居ても立ってもいられないという思いに駆られた方は少なくない
と思います。私自身、連日流されるテレビのコマーシャルではありませんが、
「今、私にできること」を、あの震災の日から今も絶えず考え続けています。

 節電をすることや義援金を贈ることは、もちろん重要で必要なことであること
は間違いありません。一方で、この国家的危機に瀕して、国家から資格を与えら
れた資格者としてできること、やるべきことがあるのではないかとも考えました。

 そのような時に、この震災からの復旧、復興のために役立つ書籍を緊急で刊行
するという企画をいただきました。
 当初は、時間的にも能力的にも困難であると固辞しましたが、プロフェッショ
ンとしての使命感から浅学非才の身でありながら筆をとることにいたしました。

 しかしながら、1週間で1冊の本を書き上げることは至難であることは明らか
です。

 そこで知己の司法書士、土地家屋調査士、公証人の方々に助力をお願いしたと
ころ、趣旨をご理解、ご賛同いただき、本書を完成させることができました。
このような厳しいスケジュールの中で、執筆、校閲にご尽力いただきました皆様
にはあらためて感謝申し上げます。

 本書が、被災者の方々、そしてそれを支援する皆様に少しでもお役に立てれば、
私としては望外の喜びです。

 本書の執筆や校閲に携わっていただいた皆様と相談いたしまして、本書につい
ての印税等については、義援金として贈呈することといたしました。

 最後になりますが、一人でも多くの被災者の皆様の救済と、一日も早い復興を
祈念いたします。
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2011.04.22(金)【吸収合併と商号変更】(金子登志雄)

 同一住所のAがBを4月1日に吸収合併しAが同時に商号をCに変更したとしま
す。この場合は、通常、次の順序で2つの(2社の)登記を申請します。

  @A社の登記申請
   平成23年4月1日、商号を「C」に変更
   平成23年4月1日、東京都・・・Bを合併
  AB社の登記申請
   平成23年4月1日、東京都・・・【C】に合併して解散

 ところが、松井信憲著『商業登記ハンドブック〔第2版〕』546頁には、B社
の登記申請が「【A】に合併して解散」となっているが、金子方式と松井方式のど
ちらが正しいのかという質問が商業登記倶楽部の実務相談室に寄せられました。

 松井本をみたら、確かにそうなっていました。この方法は20年近く前に実例で
知り、「なるほど、こういう方法もあるのか」と気づいていましたが、まさか松井
本に記載されているとは思いませんでした。

 その実例は、AがBに商号変更するものでした。私は、堂々と「BはBに合併し
て解散」という登記にしましたが(当時の私が開発した額面50円化の登記テクニ
ックの1つでした)、類似商号禁止の時代に、まさかそんなことができるとは思わ
なかった司法書士があえて「BはAに合併して解散」という申請をしたのだろうと
推測できました。

 周知のように、Aの合併とBの合併解散は同時申請です。ここにAの商号変更が
絡んできたとき、同時申請ですから「A商号変更→A合併→B解散」と考えても、
「A合併→B解散→A商号変更」と考えてもよいわけです。したがって、金子方式
も松井方式も両方とも成り立ち、どちらが正しいとはいえません。

 先般、吸収分割の事案で、某法務局で「@→A」の順序で申請したのなら申請ど
おりに、「【C】に分割」が正しいとのコメントをいただきましたが、これはその
担当者の個人的意見にすぎず、同時申請ですから、@がAに先行するとはいえませ
ん。松井方式も決して間違いではないのです。

 もっと前に松井本546頁を知っていれば、その担当者にみせて、「【A】に分
割」でも問題はないと説明できたのですが残念です。

 なお、後日、B社の解散謄本から合併会社を探すときに、松井方式だと商号変更
したA社を探しにくいという難点がありますので、依頼者から特段の要請がない限
り金子方式をお勧めします。


2011.04.21(木)【原発事故は防げた(佐藤栄佐久)】(金子登志雄)

 「想定外」がすっかり流行語になってしまいましたが、法律関係のわれわれから
は、この言葉は「過失(注意義務違反)があったのか」あるいは「過失があっても
防げなかったのか(不可抗力だったのか)」という意味になります。

 私自身は、地震と津波は想定外だといえても、それを起因とした事故については、
安易に想定外というべきではないと思っています。

 たとえば、原発の安全性についても、専門家10人が10人とも90%以上の安
全性を保証していたのであれば、想定外だといえるかもしれませんが、少なくとも
10人中の2人や3人は、かねてより安全性に問題があることを指摘していたので
はないでしょうか。原発差し止訴訟さえ提起されていることは、安全性に強い疑問
をもつ方や、それを応援する専門家も少なくないということです。

 「安全だ、いや危険だ」というのは、民主主義や多数決の問題ではないのに、原
発推進派と反推進派という党派的な色分けで、ことを論じることに強い疑問をもっ
ているのは私だけではないでしょう。

 原発推進という国策に逆らったために冤罪で逮捕されたといわれる佐藤栄佐久前
福島県知事も、自民党の政治家で原発に反対ではなかったのに、途中から福島原発
のずさんな動きに危険性を感じた方でした。

 佐藤氏は、いまや原発事故を想定していた「時の人(行政官)」として、あちこ
ちのテレビ番組で引っ張りだこになってもおかしくないのに、全く、日本の大手メ
ディアは取り上げません。わずかに、フリージャーナリストが取り上げた程度です。

 これに対して、海外メディア(外国特派員協会)は、講演にまで招聘しています。

  http://www.videonews.com/asx/press/110418_sato_300.asx

 都合のよい情報しか流さず世論を誘導しようとする日本の大手メディアは安易に
信用できないという私の主張も、日本では多数派でないことが日本の政治を悪くし
ている要因の1つだと思っていますが、独りよがりでしょうか。

 なお、佐藤氏の冤罪は、水谷建設からの賄賂問題でした。この会社、ご存知のと
おり小沢事件の4億円に登場する会社です。冤罪事件の有名な脇役キャストです。


2011.04.20(水)【一枚の絵】(富田太郎)

 3月20日付、ニューヨークタイムズ日曜版に掲載された漫画家「水木しげる」
の絵が話題を呼んでいます。

 ニューヨークタイムズから、「今回の地震と津波による大災害についての『水木
しげるさんの個人的な考察』を絵で描いてもらえないでしょうか?」というオファ
ーがあり、それで描いた絵だそうです。

http://presspopinc.blogspot.com/2011/03/new-york-times-op-ed-page-this-sunday.html

(今回の掲載を仲介した「PRESSPOP GALLERY」という版権マネージメントやプロデ
ュースを行う会社の3月20日付ブログ記事参照)

 『水に飲み込まれる断末魔の苦しみ』?あるいは『最後まで諦めず、希望を求め
る手』とみるのか?

 人により受け止め方は千差万別でしょうが、一部では、不謹慎という声もあるそ
うです。

 しかし、生死をさまよい&貧困生活が長かった「水木しげる」氏の過去を知る人
ならば分かると思いますが、私には、『生き抜く力』というメッセージが感じられ
ました。

 実は、氏のメッセージは、一見分かりやすいように見えて、趣旨が全く別の意味
であることが多いのです。

 有名な「のんびり、やりなさい! なまけものになりなさい!」
という名言があるのですが、

 当初、私はこの意味を
「あくせく働いてもしょうがないよぉ〜♪」
という意味ととらえていたのですが、その後、エッセイ集等を読むと、全く違う意
味であることに気がつきました。

 ----------------------------------------------------------------------
 水木氏曰く

 「水木さんは、才能もお金もあるから、怠けられるのです。怠けていても、食え
るような人間になりなさい。才能のない人は、働かないと餓死するだけですよ」

 「いいですか、人生はずっと苦しいのです。でも、苦しさを知っておくと、苦し
み慣れする。これは強いですよ。」

 ----------------------------------------------------------------------

 このような言動から推察すると、今回の絵、「苦しくても、生き抜く」というメ
ッセージに見えませんか???


2011.04.19(火)【無対価株式交換の会計処理】(金子登志雄)

 完全子会社同士(AB)で株式交換する場合に無対価処理が可能になったのかと
聞かれました。次の図でAがBの株式全部を取得しながら(株式全部を出資されな
がら)、AがBの株主である「親」に新株も何も交付しないケースの問題です。

                   親
     親             |
    / \     →      A
   A   B           |
                   B

根拠として、次が示されました。

 http://akahige-management.seesaa.net/article/136278044.html

 しかし、私は前々から、この処理をすることは時期尚早ではないかと応えていま
す。私の根拠は次です。

 第1に、吸収合併や会社分割は「事業(財産)承継型」の組織再編であるのに対
し、株式交換は会社の外に存在する株式という単品を承継する「株式承継型」の組
織再編という性格的差があります。
  
 そのため、会計処理も前者は事業の現物出資と同様に出資額の全額がAの資本勘
定になる処理と、法人と法人がそのまま結合したのと同様に資本金等の株主資本の
内訳までそのまま合算(会社分割では貸借対照表をそのまま分割)し、利益剰余金
の引継ぎを認める処理の2つがあります。すなわち、出資型と法人格結合型(BS
合算型)です。

 会社計算規則の条文でいえば、吸収合併には35条(出資型)と36条(BS合
算型)が、吸収分割には37条(出資型)と38条(BS分割型)があるのに対し、
株式交換には39条(出資型)しかありません。

 吸収合併や会社分割の無対価は、上記のBS合算・分離型の1範疇とされていま
す(36条2項、38条2項)。その結果、利益剰余金の引継ぎが可能ですが、株
式交換は出資型の構成ですから、無対価の規定もなく、利益剰余金の引継ぎもでき
ません。
 
 第2に、肯定説は会社計算規則39条2項ただし書を根拠にするようですが、同
条は第1項に「対価の全部又は一部が………株式である場合」とあり、無対価につ
いては適用されませんし、そもそも株主資本等変動額という用語は株式が交付され
た場合にしか使われません。

 第3に、もし出資型の株式交換で本件のようなケースに無対価を認めると、行き
付く先は、無対価増資を認めなければなりません。100%子会社が親会社から追
加出資を受ける際に株式を発行する意味もないからです(発行して株式併合すれば
元の株数に戻ります)。
 もし、株式交換によって受け入れる財産額の全部をその他資本剰余金にしたいの
であれば、株式交換で増加した資本金や資本準備金を同時に減資すれば済む話です。
無対価株式交換は、現行の会社法の体系からいえば、債権者保護手続の脱法行為に
なるおそれさえあります。

 第4に、税務の世界では無対価株式交換についての規定があるようですが、その
前提としての会計処理が認めているものかどうか不明です。

 ということで、株主資本等変動額の全額をその他資本剰余金に計上する無対価株
式交換は、会社計算規則及び会計基準の「想定外」であり、通達などで肯定されな
い限り、私は勧めることに躊躇しますが、会計士さんや税理士さんは、度胸がおあ
りのようです。法律関係の皆さまはどう対応なさいますか。


2011.04.18(月)【レベル7】(金子登志雄)

 先週の13日水曜日は、東京司法書士協同組合刊『ずばり解説!事例で読み解く
商業登記』出版の打ち上げ会でした。出席者は組合の役員の方々に著者である私と
神ア先生(商業登記倶楽部主宰者)でした。

 その席で、H先生が「地震はレベル7が上限でそれ以上はない」と発言しました
ら、一斉に「原発事故の深刻度と勘違いだよ。この間の地震は9だったじゃないか」
という反論がでました。私も同様に思いました。

 ところが、帰ってネットで確認すると、H先生の発言は間違いではありませんで
した。下記をみてください。

    http://www5d.biglobe.ne.jp/~kabataf/sindo.htm

 H先生が「レベル7」などという表現をしたので、皆、勘違いしてしまいました
が、各地域での揺れ具合である「震度」は、確かに「7」が上限でした。東日本大
震災の9はマグニチュードの話だったわけです。

 震度7よりも原発のレベル7のほうが余程怖いですね。いまだに復旧の目処さえ
ついていませんが、時間がかかっても、これ以上の災害にならないよう願いたいも
のです。

 大震災から1か月以上も経た今日、政権の無策ぶりが顕著になり、大連立どころ
か、自民党からも「首相自ら出処進退を判断する時期に来ている。これ以上、この
体制で行くことは国民にとって不幸だ」といわれてしまう始末で、政権党内外から
退陣要求が噴出していますので、現政権の深刻度もレベル7でしょう。

 ところで、日本が犯した地球環境への犯罪に対して、ドイツや台湾はじめ世界各
地で反原発デモが行われています。

 (ドイツ)
   http://www.youtube.com/watch?v=6WH0kjmkbSc&feature=related
 (台 湾)
   http://www.youtube.com/watch?v=hp7YA6lTa9U&feature=related

 もちろん、日本でも全国で反原発デモが行われていますが、残念ながら、海外よ
りも参加者が少ないようです。それは、CMのスポンサーである東電に遠慮してい
るのか、大手メディアがほとんどデモのあること、あったことを取り上げないから
でしょう。日本のマスコミの劣化度もレベル7のようです。

 (日 本)
   http://www.youtube.com/watch?v=UzPeD6sAteo&feature=related

 先般、ソフトバンクの孫社長が個人で反原発を表明したことをご紹介しましたが、
城南信用金庫は企業としても脱原発を表明しました。徐々に経済界にも脱原発の声
が上がってきたようです。

    http://www.youtube.com/watch?v=CeUoVA1Cn-A


2011.04.15(金)【株式会社と有限会社の代表権】(金子登志雄)

 司法書士会の掲示板(NSR2)の議論で面白いことに気づきました。

 取締役会のない会社で、定款に「代表取締役は取締役の互選で定める」という規
定が設けられていない場合に、取締役としてABを選任すると、自動的に代表取締
役の登記がなされます。次のとおりです。

====================================================
   取 締 役 A   平成23年 4月 1日就任
----------------------------------------------------
   取 締 役 B   平成23年 4月 1日就任
----------------------------------------------------
  東京都・・・
   代表取締役 A   平成23年 4月 1日就任
  ----------------------------------------------------
  神奈川県・・・
   代表取締役 B   平成23年 4月 1日就任 
====================================================

 取締役と代表取締役の地位が一体ですから、このBが代表取締役だけ辞任するこ
とは原則として許されませんが、例外として、Bを選任した株主総会の承諾があれ
ば、辞任も許されます。その場合は、上記の最後の枠が辞任を理由に抹消されます。

 ところが、特例有限会社の場合は、旧有限会社法時代からの沿革上の理由で、複
数の取締役の中から特定人を代表取締役に選任しない限り、代表取締役の登記はな
されません。最初の例は次のように登記され、取締役自体に住所がつきます。

====================================================
  東京都・・・
   取 締 役 A   平成23年 4月 1日就任
  ----------------------------------------------------
神奈川県・・・
   取 締 役 B   平成23年 4月 1日就任
====================================================

 これでも代表権を有しますからABともに代表取締役であることに変わりがあり
ません(会社法47条1項カッコ書参照)。

 さて、ここで株式会社の例と同様に、Bが株主総会の承認を得て代表取締役の権
限のみを辞任したら、どういう登記になるでしょうか。

 辞任の登記をしようにも代表取締役の登記がなされていないのです。したがって、
この辞任承認総会(4月15日開催とする)の実質はAだけを代表取締役として選
任する決議として扱い、次のような登記になります。

====================================================
  東京都・・・
   取 締 役 A   平成23年 4月 1日就任
----------------------------------------------------
  神奈川県・・・
   取 締 役 B   平成23年 4月 1日就任
----------------------------------------------------
   代表取締役 A   平成23年 4月15日就任 
====================================================

 つまり、Aの隠れていた代表権が代表取締役でない取締役が生じたことで顕在化
します。ならば、「15日就任」ではなく「1日就任」ではないかというご意見も
あろうかと思いますが、あたかも登記簿上も代表取締役として表示される者を15
日に選任したような形になります。だからといって、Aが1日から代表権を有する
取締役だったことを否定するものではありません。

 実体法的には、株式会社と有限会社で全く同じことを決議しているのに、株式会
社では【登記を減らす】辞任の登記となり、有限会社では【登記を増やす】就任の
登記になるという差が生じるわけです。この結果、後者では印鑑届を新たに提出す
べきか、商業登記規則61条4項は適用されるのかなどという問題が生じます。

 
2011.04.14(木)【事業承継の3つの対策】(愛知・和出吉央)

 いわゆる、未上場企業の事業承継対策とは、大きくは3つの問題を解決すること
です。

 第1は、「人の対策」
 第2は、「資本政策」
 第3は、「税金対策」

 よく「ヒト」「モノ」「カネ」といわれる場面に出くわしますが、事業承継対策
にも通ずるものがあるということです。

 具体的には、

 「人の対策」
   ・・・後継者を誰にするか?どう育成するかということです。
 「資本政策」
   ・・・自社株をどうするか(どう動かすか)?ということです。
 「税金対策」
   ・・・どうしたら節税できるか?納税資金が準備できるか?ということです。

 以上のうち、我々司法書士は会社法を武器に第2の「資本政策」の仕事に従事し
ています。

 この資本政策をきっちり行うことによって、結果、第3の税金対策にも対応する
ことができます。

 絶対に間違ってはいけないのは、この第1、第2、第3の順番です。

 よく決定的に間違ってしまうのは、第3の税金(節税)対策にばかり目がいって
しまい、第2と第3の順番が入れ替わってしまうことです。

 結果、良からぬ人に自社株が渡ってしまい株主の権利を行使され、最後には会社
が倒産してしまうということさえあるのです。

 事業承継対策は、オーナー・経営者の最も重大な責務であると心得ておくことが
必要です。


2011.04.13(水)【ずっとウソだったのか】(金子登志雄)

 福島原発の深刻度がとうとう2段階アップされて最悪のレベル7になりました。
放射性物質の放出量の多いことが原因のようです。

 では、われわれはどうしたらよいのでしょうか。

 「その質問は原発を推進してきた人たちに聞いてください。なぜなら、こういう
事態になったときに対処できないから私は原発に反対してきたのです。対策がある
なら反対しません。」(広瀬隆、週刊朝日4月15日号23頁)、

 あれれ、手の打ちようがないようです。ならば、いたずらに不安がっても仕方あ
りません。「矢でも鉄砲でも持ってこい」と、居直って元気に暮らしましょう。

 ところで、飛行機事故の後は同じ過ちを繰り返さないように徹底した原因の究明
がなされますが、今回の事故についても、そうしなければならないのに、「想定外
だ」とか、「みんなで乗り切ろう」などと原因の究明がおろそかにされかねない雰
囲気を「頑張ろう日本」の標語から感じてしまうのですが、私だけでしょうか。

 こういうときは、いつものお人好しの日本人である必要はありません。戦後のド
イツがナチスの残党を何年も追いかけまわしたように、執拗に犯人捜しをしなけれ
ば、また同じ過ちを繰り返すでしょう(念のため、誰かを罪に問えということでは
ありません。司法取引をしても原因の究明こそが重要です)。

 いまネットで話題の「ずっと好きだった」の替え歌「ずっとウソだった」です。
斉藤和義さんという有名な歌手のようですが、オジサンの私は知りません。

  http://www.youtube.com/watch?v=nBe2Mn1sF34


2011.04.12(火)【CMパロディー】(金子登志雄)

 統一地方選は民主党の惨敗に終わりましたが、菅政権になってからは、誰も責任
をとらないのが慣例化してしまったようで、教育によくないですね。

 マスコミも、鳩山政権のときは、「鳩山やめろ、小沢やめろ」と内閣支持率調査
をもとに責めまくっていたのに、マスコミと親しい菅政権になったら、さっぱりで
す。これも教育によろしくありません。

 そんな欲求不満が積もっているのか、ただいま、菅政権を皮肉ったCMの替え歌
が政界で流行っています。

 まずは、次の「見える気持ちに」のパロディー。

  http://www.jimaku.com/company_cm/ac/ac102.html

 「心」は誰にも見えないけれど、(震災利用の)「下心」は見える。
 「思い」は見えないけれど、「思い上がり」は誰にでも見える。

 続いて、次の「こだまでしょうか」パロディー。

  http://www.ad-c.or.jp/campaign/self_area/03/index.html

 「大丈夫?」っていうと、「大丈夫」っていう。
 「漏れてない?」っていうと、「漏れてない」っていう。
 「安全?」っていうと、「安全」って答える。
 そうして、あとで怖くなって「でも、本当はちょっと漏れてる?」っていうと、
 「ちょっと漏れている」っていう。
 こだまでしょうか。
 いいえ、枝野です。

 政治家や有名人になると、常時、こうやってからかわれるのですから、気の毒
といえば気の毒ですね。普通の神経ではつとまりません。でも、責任の所在くら
いは明確にしてくれないと、また同じ悲劇が生じてしまいますので、私も戯れ歌
を1つ。

 「原発の責任は?」っていうと、「東電だ」っていう。
 「選挙の敗因は?」っていうと、いつも「政治とカネ(小沢)だ」っていう。
 いつも他に責任をなすりつけるのは、こだまでしょうか。
 いいえ、菅政権です。


2011.04.11(月)【統一地方選挙結果】(金子登志雄)

 昨日は、東京都知事選挙をはじめ、統一地方選挙の日でしたが、大震災の影響も
あって、全く盛り上がりませんでした。

 横浜市民である私も無風の県知事選だけだったら投票に行こうかどうか迷ったと
ころですが、同時に県議会議員と横浜市議会議員の選挙がありましたので、国民の
権利を行使してきました。

 唯一注目されていた東京都知事選は、思いのほか東国原氏が善戦したようですが、
結果は石原氏の圧勝でした。こういう国難の非常時には、石原氏のようなリーダー
は有利なので、予想どおりというべきでしょうか。

 政治のプロが注目していたのは与野党対決の三重県知事選です。民主党の岡田幹
事長のおひざ元ですから民主党としては絶対に負けられない戦いでしたが、結果は
民主党候補の敗北でした。それも弱冠36歳の候補に敗北でした。

 菅政権になってから、枝野前幹事長、岡田現幹事長による選挙運営は民主党の敗
北続きですから、大震災及び原発への対応の不手際を含め、また与党内部から政権
批判が復活しそうです。

 もう1つの注目は静岡市長選挙でした。こちらは大政党と新興勢力(河村名古屋
市長の減税日本)との戦いでしたが、新興勢力は一歩及びませんでした。

 異色の新興勢力である竹原前阿久根市長も県議選で落選したようです。

 いずれにしろマスコミの世論調査とは相違する正真正銘の民意の結果がでました。


2011.04.08(金)【新株予約権の内容と契約内容】(金子登志雄)

 久々にストックオプション目的の新株予約権の発行の登記を申請しました。取締
役に対するものです。

 税制適格にするため、割当契約には「行使価額の年間(暦年)の合計額につき、
金1200万円を超えてはならない」とか、「譲渡できない」とかを定めました。
また、権利者が「破産したら会社に返却したものとする」なども定めました。

 ある司法書士は、前者を行使条件として、後者を取得条件として登記申請すると
いっていましたが、本欄を閲覧している司法書士の皆さんはいかがですか。

 実はこれらは(債権)契約の内容であっても、新株予約権の内容そのものではあ
りません。債権と物権の相違のようなものです。

 前者は租税特別措置法29条の2の要請に基づき、契約に定めることが必要であ
っても、新株予約権の内容自体にする必要はありません。後者についても、契約当
事者間を拘束する契約内容であって、新株予約権の内容自体ではありません。

 どこが違うのかといえば、物権と債権の相違といえばわかるでしょうか。あるい
は、制度と個別の取り決めとの相違といえば通じるでしょうか。物権や制度は何人
にも通じる内容で、債権や個別の取り決めは契約当事者間のみに通じるものです。

 なお、3月11日の本欄で、次の内容は登記できないと説明しましたが、これも
種類株式の内容そのものではないからです。
------------------------------------------------------------------------
(株式の併合、分割又は無償割当て等)
第*条 当会社は、法令に定める場合を除き、A種株式について、株式の併合若し
   くは分割、株式無償割当て又は新株予約権無償割当てを行わない。
  A 当会社は、A種株主に対して、募集株式、募集新株予約権又は募集新株予
   約権付社債の割当てを受ける権利を与えない。
------------------------------------------------------------------------


2011.04.07(木)【代表者の交代】(金子登志雄)

 4月1日に登記申請したうちのいくつかが代表取締役の交代の事案でした。代表
取締役を追加するものもありました。

 取締役ABC、代表取締役(社長)Aの取締役会設置会社において、Bを代表取
締役社長に選定し、Aを代表取締役会長に格上げさせ、いままでAが使用していた
会社届出印をBが使うことにしました。印鑑カードはBが引き継ぐことにしました。

 このとき、Aに印鑑廃止届が必要なのをご存知でしょうか。印鑑カードは引き継
げても印鑑自体は引き継げません。もとより、AとBで同一の印鑑を届け出ること
はできません。Aが印鑑を廃止し、はじめてBが印鑑を届け出ることができます。

 上記でAを代表権のない取締役会長にすると、印鑑は自動廃止ですから、Aの印
鑑廃止届は不要です。

 さて、取締役会議事録に「Bを代表取締役社長に、Aを(代表権のない)取締役
会長に選定し、ABともにその就任を承諾した」という記載がありました。

 Aの「取締役会長の就任承諾の意思表示」に代表取締役の辞任の意思を読み取れ
るでしょうか。

 前後関係から、Aは代表取締役(社長)を辞任し後任のBに引き継ぎ、自らは取
締役会長に就任したことが読み取れても、書面審査の登記所では、「これでは代表
取締役の辞任」とは認められないといってくることでしょう(解任の可能性もゼロ
とはいえませんから)。

 追加で代表取締役の辞任届をお願いしましたが、「そのつもり」で作成した議事
録も相手に通じるかの判断は、これに限らず、むずかしいものですね。

 (参考)某MLで紹介されていました。やはり花見はしたほうがよいようです。
    酒を飲んで東北の産物を食し、被災地を応援しましょう。
     http://www.youtube.com/watch?v=UY0FtSqrMBc


2011.04.06(水)【100億円の義援金】(金子登志雄)

 3月29日の本欄で、ノーブレス・オブリージュと題して、このたびの大震災に
対して、ユニクロの柳井社長が10億円………、などと書きましたら、何とソフト
バンクの孫正義社長が桁違いの高額を義援金として提供すると発表しました。

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110404-00000016-impress-mobi

 あるところにはあるものだと思うと同時に、彼にとっても100億円は、相当な
覚悟が必要な金額だったことでしょう。今後の引退までの役員報酬まで義援金に回
すなど並みの人間にできることではありません。頭が下がります。

 ご承知のとおり、ソフトバンクはベンチャー企業の雄であり、人気の高い会社で
す。私も、株主総会の運営の勉強のために、同社の株主になり、定時株主総会に出
席したことがありますが(平成9年頃)、他の会社が総会屋対策のために、ほとん
ど審議をしないまま株主総会を終わらせているのに対し、ソフトバンクは2千名以
上の参加者の個々の詰まらない質問にも孫社長自ら丁寧に回答していました。

 その姿をみて、すっかり孫さんのファンになってしまいました。当社の株主総会
の運営は、ソフトバンクを見本としたことはいうまでもありません。

 孫さんは在日3世で、子供の頃は「安本」と名乗っており、日本を脱出し米国に
留学し、帰国後、事業を始めて成功した人ですが、国籍のハンディがあったにもか
かわらず、「安本」を止め、「孫」姓を名乗り、その名前で日本に帰化しました。
まさに挑戦者です。

 こういう有能な経営者が経団連などの幹部になって日本を改革してくれる日がい
つか来ると期待していますが、彼の成功の一因は、リクルートの江副さんや、ライ
ブドアの堀江さんと違い、政治と一定の距離を置いたからかもしれません。

 しかし、彼にしても、原発問題に関しては黙っていられなかったようで、踏み込
んだ発言をしています。

   http://www.youtube.com/watch?v=cqiqkr9JKsE


2011.04.05(火)【入社式と花見】(金子登志雄)

 4月1日は全国で新入社員を歓迎する入社式でした。

 当社も例外ではありません。私も役員の一人ですから、新入社員の門出を祝うた
め司法書士業がどんなに忙しくとも時間を調整して毎年出席していましたが、今年
は無理でした。当社の主要な事業所が茨城県にある関係で、新入社員も茨城県人が
多く、千代田区の本社で入社式を行おうにも、交通事情で来られないため、今年の
入社式を茨城県で行ったためです。

 新入社員にとっては、未曾有の大震災の影響で、一生忘れられない入社式になっ
たことでしょう。

 入社式のあとは新人研修、続いて各部署に配属になって、各部署からの歓迎会で
もなされることでしょうが、ちょうど花見の季節になるので、大いに騒いでほしい
ものですが、最近は自粛ムードが多いので、これまた気の毒といわざるをえません。

 被災者のことを思い、苦しみを分かち合って花見も自粛するのが正しいのか、今
後の復興のために元気な日本にするためにも、例年どおり、花見に興じてよいのか
と幹事さんは難しい判断に迫られることでしょうが、自粛ムードによる売上減で、
商店も飲食店もタクシーも悲鳴を上げているでしょうから、少なくともあえて後者
を選択した方々に対して、白い目でみることだけは避けたいものです。


2011.04.04(月)【4月1日の法務局】(金子登志雄)

 4月1日は会社登記の書き入れ時でしたから、私も東京法務局品川出張所と本局
の2つに顔を出しました。混雑時を避けた午後の訪問だったため、思っていたほど
混雑はしていませんでした(あとで勘違いに気づきますが)。

 午後3時半頃に訪問した東京法務局(本局)でも待たされることもなく、すぐに
申請できましたが、謄本請求及び受領の窓口だけは、満席で立って待っている方も
大勢存在し、謄本を請求して受領できるまでに約1時間待ちの状況でした。

 しかし、この混雑は、この日から窓口での謄本取得が1通1000円から700
円に代わり、しかも登記印紙ではなく、収入印紙での請求が原則になったための混
乱だったかもしれません。

  http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/tesuuryouitiran2.pdf

 いずれにしろ、このご時世に活気があるので、何となくほっとする部分もあり、
待たされる辛さはありませんでした。

 1時間待って謄本を取得し、登記申請の原本還付の窓口を振り返ってみれば、何
と部屋の外にまで続く数メートルの行列ができているではありませんか。たまたま
私が訪問した3時半頃がラッキーな時間帯にすぎなかったようです。

 東京法務局(本局)の場合は、4月1日午後申請の登記完了予定日は2週間後の
15日ということです。出張所の多くが11日ですから、本局だけ特別に申請が多
かったことがわかります。

 それでも東京の場合は商業登記を担当する法務局が各地にあり仕事が分散されま
すが、被災地の福島県では統合により1つしかありません。東京以上に混んでいた
のでしょうか。登記どころではないということで申請も少なかったのでしょうか。
気になります。


2011.04.01(金)【年度末と年初】(金子登志雄)

 昨日は3月決算会社の年度末だったため、「3月31日辞任」の役員変更登記の
依頼が重なり、久々に来客が多く多忙感を味あわせていただきました。

 会社登記専門の私の場合は、月初と月末近くに仕事が集中する傾向があります。
ただし、夜型ですから、仕事は専ら夜の作業であり、日中はお客様との約束がない
限りは、いつも昼行灯(ひるあんどん)状態です。

 まるで夜になると急変する必殺仕事人の中村主水(もんど)のような生活ですが、
私も依頼された仕事に対しては必殺を心がけています。

 深夜には、どこからも電話がなく、うしろの時間が無制限であるため、仕事の完
成の目処がつくまで時間無制限で頑張ることができます。下りのエスカレーターを
駆けあがるかのごとく休みなく一挙に片付けます。実に効率的な時間です。

 40代までは、皆さまと同様に、定時に出社していましたし、子供を保育園に送
って行ったりと、人並みの時間拘束生活を送っていましたので、いまが一番自由に
仕事をできる幸せを感じています。

 さて、今日から多くの企業が新年度ですが、計画停電の影響で事業計画も立てら
れないことでしょう。戦後最大の危機であることは間違いありませんが、危機こそ
チャンスだと考える人もいますから、その方々に負けずに頑張りたいものです。

(参考)中村主水でニヒルな役を演じていた藤田まことさん、刑事役も多かった方
ですが、元来はお笑い芸人だったことをご存知ですか。わが家にはじめてテレビが
入って、兄弟で夢中でみたのがこれでした。
    http://www.youtube.com/watch?v=0-HWU-GGZx0


2011.03.31(木)【節電生活】(金子登志雄)

 もう節電生活には慣れましたでしょうか。お店の看板は電気が消され、駅の下り
エスカレーターは止まり、蛍光灯は間引きされて、もう何日目でしょうか。すっか
り慣れてしまいました。

 節電は東京電力管内だけの問題なのに、中部・関西など東京電力管内以外の地域
でも節電をしないと白い目でみられるということはありませんか。

 実をいうと、東京電力管内でも、電気は蓄電できませんから、電力需要のピーク
となる朝の9時頃や夕方時以外の時間帯は節電効果が薄いようですね。

 しかし、気は心で、24時間節電中の方が多いことでしょう。私も「もったいな
い」の感覚を持った世代ですから、いつも以上に電気はこまめに消しています。

 群馬の片田舎で育った子供の頃(昭和30年代前半)は、雷の鳴る夏の夕食時に、
よく停電がありました。電柱のトランス(電柱に乗せてある変圧器)が雷に反応し
たのでしょうが(時間でいうと、30分以内のことが多かったと記憶しています)、
そのたびに、親が蝋燭(ろうそく)を出してきて、マッチで火をつけたものです。
ライターなどという高級品は家庭にはありませんでした。

 電気は明かりとラジオのためのものであり、テレビはなく、冷暖房は人力による
団扇(うちわ)か炭団(たどん)によるコタツ、水は井戸水、風呂は薪………、懐
かしく思い出しますが、炭に火をつけ、井戸水を汲み出し、薪を割っていた親は、
さぞたいへんだったと思います。

 電気の便利さ、ありがたさを再認識した今回の節電生活ですが、同時に、その便
利さが原発によるものだと知った今日、節電にさらに真剣に取り組まないといけま
せんね。

(参考:どうでもよいことですが、当時の子供のヒーローはバイクやスクーターに
   乗って参上していました。テレビがなかったので、みたことはありませんが、
   歌は流行っていました)
    http://www.youtube.com/watch?v=BrLa1CpMK6w&feature=related
    http://www.youtube.com/watch?v=gTeJAB_-46Y&feature=related


2011.03.30(水)【株主資本承継消滅会社】(金子登志雄)

 新設合併に関する会社計算規則46条に「株主資本承継消滅会社」という用語が
登場しますが、これはどういう意味かと聞かれました。共同新設分割の計算で、本
条が準用されているためです(会社計算規則51条)。

 会社計算規則2条3項46号によると、株主資本承継消滅会社とは、「新設合併
消滅会社の株主等に交付する新設型再編対価の全部が新設合併設立会社の株式又は
持分である場合において、当該新設合併消滅会社がこの号に定める株主資本承継消
滅会社となることを定めたときにおける当該新設合併消滅会社をいう」とあります。

 この定義は一見して実に不親切だと感じないでしょうか。「新設合併で、これこ
れのときに、株主資本承継消滅会社になると定めた会社」という内容では、ESG
法務研究会って何ですかと聞かれて、私が「ESG法務研究会になると決めた司法
書士グループのこと」と応えたようなものです。

 翻訳しますと、「対価の全部を設立会社の株式(又は持分)とする新設合併の際
に、設立する会社に自社の資本金や準備金などの株主資本の内訳をそのまま引き継
がせると決めた合併消滅会社」という意味です。

 簡単にいえば、合併で貸借対照表をそのまま受け継がせるのと同様に、資本金も
資本準備金も利益剰余金もそのまま合併設立会社に引継がせる会社のことです。吸
収合併の36条に対応したものといえば、通じるでしょうか。

 これに対して、46条の「非株主資本承継消滅会社」というのは、株主資本の合
計額は設立会社の株主資本として引き継ぐが、その内訳(資本金額がいくらで資本
準備金がいくらか……などの明細)までは承継しないものです。吸収合併の35条
(ただし簿価引継ぎの場合)に対応したものということになります。


2011.03.29(火)【ノーブレス・オブリージュ】(金子登志雄)

 ノーブレス・オブリージュ(フランス語)という用語を聞いたことがあると思い
ます。欧米社会における基本的な道徳観で「身分の高い者はそれに応じて果たさね
ばならぬ社会的責任と義務がある」(ヤフーの辞書による)という意味です。

 こういう場合にも使うのか不明ですが、このたびの大震災に対して、ユニクロの
柳井社長が10億円、キャスターの久米宏さんが2億円、野球のイチローが1億円
………、続々と著名人からの高額寄附が寄せられており、実に素晴らしいことです。
  
  http://matome.naver.jp/odai/2130014991848753501
 
 「どうせ金持ちの道楽だ」「売名行為だ」としか感じない貴方、いけませんよ。
売名行為だろうと何だろうと、よいことはよいことですし、そういう嫉妬心こそが
貴方の成長を阻んでいる心の姿勢ですから。

 われわれ庶民の場合は、貧者の一灯という用語のほうが適当でしょうが、心はノ
ーブレス・オブリージュで社会的責任を果たしたいものです。

 ところで、日本人も助け合い精神にかけては決して欧米人に引けをとらないのに、
残念ながら、官僚制社会が寄附の文化の発展を妨げているところがあります。

 企業や外国人がちょっと政治家に寄附しただけで法律違反(それも刑事罰)にし、
福祉団体に寄附しても税額控除できない制度になっていたりで、国民が寄附を通じ
て勝手なことをするのを官僚制社会は嫌がるのです。

 すべて官僚の許可を得なければならない仕組みになっていますから、海外からの
救援物資も都内の倉庫に眠ったままなどといった被害が報じられていますし、東京
都の消防局が早くから原発の近くに行っていたのに、国の機関ではないということ
で待機させられ、効果のなかった自衛隊や警察機動隊による放水を先行させる結果
になったとも報じられています。

 この反省を機に、日本でも寄附やボランティアの文化を育て、何でもかんでも国
に許可を得る社会を改革したいものですが、そういう社会を目指した剛腕政治家や
ノーブレス・オブリージュの貴族政治家はマスコミを総動員した既得権力によって
寄ってたかって潰されてしまいました。

 まだまだ日本社会の古い仕組み(アンシャン・レジーム)が改革されるには時間
がかかりそうですが、一歩一歩前進させたいものです。


2011.03.28(月)【大震災】(島根・根来川弘充)

 この度の東北地方太平洋沖地震の被害に遭われた皆様には、謹んでお見舞い申し
上げます。

 当日、幸い島根県松江の事務所では、まったく揺れを感じることがありませんで
したので、同職からのメールで、大震災があったことを知りました。

 どのくらいの規模だったのか気になり、午後4時ごろにテレビをつけましたら、
上空から津波が押し寄せる映像が繰り返され、被災直後の現地の映像が、何度も映
し出され、驚きのあまりテレビにしばらく釘付けになりました。

 中でも驚きましたのは、「○○町が壊滅状態である」と、時折入る現地のレポー
トでした。

 「町が壊滅する」という表現を、映画ならまだしも、現実に聞くことがあるとは
思いませんでした。それだけに、後日、映像や写真が報道されてはいるのですが、
もっと、現地は凄惨な状況であると想像しています。

 今回の大震災は、その被害はもちろんのこと、原発の問題、さらには、電力の問
題など、日本全体にも大打撃を与えています。管総理が会見で、「未曾有の国難」
と表現されたようですが、本当に、今回の大震災は、戦後の日本にとって、最大の
危機ではないかと思います。

 この最大の危機には、「震災担当大臣」などといわず、「震災復興内閣」によっ
て、最優先させて取り組んでも良いのではと思います。

 一国民として、非力ながら自分でできることは何かを考え、積極的に取り組んで
いきたいと思います。


2011.03.25(金)【社長交代と印鑑証明書】(金子登志雄)

 相変わらず関東地方では余震が続いていますが、意識が深刻な原発及び放射能被
害に向かっているためか、地震には驚かなくなってしまいました。

 さて、3月下旬ともなると、4月1日付の役員変更の相談が増えてきます。特に
社長交代の人事については、個人の印鑑証明書の要否がむずかしいといえます。

 ちょうど、今月発売の雑誌「ビジネスロー・ジャーナル」に「グループ会社のた
めの定時株主総会の実務」という特集があり、登記分野(「グループ会社ではここ
だけ押さえる! 登記実務のポイント」)を担当しましたので、「社長交代登記と
印鑑証明書の要否」ついて、ご説明しましょう。

    http://www.businesslaw.jp/contents/201105.html

 要約すると、次のとおりです。
--------------------------------------------------------------------------
【印鑑証明書の要否の基準】
@就任者の印鑑証明書
 代表取締役の就任承諾書に印鑑証明書の添付が必要。ただし、再任は不要。
A選定者の印鑑証明書
 代表取締役を選定する取締役会議事録には選定者全員の印鑑証明書が必要。ただ
 し、前代表取締役が出席し、その者が会社届出印を押している場合は不要。
---------------------------------------------------------------------------

 したがって、取締役ABCD(代表取締役A)という取締役会のある会社におい
て、Aが取締役も辞任した後に、BCDで取締役Bを新代表取締役に選定すると、
Bにつき@で、BCDにつきAで印鑑証明書が必要になります。

 Aが代表取締役のみを辞任し、ABCDで取締役Bを新代表取締役に選定し、A
の横に会社届出印を押すと、Aの部分の印鑑証明書の準備が不要になります。

 その他の詳細は、「ビジネスロー・ジャーナル」をご参照ください。 


2011.03.24(木)【カップ麺は何処に???】(富田太郎)

 皆さま、地震は大丈夫でしたでしょうか? 今回の地震、東北地方の被災者の方
々の無事を祈るのみです。

 ところで、東京では地震の影響でしょうか? 『カップ麺、トイレットペーパー、
缶詰、レトルト食品』などが瞬く間に売り切れ、コンビニ・スーパーの棚には何も
ありません。

 日頃、『コンビニ弁当&カップ麺』を常食としている私としては、泣きたくなり
ます。

 このカップ麺等が消えた光景をみて、ある一定の年代の方は、オイルショック時
の「トイレットペーパー騒動」を思い出した方も多かったのではないでしょうか?

--------------------------------------------------------------------------
【トイレットペーパー騒動とは】
 1973年、アラビアの産油国が原油価格70%値上げをしたため、当時の通産大臣
中曽根康弘氏が、「紙節約」を呼びかけたことが発端でした(注=パニックがおき
るまで日本の紙生産は安定していたにもかかわらずです)。
 このような時代背景のとき、千里ニュータウンの某スーパーが、「宣伝用特売広
告に(激安商品だから、すぐ売れてなくなるよ!という意味で)、「本トイレット
ペーパー!売り切れ必至!」と書いたところ、読んだ千里ニュータウンの住民は、
「やはり紙不足到来なのか!」と行列になり、瞬く間に売り切れてしまいました。

 次の日は普通の商品を出したところ、これも行列、行列・・・。 
 さらに悪いことに、この行列風景を、新聞、TVが報道したため、全国的に「や
はり紙不足到来なのか?」となり、全国で大パニック(トイレットペーパー不足)
になりました。

 ちなみに、原油と紙との製造・流通過程における直接的な関連はありません。
--------------------------------------------------------------------------

 私も当時中学生の時でしたが、トイレットペーパーを買うために並んだ記憶があ
ります。群衆心理、マスコミの影響・・・恐るべしですね。

 ところで、今回のカップ麺の不足問題、不思議なことに、コンビニにはカップ麺
がないのにかかわらず、その横のラーメン屋では売り切れることもなく、本物のラ
ーメンがちゃんと食べることができます??
  ・・・・・・・

 日頃、カップ麺&コンビニ弁当を常食としている私ですが、この地震の影響で? 
皮肉なことに、料理店できちんとした食事をとっています・・・。

 くれぐれも流言飛語には惑わされないようにしましょう!


2011.03.23(水)【帰ってこいよ!−旅立ちの春−】(島根・渡部浩義)

 (金子=本稿は大震災前に渡部さんからいただいた投稿です。)

 司法書士事務所にはめったにない、学生服姿の男子3人組の訪問を受けました。

 「今日、卒業式でした。オジさんのこないだの話がおもしろかったので、お礼に
きました。都会の洗礼を受けて、頑張って勉強して、必ず帰ってきます。国の借金
900兆は僕たちが返します! これ、よかったらどうぞ。」と、ニキビ顔の一人
の彼がくたびれた学生服のポケットから紙に包まれた岡山名物“きびだんご”を3
つ、朴訥に掴み出して、はにかんで私に差し出してくれました。

 「私に?」
 「はい、僕たちのおやつで悪いですけど・・・・」

 予期せぬことで、とっさにどう応えていいのか、いい大人が狼狽してしまいまし
たが、この突然の訪問者の皆に思わずこちらも顔がほころんでしまいました。

 今年も、『学生のための法律教室』と銘打って司法書士会有志と地元高校に出前
講座に出かけてきました。そのときに会場にいた生徒さんだったようです。毎年の
ことながら、私の持ち時間は与えられたテキストからは完全に脱線し、私が彼らと
同じ地元高校を卒業してから今日まで日本各地を転戦して、受けた洗礼の数々、失
敗の過去を『日経ビジネス』ではありませんが、「敗軍の将、兵を語る」とばかり
に遠慮なく披露してきました。

 この法律教室も、既に5年以上も引き続いて出かけさせてもらっていますが、毎
年「このことは伝えておきたい」と思う事柄が変化してきていることに気づかされ
ます。初めて行ったころは、商工ローン問題に代表されるような多重債務問題が一
段と激しさをましている頃でした。

 「消費者金融には手を出すな、クレジットカードはできることなら使うな。」と
喋っていたように思いますが、ネットを仕事に使う者には、ここ数年でいよいよク
レジットカードやデビットカードなしには満足な仕事もできない世となりました。
司法書士業務も例外ではないことからも明らかです。話す内容も時代の趨勢に無神
経ではいられません。

 多重債務問題がクローズアップされてからか、“借金”というだけで、生活や事
業を営んでいくうえで必要かつ有用な借入行為までもが、すべて負のイメージでと
らえられつつあるこのところの世の風潮も、このような場で喋る機会があると気に
なります。

 さて、訪ねて来てくれた彼ら、聞けば大阪、神戸、広島でそれぞれの新生活がは
じまるとのこと。つきなみですが、健康第一に活躍を願いたいと思います。そして、
笑顔で話してくれた、「必ず地元に帰ってきます!」という言葉を信じたいと思い
ました。先行きが見通せない混迷の世ですが、これからは間違いなく「君達の時代」
です。

 ちなみに“きびだんご”お返しに、渋色が目にやさしい『マイルドライナー』を
1本ずつ進呈しておきました。これを使って、各自よーく勉強するよーに!

 (ゼブラ マイルドライナー)
 http://www.zebra.co.jp/pro/mildliner/index.html

 渋い色が中年の目に優しい、なかなかのすぐれモノだと思います。


2011.03.22(火)【安全よりも安心を】(金子登志雄)

 3連休だというのに、恒例の群馬の帰省先に帰らず横浜の自宅でじっとしていま
した。電車が途中の駅までしか行かないので、仕方ありません。

 不安だった原発問題は依然として予断を許しませんが、応急措置の放水による冷
却で小康状態のようです。テレビも娯楽番組を復活させました。

 しかし、あの放水騒ぎは、いったい何だったのでしょうか。自衛隊のヘリによる
命がけの上からの放水だって、2階から目薬をさすようなもので、素人目にも成功
確率の低いものでした。

 その後、機動隊のデモ鎮圧用の放水がなされましたが、水が届かず、最後には、
消防庁や自衛隊のビル火災や飛行機火災用の近代的な放水車が登場し、やっと放水
が成功したようです。

 命がけの作業には本当に頭が下がりますが、そのような設備があるなら、最初か
らそれを使い、上空からのヘリは必要だったのかという疑問を持ちますが、とにか
く右往左往状態で、何でもしなければならない危機的状況だったのでしょう。

 米軍は放射能専門部隊を450人も日本に派遣したようです。日本の発表を大本
営発表(わが軍の損害は軽微なり)と全く信じていないのかもしれません。原発事
故は過去何度も電力会社が情報を隠してきましたし、枝野官房長官も冷静にと心構
えを説くだけで、具体的な数値を世界に発信しているとはいえません。国際的にも
正確な情報が求められています。

 こんな状態なのに、菅さんは、笹森連合会長に「ボクはものすごく原子力に強い
んだ」と、東工大応用物理学卒の経歴を誇ったとか。これに限らず、生半可な知識
が一番困るので、こういう発言は控えて、マネジメントに徹してほしいものです。

 また、経団連の米倉会長は、記者団に対し、「1000年に1度の津波に耐えて
いるのは素晴らしいこと。原子力行政はもっと胸を張るべきだ」と述べたとか。

 科学的にはそのとおりかもしれません。しかし、いくら安全だといわれても、結
果がすべてです。われら無知な庶民の不安が消え去るまでには至りません。特に小
さい子供を抱えた家庭は気が気ではないでしょう。

 これを機に、「安全よりも安心」(原発行政に懐疑的で冤罪で逮捕された元福島
県知事佐藤栄佐久氏の言葉)の日常生活を送れるよう原発行政の方向転換を強く求
めたいものです。

(注)今週から徐々にいつもの「徒然」に戻します。


2011.03.18(金)【今朝は無事か】(金子登志雄)

 毎朝、目覚めると即座にテレビをつけ、被災状況に大きな変化がなかったかと確
認してしまいます。

 東北の避難所にいる方は、テレビをみる余裕もないことでしょう。何の情報も得
られない方々のことを思うと、申し訳ない気がしてしまいます。

 司法書士会の情報によると、宮城・岩手・福島3県で80名以上の司法書士が安
否不明とのことです。率にして1割以上ですから、真に被災による安否不明は、そ
こまでの数に至らないと思いますが、すでに岩手県では1名の死亡が確認されてお
り、自宅及び事務所が全壊した司法書士も少なくありません。

 原発の問題についても、予断を許しません。政府やマスコミは「心配するな」と
説明していますが、外国政府は厳しい見方をしていますし、福島県の現地では避難
民に対して、スクリーニング(放射線被害検査)をしています。そんな検査をされ
ては、「心配するな」というのが無理というものです。

 昨日は、いつもの通勤の道を歩いていましたら、裏通りに違法駐車がありました。
そこに張り紙があり、「福島県いわき市から避難してきました。しばらくここに置
かせてください」。

 まるで、「戦争難民」か、「戦争疎開者」のようにみえました。

 尋常でない事態が続いていますが、われわれには、じっと事態の推移を見守るし
かできません。この週末に事態が少しでも改善することを祈っています。


2011.03.17(木)【余震】(金子登志雄)

 大地震から5日間も経過したのに、毎日のように余震があり、落ち着かない日々
が続いています。

 同時に、被災地では、いまだに避難者への救護活動が十分でなく、水も暖房もガ
ソリンも情報手段も整備されていないようですから、二次災害が心配でなりません。

 原発問題に関しても、菅首相と枝野官房長官あるいは東京電力の担当者の話が食
い違っていたり、風評に十分に対抗できているとは思えません。

 政権与党を上げて、国家を上げて、この国難に立ち向かうべきなのに、菅さんや
枝野さんなど、素人の少数の人間だけで動いているようです。

 それで成功しているのであればよいのですが、報道によると自衛官の出動を5万
人や10万人と指示したのも、現場との打ち合わせもなく、菅さんの思いつきのよ
うですし、避難の指示も当初は原発から3キロ周囲だったのが10キロになり20
キロ、30キロに拡大していきましたが、危機管理のプロによると、初めは広く指
定しておき徐々に狭めるのが正しい指示の方法だとのことです。

 その20キロ周囲内に、避難できない被災者が多数存在するのに、支援物資のト
ラックが入れないように指示してしまったことにもなるようですから、犯罪的です。

 情報も十分に公開されないので、原発のプロや放射能のプロも、海外勢も、アド
バイスなりの対応もできず、いらいらしているようです。現場の写真くらい何枚も
取っているでしょうに………。

 とはいいながら、現時点で政権を批判したり、東電を批判しても仕方ありません。
「菅さん頑張れ、東電頑張れ」ですから、菅政権も情報を1人占めしないことを願
わざるをえません。


2011.03.16(水)【計画停電】(金子登志雄)

 計画停電のため、都市機能が麻痺しています。都心部では、多くの会社が17時
で仕事を閉めています。

 しかし、民間会社である東京電力が電気の供給をちょっと絞っただけで、これほ
どの影響が出るとは、日本経済も脆弱なものです。電気に関しては、JR東日本が
ダメなら私鉄に乗るといった選択の余地さえありません。

 東京電力が東北電力のテリトリーに作った福島の原発問題も、深刻な問題に発展
してきました。

 原発の安全性に熱心だった佐藤栄佐久・元福島県知事が冤罪で辞任していなけれ
ば、こんな大きな問題に発展しただろうかと、いまさらながら残念でなりません。

 佐藤事件は、江副氏のリクルート事件と同様に、朝日新聞の誤った報道キャンペ
ーンで東京地検特捜部が動き出し、冤罪といわれる事件に発展したものでした。

   http://eisaku-sato.jp/blg/works/

 とにかく、早く事態が収束し、戦後の驚異的復興と同様に日本人の底力を発揮で
きる環境に戻ってほしいと祈らざるをえません。


2011.03.15(火)【14日の東京事情】(金子登志雄)
 
 昨日の日中の東京は静かでした。節電のため、都心周辺しか電車が走っておら
ず、開店休業の会社や事務所が多かったためです。

 私も都内で寝泊まりし出勤しましたが、会社の同僚はほとんど出勤しておらず、
手持無沙汰でした。

 夕方の5時や6時に会社を閉めたところが多かったのか、主要駅には人が溢れ、
改札口には行列ができていました。道路も、節電に協力するお店が多く、いつも
の明るさがありませんでした。

 コンビニやスーパーの棚には食料品がほとんどありません。非常時を想定し、
インスタントラーメン等を備蓄する会社や家庭が多いためです。

 今日15日も同じでしょうが、私の世代は、停電には慣れていますので、この
程度は何とも思いませんが、この先いつまで続くのか、原発は大丈夫なのか……
については、情報不足のため不安を感じてきています。

 こんなとき最も必要なのは正確な情報ですが、首相官邸は相変わらず大手メディ
ア(記者クラブ)以外のフリー記者や外国人記者を排除しているようです。流言飛
語が飛び交わないためにも、情報のオープン化がぜひとも必要なときなのに、困っ
たものです。
  http://fpaj.jp/?p=771


2011.03.14(月)【大地震】(金子登志雄)

 東北関東大地震により被害を受けられた皆様には心よりお見舞い申し上げます。
 
 都内では、帰りの足がなくなり、会社や事務所に寝泊まりした程度の被害で済み
ましたが、東北地方など大被災地にいる親戚や友人、お客様のことが心配でなりま
せん。私も、仙台市には親戚、福島県にはお客様………と、東北地方には多数の知
り合いがおりますが、いまだに連絡もとれません。

 ぐらっと来たのは、私が約1坪程度の会社の喫煙室で一服しているときでした。
すぐに火を消し、喫煙台を押さえていましたが、いまから考えると、閉じ込められ
ないように即座にドアを開けておくべきでした。

 会社で寝泊まりしたのは、私を含め約10人でした。自宅が遠方でも何とか帰宅
した者のほうが多かったのですが、残留組に女性が3人おりましたので、法務担当
役員の私が先に帰るわけにも行きません。みなが寝静まって後も、ずっとパソコン
でニュースをみておりました。

 大津波には言葉もありません。
 一夜明ければ、今度は福島の原発問題………。

 今週は、無事だったわれわれに何ができるかを考える必要がありそうです。


2011.03.11(金)【種類株式の設計】(金子登志雄)

 金曜日ですので、会社法の話題です。

 上場会社(とくに銀行)発行の優先株式の定款内容に次のような条項があるの
が一般的です。

------------------------------------------------------------------------
(株式の併合、分割又は無償割当て等)
第*条 当会社は、法令に定める場合を除き、A種株式について、株式の併合若
   しくは分割、株式無償割当て又は新株予約権無償割当てを行わない。
  A 当会社は、A種株主に対して、募集株式、募集新株予約権又は募集新株
   予約権付社債の割当てを受ける権利を与えない。
------------------------------------------------------------------------

 会社法施行以前は、上記についてまで登記されていましたが、現在は108条
の株式の内容に属さないので登記は無理でしょう。

 では、なぜ、そんな登記もされないことを定款に定めるのかと疑問に思いませ
んか。これは自分で種類株式の設計をしているとわかります。

 この優先株式を普通株式に転換する際は、当初は優先株式1株につき普通株式
1株の割合での転換とするのが普通ですが、普通株式に分割や併合、あるいは時
価よりも低い価格での新株の発行があると、優先株式1株につき普通株式X株に
なるよう調整式を定めておくのが普通です。

 ここまではよいとして、もし、優先株式についても株式の分割や併合等がある
と、この転換比率の計算が実にややこしくなり、調整式が複雑な内容になります。
そこで優先株式については、固定しておくわけです。

 軸がぶれていけないのは、ゴルフも種類株式も同じですね。人生もこうありた
いものです。


2011.03.10(木)【メディアウォール】(金子登志雄)

 今週の週刊ポストに「メディアウォール」という用語が登場しましたが、ヤフー
の辞書にはありませんでした。簡単にいえば、都合の悪いことを知らしめない情報
の壁のことでしょうか。

 今後、流行りそうな言葉ですが、週刊誌がこの言葉を取り上げたのは、日本の政
治状況を既成権力側(「政官財報」連合で増税・中央集権側)と、改革派(減税・
地方主権・脱官僚)の戦いの構図と捉え、前者の大手マスコミの情報操作を批判す
るのに便利な用語だったからかもしれません。

 この構図は、従来の「親小沢VS反小沢」という人間関係あるいは派閥対派閥の
政局的見方(55年体制時代の古い見方)を超え、政策論や時代の流れの方向から、
政治の対立軸を捉えており、正しい見方だと思いました。

 ところで、このメディアウォールに関連して、情報独占の「記者クラブ制度」に
果敢に戦いを挑んでいるフリーの記者たちによる「自由報道協会」の活躍は素晴ら
しいものがあります。まさに「ベルリンの壁」の崩壊を求める自由戦士の集団かの
ようです。
 
  http://fpaj.jp/

 HPによると、これまでに記者クラブの敵である小沢氏や堀江氏だけでなく、東
京都知事に立候補する渡邉美樹氏や松沢成文氏、あるいは布(ふ)川事件などの冤
罪事件についてまで記者会見を主催していました。大手メディアでは決して報道さ
れることのない内容が多いので、私の好奇心を満足させてくれています。

 その中から、フリー記者の岩上氏のHPで、竹原阿久根前市長と仙波前副市長の
記者会見をみてみました。

http://www.ustream.tv/recorded/13151716#utm_campaigne=synclickback&source=http://iwakamiyasumi.com/ustream-schedule/ustream2&medium=13151716

 不謹慎ながら、大手マスコミの狼藉ぶりなどを具体例を取り上げて名指しで非難
しており、実に面白い内容でした。

 この竹原市長に対して、私は、自衛隊出身のめちゃくちゃな市長というイメージ
を持っていましたが、どうも、私も大手マスコミの報道に洗脳されていたようです。
氏の人間観察も優れており、市民は正確な情報(不正行為)を知るのを嫌がってい
る(知って何もしないと共犯者になり辛いから)との発言には、考えさせられまし
た(学生運動時代の標語「自己否定」に通じるものがありました)。

 仙波副市長は愛媛県で警察の裏金問題を告発した成績優秀な警察官として知られ
ていますが、1円も副市長の報酬をもらわずに、「出る杭」の竹原氏が逮捕されな
いようにガードしていたようです。

 お2人とも、阿久根市で不要なら、ぜひわが町の長に招聘したいくらいです。

 録画は1時間半もありますので、時間が自由な人以外は、土日にでもゆっくり視
聴してみてください。


2011.03.09(水)【学歴民主主義と罪刑法定主義】(金子登志雄)

 前原大臣の辞任については、諸説入り乱れています。偽装献金疑惑の追及から
逃れるための自作自演劇から、次の首相候補を追い落とす官邸陰謀説、前原氏の
北朝鮮ルートに警戒したCIA陰謀説まであります。いまのところ、確度の高い
のは、部下である外務官僚のチクリ説だと思っていますが、前原氏の脇の甘さは
否定できないようです。

 さて、昨日と違って今日は、日本は最高の民主主義国家だという話です。

 ただし、学歴民主主義です。ヨーロッパ社会は靴屋の息子は靴屋にしかなれな
ところがあるのに対し、わが日本では、どんな貧乏人も成績が優秀であれば、東
大に入学し、エリート官僚になることも、総理大臣になることもできます。

 中国の科挙制度から来たものでしょうが、貧乏人もエリートになれる点で、日
本は素晴らしい民主主義国家です。これは素直に評価してよいと思います。

 発展途上国では軍人民主主義があります。貧乏人でも有能であれば軍人となり、
クーデターで国家元首にもなれます。

 学歴民主主義の弊害は、官僚国家となり、エリート官僚が国民や国民から選ば
れた政治家を馬鹿にして、抑えにかかることでしょうか。また、日本の針路を決
める政治課題に対して、冒険をしないことでしょう。既成秩序維持で動きます。

 こういう学歴民主主義についていけなかったのか、先般は、京大入試のカンニ
ングで予備校生が逮捕されましたが、カンニングについて「偽計業務妨害罪」と
は驚きました。

 昨日、「日本では、(法律の)条文内容も曖昧で、既成秩序を維持するための
ツールとしてしか利用されていない」とウォルフレンさんの見方を紹介しました
が、「偽計」なんていう曖昧な用語では、いくらでも拡大解釈ができてしまいま
す。

 条文内容が明確で、ここまでは安全だが、これを越えると犯罪になると示すの
が「罪刑法定主義」の自由主義機能です。そこを越えない限り、自由に活動をで
きると国民が判断できるからです。

 カンニングペーパーでも同罪でしょうか。大相撲の八百長も相撲という業務に
対する偽計業務妨害罪になるのでしょうか。調査を警察に依存し、「偽計」の拡
大解釈のきっかけを作った京都大学に私は批判的です。


2011.03.08(火)【出る杭は打たれる日本】(金子登志雄)

 カレル・ヴァン・ウォルフレンをご存知でしょうか。オランダ人のジャーナリス
ト兼大学教授で、優れた日本研究家です。細かいことを含めて、日本の知識人より
も、ずっと日本の実情に詳しい方です。

 知識よりも「ものの見方、考え方」に関心の強い私は、ネット上で彼の見解を知
り興味を持っていましたので、彼の新著『誰が小沢一郎を殺すのか』(角川書店)
を、さっそく購入し、土日に読んでみました。
   
  http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/404885089X.html

 日本国内での見方、米国からみた日本と違うヨーロッパ人からみた日本論・日本
人論ですが、根底には、日本人に対する愛情が溢れた良書でした。内容は、日本の
権力システムや米国への従属を徹底的に批判するものですが、よくもまぁ、日本人
を馬鹿にしないものだと、へんな感動を覚えてしまいました。

 彼が小沢氏をヨーロッパにも存在しないオバマ大統領以上の優れた改革派の政治
家だと高く評価していることはよく知られた事実ですが、小沢嫌いの皆様も、第三
者であるヨーロッパ人の見方を知る上で、たまには彼の著作をいかがですか。

 私の専門の法律でいうと、彼の主張は、西欧では法律は国民の権利を権力から守
るものとして機能しているが、日本では、条文内容も曖昧で、既成秩序を維持する
ためのツールとしてしか利用されていないとのことでした。

 先日、ある人に「日本の民主主義は、いま危機的状況にある」と画一的で金太郎
飴報道の大手マスコミ批判をぶちましたら、「これまでの日本は民主主義国家(法
治国家)だったのか」と反論されてしまいました。

 ウォルフレンさんも、同じように応えるかもしれません。日本は、法治国家とい
うよりも不文律の伝統(既成秩序や慣習)が支配する国だ(だから、改革派が力を
持つとスキャンダルを出して潰しにかかる。リクルートの江副氏もライブドアの堀
江氏もそうだ)というのが彼の主張でした。「出る杭」にもなれない力不足のわれ
われは心配無用のようですが………。

(参考:上記本105頁から財政健全化に対する彼の意見)
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 菅氏も日本も、財政赤字削減を重視する世界的な流れの被害者だと言えよう。そ
れはアメリカの富裕層を益する政治グループや経済理論に触発された主張であり、
日本のみならず、ドイツ、イギリス、オランダ、フランスでもきわめて強い影響力
を誇っている。
 だがいまの日本が必要としているのは独自の政策である。日本に特有な状況や、
国力を考慮したうえでの政策が必要なのである。赤字というのはもちろん好ましい
ものではないが、その削減は急を要する問題ではない。さまざまな変化によって複
雑化した国際社会や、国内人口の構造的な変化など、産業界が困惑するような新た
な状況が生まれるなかで、海外で考案された処方箋を日本に導入することは得策で
はない。なぜならこれらは現地においてさえも、いい成果を上げているわけではな
いからだ。
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2011.03.07(月)【故意と違法性の意識】(金子登志雄)

 何の証拠もない小沢氏の「政治とカネ」の問題で、ずっと偉そうなコメントをし
ていたお子ちゃま大臣(田中康夫氏の命名)の前原氏がとうとう「誠司とカネ」で
追い詰められ(これを「ブーメラン」というようです)、辞任を表明しました。

 問題となった外国人からの献金問題は、次の条文です。
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政治資金規正法22条の5
 何人も、外国人、外国法人又はその主たる構成員が外国人若しくは外国法人であ
る団体その他の組織(略)から、政治活動に関する寄附を受けてはならない。
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 前原氏が寄附者を「在日」の外国人だと知っていたとしても、「故意がない」と
の擁護の論調も多いようですが、これは法律的には、難しいように思います。
(献金され たことを実際に知らなかったのであれば別ですが)。

 刑法38条3項に「法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す
意思がなかったとすることはできない」と規定されていますし、日本の裁判所は刑
事犯罪に「違法性の意識」を要求していないからです。

 また、故意とは「事実を認識」していることであって、「わざと」という意味は
含まれないというのが明治時代からの裁判所の見解です。

 しかし、そうはいっても、私は、この問題に関しては、前原氏に同情的です。相
手は支援者で知り合いのおばちゃんであり、外国人といっても在日の方です。刑事
罰を課すほどの問題とも大臣を辞任するほどの問題とも思いません。

 そもそも、政治資金規正法から刑事罰を除外すべきだというのが私の主張です。
これまで何度も検察の恣意的運用で、検察が狙った政治家だけを逮捕し、「司法の
政治化・党派化」あるいは「検察国家」を推進してきた悪法だと思うからです。

 有能な政治家ほど、政治資金が集まるものです。そういう有能な政治家を潰すた
めにあるのが政治資金規正法になってしまっている現状をみると、小沢氏の場合と
同様に前原氏に同情してしまいます。

 ただ、もう1つの暴力団筋からの偽装献金問題は、悪質で、こればかりは同情で
きません。石川裁判の期ずれなどとは比較にならない不祥事です。菅・前原応援団
の大手マスコミも(注)、こればかりは、かばいきれないでしょう。
 
 偽装献金問題については、前原・野田・蓮舫氏とも、「返金する」と応えていま
すが、問題先に返金するよりも福祉団体にでも寄附した方がよほど政治家らしいと
思うのですが、なぜそうしないのかと、いつも不思議に思います。

(注)同じ問題につき、大手マスコミとネットで、こんな違いがあります。どちら
  か一方のみでは、正しい判断ができないわけです。
 (共同通信・読売もこれでした)
  http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011030501000354.html
 (フリー記者)
  http://tanakaryusaku.seesaa.net/article/189056760.html


2011.03.04(金)【ずばり講義】(金子登志雄)

 昨日は、東京司法書士協同組合主催の上記『ずばり解説!………』出版記念の
会社法の講義を行いました。会社法ブームが落ち着いたこの時期にしては、まぁ
まぁ盛況で、ほっとしました。

 質疑応答の際に、100%子会社が親会社を吸収合併する場合について質問さ
れました。

 こういう合併も、たまに存在しますが、親が有する子の株式が合併後に自己株
式になるので、それを合併後に消却するか、あるいは同時に合併対価として利用
するかのどちらかであり、それ以外は普通の子会社同士の合併と大差ないと返答
しました。

 なお、講義の際に「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第15条
第2項の規定による届出は、平成〇〇年〇〇月〇〇日受理された」の根拠は、商
業登記規則110条だと話しましたが、次の内容です。
------------------------------------------------------------------------
第110条 (合併、会社分割又は株式移転による登記の申請書の記載)
 合併、会社分割又は株式移転につき私的独占の禁止及び公正取引の確保に関す
る法律 (昭和22年法律第54号) 第15条第2項、第15条の2第2項若し
くは第3項又は第15条の3第2項の規定による届出をした場合においては、合
併による変更若しくは設立の登記、吸収分割承継会社がする吸収分割による変更
の登記若しくは新設分割による設立の登記又は株式移転による設立の登記の申請
書には、届出をした年月日を記載し、………なければならない。
------------------------------------------------------------------------


2011.03.03(木)【裁判傍聴記】(金子登志雄)

 渡部さんは何ごとにも熱心ですね。私は高校生の頃、前橋地裁で、ある刑事裁判
を傍聴したら、ドアが何センチ空いていたかなどということを延々と議論している
場面で、すっかりばかばかしくなり、興味を失いました。

 裁判の傍聴記をネットでみることはあります。ちょうどいまは、小沢秘書だった
石川議員の裁判が始まり、その傍聴記がネットに登場するようになりました。

 http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/02/post_738.html

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 大久保さんに不動産会社に土地の購入を1月まで延期するように言ってもらった
が、不動産会社に断られた。だが、不動産会社に紹介された司法書士は、10月29日
は仮登記にし、翌年1月を本登記にすれば正式な所有権の移転は1月7日になると
言われた。司法書士は法律のプロなので、(それを疑わずに)「そうしてほしい」
と言った。
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 この不動産会社とは、仲介者ではなく売り手です。対象の土地は畑で、農地(農
地委員会への届出や許可がないと所有権を移転できない)だったのですが、市街化
区域だったので届出で済み、年内に所有権を移転しようとすればできたが、司法書
士のアドバイスで、原則どおり「仮登記→本登記」にしたということでしょうか。

 いまになってみれば、司法書士のアドバイスが政治史を変える事件になってしま
いましたが(おお、こわい!)、私が担当司法書士でも、売買両当事者から「代金
は前払いしておくが、所有権移転日は1月にしたい」といわれれば応じたことでし
ょう。石川議員にも、司法書士にも、法律上も道義上も、問題はないと考えます。

 その他の人の石川裁判傍聴記などを読んだ限りは、どうも、われわれの確定申告
と同様に、提出直前に突貫工事で石川議員が陸山会の政治資金収支報告書を作って
いたようで、小沢氏と相談して、コトを進めるほど、緻密にはやっていなかったよ
うです。ましてや、石川秘書は他の仕事も兼任で忙しかっただけでなく、「簿外」
の意味も知らないほど会計の素人でしたから(ひょっとして、「農地=仮登記」の
意味も知らなかったかも)、これでは、小沢氏との共謀の余地もなく、検察審査会
による強制起訴の前提が崩れてしまったようです。

 それでも、民主党は小沢氏を問答無用の「党員資格停止処分」にしました。規定
によると最長6カ月間という制度のようですが、今回に限り、裁判の結果がでるま
での無期限のようです。民主党執行部自体も、魔女狩りをしており(朝日新聞が菅
さんに勧めたといわれています)、これで法治国家の政権党といえるのかと、実に
情けない思いです。

(注)ジャーナルの傍聴記に「石川氏の女性秘書がダマし聴取された時の様子」と
ありますが、これは次(週刊朝日記事)のことです。
  http://honnosense.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/post-7dd4.html


2011.03.02(水)【法廷傍聴−東京出稼ぎ外伝−】(島根・渡部浩義)

 “東京出稼ぎ3部作”の最終章です。

 最近は、北尾トロ氏らの著作等により裁判傍聴が一種のブームのようですが、
平日の上京の折には時間があると、仕事の後に、書店、文具店、美術館めぐりと
並んで裁判傍聴も私のお決まりのコースのひとつです。やはり東京の裁判所の事
件量には圧倒されます。どうしても地方では体験できないボリューム、事件種類
があります。

 結婚して間もないころ、家内と上京し、都内観光の合間に、「帝国ホテル」に
は案内できそうになかったので、日比谷公園をはさんだ反対側の「裁判所」に案
内したことがあります。

 「裁判所ってこんなに簡単に入れるの………。」と、当時アフリカの奥地にも
行こうとしていた家内が、庁舎内廊下で耳打ちしました(まだ、オウム事件の前
だったので、現在のような入口でのボディ・チェック、持ち物検査もありません
でした。)。

 また、何気なく入った地裁刑事合議法廷が、「殺人罪」の審理法廷でした。い
かにもそれらしい(?)雰囲気の被告人が手錠に腰縄のスタイルで入廷してきて、
傍聴席にいる私たちを睨んでいます。完全にビビッていた家内でしたが、起訴状
朗読後、審理が進むにつれて次第に事件内容がつかめてきたのか、相当に熱心に
メモまでとり出しました。

 その後、地下の食堂で“ちゃんぽん”などを食しながら、「ひょっとしたら、
私も犯罪者になるかもしれない。」と、家内が一言。「そう、いろんなことが紙
一重のような気がする。」と、私。 そんな会話をしたような気がします。

 世の中が変わって、私も訴訟代理人として簡裁の民事法廷に立てるようになっ
てからは、その法廷傍聴の意味合いも「人間観察」、「世の様子の観察」にあわ
せ「法廷技術の見学」の意味合いも出てきました。

 このたび傍聴した東京簡裁での初老の「原告代理人」氏は激しかった! ドア
の開閉からはじまって、法廷内での言動、立ち振る舞い、どれも本当に「ケンカ
腰」なのです。被告消費者金融会社の担当者も苦笑い、裁判官も憮然としていま
す。よくよくみると原告代理人の胸のバッジは同職ではありませんか。

 そういえば、金融会社の担当者に連日電話で怒鳴られていた、ほんの10年前
の頃のことなども思いだされてきました。今では立場がいよいよ完全に逆転して
いるようです。

 平素は山あいの簡裁で、裁判官や書記官から手取り足取りの訴訟指揮、アドバ
イスを受けながらのどかに「代理人」をしている者にとっては、少々刺激の強す
ぎる「原告代理人」氏を目の当たりにした今回の法廷傍聴でした。

 私たち司法書士、大丈夫でしょうか………? なにか、「紙一重」のような気
もします。 
 

2011.03.01(火)【年齢と商業登記】(金子登志雄)

 島根の渡部さんは、まだ40代半ばでしたか。若くてうらやましい限りですが、
私も、ついこの間まで同じ年代でした。
 「え?」と思われるかもしれませんが、17年前なんて、つい昨日のことのよ
うに思い出せます。あれから1日しか経っていないのと同じです。

 年齢といえば、代表取締役の就任承諾書に添付される印鑑証明書で、われわれ
司法書士は、その代表者の年齢を知ることができます。

 昔は、私より年長者が社長になっていたのに、最近では私の弟の年代の方が代
表者になるようです。時代の趨勢なのか、なぜか、不思議です。

 私の方が年長のせいか、商業登記についても、コンサルしやすくなったように
感じています。やはり、商業登記は、ある程度の年齢を経ていたほうがよいので
しょう。私は、ウエスト周りも十分にありますから、顧客の社長に負けない貫録
もついてきたようです。

 年齢を経ることは、商業登記の仕事では、決してマイナスではありません。

 商業登記ではありませんが、この方は63歳の誕生日になっても、元気いっぱ
いでした。

  http://www.tokyo-sports.co.jp/hamidashi.php?hid=12097

 もうすぐ(3月5日)誕生日の三宅雪子さんのブログによると、彼女のお母さ
ん(石田博英の娘)は「田中真紀子さんとサッチーとデビ夫人と細木数子さんと
和田アキ子さんを足して5で割って×10した感じ」の貫禄だそうです。ぜひ、
ご意見番として、テレビにでも、ご登場いただきたいものです(三宅さんは表現
力がありますね。毎日のブログの更新も自然体です)。

 http://yukiko-miyake.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-da19.html


2011.02.28(月)【『本棚』−東京の仕事のその後で−】(島根・渡部浩義)

 テレビのニュース番組等で、専門家が本棚(書架)の前でコメントを述べるとい
うのは“お決まり”ともいえるスタイルですが、この瞬間、私はこの先生が何を述
べるかということより、その画面背景に映し出される本棚にある書籍の背表紙の方
に注目がいってしまいます。

 「このセンセイ、どんな本読んでおられるんだろう・・・」と。

 実際に読んだか否かは別として、その本を自分の本棚に並べるということは、そ
の人、その時々の指向(嗜好)や興味、流行を如実に表わすことにほかならないよ
うな気がします。

 また、たまに書架の入れ替えをすると、『以前はあんなこと考えていたのだ、こ
んな分野に興味を持ってたんだ・・・』と、その時々の自分自身の移ろい(?)を
感じ、気恥ずかしくなってしまうことも多いのですが。

 公私にかかわらずよそ様を訪問させていただき、通された部屋に「本棚」がある
と失礼ながら自然とそこに目が向きます。いやらしい気もしますが、人様の本棚に
興味をひかれるのは私だけでしょうか。

 「東京の仕事」も終わり、つかの間の開放的な気分に浸りながら足は自ずと『丸
善丸の内本店』に向いていました。目的は、その4階にある松岡正剛センセイ監修
の『松丸本舗』(注1)の「本棚」を見に行くことです。

 (注1)松丸本舗 http://www.matsumaru-hompo.jp/index.html

 松岡セイゴオ氏については、今さら私ごときがコメントさせていただくまでもな
く、現在を生きる知の巨人の一人であることは誰もが認めるところでしょう。同氏
の手にかかるこの『松丸本舗』の本棚に囲まれた空間にはじめて身をおいたとき、
私は間違いなく“身震い”がしました。 

 『しばらくココにいたい!島根に帰りたくない!』

 比較するのもおこがましいかぎりですが、あまりにもうちの、私の本棚が貧相に
見えました。齢四十を越えていつまでも、『●●術』や『〜しなさい』の類の本、
法律関係書一辺倒のものを嬉々として本棚に並べておく場合ではないのです。

 今まで「本棚」をして、「私バカです(もっとも、利口でもありませんが)、さ
して何も考えてもいません。」と外に向かって開けっぴろげに言っていたようなも
のだったと気づかされ、ズカーンと頭を後ろから殴られたような衝撃さえ覚えまし
た。

 『うちにもカッコイイ「本棚」を作りたい!』

 以来、上京の機会があれば、目の保養と参考のための『松丸本舗』通いが続いて
います。「本棚を写真に撮っていいですか?」と女性スタッフの方に尋ねれば、
「どうぞご存分に。」との笑顔での答え。参考写真も数知れず。模倣から本物は生
まれます、きっと・・・。

 田舎の住まいのこと、幸いにして「本棚」を作るスペースはわが家にもあるので
す。あとはひたすら本の選定眼を養い、読み、はたまたそれを支える資力を涵養す
ることでしょうか。鬼に笑われながら、あと15年ほどで私にも還暦がやってきま
す。おそらく、すぐです。 


2011.02.25(金)【その他資本剰余金】(金子登志雄)

 「その他資本剰余金」を配当原資に利用できるのかという質問を受けました。

 本欄を閲覧している方の中には、「何だ、それは?」と思った方もいらっしゃ
るでしょうが、平成13年10月の商法改正以降に認められた資本性の勘定科目
です。

 それまでは、資本金を減少すると減資差益は「資本準備金」になるとされてい
ましたが、いまは、この「その他資本剰余金」になるとされています。自己株式
の処分差益も同じです。
 言い換えれば、資本性の剰余金(資本剰余金)は、「資本準備金」と「その他
資本剰余金」に分解しました。

 ややこしいのは、会社法の条文で「剰余金」というときは、「その他資本剰余
金」と「その他利益剰余金」のことで、準備金を含みません。会社法では、「資
本金、準備金、剰余金」という分類しかないのです。

 会社計算規則で、会計基準に従い、「資本金、資本剰余金(資本準備金とその
他資本剰余金)、利益剰余金(利益準備金とその他利益剰余金)」という分類が
登場します。

 したがって、会社法で「剰余金の配当」とあるときは、「その他資本剰余金」
を配当することを含むわけです。

 資本性の勘定は、もともと株主が出資したものですから、その他資本剰余金の
配当は、自分で積み立てた預金を下ろすようなもので、儲けの配当にはなりませ
ん。資本金や資本準備金が減るわけではないので、債権者保護手続は不要です。

 講演の際に、私は資本金と準備金は定期預金であり、下ろすときに銀行(債権
者)の承認がいるが、剰余金は普通預金だから、いつでも自由に下ろせると話し
ていますが、ニュアンスは通じたでしょうか。
 

2011.02.24(木)【東京の仕事】(島根・渡部浩義)

 すこしいやらしい題名そして内容となりますが、「東京」で仕事をさせてもらい
ました。

 朝、10時30分に東京駅丸の内北口を出て、周辺2kuの範囲を3時間ほど歩
いただけで、私が平素、ひと月以上かけても稼がせてもらえるどうかというような
私にとっては高額な報酬を頂戴しました。本当にありがたいことです。
 
 何がありがたいといえば、物事がすべてビジネスライクに進むことでしょう。
私の日ごろは、認印ひとつ貰うにも依頼人宅まで出向き、この頃の天気はどうだの
農作物の作柄がどうだのといった社交辞令の挨拶に始まり、出されるお茶を延々と
頂きながらの依頼人であるおじいさん、おばあさんの世間話に付き合い、ようやく
署名・調印となる日常であることは以前にも書いたとおりです。

 丸の内界隈では時間術のビジネス書あたりに解説してあるように、本当に15分
単位で皆さんのスケジュールが動いているのですね。このたび訪問させていただい
た方々は、「では、○時15分に。」、「▲時45分はいかがでしょう。」と時間
を指定してくださいました。(本に書いてあるとおりだ・・・・(喜々!))

 そして今回は、東京駅周辺の新しいオフィスビルばかりを訪問させていただきま
したが、これがまた“おのぼりさん司法書士”にとってはスリリングなのです。
最近のこうした建物は、代表受付が上層階にあり、そこでパス(通行証)を貰って
それでゲートをこじ開け、別エレベーターで下層部にあるオフィス階へ下っていく
“訪問者知能お試し「迷路」方式”が採用されているのですね。

 「島根さん(私のこと)、行きはよいよい、帰りは怖いですよ・・・」と、件の
パスをかざして開けるゲート前でおろおろしていた私に親切にしていただいた守衛
さんに声をかけられました。文字通りの“コンクリート・ジャングル”でこそ、初
対面の方とのコミュニケーション能力は必要のようです。(その能力をくれた、両
親に感謝したいと思います。)

 その後も、目的のオフィス階層の面談ブースにおいて、私の前で繰り広げられる、
NHK『サラリーマンNEO』や、ホイチョイプロの『気まぐれコンセプト』に出
て来るような光景の連続にワクワク・ドキドキの数時間でした。

 一方で思うに、普段私が田舎での営業で頂いている報酬というのは、日常生活に
おいて人交じりが難しく、外部情報も少なく寂しい依頼者の『話伽(はなしとぎ=
話し相手)料』ではないかというような気が改めてしました。
 どこかで聞いたことのある、寂しい老人相手の訪問販売型の悪徳商法と基本的に
同じビジネスモデルのようです。


2011.02.23(水)【『ガイドブック会社の計算』】(金子登志雄)

 18日の金曜日は、神奈川県司法書士会主催の「登記法務学校」で、会社計算規
則を中心とする会社法の講師を務めました(研修担当の皆様、その節は、たいへん
お世話になりました)。

 会社計算規則の実戦的な内容を主に話しましたので、ひょっとして難しかったか
もしれませんが、おおむね好評だったようで、ほっとしているところです。

 しかし、「欠損と損失の相違」「分配可能額の計算」「抱き合わせ株式の消滅損
と簡易合併」などメジャーな論点については、まだまだ十分に浸透していないこと
もわかりました。専門の会計士さんや税理士さんですら、曖昧な理解しかしていな
い現状ですから、司法書士だけに詳しくなれといっても無理でしょう。

 そんなとき、今月は『ガイドブック会社の計算(M&A編)』という会社の計算
の入門書が商事法務から出版されました。

http://thumbnail.image.rakuten.co.jp/s/?@0_mall/book/cabinet/7857/78571844.jpg

 著者は立法にも関与した小松弁護士と和久会計士のお2人ですから、さっそく購
入して、ただいま半分ほど読んだところです。会計基準と会社計算規則の関係につ
き十分に記載されていますので、会社の計算に関心のある方には、お勧めです。

 ただし、我田引水ですが、会計基準に親しんでいない弁護士・司法書士の法律関
係の方は、下記『これが増減資・組織再編の計算だ〔第2版〕』を十分に咀嚼して
から、『ガイドブック』をお読みした方が抵抗も少なく理解が早いと思います。

http://thumbnail.image.rakuten.co.jp/s/?@0_mall/book/cabinet/5029/50298530.jpg

 思い出せば、会計士の有田さんの協力を得て、会社の計算についてはじめて出版
したのは平成19年11月でした。当時は、会社の計算に関する入門書もない頃で
したが、計算ど素人の私が、あの難解な計算規則を推理でよく解読できたものだと
今更ながら自分を褒めてあげたいくらいです。

 『ガイドブック』についても、私の推理に誤りがなかったかの検証を兼ねて読み
始めたわけですが、半分ほど読んだ段階では、1つも間違っていなかったようです。
安心して『これが〜』をガイドブックの前座としてお使いください。


2011.02.22(火)【獅子身中の虫】(金子登志雄)

 先週は、民主党衆院比例区選出の16人が「民主党のマニフェストで当選させて
もらったので、公約破りの菅政権をこれ以上支持できない」と会派離脱届を出した
ニュースが大きく取り上げられていました。
 
菅政権支持の大手マスコミは、さっそく「小沢氏系造反―異様な行動に理はない」
(朝日新聞社説)などと、相変わらず人間関係の政局問題に歪曲していましたが、
ネット上では、逆に16人の決断を支持する意見のほうが多いように感じました。

 菅執行部にとっては、とんでもない「獅子身中の虫」の登場ということになるの
でしょうが、「我らこそ国民との約束を守る本来の民主党」を名乗る16人にして
みれば、菅執行部のほうが真正民主党の理念を放棄した「獅子身中の虫」というこ
とになるのでしょうか。

 さて、金曜日は、別のところの「獅子身中の虫」に2時間以上も苦しめられてし
まいました。先週の14日からはじまった新オンライン申請システムに巣食う小虫
です。

 20項目以上もある事業目的を記載したのですが、何度繰り返しても、半角があ
るためエラーの表示がでるのです。従来であれば、「.、。」などが半角になって
いたとか、「イロ ハ」と「ロ」と「ハ」の間に半角スペースが紛れ込んでいたと、
すぐに発見できたものですが、今度ばかりは、何をしてもだめでした。

 時間切れであきらめ、他の者にバトンタッチしたところ、すぐに原因がわかりま
した。下記の●部分に半角スペースが紛れていたのです(従来のシステムでは、こ
の部分は無関係だったのでは??)。同業の皆さんは、お気をつけください。
--------------------
「目的」
●1.・・・・・
●2.・・・・・
●3.・・・・・
 (中略)
10.・・・・・
11.・・・・・
--------------------


2011.02.21(月)【後見人と横領】(島根・根来川弘充)

 成年後見制度がはじまって10年が経過しました。

 法定後見人は、判断能力がない方のために財産管理や身上監護を行うことを職
務とし、家庭裁判所によって選任され、また監督されます。

 主に認知症のお年寄りが利用することが多く、後見人には実際に身の回りのお
世話をしている親族がなるケースが多いです。

 お年寄りの財産を守るために後見人がついているのですが、昨今、後見人によ
る横領事件が増えており、その対策としてか、監督機関である家庭裁判所は、刑
事告発をどんどんするとの方針を打ち出しているのだそうです。

 しかし、実際は、横領なのかそれとも本人のために使ったものなのかの判断は、
非常に難しいだろうと思います。

 「疑わしきは告発」へ

 どこかで聞いたなあと思っていましたら、このサイトで、金子先生が書かれて
いる小沢議員の起訴の話と一緒ですね。
 これで本当に正しいのか疑問に感じています。


2011.02.18(金)【株式の併合と分割】(金子登志雄)

 @「3.3株を1株に併合することは可能か」という司法書士からの質問があり
ました(今度の『ずばり解説!………』に所蔵)。
 
 皆さまはどう思われますか。
続いて、次はどうですか。

 A3.3株を2.2株にすることはできるか
 B2.2株を3.3株にすることはできるか

 結論は、いずれも可能です。

 @は、33株を10株に「併合」するのと同じ。
 Aは、33株を22株に「併合」するのと同じ。
 Bは、22株を33株に「分割」するのと同じ。

 このように整数比に直すと理解しやすいですし、「併合」か「分割」かは、単に
数を減らすか、増加するかという差でしかありません。1株を1.1株にするのは
「分割」であり、1.1株を1株にするのは「併合」です。

 株式分割といえば、昔、ホリエモンのライブドアが1株を100分割し、錬金術
だと批判されていましたが、ホリエモンによると「株式市場の民主化」だったのだ
そうです。1株当たりの単価が安くなれば、庶民も投資に参加しやすくなりますか
ら、この見解には一理あります(現在は証券取引所自体が売買単位の引下げを推進
しています)。

 さて、土日がたいくつでヒマな方は、次の岩上チャンネルにある2月15日のホ
リエモンへのインタビューなどいかがですか。社会批評として面白い内容でした。
こういう優秀で希有な人材を包み込む度量が日本社会に欠けていることが残念です。
  
     http://iwakamiyasumi.com/archives/date/2011/02


2011.02.17(木)【短い言葉の弊害】(金子登志雄)

 『目からウロコ!そうだったのか!これが〜だ!』

 平成15年2月からはじめた、この本のキャッチコピーは大成功し、シリーズも
のになりました。

 各地の講演会で司法書士の方から「これがシリーズ楽しみです。次は何ですか」
とよく聞かれたものですが、いまは目的を達して、弊害を感じはじめましたので、
やめました。

 最初の目的は、学者本や弁護士本に対する挑戦でした。それまでは司法書士が実
体法の本を出すことがなかったので、富田氏たちと相談し、出版を考えはじめたら、
某出版社から、いわれてしまいました――「いま、商法の本がどれだけ大量に出て
いるのか知らないのですか。(リストを出して)これだけですよ。いまさら出して
も売れるわけがないじゃないですか」。

 要するに、「東大教授など偉い学者や著名な弁護士たちが大量に商法・会社法の
本を出しているのに、いまさら司法書士風情が本を出して売れるわけがないじゃな
いか。身の程を知ったらどうか」と、いわれてしまったわけです。

 この無礼者のいうことなど十分に承知していましたから、「従来の学者の本は役
立たないぞ。これこそが本物の実務本だ」という挑戦を込めて、最初の本に「これ
が新商法だ!」と名づけたわけです。挑発のしすぎで、生意気かなと思い、「これ
が新登記だ!」を追加し、題名を和らげましたが、中央経済社も、この題名をよく
受け入れてくれたものです(担当者が実力者だったのが幸いしました)。

 表紙も私が考えました。まるで「週刊誌の吊り革広告」のようだといわれました
が、新しい表紙のスタイルだと、好評でした。
   http://bookweb.kinokuniya.co.jp/imgdata/large/4502907502.jpg

 この題名の挑発が効いたのか、対話調がわかりやすかったのか、表紙がよかった
のか、はたまた内容がよかったのか、おかげさまで、実務書にしては大変なヒット
になりました。

 それでシリーズ化したわけですが、だんだん知名度が上がってくると弊害を感じ
はじめました。アマゾンの読者コメントに、次のようなものが登場しました。
--------------------------------------------------------------------------
 題名と装丁でどこか怪しげな雰囲気があったので購入をためらったが、ところが
どっこい、他のどの新会社法関連の書籍よりもわかりやすくて感動した。
--------------------------------------------------------------------------

 この「どこか胡散臭さ」のために、大企業の法務部や学者・研究者が購入しよう
としないことに気づいたのです。

 いまは『親子・兄弟会社の組織再編の実務』から、いかにも「真面目そうな本」
の体裁を採用していますが、司法書士や税理士、弁護士以外の読者(企業法務部な
ど)も買ってくれるようになりました。実務書のため、学者・研究者が買ってくれ
ているのかは、いまだ不明です。


2011.02.16(水)【短い言葉の力】(富田太郎)

 「一生懸命やって、能力ないのが一番タチが悪い(怒)!」
やはり、金子先生のご発言でしたか!(14日付徒然参照)

 実は、当ESGの代表である金子センセには数々の名言? 迷言? キャッチ
コピーがあります。

 ★金子語録★
 『一生懸命やって、能力ないのが一番タチが悪い』
 『顧客は、最良の教師である』
 『グループ再編手続なら任せろ!プロの極意!』(本のキャッチコピー)
 『目からウロコ!これが新増減資だ!』(本のキャッチコピー)

 いつも驚くのは、「キャッチフレーズ・キャッチコピー」が非常にお上手とい
うことです。

 一般に、人にアピールするには、
「コンパクトな言葉で、いかに表現するか!」ということがよく言われます。

 あの「小泉純一郎」元首相も数々のキャッチフレーズで、国民一般から人気を
勝ち取りました。

 ★小泉語録★
 『私の内閣の方針に反対する勢力、これはすべて抵抗勢力だ』
 『改革なくして成長なし』
 『人生いろいろ、会社もいろいろ、社員もいろいろだ』

 今読み返してみても、「名キャッチフレーズ」だと思います(但し、政治家と
しては嫌いでしたが)。

 これに対して、私の尊敬する「大平正芳」元首相は、一部有識者からは理論的
といわれていましたが(注)、やはり「短い言葉」でアピールすることができず、
国民からの人気はいまひとつでした。

(注)論敵だった共産党の不破哲三氏は「(大平の)国会での答弁にしろ、討論
会での発言にしろ、議事録を起こしてアーウーを抜くと、きちんと筋の通った文
章になっている。なかなか信頼できる協議相手でした。」と回顧しています。

 でも、これも「一つの才能」なのだと思います。
 私も、本につけるキャッチコピーを考えるだけで、1週間ぐらいかかってしま
います(涙)。

 こればかりは、もって生まれたものだから仕方がないですね・・・・。

 ちなみに、「金子語録」の中で一番嫌いな言葉は、
 『締切りは手形と同じですよ』・・・・です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 この言葉で、何度慌てたことか・・・・・(涙)


2011.02.15(火)【全共闘世代】(金子登志雄)

 大統領の辞任表明でエジプト情勢が少し変化してきたようですが、民衆が警官隊
に投石する姿をみると、不謹慎ながら、いつも思い出してしまうことがあります。

 40年ほど前(昭和40年代前半)、いわゆる「全共闘運動」など日本で学生運
動が盛んなとき、フランスの学生街(カルチェ・ラタン)でも同様に闘争が勃発し、
デモや警官隊に対する投石が激しく起こりました。

 しかし、子供の頃から野球で鍛えた日本の学生と違い、野球を知らないフランス
では、投石の命中率が非常に悪かったのだそうです。きっとエジプト人の命中率も
ひどいものでしょう。

 ところで、かつての全共闘運動に対しては、いまだに左翼運動と誤解している方
が多いようですが、その世代末期の私にいわせれば、あれは、一種の文化革命・意
識革命であり平和活動であり、一部の先端(連合赤軍など)を除いて、左翼運動で
はありませんでした。

 この世代は、ベトナム戦争世代でもありますから、平々凡々と学生生活を送るこ
とはベトナム戦争に加担していることになるという犯罪者意識があり、それが運動
の原点でした。「自己否定」という言葉が流行ったのも、その意識の裏返しでした。

 全共闘の闘士だった菅さんや仙谷さんが、いまや権力亡者になっていることをみ
ても、全共闘運動を左翼運動とみると本質を見失うと思っています。

 昨日の報道によると、元全共闘の闘士は、相変わらず小沢氏を党員資格停止処分
にしようと頑張っているようですが、闘士でなかった全共闘世代(現在の60代前
半)は、逆に、小沢問題を人権侵害問題あるいは民主主義の危機と捉えており、ネ
ットで呼びかけて、全国各地でデモをしています。若い頃からの習性で、マスコミ
の一面的な報道に危険な匂いを感じ、居ても立ってもいられないのでしょう。

 12日の大阪デモは下記でした。大手新聞とテレビ報道しか知らない方には、ま
さかの異様な光景に映ることでしょうが、ネットでは、珍しい光景ではありません。

http://www.ustream.tv/recorded/12637562#utm_campaigne=synclickback&source=http://sassanarimasa200.blog59.fc2.com/&medium=12637562


2011.02.14(月)【プロの礼儀作法】(金子登志雄)

 「一生懸命やって、能力ないのが一番タチが悪い(怒)!」

 あの温厚で羊のようなK氏が、こんな発言をするのですか、信じられませんと
いいたいところですが、Kこと私は、確かに発言しましたね。何年も前のことで
すが、Tさんも、よく覚えているものです。

 著作の本の顔である表紙をどうするかというときに、出版社の担当者が選んだ
デザイナーさんがあまりにひどく、著者が男で法律の本なのに、花柄模様の表紙
を提案してきたりしたので、「なぜ、こんなデザイナーを選んだのだ。何度やり
直しても、ピンボケの出来栄えじゃないか」と担当者にクレームをいいました。

 やり直しの効かない真剣勝負の世界に、お稽古ごとの竹刀(しない)で割りこ
まれた気分でした。

 ところで、八百長問題で大相撲が揺れていますが、もし、皆さんが関取で勝ち
越しているとき、いつもお世話になっている大先輩の関取が7勝7敗で皆さんと
対戦せざるを得なくなったとき、冷酷に勝負に打って出ますか。

 日本の村社会では、こういうときは黙って負けるのが美徳という部分がないで
しょうか。「ご配慮」です。

 しかし、この美徳にどっぷりつかってはいけないのです。相手もプロなんです
から、負けてあげることは、相手に対してたいへん失礼なことです。冷酷に勝っ
て、ここまで成長しましたと、「恩返し」するのも日本人の美徳の1つです。

 「一生懸命やって、勝てないのが一番悪い。そろそろ引退時だ」といってあげ
るのが、プロの世界の礼儀作法というものです。

 とはいいながら、相撲とか、われわれ個人事業主の世界では、プロに徹するこ
とができても、和や長幼を重視する村社会の会社などでは、こういう対応をする
と、「明日から来なくていいよ」といわれかねませんね。気をつけましょう。


2011.02.10(木)【表紙は本の顔】(富田太郎)

 土日は『楽学 商業登記法 改訂版』の校正を行っていました。

ところで、出版社といつも揉めるのは「本の表紙」です。

 『楽学 商業登記法』の初版本の表紙は、「おばさん?がスキップしている絵」
で、正直、ガックリくるものでした・・・(泣)。

 本業の激務の中、土日もなく、900ページにものぼる執筆の後、できあがっ
た表紙を見たときは、「今までの苦労はなんだったのか?」と泣きたくなりまし
た(号泣)。

 いつも雑誌に「近日発売」と出ながら、執筆が遅れに遅れる私は、出版社に強
く言える立場ではないのですが・・・、あの表紙だけは・・・・・(涙)。

 つまり、「本の表紙」とは「本の顔」なのです。

 あの植草甚一さん(注)は、あるエッセイの中で、
「表紙がよい本は中身もいいと思う。本を買う時、表紙が気にいって買うことも
少なくないのでは・・・。」
と書いていましたが、蓋し名言ですね。

(注)植草甚一(うえくさ じんいち、1908年8月8日 - 1979年12月2日)、
  欧米文学、ジャズ、映画の評論家。洒脱なエッセイは、一世を風靡した。

 「作家の文章」と「表紙の絵」で、本の価値がさらに上がる場合もあります。
有名なところでは、「山口瞳&柳原良平」「村上春樹&安西水丸」のコンビなど
は、まさに相乗効果で本の価値を高めています。

 ところで、以前、K氏という方が、本の表紙をめぐって、出版社の方と言い合
いをしているのをみたことがあります。

 K氏「この表紙はなんですか(怒)! △■●〜」
出版社「こんなに一生懸命やっているのに、そこまで言わなくてもいいじゃない
    ですか!」
 K氏「一生懸命やって、能力ないのが一番タチが悪い(怒)!」

・・・・・・・・・・・・・

 その後、出版社の方は、怒りながら帰っていきましたが・・・・。

 お互い信頼関係があるからそこまでいえるのでしょうが、まさにプロ対プロの
真剣勝負でした。

 あぁ〜。私も早く、K氏のように強く言いたいものです(きっぱり)!

・・・・・・・・・・・・・・

 その前に、『締切りを守れ!』ですよね・・・・(猛省)。


2011.02.09(水)【岡田式選挙と小沢式選挙】(金子登志雄)

 名古屋選挙で河村さんがあまりに勝ちすぎたためか、面白くない大手マスコミや
反対派から、早速、トリプル選挙は邪道だ(片山総務相)、ポピュリズム(大衆迎
合主義)だ(某大学教授)などという批判が起きているようです。

 しかし、あの小泉フィーバーも、小沢辞めろコールの魔女狩りも、みなポピュリ
ズムの結果であり、今回だけ、それをやり玉にあげても説得力はありません。

 選挙は勝たねばなりません。そこで、連戦連敗の(枝野)岡田幹事長式の選挙と、
連戦連勝だった小沢元幹事長式の選挙を比較すると、次のエピソードで雰囲気がわ
かると思います。

--------------------------------------------------------------------------
 アンチ小沢の急先鋒、時事通信の田崎史郎の見方が面白い。
 「岡田さんが地方回りで青森へ行ったとき、県連の人がぜひ食べてもらおうと、
わざわざ大間のマグロを取り寄せて準備していたそうです。しかし、やってきた岡
田さんは『私、コンビニでカロリーメイトを買いますから』と言って、箸もつけず
に帰ってしまった。
 小沢さんは岡田さんとは対照的に、どこへ行っても地元の人たちと酒を酌み交わ
す。だから、ある若手議員が言ってましたが、岡田さんには7回きてもらったけれ
ど、1回だけ来た小沢さんのほうが、はるかに効果があったと。小沢さんは、地方
へ行くと、その日集まって酒を飲んだ支持者の名前と住所を、後で全部教えてもら
うんです。それで全員に手紙をだす。そういう人を動かす上での配慮は、政治家に
とって一つの大きな力になります」(週刊現代2011.01.19/26)
(情報源)
   http://www.the-journal.jp/contents/futami/2011/01/post_33.html
---------------------------------------------------------------------------
 
 泥臭さを嫌う都会型の岡田さんやオリジナル民主党の菅さん、枝野さん達は、駅
前など人が大勢集まるところで、選挙民に訴える「風」任せの選挙を行うため、風
を吹かすマスコミを重視する傾向があります。マスコミ出身者が菅支持者に多いの
もこれでしょう(安住、生方、小宮山氏など)。

 これに対して、「頭は西洋人だが首から下は土着日本人」といわれる小沢氏の選
挙戦術は、田舎重視で、辻説法や握手など選挙民との直接接触を重視します。だか
ら、小沢支持者には野武士が多く、逆風に強いところがあります。

 河村流はおそらく後者でしょう。方言丸出しの河村さんに対しては、気楽に一杯
どうですかと誘えそうな親しみやすさが感じられます。河村さんに対抗できるのは
野球の星野監督しかいないといわれるのもわかる気がします。

 以上の話、商売の仕方に通じませんか。
 残念ながら、当事務所の営業は、岡田方式以下で、駅前で宣伝もせず、ただひた
すら長屋で傘を張りながら、お客様を待っているだけです。これでは、司法書士会
の役員にも当選しませんね。


2011.02.08(火)【民衆による政変時代】(金子登志雄)

 「名古屋の名物は手羽先だけじゃない、民主主義も名物にする」、選挙に勝利し
た河村市長の言ですが、さすがにうまいことをいうものですね。

 民主党王国の愛知県で6日に行われた名古屋市長選挙、愛知県知事選は、元民主
党の河村氏及び河村氏の支援する前自民党代議士の大村氏の圧勝に終わりました。
既成政党の神通力(じんつうりき)が全く及ばなかった選挙として象徴的な結果に
終わりました。

 河村氏は「税金を払うほうが苦しく、税金を食べる方が楽をする政治を根本から
変える」と減税を公約にしただけでなく、公然と国民生活第1の旗を掲げる小沢氏
を擁護する発言をしていたため、消費税アップや小沢氏排除を目指す菅政権には皮
肉な結果になりました。

 まさに、党派を超えた「名古屋・愛知の乱」(社民党前代議士保坂展人氏の言)
でしたが、今後は、各地方で、愛知・名古屋モデル、橋下知事の大阪モデルと、さ
まざまな地方自治のモデルが出現する切っ掛けになりそうです。再選はできません
でしたが鹿児島の竹原・阿久根市モデルも、別の地で復活するかもしれません。

 民衆のパワーによる政変としては、エジプト問題からも目を離せません。日本で
は、「民主化運動だとしても、イスラム原理主義者にエジプトが支配されたらたい
へんだ」という論調が多いようですが、いま、それに反論しているエジプト人のタ
レント・フィフィさんのブログがネットで話題になっています。

--------------------------------------------------------------------------
 野党であるムスリム同胞団の事が度々メディアで紹介される際に、この同胞団を
過激派とイコールに誤解して解説する人がいますが、ちゃんと勉強した上で話をし
ていただきたい。…中略…、ムスリム同胞団は孤児院や病院などを設立し古くから
民衆をサポートしてきた団体、組織であって、過激派とは全く異なる。むしろムス
リム同胞団をアルカイダなどのように扱って世界にその誤解を広めたのはアメリカ。
その方がアメリカに取って都合がよかったから。
   http://ameblo.jp/fifi2121/entry-10788441634.html
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 内情は知りませんが、愛知県や名古屋市の選挙では、国が民衆の求めているもの、
エジプトの政変では、国(ムバラク政権)やそれを支援するアメリカがエジプトの
民衆の求めているものに無頓着だったことに起因することだけは確かなようです。

 辛卯(かのとう)の今年は、時代の変わり目で、各国とも政変に揺れるのでしょ
うか。国民の目をそらすために、この時期に公表されたのではないかといわれてい
る大相撲八百長問題に、目を奪われないようにしたいものです。


2011.02.07(月)【雪降ろし】(2月1日執筆分、島根・渡部浩義)

 前回の投稿では西の雪国ののどかな日常の様子を投稿してしまいましたが、前回
の原稿投稿日から約10日後の現在、雪による私の周囲の様子は大きく変わりまし
た。(もっとも東北、北陸地方のご苦労には遠く及びませんが。)

 この10日間というもの、私はおよそ収入に結びつく仕事というものをしていま
せん。朝から晩まで雪をかまって(雪かきして)過ごしているというのが正直なと
ころです。

 ご承知のとおり、山陰地方はこの年末年始には記録的な大雪に見舞われましたが、
降雪被害の大きかった沿岸部はその後積雪もなくなりました。が、元々積雪地域で
ある私のいる山間部は、その後も断続的に降り続いた雪と低温気象で現在かなりの
積雪量になっています。最近では、昭和38年の豪雪に次ぐ積雪量ではないかとの
地元での話になっています。

 今週は、ようやく天気予報にもお日様のマークが現われてホッとしていますが、
先週末ごろには、自宅屋根のきしむ垂木の様子を見て、少し“危機感”さえ覚えて
いました。この日、月曜日と、わが家は家族総出で屋根の雪降ろしをしました。

 「経済効率」が叫ばれる世にあって、一銭の稼ぎも生み出さないこのような作業
を、小学生の子供から70歳を超えた年寄りまでが手をそろえて日がなやらざるを
得ない様子は、雪のない地域の皆様方にはいつものことながら摩訶不思議で、非効
率的な情景でしょうか。

 それでも、家族総出で雪降ろしのできる世帯はまだ良い方で、到底そうすること
ができない独居老人や高齢者世帯の堆く雪の積った隣近所の屋根を尻目に作業をし
なければなりません。時々そうした気の毒な家の中から、賑やかに作業している我
が家の様子を見上げられると、少し申しわけない気持になります。

 「あんたのとこは若さん(私のこと)にいい仕事があっていいな、うちには田舎
に仕事がないけん戻らせるわけにはいかんのよ・・・。」
 こんなことを近所のお年寄りからよく言われます。なんと応対したらよいでしょ
う。「司法書士になられたら。」とでも答えるべきでしょうか。

 最近は、雪降ろし中の転落事故のニュースが相次いで届きますが、そのおよその
ものが高齢者の方がほかに方法なく、家を守らんと屋根に上がられ事故に遭われて
いる痛ましい内容だと思います。

 昨夏は、お盆にあわせて「田舎の墓の手入れ」をこのコーナーでお願いしたよう
に思いますが(2010.08.18掲載)、冬には冬のお願いがあります。雪国に親御さん
や家族を残されている皆さん、近々にお休みがあれば家を見に帰ってあげてくださ
い。そこで目の当たりにされる様子を見てわかったり、思い出されることがきっと
あると思います。

 この春も、これ機会に雪国を後にされる世帯がまたいくつあるのでしょう………。


2011.02.04(金)【無理心中株式】(金子登志雄)

 『ずばり解説!事例で読み解く商業登記』での質問の中には、100%減資には
全部取得条項付種類株式を利用するものだと思い込んでいるものがありました。
 
 ここで100%減資といっても、資本金を0円にするだけでなく、既存株式の全
部を消却(消滅させること)する意味を含んだ概念です。

 たとえば、資本金1000万円、発行済株式の総数200株のA社があり、債務
超過で回復の見込みがないとき、ホワイトナイト(救済してくれる会社)としてB
社が現れたとき、Aの既存株主全員に責任をとらせ、発行済株数0株、資本金0円
にし、同時に、Bに新株を発行し、株数〇〇株、資本金〇〇円にするものです。

 このとき、A社の既存株主のうち1人でも、この減資に反対すると、株数0にで
きません。価値がないとはいえ、強制的に株主でなくさせることができないからで
す。

 ところが、種類株式であれば、最初からそういう内容を持った株式だから、株主
でなくされても我慢しなければならないとされ、こういう種類の株式を全部取得条
項付種類株式といいます。株主総会の多数決(特別決議)で、その種類の全株式が
会社に取得されてしまう内容です。嫌だという株主が存在しても、強制力があるた
め、私はあえて「無理心中株式」と呼んでいます。

 そこで、A社の既存株主のうち、この減資に反対しそうな株主がいるときは、既
存株式を全部取得条項付種類株式に変更して、強制的に株数0にしてしまうわけで
すが、A社の既存株主全員が最初からこの減資に賛成してくれれば、わざわざ無理
心中の準備をする必要がありません。株主全員が持株全部をA社に寄付し、自己株
式として消却すればよいだけです。

 株主数の少ない中小企業では、ほとんどのケースがこれで済んでしまいます。
「100%減資=全部取得条項付種類株式」との思い込みは、そろそろ捨てなけれ
ばならないということです。


2011.02.03(木)【用語に神経質になろう】(金子登志雄)

 上記のお知らせのとおり、東京司法書士協同組合刊で『ずばり解説!事例で読み
解く商業登記』を今月末に発行します。

 本書は、全国の司法書士から「商業登記倶楽部」に寄せられた質問に私が答えた
ものですが、質問内容をみると、改めて、用語の使い方が雑だなと感じました。

 (商業登記倶楽部=会員司法書士数百人の大組織)
   http://www5a.biglobe.ne.jp/~legal/public/STClub2.htm

 たとえば、新設分割なのに、「分割契約書」とか「承継会社」と使ったり(正し
くは「分割計画書」「設立会社」)、「その他資本剰余金」を「資本準備金」と表
現したりする例がいくつかありました。小会社(資本金1億円以下の株式会社)、
無増資合併(資本金を増加しない合併)などと旧商法時代の用語を使う方もいらっ
しゃいました。

 本欄閲覧の非司法書士の方は、「ふ〜ん」と思うだけで、他人ごとでしょうが、
皆さんも友人とのメール等で、時事問題を語るとき、「管首相、仙石元官房長官、
足利(あしかが)事件の菅谷さん」などと書いていませんか。

 いずれも、私が、本欄でワープロの変換ミスで間違ってしまった文字ですが、正
しくは「菅」、「仙谷」、「菅家」です。

 もの書きは、こういう誤字をすると、読者から非難され、内容まで価値が低くみ
られますから、結構、神経質です。そのための校正でもあります。

 昨日も本欄でTPPをTTPと書いてしまい、島根「県」司法書士会のお仲間か
ら、すぐに忠告が来ました。ありがたいことです。

 ちなみに、東京「都」司法書士会とはいいません。神奈川は「県」付きで、埼玉
は「県」なしです。名称ですから、深い意味はないでしょう。


2011.02.02(水)【検審起訴とサッカー】(金子登志雄)

 陸山会事件がとうとう起訴されました。31日に起訴されると事前に報道されて
いましたが、誰がリークしたのか、「情報管理」が全くなっていないという非難は
ともかく(株の世界では明らかなインサイダー取引ですね)、検事役の指定弁護士
の記者会見をみると、半身の構えで、辛そうでした。

 3人中2人からは、こんな発言がありました。
--------------------------------------------------------------------------
 「必ずしも、有罪だと確信したから起訴するのではなくて、起訴することが法令
で決まっておる。その中で、起訴しない条件はなかった、と判断したから起訴した
ということです」。

 「私も別に有罪を獲得できると思ったから起訴したというよりは、起訴が議決さ
れたから起訴した、ということではありますけども、」。

(文章)
http://astand.asahi.com/magazine/judiciary/articles/2011013100029.html?iref=chumoku

(録画=300Kをクリックする)
http://www.videonews.com/press-club/0804/001656.php
-------------------------------------------------------------------------

 検察審査会の起訴議決は、仮に議決後に無罪だと判明しても、起訴しないといけ
ないことになっているようです。制度の不備でしょう。

 マスコミでは「小沢被告」と呼び、実にうれしそうに悪人報道をしているため、
政治問題に明るい中高年に多い小沢支持者はさぞガックリきているだろうとネット
で支持者らしき方の意見を閲覧してみましたら、意外にも、「これで捜査や検察審
査会の疑惑が表に出てくる」と歓迎していました。そういう見方もあるのですね。

 私自身は、西松建設からの迂回献金問題も、水谷建設からの裏金問題も、検察の
徹底調査で嫌疑がないことに確定し、小沢問題の中心部分は終わっているだから、
単に帳簿の記載が1年ずれた程度のことで(仮に有罪でも主犯役の石川議員は罰金
刑程度でしょう。小沢氏については、さらに共謀共同正犯関係の立証という大きな
壁があります)、大騒ぎするのは、いい加減にしてほしいという意見です。景気対
策や消費税、TPP、エジプトの混乱のほうがよほど重大です。

 もっとも、ことの本質は刑事問題ではなく、小沢氏を代表するアジア重視の自立
派(反対派からいわせると反米・親中派)を裁判問題に押し込めて動きを封じてお
くのが目的で、有罪か無罪かはどうでもよいのでしょう。

 サッカーのようにフェアに戦えよというのは、スキャンダルが大好きで、みのも
んたさんをオピニオンリーダーとするワイドショー政治の日本では、まだ無理なの
でしょう。ちなみに、サッカー先進国のイタリアでは、首相に少女買春の疑惑が起
こっているのに、国民は平静のようです。私もイタリアに生まれたかった。

  http://www.cnn.co.jp/fringe/30001564.html 


2011.02.01(火)【「李」選手、お見事!】(金子登志雄)

 私が子供の頃は、野球全盛時代で、サッカーは流行っていなかったため、いまだ
にサッカーには疎いのですが、土曜日の深夜は、世の話題に遅れてはなるまいと、
アジアカップの優勝決定戦をみました。

 結果は、見事なチームワークで、途中出場の李忠成選手が左足でボレーシュート
を決め勝利しました。右利きなのに、左足で蹴るなんてことは、野球の世界からは
信じられないことです。お見事でした。

 スポーツは、政治家の世界と相違し、マスコミの横やりもなく、正々堂々と戦え
るので、みていて気持ちがよいものですね。と同時に、あんなに走り回って、格闘
技のようなぶつかり合いでは、想像以上に、たいへんなスポーツだと感じました。
30代前半までしかできないでしょう。

 ところで、李選手の李姓は韓国と中国(ベトナムにも)にある姓のため、どちら
のルーツなのかなとネットで検索したところ、韓国系4世で自ら日本に帰化したと
のことです。祖先の姓を日本名にするなど、若いのにりっぱですね。ソフトバンク
の孫社長も祖先の姓を誇りに、帰化しても孫姓を名乗っています。

 人種のるつぼである米国では、名前で〇〇系と分かりますから、日本でも、徐々
にそうなり、100年後あたりには、「スミス太郎」さんも「プーチン花子」さん
も、ご近所に登場することでしょう。

 ついでに、菅首相の「菅」姓を調べましたら、古くからある日本名のようですが、
秋田県では「スガ」さんになるようです。

 米国のレーガン元大統領は、大統領就任までは「リーガン」を名乗っていたのに、
「正しくはレーガンです」とご本人が言い出してから「レーガン」になりました。
菅首相も「正しくはスガです」と言い出しておけば、「空き缶」と呼ばれずに済ん
だのに、もう遅いですね。

 あれ、いつの間にか苗字の話に変わってしまいました。私は、国債の格付けどこ
ろか、サッカーにも疎いため、その話題は数行しか書けなかったということです。


2011.01.31(月)【ストーブ】(島根・渡部浩義)

 またしてもまったく司法書士業務には関係ありません。

 初めてパソコンを手にした20年前、「パソコンは湿気を嫌うので、部屋の暖房
はストーブは避けてエアコンで、ストーブの上に“やかん”をかけておくなんても
ってのほか!」とパソコンショップ(当時はそういった。)の店員さんに注意説明
を受けた記憶があります。

 そして今日この頃、パソコンも性能が格段によくなったのでしょう、あわせて私
がずぼらになったことも相俟って、今日も我が事務所のストーブの上では“やかん”
がシューシューいっていますが、私の愛機(パソコン)は何の変調もなく働き続け
てくれています。

 最近は“やかん”どころか、ストーブの上には“鍋”がかかるようになり、その
中身は、おでん、ビーフシチュー、ぶりの粗(あら)、カレー、ゆずの皮、牛すじ、
そう調査士の現場外業から帰ってからの職員さんとストーブを囲んでの『釜揚げう
どん』というのもありました。特にコトコトと煮込む料理は本当に上手に煮えます。
ファンヒーターではこうはいきません。

 こうして最近の渡部事務所は、コーヒーの香りはもとより日替わりで醤油やデミ
グラスソース、はたまたカレー等の香ばしい香りが渾然となって充満しており、
「ここは一体何屋さん?」の状態となっています。

 都市部のインテリジェントオフィスビルに事務所を構えられている同業の先生方
からは、「一体何やってんだ。真剣にやれ!」とあきれられるかもしれませんが、
こちらは最近、外は大雪。当方から顧客先に出かける以外には事務所を訪ねてくる
人もめったになく、およそ誰にも迷惑はかかりません。

 不景気、不景気と言われながらも、滞りなく灯油が買えて、ストーブにかかった
鍋から立ち上る湯気ごしに窓の外の降りしきる雪を時折眺めながら、暖かい室内で
の内業で何がしかの報酬までいただける喜びや、外業で芯まで冷えた体をストーブ
で炙り、南米あたりのコーヒーなどを温かくいただける喜びをいつにもまして感じ
ているこの正月です。日本に生まれてよかった。司法書士・調査士になれてよかっ
た。

 今年は、こんな身の回りの些細なことに幸福を感じながら生きることにしたいと
思います。本稿を打っているうちに、何となく今年の目標、過ごし方が見えてきま
した。『徒然日誌』、ありがとうございます。

 ちなみにある日は、母が手作り蒟蒻(こんにゃく)の灰汁(アク)出しをストー
ブのうえの鍋で始めましたが、このときだけはその強烈な匂いに耐えられませんで
した。主婦司法書士の皆様、コンニャクの灰汁出しだけは換気扇のある台所でやり
ましょう。


2011.01.28(金)【日本自由報道記者クラブ協会設立】(金子登志雄)

 金曜日は法律ネタのつもりでしたが、昨日、「お!」と思うニュースが飛び込ん
でまいりましたので、この話題に変更します(大手メディアでは、取り上げないで
しょうから)。

 昨日、フリーの記者が大手メディアの情報独占に対抗するため、「日本自由報道
記者クラブ協会」を設立したとのことです。

    http://diamond.jp/articles/-/10911
 
 かねてより本欄で取り上げておりましたが、日本は「情報独占社会」です。あち
こちに大手メディアだけが加入できる記者クラブ制度があり、官庁等で無料で場所
を与えられ、情報を独占してきました。記者会見もこの記者クラブ主催であり、官
庁側の主催ではありません。有名なニューヨークタイムズなどの海外メディアでさ
え、記者クラブ様に逆らうと記者会見にも出席できないのです。

 大手メディアは情報が欲しいから官庁と親しくなり(夜討ち朝駆けを含む)、時
たま情報のおこぼれを頂戴し、特ダネを手に入れ、官庁側は官庁側で記者クラブを
広報宣伝の場と考えるため、ここに持ちつ持たれつの癒着が生じ(いわゆるリーク、
世論操作)、マスメディアの本来の役割である権力の監視を怠ってきました。大手
メディアの情報が金太郎飴で、週刊誌やネット情報と相違するのは、このためです。

 番(バン)記者というのも、特定の大物政治家に近づき、かわいがられて情報を
もらう係ですから、権力者たる政治家批判など、もってのほかです。検察庁の記者
クラブは検察の応援団である従軍記者クラブだとまで批判されてきました。

 首相日程によると、12月23日には、首相が東京芝公園の日本料理店「とうふ
屋うかい」で、朝日新聞の星編集委員、毎日新聞の岩見客員編集委員、読売新聞の
橋本特別編集委員と会食しましたが、こういう慣れ合い関係も、海外メディアでは
あり得ないことです(ちなみに、末端の法務局職員は、司法書士と会食することさ
え避けています。これも極端ですが)。

 経済だけでなく情報の独占も禁止し、多様な情報を国民及び企業が知り、正しい
判断をしないと、日本の成長も日本経済の成長もありません。

 情報には独占禁止法は効力が及ばないので困ったものだと思っておりましたとこ
ろ、この「日本自由報道記者クラブ協会」の設立は、うまく行けば、日本を欧米並
みの情報の自由な国にする先兵になる可能性を秘めていると考え、私はビッグニュ
ースだと捉えたわけです。

 大手メディアは、新聞もテレビ局も支配しているため(海外では新聞社がテレビ
局を経営することを禁止しています)、フリーの記者の抵抗がどこまで届くかは未
知数ですが、日本の将来のためにも、応援したいものです。


2011.01.27(木)【司法書士試験追加合格】(金子登志雄)

 採点ミスで、追加合格者1名ということです。

 http://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00040.html

 この方の心境は、どんなものでしょうか。

 9月下旬の筆記試験の発表でがっくりしていたところ、突然、福の神が舞い込ん
できた思いか、あるいは、合格を確信していたのに不合格扱いされ、怒り心頭で自
分で再調査を依頼していたのか。
 いずれにしろ、結果がよければ、途中経過は許せてしまうものです。

 日本社会は、試験に関しては実に公平でオープンですね。試験委員の氏名どころ
か、最近では、試験内容まで法務省のHPで公表しています。

 出願者数が33,166名なのに、受験者数は26,958名で、6,208名
も戦わずしてあきらめたこともわかります(社会人の受験生でしょうが、受験料は
1人6,600円のため、4,000万円以上です。ああ、もったいない)。
  
  http://www.moj.go.jp/content/000062325.pdf

 これに対して、裁判(司法)は面子の塊です。国側の負け戦であることが明らか
でも、無理やり起訴や上訴し、面子を保とうとします。小沢氏秘書の大久保氏の西
松建設問題の裁判では、検察側の証人が検察に不利な証言をしたため、何と起訴内
容を変更(訴因の変更)し、別事件にしてしまいました。やり過ぎですね。

 司法書士試験追加合格者の方は、試験委員が面子にこだわらなくて、ほっとして
いることでしょう。おめでとう。

 同時に、過去に遡って採点ミスの調査をしないことを祈ります。私の知り合いの
あの人は、採点ミスで合格したとしか思えませんので………。私は大丈夫かなぁ。 


2011.01.26(水)【私の高価なコレクション本】(富田太郎)

 土日は、「楽学商業登記法」「まんが司法書士開業入門」(住宅新報社)の改訂
版の執筆作業をしていました♪

 著者にとって、改訂版までいくということは、ある程度売れたことになり、出版
社への責任も果したことになります。

 もっとも、改訂版が出されると、(私の書いた)初版本は、全く価値がなくなり、
アマゾンなどでは、100円ぐらいで中古本として売り出されたりします(失礼な
!)。

 高価な値段がつく、「有名な小説家の初版本」とは、大違いです。

 ところで、皆様は『高橋和巳』という小説家をご存知でしょうか?

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★『高橋和巳』(たかはし かずみ)★
 全共闘時代、カリスマ的な人気のあった小説家。1967年、京大文学部助教授に就
任。おりからの大学紛争のなかで学生側から支持を得るも、やがて心身ともに疲労
し辞職した。その後、39歳の若さで死去。

 作風は、屈折したインテリの苦悩を描いたものが多い。
 主な著作は、「黄昏の橋」「孤立無援の思想」「悲の器」など。
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 私は、高校時代から、『高橋和巳』の絶大なるファンで、多くの本を持っていま
す。なかでも、「黄昏の橋」「孤立無援の思想」の初版本を持っています!!

(聞いていますか? タカハシカズミの初版本ですよ!凄いでしょう♪)

 きちんと、表紙にラミネート加工をし、30年以上たった今も、きれいな保存状
態です。

 たいした財産など持っていない私ですが、これら初版本は名実ともに、私の価値
あるコレクションです(ニヤリ)♪

そんなある日、神田の古本屋街を散策していたところ、
なんと! 上記『高橋和巳の初版本』があるではないですか!

値段を見ると????・・・・・・・300円でした・・・・(汗)。

 そうですよね・・・。
今の時代、あんな固い内容の小説、読む人なんかいないですよね・・・。
 ・・・・・・・・・・

 別に、高くなることを考えて、所持していたわけではないのですが、
30年間大切に、(今や300円の)初版本を保存していた私って・・(号泣)。


2011.01.25(火)【書店街でネット文化に思う】(金子登志雄)

 通勤で降りる地下鉄の神田神保町駅から事務所に着くまでに、神田書店街(古本
屋街)を通過します。

 出不精で書店にすらめったに立ち寄らない私も、自著がいまどんな状態で販売さ
れているのかと、書泉グレンデと三省堂書店を覗いてみました。

 会社法書籍の棚に行きましたら、書名に「会社法」とつく教科書やコンメンター
ル的な書籍ばかり陳列され、「合併」とか「減資」とかの分野別の専門書的なもの
は、ほとんどありませんでした(あってもみつけにくい状態でした)。これでは売
れません。

 結果的に、アマゾンなどのネット書店で、「合併」「減資」などと検索して、目
指す書籍を購入することになります。これは、他のジャンルの本でも同じです。

 書店の「有限のスペース」とネットの「無限大の領域」との差は、いかんともし
がたく、街の書店の経営の先行きに他人事ながら悲観的になりました。ショーウイ
ンドウ機能さえ、ネットにかないません。

 同じことが「新聞」と「ネット情報」にもいえます。新聞のスペースは有限です
し、大手各紙がほとんど同じ記事で金太郎飴の情報ばかりであるのに対し、ネット
では、その新聞内容どころか、フリーの記者の情報、諸外国のメディアや地方新聞
のニュースなども閲覧でき、比較対象することができ勉強になります。
 
 若い世代は紙媒体の新聞を定期購読しませんし、中高年も最近の大本営発表の怪
しい記事やスキャンダル報道ばかりの既存メディアに嫌気がさして新聞の購読を止
めており、脚色のないネット情報に移っているようです。

 現時点の日本では、既存マスメディアのほうが力がありますが、諸外国では、ツ
イッターやフェイスブック等のネット文化が発達しており、チュニジアでは政権を
倒したほどの勢いがあったといわれています(「ジャスミン革命」)、いずれ日本
も、そういうネット全盛の社会になるのでしょうか。

 ネットで活躍するフリーの記者も増えてきました。有名どころでは、上杉隆、岩
上安身、田中龍作氏などですが、彼らは、よい仕事をしないと、読者の応援もなく、
取材費用の捻出もままならぬようですから、真剣です。
 われわれと同様に、明日の生活の保証もない自由業者ですので、頑張ってほしい
ものです。

(上杉隆)
 http://diamond.jp/category/s-uesugi
 http://twitter.com/uesugitakashi

(岩上安身)
 http://iwakamiyasumi.com/
 http://twitter.com/iwakamiyasumi

(田中龍作)
 http://tanakaryusaku.seesaa.net/


2011.01.24(月) 【今年もシャングリラ?】(島根・渡部浩義)

 子供達にようやく3学期が訪れました。
 いまさら言っても仕方がないように思いますが、最近は土曜日も休み。年末には
天皇誕生日が入るようになり、この冬休みは曜日と休日の配置からわが子たちは感
覚的には19日間もの長い冬休みでした。

 年末にいただきものの手帳を子供達に渡し、来年(今年平成23年)は、一体何
日学校の休みがあるのかと一緒に数えてみると、改めて驚くべき数字になりました。

 義務教育期間もわずかになった愚息に、この年末年始は私のルーチンワークを少
し手伝わせてみたのですが、漢字が書けない、数学ではなく算数ができない事には
本当に参りました。ひとえに親の責任です。

 「週休二日」や「ハッピィー・マンデー」が当たり前の時世ですが、いよいよ
「日本は本当に大丈夫かいな」と思います。世がシャングリラになると、そこに住
む人は・・・・。

 かくいう私も今現在あまり無理のできない体になってしまい、不甲斐ない姿しか
子供達に見せることができず、なんとも歯がゆいかぎりなのですが。

 そもそも特にこの田舎においてはもともと詰め込み教育などなく、“ゆとり”の
なかに生活があったのですから、あの時さらにゆとりなど必要はなかったと多くの
人が指摘するように私も今さらながらに思います。

 「うちのまちの公立学校は、かつての時代のように半ドン土曜日出校でいきます
!」なんて首長現れないものでしょうか。過疎の田舎にあっては、あるいは人口流
入(増加)の要因となる有力施策になるかもしれません。

 うちの子供どもよ、今年は父ちゃん、爺ちゃん、少々厳しいよ。 覚悟しておく
よーに。


2011.01.21(金)【資本金計上証明書の押印者】(金子登志雄)

 新設分割の登記では設立会社の資本金計上額を証する書面を提出しますが、この
書面は、設立会社の代表者が押印して提出するのか、分割会社の代表者が押印して
提出するのかという議論があるのを司法書士各位はご存知でしょうか。

 一昨年の3月までは、下記の書式で設立会社の押印でした。
   
    http://www.kaishasetsuritsu.co.jp/download/051.pdf

 ところが、会社計算規則の一昨年4月からの改正により、現在は、下記です。

    http://www.moj.go.jp/content/000057791.pdf

  (参考:新設合併の場合)
    http://www.moj.go.jp/content/000057790.pdf

 新設分割なのに新設合併のように「設立の登記の際に登記所に届け出る印を押印
する必要がある」という表現ではないため、分割会社が押印する書式になっている
わけですが、私は、これはケアレスミスだと思っています。本来は申請人たる設立
会社が証明するものだからです(商業登記法47条参照)。

 同じように、合併等で債権者から異議がなかった旨の証明書は、債務者たる会社
が証明するのか、申請人たる会社が証明するのかという議論もあります。

 しかし、よくよく考えると、どちらでもよいというのが私の結論です。なぜなら、
資本金計上証明書を分割会社が作成しても、債権者から異議がなかった旨の証明書
を合併消滅会社が作成しても、申請人たる設立会社・合併存続会社が提出しますか
ら、証明の主体は申請人になります。つまり、その証明文書(証拠品)を自己証明
で出すか、他社作成の証拠品で提出するかというだけの話です。

 では、なぜそんなどうでもいいことを書いたかというと、分割会社の証明書でな
ければだめだといわれたときに(現実に某法務局であったと聞いています)、反論
できないと困るからです。

 法務局から法務省掲載の書式をみせられて、「あ、そうですか。ごめんなさい。
すぐ直します」などという子供の使いをされてしまうと、他の司法書士に迷惑をか
けてしまいます。

(土日を前に、その他)
 団塊の世代の皆様、気になっていたわが世代を代表する粘り強い男は相変わらず
元気のようです。東スポに載ったようです。

 http://blog.goo.ne.jp/tarutaru22/e/12a5a1429941b712a6d9e386954260b5


2011.01.20(木)【衝撃のTPP解説】(金子登志雄)

 唐突にTPPが時事用語になりましたが、Trans Pacific Partnership の略
で、日本語では、「環太平洋戦略的経済連携協定」とも、「環太平洋パートナー
シップ協定」ともいわれます。

 環太平洋地域の協定参加国の関税等を全面撤廃し自由貿易にすることで、米国
の要請を受けて菅政権が参加を決意したこと。菅政権は、日本の農業には影響が
あっても、製造業には大いにメリットがあり、「平成の開国」になると宣伝して
いる。経団連も歓迎している………といった程度の知識しか私は持ち合わせてお
りませんでした。

 そんなとき、ネット検索で、下記を知り、視聴してみました。池上彰さん並み
の素人にも実にわかりやすい説得力のある解説に驚きました。要約版であり、短
時間(12分程度)ですから、ぜひ視聴してみてください。日本人論(国民性論)
にも通じるところがあります。

(中野剛志先生のよくわかるTPP解説)
 http://www.youtube.com/watch?v=RlyluxDfjMo

 要するに、結果的に日米2国間の関税障壁が撤廃されるだけで、日本には製造
業を含めて何のメリットもなく、ますますデフレが加速するだけだということの
ようです。逆にいうと、米国のメリットは甚大だということです。

 解説の後半にある「幕末、明治に外国の圧力で開国した日本は、その後、関税
自主権を奪い返すための戦いだった」というのは、歴史的事実でしょう。

 郵政民営化もその資金を必要とする米国の要求であり小泉さんがこれを推し進
め、反対派の亀井さんを切りました。パクリや政策の抱き付きが上手な菅さんは、
TPPで小泉さんの真似をして反対派を切り、米国の庇護で長期政権を狙ってい
るのでしょう。

 果たして、米国は本当に日本のよきお父さんなのか、日本にたかるダメ親父な
のか………。皆さんはどう思われますか。

 国益重視の国際舞台では、お人好しの拙速だけは避けてほしいものですが、い
まだに冷戦時代の発想から抜け切れていない日本の世論(自立した国になろうと
せずに長いもの=米国=には巻かれていれば安心という大手マスコミの論調)を
みていると、日本の将来に悲観的になってしまいます。 


2011.01.19(水)【解釈と運用】(島根・渡部浩義)

 昨年暮れから期限付解散決議の取扱いについて熱い議論が続いています。

 ESGの会友として末席をあたためているからではありませんが、問題の火種に
なった法務省の雑誌論稿や事務連絡の中に示された取扱い、またその取扱いにおよ
ぶにあたっての法の解釈、そもそもの連絡の発布方法にも昭和の司法書士合格者
(私のことです。)は、疑問を感じています。

 会社案件の取扱事件数も、実務情報も少ない田舎にいて、かねがね思うのはなぜ
まだ生まれて新しい『会社法』法制下においても、このように解釈や運用につき現
場が混乱するのかということです。

 もちろん、世にある法律や契約書の類に文言完璧なものなど存在しないこと、そ
れらが一人歩きを始めた瞬間からそれを扱う人によって、様々な解釈が発生しうる
ことは重々承知のうえでの疑問です。

 会社法が施行されてからようやく満4年と数ヶ月。私が存じ上げているかぎりで
も会社法立法担当の歴々は各方面でお元気にご活躍のはずです。その方々の「そこ
のところはこういう趣旨で条文規定を作りました!」の一言があれば会社法の『解
釈』についてはすぐに解決できないものかと考えてしまうのですが、あまりにも素
人の戯言でしょうか。

 また、そうした立法担当者にお出ましいただいてコメント願い、法の安定的な運
用をはかり、無用の紛争、実務界の混乱を回避せんとすることは、そもそも『三権
分立』の大原則にも反することになるのでしょうか。

 新しい法律だから解釈や運用に疑問や混乱が生じるのだ、という一般論もあるで
しょうが、制定施行後間もないだけに、立法者の立法趣旨を正確にトレースするこ
とが可能だと思います。
 
 あらためていうまでもなく法律は国民(実社会、実務界)のためあるはずで、立
法担当者の生の声で立法趣旨を聞いたうえで、国民(実務界)の側からみて、誤っ
ていたのは立法趣旨の方なのか、法律の解釈・運用の方なのか検証のうえ、法律そ
のものさらにはその運用が、国民(実務界)のためによりよく修正されることを望
みたいと思います。
 もちろん誰がその一連のトレース、修正作業をするのかという大問題はの残りま
すが。

 商業登記所を集約して会社法・法人関係法専従の職員さんを配置しなければなら
ない世の流れを目の当たりにするにつけ、また、私自身の会社法に対する体たらく
を省みるにつけ、結局、『会社法』になってその解釈と運用はますます難しくなっ
てしまい、生半可な取組みでは多くの者が会社法を使いこなすことができていない
という現実がここにあるように思います。


2011.01.18(火)【合併公告と貸借対照表】(金子登志雄)

 土曜日は仙台で会社法の講演でしたが(宮城県司法書士会主催)、信号故障で東
北新幹線が一時全面ストップし、えらい目にあってしまいました(仙台の皆さん、
ご心配をおかけしました。また、お世話になりました)。

 東京駅で2時間も足止めされ、復旧後は満員の自由席で立ったまま仙台に到着し、
電車内で予定していたレジュメのチェックも食事もできないまま1時間半も遅れて
の講義の開始でした。ヘビースモカーなのに、5時間以上も、禁煙の拷問を受けて
しまいました。

 さて、講義では、有限会社が株式会社に移行した直後に合併公告を掲載する際の
最終貸借対照表の掲載については、最終貸借対照表が有限会社時代のものだから、
「計算書類の公告義務はない」と記載することでよいのではないかという質問を受
けました。

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(例)22年9月末(決算期)  有限会社
   22年12月(定時総会) 有限会社(決算公告義務なし)
   23年1月7日      株式会社に移行
   23年1月11日     合併契約締結
 この合併公告で、最終貸借対照表をどう開示するか、開示不要かの問題
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 質問は受けませんでしたが、株式会社になってから1度も決算を迎えていないた
め、「最終事業年度はない」と記載してもよいという意見があってもよさそうです。

 しかし、これらはいずれも誤りです。有限会社の株式会社への移行は、株式会社
の新規設立ではありませんから(設立年月日は有限会社を継承する)、最終事業年
度は存在しますし、その最終事業年度の貸借対照表につき公告義務がなかったので
あれば、貸借対照表の要旨を合併公告に記載しなければならないからです。

 有限会社であれば「公告義務はない」と開示できますが、株式会社として合併公
告を掲載する限り、最終貸借対照表の開示が必要です。

 また、この合併公告は「合併公告+決算公告」の2つではなく、合併公告の中身
の1つとして最終貸借対照表のことに触れよ(例外として決算公告しているときは、
その開示方法として決算公告の頁の記載でもよい)という意味ですから、法定の決
算公告をしていないと